- このレビューは誠実な品質レビューを読者に伝えるためにOpen Audioから貸与されたサンプルに基づいて書かれています。
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audio-sound Score
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:9.0/10.0
- 高域:9.5/10.0
- 中域:9.5/10.0
- 低域:9.5/10.0
- 歪みの少なさ:7.5/10.0
- コストパフォーマンスボーナス:10.5/10.0
こんな人におすすめ
- 分析的で繊細な音が好き
- 解像度重視
- 重厚感重視
- きらびやかさ重視
- 高域好き
- 見た目重視
- ホールのような奥行き感のある音が好き
Open Audio Alkaidの概要
「アウトラインレビュー」は製品の概要を簡潔に紹介するレビューシリーズです。今回取り上げる製品は「Open Audio Alkaid」です。
Open Audio Alkaidの完全なレビューはこちらにあります。
基本スペック
- ピンタイプ:0.78mm 2pin
Open Audio Alkaidの特徴
- Sonion製とKnowles製を組み合わせた8バランスドアーマチュア・ハイブリッド構成
- みずみずしく生き生きとしたサウンドチューニング
- 革新的な新設計
- 高品質純正ケーブル
豊かで生き生きとしたサウンドチューニング
Open AudioのフラッグシップIEMであるAlkaidは、自然で生き生きとしたサウンドを再生するために、プロフェッショナルなチューニングと調整が施されています。幅広い周波数帯域で明瞭度の高いサウンドを実現し、ボーカルが際立つ音色を奏でます。プロフェッショナルな3ウェイ周波数クロスオーバーにより、出力信号の歪みは非常に少なくなっています。
革新的な新デザイン
Open Audioは、Alkaidのために美しいシェルを作り上げました。一台一台、複雑な工程を経て、独特の質感とエレガントな仕上がりを実現しています。また、膨大な耳穴のデータをもとにキャビティの形状を調整し、世界中のユーザーに快適でしっかりとした装着感を提供します。
高品質な純正ケーブル
Open Audio Alkaidには、新品の高品質なケーブルがバンドルされています。このケーブルは8芯の高純度OCCケーブルです。このケーブルは、サウンドパフォーマンスを最適化し、ユーザーの皆様に本物の体験をお約束します。
パッケージ
パッケージは価格の標準を満たしています。アタッシュ風のケースがおしゃれです。
ただ、この価格帯だとプラグ交換機能付きケーブルでないのは少し物足りないかもしれません。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- イヤーピース
- 3.5mm→6.35mm変換アダプタ
- クリーニングクロス
- アルミケース
ビルドクオリティ
ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。
装着感
装着感は良好です。
音質
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
Open Audio Alkaidは高域と低域を強調したV字型のサウンドバランスになっています。
音質についての詳しいレビュー内容はこちらを参照して下さい。
低域
Alkaidの低域は重低域よりは中低域にフォーカスされており、重くたくましい音を聞かせてくれますが、深さは少し物足りなく思う可能性があります。
ドラムのインパクトは十分で、エレキベースもかなり黒く広がりを感じますが、その先の鳴動感(ランブル)が少し弱い気がします。
この低域について、Open Audioはかなり良質なBAを使っていることを教えてくれましたが、実際のところ、この低域は歪みも少なめで解像度も高く、見通し感に優れています。
Open Audioは男声ボーカルやチェロの独奏曲を聴くとその良さがわかるはずとアドバイスしてくれましたが、私もまったく同感ですね。
