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【完全ワイヤレスイヤホン QCY T1 レビュー】厚い音でしっかり聴かせるQCYらしい重厚感重視の濃密な音。JAZZ向き。音質は良いが、手に入れた個体は通信品質が酷い

QCY T1

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おすすめ度*1

QCY T1

ASIN

B07J4J1L2W

 小型のハウジングは耳への収まりが良い。遮音性はそこそこ。音漏れは少なめ。

 aptXには対応しない。通信はやや不安定。個体差の可能性もあるが、左耳側がかなり途切れるのと、明らかに通信由来のノイズチックな音割れがする。この製品はレシーバーが右耳側のようなので、両耳の通信がうまくいってないようだ。

 これまで比較的品質の良いワイヤレスイヤホンを作ってきたQCYだけに、泡沫レベルの完全ワイヤレスイヤホンメーカーに劣る、この製品の通信品質にはかなりがっかりさせられた。たまたま不良品に当たったのだと信じたい。

 いちおう通信品質については、時間経過とともに改善が見られているように思うので、途切れ途切れなのを我慢して2~3日使い続ければ安定するかも知れない。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、専用充電ケース、日本語説明書。

 充電ケースは半開放タイプ。このタイプは衝撃でイヤホンが落ちやすかったり、充電電極が損傷を受けやすいところがある。製品品質に気を配るQCYらしく、ケースのイヤホン収納ドック部分は深くて固定感がしっかりしており、比較的脱落事故は少なそうに思うけれども、個人的には気になるところ。また深くイヤホンが収納されるため、指でつまみ出すのが少し難しく、取り出すのがやや面倒。全体としてケースサイズをコンパクトに収めているのは良いところではある。

 

QCY T1QCY T1

 

【2】音質

 音質的には、同じQCYの人気機種、Q30Q34などを思わせる重厚感のあるJAZZ向きの音。全体的に色味を抑えた太めの音。音の端は細かく、解像度的には価格を考えるとかなりの表現力を感じる。低域は深くはないが、中低域付近に厚みがあって地平線をしっかり形成する。ピアノ表現や弦楽は渋い方向の落ち着いた色合いで、ドラムセットの鳴り方も重厚さを重視している印象を受けるので、JAZZ向き。バランス的には中低域に厚いかまぼこ型。

 

[高音]:高域は突き抜け感はほとんどない。どちらかといえば、行って来いな天井を感じさせる音で、滞留して下方向に地熱を感じさせる(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:弦楽の色味は黒く鈍色の光沢感があって渋い。ピアノも表面の光沢を抑えた重めの音で落ち着いている。地平線付近に濃厚な密度を出す。ギターのエッジはどちらかというと柔らかめで攻撃的ではない。

[低音]:中低域付近が厚く、深掘り感はあまりない。Q30と同じような、地平線付近に熱気を持ち上げてくる表現に仕上がっている(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:天井感があり、深みもそれほどないので、横長の音楽空間に思える。エントリークラスにも関わらず、一つ上くらいの解像度は感じられ、これだけ密度感があるのに音にボケた感じは少ない。傾向としてはウォーム(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムは地熱感強め。粘りや爆発力は重く、暗めでもっさりビター。バズンバズン。シンバルの粒感は細かいが、音味はドライで塩を振る印象。ドラム優位の場面が多い(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:女性ボーカルは高域で暗く感じやすい。全体的に厚みのある声色で、のびやかというよりは肉厚さを感じさせる。個人的な感想としては、アニメ声優系の甘ったるい傾向の声は艶やかさが減るのであまり向かない印象。ロックやJAZZの、男性ボーカルのパワフルな熱気を味わうのに向く。

 

【3】官能性

 UVERWorld「CORE PRIDE」は重厚なハードロックという表現を越えて、ほぼJAZZのように聞こえる。ギターのエッジはあるが、色味は暗くビターで、どちらかというと背景に回って熱気を加える。ドラムセットも地熱感を中心に演出するので、黒い熱気で躍動感よりは濃厚さを出す。金管だけは異様に精彩が乗って色気が出るので、闇夜に浮かび上がるようである。

 羊毛とおはな「はだかのピエロ」も重厚。ピアノの重たく厚く作る床面に、キラ味を抑えられた大人びた弦楽が響く。ボーカルは厚ぼったく濃厚で中域に滞留し、密度感を加える。

