- 免責事項
- JH Audio ROXANNE AIONの概要
- audio-sound スコア
- 長所と短所
- JH Audio ROXANNE AIONの特徴
- パッケージ(7.5)
- ビルドクオリティ(7.5)
- 装着感(7.5)
- 音質
- 総評
- 関連記事
免責事項
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JH Audio ROXANNE AIONの概要
基本スペック
- ドライバー構成:12BA
- 再生周波数:10-23000Hz
- インピーダンス:15Ω
- 感度:119dB
- ピンタイプ:7pin
- 価格帯:200000円~300000円
audio-sound スコア
- パッケージ:7.5/10.0
- ビルドクオリティ:7.5/10.0
- 装着感:7.5/10.0
- 高域:7.0/10.0
- 中域:7.0/10.0
- 低域:7.0/10.0
- 歪みの少なさ:7.5/10.0
長所と短所
長所
- 良好な解像度
- 繊細
- 高い鮮明感
- メタリック
- 良好な高域拡張性
短所
- サウンドバランスが悪い
- 不自然な質感
- 不自然な定位感
- 物足りない歪率
- 深みのない低域
- 不安定な制動特性
- 総じて価格に見合わないオーディオスペック
JH Audio ROXANNE AIONの特徴
2013年、JH Audioはポリスの名曲の名を冠したステージモニターのリファレンス用カスタムIEM「Roxanne」のリリースにより、IEM業界に革命をもたらしました。SIRENシリーズ初のモデルとなったRoxanneは、史上初の片側12BAドライバー(Low4/Mid4/High4)を搭載したIEMであり、当時初となるJH4pinコネクターを採用したケーブルを取り入れました。このJH4pinコネクター及びVariable Bass機能を取り入れたケーブルは、JH Audio製IEMの象徴となりました。
「AION」は、JH Audioの過去、現在、そして未来の成果を表す最新シリーズです。
「Layla AION」に次ぐ第2弾となる『Roxanne AION』は、オリジナルのRoxanneカスタムIEMのサウンドシグネチャーを踏襲し、更に最新の7pinコネクターを採用。進化を続け業界をリードする製造プロセスに加え、特許出願中の最新技術とデザインを組み合わせ、最高のサウンドを有した最先端のIEMにしています。フロリダ州オーランドにて、世界中のステージにおいて何千ものプロの耳をサポートしているJH AudioのカスタムIEMを製造するラインと同じ、才能のあるエンジニアと技術者によって製造されています。Roxanne AIONのシェル部分は、数百層ものカーボンファイバーファブリックに樹脂を注入、圧縮することにより形成される、カーボンファイバーブロックから作られています。最初の機械加工プロセスを経てから、次に二次的な手成形プロセスを経て、Roxanne AIONは最先端の機器を使用して精密に調整、手作業で組み立てられます。白と黒のパーロイドとオーバーサイズクロムロゴによる印象的なフェイスプレートデザインにより、Roxanne AIONは、これまでのJH AudioユニバーサルフィットIEMの中でも最も視覚的に魅力的なIEMの1つとなりました。
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soundrIVe™テクノロジー
JH Audioが特許を取得している独自のミニクワッドドライバー(BAドライバー4個)構成「soundrIVe(サウンドライブ)テクノロジー」を採用。Roxanne AIONはトリプルクワッドドライバー構成により、片方のハウジングに12個(高域×4、中域×4、低域×4)のドライバーを構成することで、広大なワイドレンジサウンドを提供します。
- freqphase™テクノロジー
独自の位相制御技術である「freqphase(フリークフェーズ)テクノロジー」を採用。多数のドライバー構成での時間軸と各帯域の位相を正確に制御するJH Audioの特許技術です。全ての周波数における正確なフェーズとタイムアライメントを実現し、各ドライバーの信号を0.01ミリ秒以内に確実に到達させ、IEMとして最も正確な音楽再生を可能にします。 - Sonic Tube Chassis™テクノロジー
