- このレビューは「私的な購入品」または「対価を払ってレンタルした商品」に基づいて書かれています。
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こんな人におすすめ
- モニタースピーカーの音が好き
- 中域にこだわる
- 明るく透明感のあるサウンドが好き
- ボーカル重視
- エレキギター重視
Moondrop Starfieldの概要
「アウトラインレビュー」は製品の概要を簡潔に紹介するレビューシリーズです。今回取り上げる製品は「Moondrop Starfield」です。
Moondrop Starfieldの完全なレビューはこちらにあります。
基本スペック
- 周波数特性:10Hz~36kHz
- インピーダンス:32Ω
- 感度:122dB/Vrms
- ケーブルコネクタ:0.78mm 2pin
- 価格帯:10000円~20000円
パッケージ
Starfieldのパッケージはエコで簡素ですが、付属品は揃っています。
パッケージ内容
付属品に不足はありません。
- イヤホン本体
- イヤーピース
- ピンセット
- キャリイングバッグ
- 説明書類
ビルドクオリティ
イヤホン本体はオシャレなデザインですが、ビルドクオリティが高いかと言われると、本体はなかなか悪くない気もしますが、ケーブルなんかはラーメンみたいでちょっと安っぽいかなと思います。若干絡まりやすいケーブルですが、タッチノイズはあまりありません。
装着サンプル
耳への収まりはよく、装着感は良好です。
音質
今回は標準イヤーチップ(シリコン) Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
Moondrop Starfieldはかなりニュートラルなサウンドバランスになっています。
音質についての詳しいレビュー内容はこちらを参照して下さい。
音質総評
- 原音忠実度:A+
- おすすめ度:A+
- 個人的な好み:A+
Moondrop Starfieldは優れたサウンドバランスを持っており、私のリファレンスイヤホンの一つです。Moondrop Aria 2が出たとき、購入しなかったのもStarfieldがあったためです。Moondrop Ariaを私は測定したことがありませんが、店頭で詳細に聴き比べを行ってAriaよりStarfieldのほうが優れているように感じられたため、Ariaを購入しませんでした。
一方でTinHiFi T3 PlusはStarfieldを音質のほとんどの面で打ち負かしており、とくに中域で勝っています。さらにビルドクオリティもStarfieldより優れています。私の中でのリファレンスとしての序列もStarfieldよりも上位です。
つまり、私のおすすめ度順に並べると、TinHiFi T3 Plus>Moondrop Starfield>Moondrop Ariaです。
同じ価格帯で私がリファレンスとしているイヤホンにfinal A3000があります。A3000は定位感でより優れますが、中域の質感はStarfieldのほうが正確です。しかし解像度などオーディオスペックの点でA3000のほうが優れており、一般的にはA3000のほうが格上のサウンドを持っています。少なくとも私はA3000のほうがStarfieldより優れていると考えており、A3000のパフォーマンスは価格を大きく越えていると思っていますが、Starfieldはそれほどコスパで優れているとは思っていません。私にはStarfieldの音が少し明るすぎるのもあるでしょう。どちらかというと、より中域で暗いA3000を好みます。
ではKATOとは?
KATOは明らかにオーディオスペックで優れています。サウンドバランスはほとんどそっくりにも関わらず、実際にはそれなりの差があります。KATOは改善されたKXXSで、高域でより正確にチューニングされているため、定位で優れています。したがって、モニターイヤホンとしてはStarfieldよりKATOが優れています。スペック面でKATOが大幅に優れていることもKATOを優位にしているでしょう。KATOは最上級のハイエンドイヤホンと勝負できるイヤホンだからです。
それに比べてStarfieldは、中域の質感はKATOより正確で、全体として価格以上ではあるものの、その常識をそれほど越えない水準にとどまります。つまり、ここで言いたいのは、私にとってKATOとStarfieldの差は価格差以上に思えるということです。
どちらにせよ、より安い価格帯の化け物じみたイヤホンであるTinHiFi T3 Plusに比べると、Starfieldはわりと常識的なイヤホンです。
音質的な特徴
美点
- 正確な質感表現
- ほぼ完璧なモニタースピーカーサウンド
- 全体の原音忠実度が高い
- 透明度の高い音
- 明るい音
欠点
- 没入感に欠ける
- 高域の拡張性が足りない
- 低域の深さに欠ける
総評
1万円台で優れたニュートラルサウンドのイヤホンを求めているなら、Moondrop Starfieldは悪くない選択肢です。その性能が価格の標準以上であることは間違いありません。しかし、少し視野を広げてみると、その周辺にはより優れたイヤホンがたくさん存在していることに気づきます。TinHiFi T3 Plus、final A3000は一般的にStarfieldより高いパフォーマンスを発揮します。そしてすぐ上のKATOは価格差以上に優れた選択肢であり、Starfieldを我慢してKATOを買うことを検討すべき十分な根拠があります。つまりStarfieldは中途半端です。
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