 Sixpence None The Richer「Within A Room Somewhere」は比較的このイヤホン向きの重厚なロック曲。ギターのエッジ感がちょっと弱い気がするが、それを除けばボーカルの傾向と重厚感のある表現は概ね満足できる。ただし、ボーカルに関しては一方で突き抜け感に妙味がある曲でもあるので、上方向に伸びないこのイヤホンの鳴らし方は抑揚に乏しく、好みを分けるところがあるだろう。

 さユり「来世で会おう」はかなり中域に密度を出し、ボーカルと楽器音がすべて濃密に交わるのでボリューム感に富む。ビター味に富む大人びた傾向の表現ではあるが、温度感的にはウォームで生命的に感じられる。

 南壽あさ子「みるいろの星」なんかも比較的良い。ウォームな傾向で濃密感が出るので、生命的な温かさがよく感じられる。ボーカルは突き抜けず、滞留し空間に溶け込む。音が混ざり合って、シチューのように濃く味わえる。

 鹿乃の曲だと、アルバム「アルストロメリア」に収録されている「Linaria Girl」が、このイヤホンで聴くとなかなかいい。ボサノヴァ風のコケティッシュな甘いガールズポップスで個人的にかなり好きな曲だが、このイヤホンで聴くとホットミルクのような甘いボーカルと温もり感のある優しい充実感に満ちた楽器表現が楽しめる。ほどよい熱気があって、素直に良い。下に「アルストロメリア」の公式紹介動画を挙げる(スタート位置は「Linaria Girl」に合わせてある)。このアルバムはかなりいいね。

 

【4】総評

 手に入れた個体に限れば、QCYらしからぬ品質で期待を裏切られた。片耳は完全に不良品で、音は途切れが酷く、途切れなくてもノイズが混ざって、とても聴けたものではない。時間経過で安定するようでもあるが、しばらく普通に聴けるようになって安心しているとまたひどく途切れ出す。曲によるのか場所によるのか条件は今のところわからない。この通信品質には幻滅しかない。

 それでも音質面では名機QY8以来、Q30やQ34といったモデルが継承してきた重厚な表現を再現しており、このQCYの1つの大きな系譜に属する製品群を好む人ならば、かなりの満足が得られるはずだ。もし通信品質がひどくなければ、この価格でこの音質はかなり優秀だった。好きなブランドの製品だけに、この結果には残念である。

 音質的にはロックやクラブサウンドはもっさりしやすい。JAZZやラテン系の曲には熱気のある温もり感や甘味、肉厚な充実感が感じられて、かなりの満足を得られるだろう。

QCY T1

 

【5】このイヤホン向きの曲

 濃密で大人びたJAZZ味の強調された表現になっていて、かっこいい。かなり厚い床面を意識させ、重厚感もしっかり。なお、シングル盤にカップリングされているAlex Adair Remix版をこのイヤホンで聞くと、ラテンダンス風の熱気がよく出て、それもよい。

 

 中低域に濃厚味が出るので、この曲も非常に味わい深い。ボーカルが突き抜けず、天井に広がって下方向に残響感をたっぷり出して余韻をかなり強調する。濃く煮込んだスープのように後味濃厚。ドラムセットも走らずに抑制的にリズムを刻み、大人びた重厚感を出して曲全体の密度感と熱気を高める。JAZZ味強めに味わいたいなら、かなりいい。

 

 エッジ感は少し柔らかいので、ハードロックよりは少しウォームでスムース感のある印象を受けるが、この曲でも熱気をよく伝えてくれる。爆発力を抑えた地熱感を加える重厚なドラム、やや柔らかめに生命的な熱気を加えるギター、クライマックスの密度高めの部分でも描き分けるほどほどの解像度、滞留して濃密に聞こえるボーカル。聞き疲れしない形でこの曲を聴くなら、この価格帯では理想の1つに近い表現の仕方といえる。

 

 音は太く、透明感や煌めき感は抑えめ。この曲に、ボーカルの透徹した突き抜け感や壮大な奥行き感を求める人には、率直に言って向かない。だが、このイヤホンが聴かせてくれる濃密で温もり感に満ちた表現もなかなかよい。個人的には、この曲に関しては、どちらかというと清冽な味つけのほうが好みだが、これはこれで聴き応えがある。

 

QCY T1 Bluetooth 5.0 完全 ワイヤレス イヤホン 自動ペアリング 自動ON/OFF 両耳通話 AAC Hi-Fi 高音質 全指向性 マイク搭載 《メーカー1年保証》 ノイズキャンセリング TWS IPX4 防水 防汗 ブルートゥース イヤホン iPhone Android 対応 左右分離型 イヤホン bluetooth ヘッドセット 両耳 片耳 対応 Siri対応 ハンズフリー 通話 ブラック QCY-T1BK

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。