「Sonic Tube Chassis(ソニック・チューブ・シャーシ)テクノロジー」を採用。内部のチェンバールームを3Dプリントで成型し、12個のドライバーを最適な位置に配置することで、シェル本体の内部容積削減を実現。freqphaseテクノロジーを実装している為、音質を損なうことなく小型のシェル設計が可能です。 - カーボンファイバーシェル
数百層の圧縮したカーボンファイバー製テキスタイルに樹脂を注入し、JH AudioのカスタムIEM制作の長年に渡る経験とノウハウが可能にするエルゴノミックデザインで成形。カスタムIEMに肉薄するフィット感と安定感、遮音性を実現します。また、白と黒のパーロイドとオーバーサイズクロムロゴによる印象的なフェイスプレートデザインにより、Roxanne AIONは、これまでのJH AudioユニバーサルフィットIEMの中でも最も視覚的に魅力的なIEMの1つとなっています。 - Acoustic Sound Chamber™テクノロジー
ノズル部分に「Acoustic Sound Chamber(アコースティック・サウンド・チャンバー)テクノロジー」を採用。ノズル先端部に凹型のチューブシステムを使用することにより、導管に汗や異物が入り込むことを防止します。 - ドイツ製ミリタリーグレードの7pinコネクターを搭載
着脱が容易でありながら確実な接続を可能にする、ドイツ製ミリタリーグレードのイリジウムコネクターを搭載しました。コネクターは挿入方向が定まらないと押し込むことができない「7pin」タイプなので、接続時の予期せぬ事故も防ぐことができます。さらに搭載されたOリングがパッキンの役目を果たし、汗などの侵入を防ぐなど音質だけでなく高い耐久性も特徴です。 - Variable Bass機能搭載4N銀メッキ高純度OFCケーブル
正確な伝送を可能にする4N銀メッキ高純度OFCのケーブルを採用。これまで採用されたケーブルの中でも最も強靭で軽量、耐久性の高いケーブルです。癖がつきにくく、取り回しの良さも特徴です。そしてユーザー自身で低域 (10Hz~100Hz)の調整ができる「Variable bass」機能をケーブル上に搭載し、使用環境やお好みに合わせて調整が可能です。 - オリジナルキャリングケース
機械加工された堅牢なアルミニウムのフリップトップキャリングケースが付属します。 - ハンドクラフトIEM Made in the USA
フロリダ州オーランドにて、世界中のステージにおいて何千ものプロの耳をサポートしているJH AudioのカスタムIEMを製造するラインと同じ、才能のあるエンジニアと技術者によって製造されています。
パッケージ(7.5)
JH Audio ROXANNE AIONのパッケージは価格の標準を満たしています。
とはいえ、異様に高いイヤホンのわりに特別感動する内容でもありません。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- キャイリングケース
- イヤーピース多数
- マニュアルや保証書類
ビルドクオリティ(7.5)
JH Audio ROXANNE AIONのビルドクオリティは価格の標準を満たしています。
装着感(7.5)
装着感は悪くないですが、耳が小さい人には向きません。これでも前世代より小型化されたようですが。
音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- 小野測器 SR-2210 センサアンプ
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
REW周波数特性
オーディオステータス
制動特性(出力インピーダンスの影響)
JH Audio ROXANNE AIONはアンプの出力インピーダンスの影響を大きく受けます。専用のデジタルオーディオプレーヤーでの再生が推奨されます。
詳細は有料記事でご確認ください。
音質評価値
- 原音忠実度:自由音場補正済み周波数特性に基づく判定値。どれだけフラットスピーカーの音(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 歪みの少なさ:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
