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【イヤホン用リケーブル Yinyoo YYX4750 レビュー】中高域の発色と刻みがよくなり、見通し感を増すバランスケーブル。リケーブルを楽しみたいなら、これでほぼ充分。

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Yinyoo YYX4750

Yinyoo YYX4750

YYX4750 4N銀 ケーブル mmcx 2.5mm 4極 バランス ケーブル 高音質 4芯 mmcx 銀 ケーブル mmcx 2.5mm 4極 バランス ケーブル mmcx 2.5mm 4極 リケーブル 2.5mmプラグ 着脱式 ケーブル シルバー 4極 ミニプラグ SHURE 846 535 215 315 425 UE900 W10 W20 W30 W40 W50 W60 HA-FX850 HA-FX1100 XBA-Z5 XBA-A3 XBA-A2 XBA-H3 XBA-H2 YINYOO PRO HQ5 HQ6 DQSM D2 MAGAOSI K5 YINYOO H5 LZ A4 A5 VT等に対応 Yinyoo(8芯・mmcx・2.5mmプラグ)

 最近はバランス接続に対応するデジタルオーディオプレーヤーの選択肢が増えてきて、低価格機種でも搭載しているのがお馴染みになってきました。加えて最近は格安の中国製バランスケーブルも多く、低価格でもmmcx端子に対応していたりする製品も増えてきたので、バランス接続を廉価に楽しめるようになってきました。

 バランス接続を「別次元」などと持ち上げる声もありますが、実際に音場の広がりと定位感が増して感じられるところはあるのは事実です。

 私も少しずつバランスケーブルを入手して試しているのですが、今回はその中でも個人的に感心した「Yinyoo YYX4450」を取り上げます。

 

 

現状ではReflectionの方がもっとおすすめです。

 この記事掲載後、よりコスパの良いケーブルを見つけました。

www.ear-phone-review.com

 

そもそも「Yinyoo」って何よ?

 詳しいことはわかりませんが、Yinyooは深圳のWoting technologyのバッテリー/オーディオブランド名のようです。Woting technologyは以前はWoting名義でamazonに商品を出品していましたが、現在はYinyoo名義とWOOeasy名義でOEM品を含めた商品展開をしており、それらを取り扱っているWTSUN Audioという販売業者はamazonの出品者ページを確認すればわかるように、Woting technologyの直営販売店です。

 Woting technologyは1999年に創業したDa Cheng Energy Technologyが改名したのかもしれませんが、名義としてShenzhen Yinyoo Energy Technologyを名乗っている場合もあり、正直よくわかりません。検索で引っかかったアリババの企業ページではShenzhen Woting Technology名義で2016年創業となっています。

 細かに情報の齟齬があって謎が消えず、しっくりこないんですが、まあブランド関係とか製造業者の本体がよくわからんのは中国オーディオあるあるなので、気にしなくて良いかな。このメーカーのはWTSUN Audioが直営だってことがわかってれば一番適切なサポート受けられそうなので、それだけ把握してれば問題ないでしょう、たぶん。

 WTSUN Audioは比較的サポートはしっかりしている印象を受けます。私はまだあまりここと取引したことないんですけど、レビューや店舗評価から見る限り対応は早くしっかりしており、売り逃げ業者ではありません。

 

スペックについて

 イヤホンケーブルで音質に大きく関わるスペック要素は影響の大きい順にまとめると、以下の通り。

  1. ケーブル素材
  2. プラグ素材
  3. 芯数
  4. 純度
  5. 太さ

 専門家ではないので、聞きかじり程度の知識ですが、簡単にまとめていきます。

ケーブル素材

 ケーブル内はオーディオ信号を伝える導線となる金属線が通っています。最もよく使われているのは銅線で、市販のイヤホンのケーブルは普通は銅が使われています。素材ごとの特性は簡単にまとめると以下の通り。

 ちなみに情報源はe☆イヤホンさんのブログを参照しました。この場で厚く御礼申し上げます。基本はe☆イヤホンさんの情報に私の観点を付与してまとめました。金についてはそもそも線材として希少なので、よくわかりません。電導率が高いから瞬発力が良くなるのかなと予想してます。←適当

 金と銀の合金であるオーグ合金を線材に用いたケーブルは、銅線(低域)と銀線(高域)のいいとこ取りをしたような音が出て解像度も高いとか言われています。また銀メッキ銅も同じように銅線の欠点である高域の鮮明度を補うと言われています。

素材 メリット  デメリット 
 銅
  • 中低域に厚み
  • 量感あり
  • つややか
  • ふっくら
  • 音がぼわつく
  • 瞬発力に劣る
  • 高域の鮮明度低い
  • 耐久性に劣る
 銀
  • 高域が鮮明
  • 瞬発力がある
  • 音が細め
  • 輪郭感強め
  • さっぱり
  • 音が硬質
  • キンキンしやすい
 金
  • 導電率が高め(銀・銅よりは低い)
  • そもそも希少
  •  そもそも希少

 

e-earphone.blog

 

プラグ素材

 プラグ部分のメッキ素材によっても音質は変わると言われています。この点私はプラグまでこだわらないので、完全によくわからんので、前掲のe☆イヤホンさんの記事から情報をまとめます。e☆イヤホンさんに拝礼!

