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【高級イヤホン試聴レビュー Westone B30】Westoneらしい緻密で正確な音とウォームな音味が維持された低域モデル。中域に重心が落ち着く安定感がある[KANN CUBEで聴く高級オーディオ]

Westone B30

Westone B30

Westone ウェストン B30 ユニバーサルイヤホン 3バランスドアーマチュアドライバ IEM WST-B30

 

 

【0】免責事項

 このレビューは販売店舗さんのご厚意で試聴させていただいた範囲内で作成しております。ケーブルは標準付属品のはずですが、セッティングは販売店舗さんにより異なる場合があります。イヤーピースは手持ちのものを使える場合は、それを用いてテストしております。レファレンスはJVC スパイラルドット++ Lサイズですが、機種によって使えない場合もあるかもしれません。使えない場合どうするかはその都度。

 

 テスト機は基本的にAstell & Kern KANN CUBEを用いていますが、音質の特徴を捉えるために副次的にONKYO GRANBEATなど別のDAPも使っております。

www.ear-phone-review.com

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 一応解像度とかの比較用にイヤホンのレファレンスを定めていて、EarSonics ES5です。

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※今回のレビュー機種、Westone B30はワイヤレスケーブルも同梱されていますが、そちらのテストは行っておりません。またこの機種はノズル口径が小さめなため、イヤーピースは標準イヤーピースのLサイズを使って行っています。

 

【1】装着感/遮音性/通信品質/ビルドクオリティ

装着感

 Westoneはコンパクトに耳に収まるデザインを採用しており、女性でもぴったりと耳に嵌まり、ズレない。この装着感の良さ、軽さはWestone製品の人気の秘密の一つ。

遮音性

 耳穴をしっかり覆うので、遮音性は高め。

ビルドクオリティ

 ビルドクオリティは高い。以前はフェイスプレートを交換すると割れやすいという欠点があったが、改善された。mmcxコネクタの噛み合わせはやや硬め。

 

【2】イヤーピース考察

 この機種のノズルは細い。final Eシリーズのイヤーピースについているノズル調整パイプを使えば大抵のイヤーピースを装着可能。しかし今回は店頭試聴の標準イヤーピースのみ使ったので、他のイヤーピースは試していない。

 

【3】音質

総合:22/30

高域:7/10

Westoneらしい、緻密でドライ、ややウォームで心地よく、しかも刺激的な手がかりも持つ音

  • 質感:ウォーム
  • 明るさ:普通かやや暗め
  • 拡張性:普通
  • 派手さ:やや派手
  • 緻密さ:緻密

 音は明るさをそれほど強調せず、温もり感のある煌めきを放ち、少しドライで落ち着いたシックな色合い。充分に緻密でギターのつま弾きに黒光りするようなギラギラ感がありつつも、その光沢は温もり感に包まれていて耳に心地よい。手がかりは多いが、マイルドでくどさがない。

 W30と比べると、高域は大きく異なっており、以前の鮮烈な印象はなくなった。個人的に以前の清潔で輝かしい音色はブラッシュアップされた新W40に受け継がれた印象で、こちらはむしろ旧W40のマイルドな高域に近い印象だ。

 

中域:7/10

やや明るく清潔に中高域の音が広がるうららかな中域

  • 質感:ややウォーム
  • 明るさ:明るめ
  • 横幅:広い
  • 奥行き:広い
  • ボーカル:自然、ふっくら

 中域は中高域に豊かさあり、やや明るく見通しよく清潔に聞こえる印象がある。しかしそれと同じくらい温度感もあり、中域の真ん中では少しふっくらする感じもあって、ピアノや弦楽はそれなりに豊満なボディを感じさせてくれる。ボーカルは輪郭が良くて息感に手がかりが多く、息遣いがはっきりと聞こえるが、一方でふっくらとした甘味もあって温もり感が感じられる。

 サウンドステージはWestoneらしい広さを提供しているが、温度感が高くなってやや音に厚みを感じさせるようになったせいか、音像の明瞭性は少しぼやかされている印象を受ける。不鮮明というわけではないが、音の輪郭を適度に調整するマイルドな空気感を持っている。

 

低域:8/10

量感と重みがあるが、同時に見通し感も良いクリアな低域。適度な温度感も維持されている。

  • 質感:ややウォームかウォーム
  • 明るさ:明るめ
  • 重心:普通
  • 重み:やや重い
  • 重低音:クリア

 100hz~40hzまでやや輪郭の感じられる太い振動。30hzで沈み、20hz以下無音。

低域がだいぶ主張するようになったというレビューを読んでいたので、期待半分、心配半分くらいだったが、案に相違してWestoneらしい解像度感があった。ベースの色づきも明るめで温かみのあるWestoneらしい音色を聴かせ、膨張感もありながら、ぼやけるほど膨らまず輪郭感が明瞭。ベースのキャラクターがわかりやすい感じは「おっ、Westoneしてるね」といったところ。

