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audio-sound Score
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:9.0/10.0
- 中域:8.0/10.0
- 低域:8.5/10.0
- 歪みの少なさ:8.0/10.0
こんな人におすすめ
- 重厚感重視
- 聴き心地重視
- 暗いサウンドが好き
QKZ x HBB Khanの概要
「アウトラインレビュー」は製品の概要を簡潔に紹介するレビューシリーズです。今回取り上げる製品は「QKZ x HBB Khan」です。
QKZ x HBB Khanの完全なレビューはこちらにあります。
基本スペック
- 周波数特性:20Hz-39.5kHz
- インピーダンス:10Ω±15%
- 感度:117±3dB
- コネクタ:凹型 0.75mm 2pin
QKZ x HBB Khanの特徴
- 10mm Bass Dynamic Driver+7.8mm Mid&High Dynamic Drivers HawaiiBadBoy @badguygoodaudioreviews とのコラボレーションでチューニングされたドライバー。
- 第4世代DLP-3Dを採用した、軽量で人間工学に基づいたシェル。
- 取り外し可能な2ピン0.78mm無酸素銅ケーブル、マイクとタッチコントロール付き。
- 龍の鱗のように彫られたケースを樹脂で覆ったグロリアス・シェルのエルゴノミクス・デザイン。
HBBとQKZ Audioの新しいコラボレーションは、HiFi界に新たな活力をもたらすことでしょう。
HBB(HawaiiBadBoy from “Bad Guy Good Audio Reviews”)は、IEMのテストとレビューにおいて豊富な知識と経験を持ち、Khanのチューニングに細心の注意を払っているため、Khanの優れたポテンシャルを実現することが出来ました。HBBの巧みな耳によって、あなたのKhanはまるで蜂蜜のようなバランスのとれた音色に生まれ変わります。
QKZ audioの匠の技とHBB(HawaiiBadBoy from “Bad Guy Good Audio Reviews”)によるプロのチューニングで、Khanの音質はこの価格帯の想定をはるかに超えています。このハイテクスタイルのIEMを使えば、まるでアーティストが目の前にいるかのような、ピュアで温かみのある音楽を聴くことができます。
10mmベースダイナミックドライバー+7.8mm ミッド&ハイダイナミックドライバー
2倍の数、2倍のパワー。2基のダイナミック型ドライバーを搭載したKhanのサウンドは、通常のダイナミック型IEMを凌駕しています。10mm径の大型ドライバーは、中低域を温かく包み込み、7.8mm径の中型ドライバーは、高域に空気感を加えます。インストゥルメンタルやボーカルなど、音楽のテイストを問わず、Khanは音楽を提供するのに十分な能力を備えています。さらに、LCP液晶コンプレックス振動板によるオーディオの純度を高めたKhanは、入力に完全に忠実な無垢の玉のような存在です。
モバイルとの相性抜群、アンプとの相性抜群
Khanは10Ωと低インピーダンスなので、電話やMP3などのモバイル機器にも十分な電力を供給できます。また、Khanの感度は117+3dBと高く、お気に入りの曲のディテールを余すところなく味わうことができます。もちろん、アンプやプロフェッショナルな機器を導入すれば、Khanの性能はさらにレベルアップします。
第4世代DLP-3Dによる精緻な演出
Khanに使われている材料と技術は、同業他社と比べても考えられないものです。最も純粋な自然音楽を提供するために、第4世代の業界レベルのDLP-3D印刷を採用し、より高い精度で音響導管を作りました。特別に設計されたメタルグリッドと圧力解放のためのデュアルベントにより、Khanは不要なノイズをうまくフィルタリングし、あなたのためにオーディオを浄化します。
エルゴノミックデザインとグロリアスシェル
6.8gという軽さと人間工学に基づいた形状は、モバイルであることのもう一つの基準である装着のしやすさを軽々とクリアしています。さらに、龍の鱗のような彫刻を施し、樹脂で覆われたケースは、ハイテクなスタイルで目を引きつけます。温かみのある高音質な音楽を楽しめるだけでなく、耳の装飾としても最適です。
パッケージ
