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KZ ATRの概要
基本スペック
- ドライバー構成:1DD
- 再生周波数:20-20000Hz
- インピーダンス:16Ω
- 感度:106dB
- 価格帯:1000円~3000円
audio-sound スコア
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.0/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:8.5/10.0
- 中域:9.0/10.0
- 低域:8.5/10.0
- 歪みの少なさ:7.0/10.0
- コストパフォーマンスボーナス:11.0/10.0
長所と短所
長所
- 重厚な低域
- 奥行き感のある音場
- 強調された立体感
- 良好な原音忠実度
- 価格以上の解像度
- 比較的良好な質感
短所
- 価格なりの歪率
- 品質管理
KZ ATRの特徴
- ゴールドメッキジャック、HiFiロスレスケーブル、オーディオへの接続
- デュイバスピーカーは、お互いを補完します。低音、中音、高音が豊か
- メモリワイヤを採用
- 広大な音場を持つ優れた音質、壮大な空間
- それぞれのドライバーのための独立したチャンネル、歪みの少ない空間
パッケージ(8.0)
KZ ATRのパッケージは価格の水準を満たしています。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- イヤーピース
- マニュアルや保証書類
ビルドクオリティ(8.0)
KZ ATRのビルドクオリティは価格の標準を満たしています。
装着感(8.5)
装着感は良好です。
音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- 小野測器 SR-2210 センサアンプ
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
REW周波数特性
オーディオステータス
制動特性(出力インピーダンスの影響)
KZ ATRはアンプの出力インピーダンスの影響をほとんど受けません。
詳細は有料記事でご確認ください。
音質評価値
- 原音忠実度:自由音場補正済み周波数特性に基づく判定値。どれだけフラットスピーカーの音(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 歪みの少なさ:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
-
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域の原音忠実度 | S |
臨場感 | B |
深さ | B+ |
重さ | B+ |
太さ | B+ |
低域の存在感 | A- |
低域のイメージング | B- |
中域の原音忠実度 | A+ |
厚さ | B+ |
明るさ | B |
硬さ | B |
中域の存在感 | B |
中域のイメージング | B+ |
高域の原音忠実度 | D |
艶やかさ | B+ |
鋭さ | A- |
脆さ | B |
荒さ | D+ |
繊細さ | C- |
高域の存在感 | B+ |
高域のイメージング | A+ |
質感 | A |
定位 | B |
歪みの少なさ | B- |
イメージング | B+ |
全体の原音忠実度 | A |
総評
- おすすめ度:B+
- 個人的な好み:B+
かつてのKZの人気イヤホンです。
オーディオスペックなどを確認すると、さすがに最近のKZ製品に比べて完成度が足りないところが目立ちます。水準的にはCCA CRAとかKZ EDX Proあたりと比べると一回り下あるいはそれ以下と考えてよいでしょう。
私の個体は右側のユニットだけが中域でかなり歪みが多くなる傾向にありました。とはいえ、多くの人は適正音量では気づかない程度で、音楽が聴けない水準ではないので、不良品ではないと言えなくもないですが、品質管理を徹底しているメーカーなら出荷前検査で引っかかる個体だろうと思われます。
音質面ではいわゆるドンシャリ系で中低域と中高域が強調されたV字型をしていますが、たとえば同種のシグネチャーを持っているZERO AUDIO ZIRCO DUOZA 3(1万円クラス)より中域が正確で、解像度も高く、全体の水準でほぼ匹敵するか、わずかに良いと思われます。低域も出すぎのZIRCO DUOZA 3よりバランスが取れています。KZが人気を呼んだのも音質面から十分裏付けられていると言えるでしょう。
もちろん品質管理などを含めて考えるとZERO AUDIO ZIRCO DUOZA 3のほうが総じて優れているとは思えますが、ZIRCO DUOZA 3はATRの4本分以上の値段ですからね。品質管理の問題は事実上無視してこちらを買ったほうが満足できる可能性は高いかもしれません。
実際、ZERO AUDIO製品もそれほど品質管理を徹底しているというわけでもありません。以前私の買ったZIRCO TENOREはレビューで指摘した通り、左右差がかなりある個体でしたしね。十分な統計数が取れていないので結論は出せませんが、ハズレの確率はZERO AUDIOだってそんな低いわけでもなさそうです。
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