 ドラムのドンも重みを広く主張するというよりは、一点にしっかりズシンと重く打ち込む感じで、一発のキレを重視している音。タイトでスピード感を重視しているので、ロックやEDMでも充分にキレの良い音を聴かせてくれそう。沈み込みは速く重いが、ディケイの浮き上がりも速く、重心が下がるほど重苦しい感じはない。そのため意外と快活に聞こえて、むしろ中域あたりを支えて弾ませる印象がある明るいキャラクターを感じる。

 

【4】官能性

petit milady「360°星のオーケストラ」

 ドラムの音色はパスパス感のあるドライな質感の鼓面に、下では一点に定まる明瞭なドンを持つという、温かみと重量感を備えたもの。高域の明るさはおとなしめで、黒い背景で夜空を感じさせつつ、ピアノ音が暖かめの光沢で星々の輝きを表現する。

 ボーカルは上で少し細く息感を強調しつつ、中域の真ん中ではふっくらと甘味を出してくれる。ギターはドライでやや明るい感じだが、黒いエッジがしっかり感じられるので浮ついた感じがない。

 低域は素直に重みを感じさせてくれつつ、あくまでクリアでスピード感があるので、重みが滞留せずに抜けが早く、音場を重苦しくせずに快活にする。

 


360°星のオーケストラ(初回限定盤)(DVD付)

 

秦基博「水彩の月」

 ボーカルに適度な温度感があり、息感を丁寧に聴かせつつ、暖かくじんわりと胸に沁み入らせてくる。ギターやピアノも適度な温もり感があって、充分に緻密であるにも関わらず、耳当たりは優しく、聞き疲れる感じはない。

 ベースはしっかり重みを感じさせつつ、下方向に音場を引っ張り込む感じはそれほどないので、中域の清潔な方向に意識を向けさせて、一番清潔感と濃厚感のバランスの取れているあたりに自然と耳が向かう。

 その中域はボーカル周りに適度なすっきり感がありつつ、穏やかな日差しを感じさせるぬくい温度感に包まれていて、聞き心地が非常にマイルド。

 


水彩の月

 

山崎あおい「君のいない夏なんて嫌いだ」

 聴き応えあり。アコースティックギターの温もり感と刻みの柔らかさの丁寧な色合いの出し方に、Westoneらしい緻密な精彩を味わうことができる。ピアノは豊かな膨らみが適度に感じられつつ、はっきりと光沢感があって艶やか。マイルドで温かいので鮮烈さはないが、充分に分離感があり艶やかな中高域は充実感がある。

 ベースもやや明るく、温かめに情緒感を出し、中域の濃厚感を下支えしている。

 


12センチ (初回限定盤)

 

安名月莉子「君にふれて」

 さすがにこの曲くらい中高域に充実感があると、わずかにガチャガチャする感じがあるが、個々の音は尖りすぎないので、それほど痛い感じはない。全体的に音に温もり感があり、聞き心地は音の明瞭感の割にはマイルドである。

 だが、さすがにボーカル周りは音が集中し、密度がきつく思えるかも知れない。それでもふっくらとした充実感があって酷薄な感じはない。

 


TVアニメ「 やがて君になる 」オープニングテーマ「 君にふれて 」

 

Rasmus Faber「Indian Summer」

 かなり緻密でありながら、ドライな音に温かみが感じられるので、酷な感じはない。ボーカルは分離が良く、温度感も自然でふっくらと甘味もあり、太さも自然かやや細いくらいで充実感がある。この曲ではドラムの音像が明確かつ明瞭でダイレクトな躍動が感じられる。少なくともダンス曲に充分なスピード感が低域にあることが確かめられる。

 


INDIAN SUMMER feat. Frida - EP

 

スキマスイッチ「奏」

 どちらかというとクリア感と緻密さ重視の方向ではあるが、温もり感とまろやかな音のコクも感じさせてくれるので、この曲のセピア色の叙情を充分に感じさせてくれる。ボーカルも輪郭を強調しつつ、息感や声質にしっとりとした情緒があり、じーんとした味わいがある。

 


奏(かなで)

 

【総評】W30に比べるとより中域の真ん中あたりにピントを合わせた音質になった。低域の表現には賛否両論あるが、個人的にはクリアでしつこい感じはなく、むしろWestoneらしい音作りに感心した

 鮮烈な高域の音に目を奪われがちだったW30に比べると、B30の高域はマイルドで、むしろ中域の真ん中のほうに焦点が合うようになった。そのあたりはちょうど清潔感と温度感のバランスが良いところで、ほどよい解像度と密度感を味わうことができる。どちらかというとこの音響デザインは旧W40に近い感じ。私は旧W40の音作りがWシリーズでは一番くらいに好きだったので、この点はB30に好意的な評価を持っている。

 一方でW30を好んでいた人には全く別物の音になってしまい、むしろ新W40が以前のW30に近い印象だ。

 

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