-
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
高域寄り設定時(その他については有料記事に掲載)
低域の原音忠実度 | A+ |
臨場感 | C+ |
深さ | B |
重さ | B |
太さ | B+ |
低域の存在感 | B |
低域のイメージング | C+ |
中域の原音忠実度 | A |
厚さ | A- |
明るさ | A- |
硬さ | B |
中域の存在感 | B |
中域のイメージング | A |
高域の原音忠実度 | D+ |
艶やかさ | B |
鋭さ | B |
脆さ | B+ |
荒さ | C- |
繊細さ | C |
高域の存在感 | B- |
高域のイメージング | A+ |
質感 | B- |
定位 | C+ |
歪みの少なさ | B |
イメージング | A- |
全体の原音忠実度 | A |
総評
- おすすめ度:C-
- 個人的な好み:D-
JH Audioはイヤホン業界に革命をもたらしたブランドの一つとして広く知られています。今日、イヤホンの最上位機種はとても音質に見合わない異様な高価格で売られていますが、その流れを作ったブランドの一つが間違いなくJH Audioです。
そのおかげで情弱の消費者は十万円以上という、どう考えても高すぎる値段を提示されても、最近は疑問に思わなくなりました。アンカー効果というやつですね。メーカーにとっては素晴らしい価格革命です。
近頃ともなると、高価なイヤホンほど音がいいと心から信じ込んでいる人すら多いくらいです。見事に洗脳されていますね。情弱が多いと集団でぼったくられて搾取されるのが常ですから、こういう界隈というのは怖い怖い。日本社会は特に同調圧力が強く、日本人も同調圧力に弱いので、そういう情弱者の間にいると自分もいつの間にか同調してしまい、無駄金をたくさん使わされます。そういう人ほど不必要にリケーブルにお金かけてたりするオーディオアクセ信者だったりして迷信深い傾向にあります。エイジングに異様にこだわってたりしますから、すぐわかりますよ。
そしてそういう迷信深い人ほど普段から自分のいいと思う商品をべた褒めし、「買え買え」言って「布教活動」にいそしんでるわけです。本来オーディオは音楽を聴くためにあるのに、もはやある製品やメーカーの信者を増やすことを目的としているような行動をとり始めます。こうなると構造的には新興宗教と全く一緒ですね。メーカーや販売店によってはこういうのに露骨に依存しているところもあります。業が深く、あわれな世界です。
閑話休題。
さて、そのJH Audioのフラッグシップ「JH Audio ROXANNE AION」はハイエンドにふさわしい解像度と音域を持っていますが、サウンドバランスはあまり良いとは言えず、全体的な歪率も物足りません。
少なくともオーディオスペック面では総じて異様に割高すぎる製品です。音質的な適正価格はかなり好意的に見積もって、せいぜい2万円といったところでしょう。それでもかなり疑問ですが。
ROXANNE AIONの基本的なサウンドはいわゆる「トレブルハッピーサウンド(高域バカ)」で、ケーブル途中のネジをいじると、基本的に低域方向でサウンドを調整できるようになっています。
しかし、高域の調整が極端すぎ、鮮明感は高くて繊細に聞こえるものの、定位感に悪影響が出やすく、音楽のバランスが基本的に崩壊して聞こえます。中域の質感再現度もひどいので、少なくともクラシック音楽を楽しむのには全く向かず、ダイナミックレンジの悪いロック曲なら、いろいろ目をつぶれば聴けるといった程度です。
シンバルとスネアの音だけはっきり聴きたい人には悪くないかもしれませんが、どんな音楽を聴いても全体にカシャカシャして薄っぺらいのですぐ飽きます。
また高域が強すぎるため、歯擦音がそれほど目立たず尖った感じはないですが、負担感がかなり強いですね。メタリックな音が好きなら悪くないかもしれません。
数万円クラスとしても見合った点よりも不足している点が圧倒的に多すぎ、少なくとも音質的には20万円という価格は全く正当化できる余地はないでしょう。
このイヤホンがバランスよく聞こえるくらいだと高域難聴かもしれませんから、難聴チェックにはいいかもしれません。
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