ただ、Alkaidはそれでも、最も深い重低域を聴かせるようなイヤホンではありません。
中域
さて、中域です。
結論から言うと、Alkaidに弱点があるとすれば、それはこの中域であることは間違いありません。単純に他の音域に対して大きめになる歪率、高域に対して抑えられた明瞭度によって、Alkaidの音楽的焦点は中域から外れて高域に向かいやすく、それが中域の音像にこだわるガチガチのオーディオマニアをわずかに幻滅させる可能性があります。
中域は全体構造の中でやや暗く聞こえるバランスで、質感はわずかに温かく膨張的でふっくらした方向に傾いており、やや高いハーモニクスによって平面的に聞こえやすく、音像も明瞭度のわりに粗っぽくなります。
このことにより、Alkaidの中域は全体の中では聞き心地が優しい休憩所、耳休めのようなところになっており、少し曖昧な聞かせ方はノスタルジアすら感じられますが、そのせいで曲の立体感に物足りなさが感じられる原因ともなっています。
さらに、この中域の音像の曖昧さが、よりはっきり締まって繊細に聞こえる高域の印象度に負けて聞こえる傾向が強く、多くの楽曲でフォーカスが高域に逸れて聞こえてしまいがちになります。
Open Audioはクラシック音楽向きにAlkaidを設計したと教えてくれましたが、この中域へのフォーカスの甘さ、中域の透明度の不足感がクラシックファンをわずかに満足させない可能性があると私は考えています。
とはいえ、丁寧に奥行きを強調してホールのような立体感を生み出し、重厚感を感じさせる上品な暗さを演出できているAlkaidの中域はクラシック音楽の重みある雰囲気を演出することには長けています。
そういうわけで最終的にはクラシック音楽向けのイヤホンとしてはAlkaidは卓越した水準にありつつも、おそらく最高峰とは言えないだろうというのが私の評価です。
高域
Alkaidの高域はギラツキ感が少し強めで明瞭度も高いため、全体的に繊細かつはっきりと音が聞こえ、細やかな音楽表現を逃さずに聞かせます。高域は定位感の再現度に優れています。
音楽鑑賞のフォーカスは高域に向きやすく、高域はわずかに刺激が強いバランスになっているため、少しシンバルがシャリつく感じを受けたり、バイオリンがヒステリックにカリカリする感触があるかもしれません。そのため高域に敏感な人にはちょっときつすぎるかもしれないサウンドです。多くの人に、少し金属質に聞こえやすいことは事実でしょう。
ボーカルの子音やサ行がはっきりと聞こえ、ニュアンスが豊かに聞こえるうえ、ハイハットは繊細でやや眩しくて華々しさがあり、バイオリンも少し硬く鋭い、筋を強調したような感触になりがちですが、すらりと輪郭が引き締まった音で聞こえます。分離感が良く、精細感があると感じられるでしょう。
高域の拡張性は少し物足りません。
音質総評
- 原音忠実度:A-
- おすすめ度:S-
- 個人的な好み:S+
Open Audio Alkaidは総じて価格帯の水準を満たしており、ハイエンドイヤホンにふさわしい実力を備えています。
それは繊細で煌めきのある高域を持ち、奥行き感のある音場と分析性に優れたサウンドを高解像度で聴かせます。
ただし、一般に中域の音像のピュアさにこだわる傾向があるガチガチのオーディオマニアにとっては、その中域のわずかな物足りなさが、Alkaidを最高のコンパニオン候補から幾分低い位置に押し下げてしまうかもしれません。また全体的な音域レンジ再現度もハイエンドとしては少し物足りないのがネックです。
音質的な特徴
美点
- 奥行き感のある音場
- 良好な質感
- 良好な原音忠実度
- 重厚
- ハイエンドにふさわしい解像度
- 繊細
- きらびやか
- 分析的で高精細
欠点
- 不足している高域拡張性
- 平面的に聞こえる中域
- 低域の深みに欠ける
- 物足りないクリア感
総評
Open Audio Alkaidは全音域にわたり明瞭性が高く、繊細で分析的なサウンドを持つハイエンドイヤホンです。それは中域の透明度で相対的に劣るという欠点を抱えてはいるものの、完成度は間違いなく価格の水準を満たしており、奥行きのある音場に鮮やかで煌びやかな音楽を聞かせてくれます。
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