- 免責事項
- Shure AONIC 5の概要
- audio-sound スコア
- 長所と短所
- Shure AONIC 5の特徴
- パッケージ(8.0)
- ビルドクオリティ(8.5)
- 装着感(8.5)
- 音質
- 総評
- 関連記事
免責事項
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Shure AONIC 5の概要
基本スペック
- ドライバー構成:3BA
- 再生周波数:18-19500Hz
- インピーダンス:36Ω
- 感度:117dB
- ピンタイプ:mmcx
- 価格帯:50000円~100000円
audio-sound スコア
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:6.5/10.0
- 中域:7.0/10.0
- 低域:7.0/10.0
- 歪みの少なさ:8.0/10.0
長所と短所
長所
- 良好な前方定位感
- モニター的で階層的な低域
- 高い解像度
- 高い原音忠実度
短所
- 高域の拡張性が大幅に足りていない(1000円クラスの大抵のイヤホンにさえ劣る)
- 深みのない低域
- 不安定な制動特性
Shure AONIC 5の特徴
- 正確な空間表現と驚くべきサウンド:3基の高性能バランスドアーマチュアドライバー搭載。2基の専用ウーファーによるクリーンで自然な低音と1基のツイーターによる優れた空間表現が可能。長年にわたって独自の厳格な基準に洗練され設計されたこれらのイヤホンは、感動的な音楽体験を提供します。
- 周波数特性をカスタマイズ:バランス、ウォーム、ブライトの特性を持つノズルにより好みのサウンドにチューニングが可能。用途に合わせて自由自在にサウンドシグネチャーをカスタマイズできます。
- 人間工学に基づいた薄型設計:最適化されたノズル角度を備え、長持ちする快適さとフィット感を実現します。
- 高遮音性テクノロジー:周囲の騒音を最大37dB遮断。エクササイズや旅行など、どこでも臨場感あふれる最高のリスニング体験を楽しむことができます。
- 着脱式3.5mmミニプラグケーブル:取り外し可能な3.5 mmミニプラグケーブルにより、PC、機内エンターテインメントシステム、およびその他のモバイルデバイスに直接接続できます。ワイヤーフォームフィットの安全な耳かけ型デザインにより、ケーブルが邪魔になりません。
- その他のMMCXケーブルアクセサリーに簡単に変換:カスタマイズすることによって様々なリスニングスタイルに対応します
会話と音楽をコントロール:ケーブル上のマイク内蔵リモコンを使用して、通話、ボイスコマンド、音量調節および音楽再生など簡単に操作できます。 - 互換性:AppleおよびAndroidデバイスに接続できます。
耐久性のある品質:プロフェッショナルの現場向けに丈夫に設計され、長期にわたって使用できます。 - 2年保証などを同梱:2年保証、AONIC 5着脱式高遮音性イヤホン、3.5mmミニプラグケーブル、ソフト・フレックス・スリーブ、フォーム・イヤパッド(S/M/L)、Comply Pシリーズプレミアムイヤーパッド(S/M/L)1/4アダプター、キャリーケース、ノズルアッセンブリツール、交換用ノズルインサート(ブライト/ウォーム各1ペア)
カラーバリエーション:クリア、レッド、ブラック
パッケージ(8.0)
Shure AONIC 5のパッケージは価格の標準を満たしています。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- キャイリングケース
- イヤーピース多数
- チューニングノズル(Clear/Grey/Black)
- マニュアルや保証書類
ビルドクオリティ(8.5)
Shure AONIC 5のビルドクオリティは価格の標準を満たしています。
デザインは非常にかっこいいですね。
装着感(8.5)
装着感は良好です。
音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- 小野測器 SR-2210 センサアンプ
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
REW周波数特性
オーディオステータス
制動特性(出力インピーダンスの影響)
Shure AONIC 5はアンプの出力インピーダンスの影響を大きく受けます。専用のデジタルオーディオプレーヤーでの再生が推奨されます。
詳細は有料記事でご確認ください。
音質評価値
- 原音忠実度:自由音場補正済み周波数特性に基づく判定値。どれだけフラットスピーカーの音(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 歪みの少なさ:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
-
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
Clear使用時(その他のノズルは有料記事に掲載)
低域の原音忠実度 | S |
臨場感 | B |
深さ | B+ |
重さ | A- |
太さ | A- |
低域の存在感 | B |
低域のイメージング | B- |
中域の原音忠実度 | S- |
厚さ | A- |
明るさ | A- |
硬さ | B+ |
中域の存在感 | B |
中域のイメージング | A- |
高域の原音忠実度 | D |
艶やかさ | B+ |
鋭さ | B+ |
脆さ | C+ |
荒さ | D- |
繊細さ | D- |
高域の存在感 | C- |
高域のイメージング | A+ |
質感 | A |
定位 | B |
歪みの少なさ | B+ |
イメージング | A- |
全体の原音忠実度 | A |
総評
- おすすめ度:C+
- 個人的な好み:D-
Shureのモニターヘッドホンは素晴らしい中域の質感再現度、全体の原音忠実性の高さを持っており、やや耐久性に疑問が残る製品が多いところを除けば、業界で最も愛されているブランドの一つと言っても過言ではないでしょう。
しかし、そのヘッドホン分野での高い名声に反して、イヤホン分野での凋落ぶりは覆い隠すことができません。
Shureが満を持して送り出したという最新のAONICシリーズはこのブランドがIEM分野でいかに衰え、古くなってしまったかの象徴です。今どき低価格の完全ワイヤレスイヤホンですら、こんな音域の狭い音を聞かせることはありません。マルチドライバー構成にしてるのにどうしてシングルダイナミックドライバーイヤホンより音域が狭いんでしょうか?
Shure AONIC 5においても、とくに高域の拡張に乏しく、著しく空気感に欠ける音場は、音域の広い楽器音がそのまま使われていることが多い生演奏音源では欠点が顕著に現れます。抜けが悪くて大抵のアナログ楽器音がうるさいので聞くに堪えません。シンバルやドラムの生々しさのなさはかなり……なんとかならなかったんでしょうか。
BAメーカーのKnowlesならきっと、何のために3基ものバランスドアーマチュアドライバーを搭載したのか理解不能だというでしょう。Shureは高域の重要性がわかっておらず、「そもそも高域のツイーターがするべき仕事をほとんどしていないぞ?」と。高域の作りの悪さはAONICシリーズ全般の問題点(というよりSHUREのイヤホンは以前から高域が下手くそで聴くに堪えない品質のものばかり)です。
Shureのヘッドホンではあれほど忠実に構築されていた美しい中域が、同じブランドのイヤホンでは全く不自然な音を聞かせるのも、悪い意味で驚きです。
Shureが唯一正しく実現しているのは正確な空間表現という部分だけです。ここは十分に優れており、フラットスピーカーの定位感に寄せられています。過渡応答を見てもきれいで、解像度も高く、空間表現においてShureが自信を持っていることは正しいと私も思います。しかし、それ以外はほとんど嘆かわしいと言わざるを得ません。
このイヤホンに私が値段を付けるとすれば……そうですね。見た目は悪くないので2万円くらいならなんとか買う気になるかもしれません。いや、この音じゃ使う気になりませんね。こんなのにお金を出すくらいなら、文句なく名機と言えるSHURE SRH1540を買ったほうがはるかに幸せになれることは間違いありません。
Shureの次回作に期待しましょう。
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