パッケージは価格帯の標準を満たしています。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- イヤーピース
- キャリングケース
- 説明書など
ビルドクオリティ
ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。
装着感
装着感は良好です。
音質
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
QKZ x HBB KhanはU字型のサウンドシグネチャーを持っています。
音質についての詳しいレビュー内容はこちらを参照して下さい。
低域
QKZ x HBB Khanの低域はかなりの重みが感じられますが、深さは少し物足りません。
ドラムキックは重さをかなり感じ、インパクトはあるものの、ランブルが不足しており、臨場感に欠け、私には浅く聞こえます。
エレキベースも黒さは悪くないものの、沈み込みで不足しており、広がりに欠け、音楽のコントラストには少し不足を感じます。
低域の量はかなり強調されているものの、質的にはほとんど見るべきところのない低域です。低域好きを一定程度は満足させるかもしれませんが、本当の重低域マニアを満足させることはないでしょう。そして低域をあまり好まない人には適正音量以上ではおそらく量が多すぎます。
中域
QKZ x HBB Khanの中域はニュートラルを意識して調整されているようですが、質感の正確性はそれなりです。透明度や解像度は決して悪くはないですが、暗い位置で聞こえ、ボーカルや楽器音に脚色が少し強めに加えられます。少なくともみずみずしい感じはありません。
全体的に音が柔らかく、ギターエッジだけが妙に艶やかに目立ったり、女声ボーカルが息遣いや子音重視でやや上気して色気を強調して聞こえる調整になっており、オーディオマニア向けというよりはコンシューマーライクなサウンドになっています。
ボーカルはドライでガサガサしており、若干活舌も悪く、なんだか風邪でも引いたように、鼻にかかった感じがあり、喉の調子も悪そうに聞こえます。スネアはソリッド感がなく、あまりボディが良く聞こえず、躍動感に欠けます。フォーカス感も悪く、聞いていてあくびが出るほどつまらない中域です。
直線性はまともなので音像一貫性でかなり優れている点は救いでしょうか。低域の影響もあり、全体的に暗く鈍重に聞こえる雰囲気があります。
高域
QKZ x HBB Khanの中でもっともまともな音域です。
低域とのバランスを考えて、精細感はかなり良好な水準に調整されており、全体的に暗くクランチ感も不足して音楽の中心部が埋没してわかりにくい構造になっているにもかかわらず、ディテールに不足感は出ません。
歯擦音は少し強めに調整されていますが、低域が押さえ込んでいるため、高域に敏感な人でもきついと感じることはないでしょう。
拡張性は標準より少し少ない程度ですが、全体的に暗く発色が悪く聞こえるので、ハイハットは存在感が地味で存在感はかなり希薄です。
音質総評
- 原音忠実度:A+
- おすすめ度:B-
- 個人的な好み:C+
暗く重厚感のあるサウンドが好きなら、QKZ x HBB Khanは一考の価値くらいはあるかもしれませんが、同様のサウンドでこれよりはるかに優れたイヤホンは価格帯にかなり多くあり、あえてこれを選ぶ必要はほぼありません。
このイヤホンより優れている同じ価格付近の競合はKZ DQS以外にもFloAudio Callaをはじめ、比較的多数存在しています。これらから選ぶほうが良いでしょう。
音質的な特徴
美点
- 上品でシック
- 奥行き感のある音場
- 良好な原音忠実度
- 重厚な低域
- 耳当たりがやさしく、聴き心地が良い
- 価格以上の解像度
- 前方定位的
欠点
- 暗くてよく聞こえない中域
- 不自然な質感
- 音が丸すぎ、構築感に欠ける
- 色づきが悪い
- 重みのわりに臨場感に欠ける低域
- 高域の拡張性が少し不足している
総評
QKZ x HBB Khanは暗く重厚なU字型のサウンドシグネチャーを持つイヤホンです。低域を豊かに聞かせてくれるイヤホンを探しているなら一考の価値はあるとは思いますが、これより優れた低域イヤホンが多数存在しているため、低域イヤホンの中でもあまり万人向きでなく、質が高いとも言えないこのイヤホンを選ぶ必要はほとんどないように思われます。
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