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audio-sound Score
- パッケージ:8.5/10.0
- ビルドクオリティ:9.0/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:8.0/10.0
- 中域:10.0/10.0
- 低域:8.0/10.0
- 歪みの少なさ:8.5/10.0
こんな人におすすめ
- まろやかな中域を聴きたい
- 濃厚なサウンドが好き
- 高域に敏感
- ウォームサウンドが好き
- 解像度重視
- デザイン重視
QoA Gimletの概要
「アウトラインレビュー」は製品の概要を簡潔に紹介するレビューシリーズです。今回取り上げる製品は「QoA Gimlet」です。
QoA Gimletの完全なレビューはこちらにあります。
基本スペック
- 周波数特性:20-20000Hz
- インピーダンス:32Ω
- 感度:108dB
- コネクタ:0.78㎜ 2pin
QoA Gimletの特徴
- 10mmLCP振動板ダイナミックドライバー
- 専用カスタムケーブル
- こだわりの設計と快適な装着感
- 厳選されたアクセサリー
- スイート&エレガントなサウンド
10mmLCP振動板ダイナミックドライバー
Kinera QOA Gimletは、新設計のLCPコンポジットダイアフラムダイナミックドライバーを搭載しています。10mm振動板は、より多くの音のディテールを提示します。高剛性LCP素材の組み合わせは、ちょうどジンとライムジュースを混ぜたような、あるべき姿のようです。
専用カスタムケーブル
特別に設計された4芯の銀メッキケーブルを標準装備し、Gimletはリラックスした快適な音響体験を提供します。Gimletのカクテルの爽快感、ほろ酔い感をより深く理解することから生まれました。薄くて軽い新型イヤーフックは、より装着感に優れています。高純度OFC銀メッキを採用し、クリアで透明感のあるサウンドパフォーマンスを実現します。
こだわりの設計と快適な装着感
Gimletは、より快適な装着感を実現するために、度重なるテストを経て、最終的なデザインを決定しました。角のない丸みを帯びたフォルムは、装着しているとその存在を忘れてしまうほどです。Kinera QOA Gimletは、ノズルに傾斜をつけ、よりフィット感を高めているのが特徴です。
厳選されたアクセサリー
Gimletには2種類の高性能イヤーチップが付属しており、外耳道に心地よくフィットし、高い密閉性を発揮する。音楽を聴くときに、お好みのスタイルをお選びください。愛用のGimletを常に良い状態に保つために、収納ケースに保管してください。
スイート&エレガントなサウンド
Gimletイヤホンは、魅力的な2つのカラーから選ぶことができます。穏やかで内向的なプレーリーグリーンは草原の息吹が周囲に漂い、フレッシュでエレガントなモイスチャライジングホワイトは美しい姿勢の決め手となります。特筆すべきは、一音一音が自然に流れ、叙情的なつぶやきがやわらかく響くことです。
パッケージ
パッケージは価格帯の標準を満たしています。QOAのパッケージはおしゃれで高級感があります。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- イヤーピース
- キャリングケース
- 説明書
ビルドクオリティ
ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。
廉価なモデルでありながら高級感のあるデザインです。
装着感
装着感は良好です。
音質
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
QOA Gimletはニュートラルに近いU字型のサウンドシグネチャーになっています。
音質についての詳しいレビュー内容はこちらを参照して下さい。
低域
QOA GImletの低域は深さはやや物足りず、重みと太さが強いブーミーで温かい印象の低域になります。QOAのブランドコンセプトでウォーム感を重視しているので、こういう調整になっているのでしょう。
バスドラムは重厚感は十分ですが、浅いキックで生々しさに欠け、引き締まりも少し緩めでやや膨張的です。ボンボンあるいはボコボコ、トコトコといった感じで聞こえやすいでしょう。
エレキベースも深いボディよりはもう少し浅いブリブリしたあたりが目立つ感じで、じんわりした熱気を帯びた聞こえ方になります。
量は悪くないものの、質的には低域好きを満足させるのは少し難しいかもしれません。とくに上級クラスの重低域マニアにはほとんど響かないサウンドでしょうね。
中域
QOA GImletの真骨頂は美しくまとめ上げられた中域にあります。明るさを丁寧に抑えながらも楽器音には透明感があり、まろやかかつみずみずしいサウンドで聞こえます。
QOAらしい聞き心地を重視したウォーム感がありながらも、エッジ感やクランチ感がしっかりと感じられ、中域の骨格はかなり確かに聞こえるように構築されています。そのため、中域の分離感や立体感はしっかりしており、解像度の高さもあり、奥行きが感じられる豊かな充実感があります。
濃密感があり、全体として調和的でディテールをやや抑えた音楽表現はボーカルの周辺に豊かな響きを生み出しており、甘やかでリッチなサウンドを楽しむことができます。
QOAは音楽性を重視した音作りで人気のあるブランドですが、Gimletもファンの期待を裏切らない素晴らしい出来栄えと言えるでしょう。
たとえばGimletで聴くEd Sheeran「Photograph」はしっかりと際立ったギターエッジが印象的に聞こえながらも、そのディテールを強調しすぎず、ややぼんやりした雰囲気で聴かせることで、ノスタルジックなこの曲のイメージをより高め、濃厚に聞こえるボイスが甘い陶酔を誘います。ジンベースの鋭い酸味とまろやかさを同居させたギムレットのように、甘酸っぱい思い出を辿るようにほろ酔い気分で音楽に浸ることができるサウンドですね。
ディテールは不足気味なので、モニター用途というよりはリスニングライクなサウンドです。
高域
高域は滑らかに減衰するように調整されています。
全体的にエネルギーが抑えめになるため、高域に敏感な人でも安全ですが、歯擦音だけは相対的に強めです。そのため、わずかですがギスギス感は出やすく、曲によっては尖りを感じることがあります。
高域は全体的に閉じており、天井感は少し強めで、シンバルクラッシュは広がりが悪く、爽快感は露骨に不足しがちです。超高域は伸びているのですが、繊細さに欠けるため、あまり意識されません。
音質総評
- 原音忠実度:A
- おすすめ度:S-
- 個人的な好み:A+
やや中域に凝集気味のサウンドで若干癖が強いところがありますが、オーディオスペックは価格の水準以上なので、濃密な音が好きならQOA Gimletは悪くない選択肢でしょう。
音質的な特徴
美点
- 優れた質感
- 良好な構築感
- 良好な原音忠実度
- 中域への適切なフォーカス
- 耳当たりが優しいメロウサウンド
- 濃密な中域のリッチサウンド
- 響きが豊か
- 優れた解像度
- スピーカー的な前方定位感
欠点
- 高域の拡張性に欠ける
- 繊細さに欠ける
- 暗い中域
- 低域の深さに欠ける
- ディテール不足
総評
QoA Gimletはウォームでメロウな濃密感のある中域が楽しめるQoAらしいサウンドを実現しているイヤホンです。レンジ感はやや物足りず、ディテールも不足しやすいので、若干癖が強いところはありますが、パッケージとビルドのクオリティは高く、リッチサウンドが好みなら強くおすすめできる製品です。
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