素材 メリット  デメリット 
 金メッキ
  • 一般的
  • 一般的
ニッケルメッキ
  • 高域が派手
  • メリハリが良い
  • 中域物足りない
 ロジウムメッキ
  • 解像度が高い
  • 中域が豊か
  • 音が硬質

 

 聴覚心理学の研究によれば、人の聴覚は視覚と密接に連携しています。私たちが音響を言葉で表現するとき、それがしばしば視覚的イメージに置き換えられていることにも留意してください。私たちは音を「明るい」とか「キラキラしている」 とか「華やかだ」とか表現します*1。また視覚が聴覚をしばしば補うことにも留意する必要があるでしょう*2

 英語のリケーブルの議論を取り扱った最新記事はこうした聴覚心理学の研究結果を考慮してプラグのもたらす視覚イメージが聴覚に影響しているかもしれないことを指摘しています。少なくともこれらの材質の与える視覚的イメージが、その聴覚イメージと共通点が多いことに注意を向けています。銀は銅より「明るい」光沢を持っていますが、同様に音質も「明るい」と表現されます。

 

芯数

 一般的に芯数が多い方が分離感が強くなり、情報量も多くなるので解像度が高くなり、音場が広く感じられるようになると言われています。当然の如く、芯数が多いほど製造工程と材料加工に手間がかかるので、高くなります。

 

純度

 純度が高いほど導電率がよくなるので、純度が高いほど音質が良くなると言われています。数字にNをつけて4Nとか5Nとか6Nとか表記します。Nの前の数字が高いほど高純度です。NはNゲージと同じ9(nine)の頭文字で、4Nなら純度99.99%、5Nは純度99.999%、6Nは純度99.9999%となります。要は9が何個付くかを表しています。

 さらに純度に似たものとして、単結晶銅とか無酸素銅とかいわれるものがあり、単結晶銅は特殊な製造法で結晶構造を単一にして、結晶間にあるわずかな隙間をなくして導電率を高めたものです。無酸素銅は酸化物を取り除いた高純度銅で99.95%以上の純度の銅を指します。3N以上の銅の通称でもあるようですが、無酸素銅を名乗れるかは工業規格で定められているので、品質の信頼性は高いと言えます。

 ただし、純度が音質に影響を与えるかについては、そのあまりに低い導電率の変化から疑問視する意見もあります。

 たとえば先に示したリケーブルに関する英語記事では3Nと6NのOFC(無酸素銅)の導電率の差はわずか1%であり、それが体感できるかどうかについて、決着は付いていないと示しています。

 

太さ

 線材の太さは量感に影響すると言われています。基本的に太さまでこだわりだしたら、おそらく立派なオーディオケーブルマニアでしょう。普通は太いケーブルは取り回しが悪いので、太さはなるべくスリムなものを好むはずです。イヤホンで、ケーブルを太くして取り回し悪くしてまで音質にこだわる必要は、普通はありません。

 

Yinyoo YYX4750:現状最も廉価で手軽に手に入る銀ケーブル

 私の記事では時々あることですが、前置きが長くなりました。ようやくYinyoo YYX4750のレビューに入りたいと思います。このケーブルはバランス接続に対応し、線材に4N銀を利用し、プラグは金メッキを利用し、8芯構造です。

音質

 ここまで私の冗長な前置きを読んでくださった方にはもうこのケーブルのサウンドイメージは明確になったのではないかと思います。

 答え合わせしてみましょうか。このケーブルは高域でとくに鮮明感があって個々の音の輪郭感がしっかりしているのでシンバルは粒立ちがよく、女性ボーカルはのびやかで、音場は広く見通しも良いです。低域だけはバランス的に少しおとなしく、音も膨張感が減って締まりがよい音になっています。

 これがどこまで物理的特性により、どこから心理学的効果によるものかはわかりませんが、音質の変化がはっきり感じられることは確かです。私はこのケーブルを今、JVC HA-FX1100につないで試していますが、標準の6NOFC(無酸素銅)ケーブルではあれほど重たく熱気に満ちていた低域が、非常におとなしく、深掘り感を残して引っ込み、太くて充実した中高域の音は、太さはそのままですが、輪郭がはっきりし、背景が見えるほど見通しがよくなっています。高低バランス的には完全にHA-FW01に近い音に変貌しています。

形状

 このケーブルの形状はSHURE掛けスタイルに合わせて作られています。耳から垂らすタイプのイヤホンにつなぐときは左右を逆にしてつないでやると良いと思います。

 

【総評】リケーブルはオカルトか

 もはやリケーブル全体に対する結論のような総評になりますが、私自身はリケーブルの効果ははっきり感じ取れたので肯定派です。銅から銀に線材が変えればそれなりに効果が得られることがわかりました。線材の変更は最も大きな影響が出るので、これは誰でも確実に効果が感じられるような気がします。あとは変化に影響しそうなのは芯数くらいで、それ以外のプラグ材質とかは、果たして音質に有意な効果があるのか、私自身は疑問を持っています。繰り返し紹介した英語記事が言うように期待バイアスによる心理効果が大きいような気がするからです。

 そういう意味で、このYYX4750は手軽な値段で銀に線材を変更できるので、オーディオマニアでなくても確実に音質変化が楽しめる秀逸製品です。純度が違っても銅から同じ銅にケーブルを替えるのではそれほど劇的な音質変化はないでしょうから、リケーブルを楽しむなら、変化が味わえるこの製品が一番コスパが良いと言えるでしょう。銅ケーブルはせいぜいバランスケーブルが必要なときに合わせて買い揃えるだけでよく、形状の違いで揃えるのはあるでしょうけど、音質目的で純度が違うのを何本も揃える必要はないのじゃないでしょうか。

 実際私は2.5mmバランスの中華製銅ケーブルと4.4mmバランスの中華製銅ケーブルにこの銀ケーブルYYX4750だけで満足しています。ケーブルにこれ以上お金を出すなら、むしろイヤホンを買い足した方が音質自体が劇的に変わるので楽しめそうですからね。

 まあ世の中にはこのケーブルで商売している人もいるので、効果が薄いとはあまり言えないですが。

 

 

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*1:日本音響学会『音のなんでも小事典』講談社, 1996. p. 49

*2:前掲書 p. 74

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