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【ネックスピーカー BOSE SoundWear レビュー】付け心地と使い勝手はすごくよい。音質は少し首回りに音が集中してボーカルだけ聞かせる傾向がある。単純に高い。

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Bose SoundWear Companion speaker

Bose SoundWear Companion speaker ウェアラブルネックスピーカー

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「安定した使い心地」

おすすめ度*1

BOSE SoundWear

ASIN

B079T2X2D7

 まだ珍しいメーカー製のネックスピーカー。SONY製のSRS-WS1は発売した途端に人気沸騰して品薄になったのは有名な話。SRS-WS1はどちらかというとテレビやゲームとの連携を重視して、バイブレーション機能で臨場感を高めるなど趣向が凝らされていたが、Bluetooth機能を搭載していなかったので、純粋な音楽用スピーカーとしては使いづらいところもあった。それに対し、BOSE SoundWearはBluetoothに対応し、振動機能は排しており、より純粋なスピーカーモデルとなっている。

 装着感はよく、多少身体を傾けても落ちない。リクライニングチェアーに寄りかかってみても、負担感が出たりすることはなく、リラックスして音楽を楽しめる。

 内部は魚の骨のような柔軟な構造を持っており、自在に伸縮して身体にフィットする。

 

 対応コーデックはAAC/SBC。通信性能は安定している。

 

【2】外観・インターフェース・付属品「通話品質が優秀」

 付属品は充電用USBケーブル、マニュアル。

 インターフェースはブーメラン状の本体の両端部分にある。スピーカーは耳の直下の位置に来る。

 スマホと連携することが可能で、マイク機能を備えており、通話ができる。このマイクの通話品質は充分で、通話に不自由はない。この通話品質については海外の評論家も唸ったところで、「魔法のようだ」と形容するレビューもある。通話関連で他に便利な機能は、着信をバイブ振動で知らせるようにすることができるので、音楽に没入していても阻害せずにスムーズに通話に移れる。

BOSE SoundWearBOSE SoundWear

 

【3】音質「ネックスピーカーとしてはこれ以上はない」

 以前格安の中華製ネックスピーカーSEOBIOG HX208を使ったことがあるが、低域が出ず、耳に直接刺さる不快な音に怖気がするくらい快適性に欠けた音だった。それでネックスピーカーにあまりよい印象を持ってなかったが、さすがにBOSEは違う。

 低域は深みのある重低感とまではいかないが、充分な厚みのある音で、量感はしっかりしており、BOSEらしい音。耳近くで音を鳴らす関係上、こうしたネックスピーカーは音の振動波が耳にダイレクトに届きやすく、それが不快感につながりやすい。ここらへんもBOSEはうまく処理しており、多少耳に強めの音圧を感じるものの、刺さる感じはない。若干聞き疲れしやすいところはあるが、音量を低めにすれば振動波の鼓動も減るので、不快に感じるほどなら素直に音量を下げれば良い。

 このスピーカーの音質の良いところは、部屋鳴りしないこと。身体に近いので必要以上に音量を出さなくて済み、集合住宅で暮らしている人でも、一軒家でも、近所や家族を気にせず夜に安心して音楽を楽しめる。

 

[高音]:高域は相対的に落ち着いており、音色は暗め(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:低域と一緒に中低域付近に密度感のある太めの音で聴かせてくる。

[低音]:低音の厚みは良い。ベースの深さもそこそこ感じられる。100hzから厚みのある振動だが、80~70hz付近にピークを感じ、50hzからはほぼ無音。イヤホンや一般的なスピーカーに比べると、低域が首下にとどまる感覚があり、少し遠く感じる(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:低域は少し首回りに滞留し、中低域もそこから上方向にゆるやかに伸びてくる。ボーカルだけは分離感が強く、頭の中に芯棒のように音楽から浮かび上がってくるように聞こえる独特の感覚がある(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムはかなり膨張感があり、ボワボワして感じられるところはあるかも知れない。その分地熱感は強く、ウォームに感じる。ハイハットは少し下方向に落ち着いて聞こえる。粒感はそこそこ(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルは音量の割に分離感が強めに感じる場面が多く、高域ボーカルはやや耳への負担感が出やすい。

 

【4】官能性「バブリーなサウンド」

 perfume「Dream Fighter」は下から聞こえる関係上、低域音にもたれかかって楽器音が聞こえる感じがある。解像度感的にはボーカルの分離感は良い反面、音は全体的にまとまっていて首回りに絡まっているように聞こえるだろう。音のマフラーをしている感じになる。

 

 saya「The Girls Are Alright!」を聴いてみる。まず色味が全体的に暗い。やはり首回りに音が滞留している感じがあり、ボーカルは分離して浮き上がってくるが、透明感や煌めき感に欠けたやや太めの声で、溌溂さに欠ける。このバランスだとむしろカップリング曲の重厚なロック曲「宇宙を見上げて」や「ハルカトオク」のほうが楽しめる。ドライ傾向の味付けも合っている。曲のバランスも低域に寄っていて、ボーカルを浮き上がらせるバランスになっているので、印象的によく合致する。

 

 おそらく耳に負担を掛けない配慮なのか、低域の爆発力は柔らかく表現されるので、この曲の本来持っている火力感はだいぶゆるやかに聞こえる。ボーカルの浮き上がる分離感もあるせいか、少しボーカル周りがさびしげに聞こえるが、逆にボーカル中心に聴けると肯定的に評価しても良いかもしれない。好みじゃないけど。

 

 それに比べると、鹿乃「さよなら、アダムとイヴ」はいいかな。ウォームでも味わいやすい曲調なのと、ふんわりしたボーカルが相性が良いのかも知れない。楽器音は少し遠い気がするけど、その距離感を空気感を纏うボーカルが埋めてくれるので、結構満足して聴けた。

 

 ということで、同じような傾向で楽しめる物を探していると、最近個人的にリバイバルしてるインストゥルメンタルバンド「T-SQUARE」のアルバム「Brasil」にいきつく。「A Caminho De Casa」は落ち着いて聴ける。最近の曲と違って、緻密な感じじゃないのが良いのかも知れない。

 

 同じように聴き応えがあったのが安全地帯「ワインレッドの心」。これもたぶん緻密じゃない曲なのと、中低域付近に音がまとまっているのがいいらしい。かなり満足度高く、締まって聞こえる。ていうか「1991年からの警告」とか「真夜中すぎの恋」もすっごく気持ちよく聴けるので、おそらく安全地帯の曲とはかなり相性が良い。そうすると80年代ロックがいいのだろうか。

 

 ということで、久しぶりに探し出してきたのがCyndi Lauper。Cyndiの曲の中でも私の大好きな曲「I Drove All Night」を聴いてみる。はい、最高。爆発力のある低域と黒くはっきりした明瞭感のある低域の床面に集中する楽器音とそこから浮き上がる力強いボーカルが中毒的。なるほどね、こいつバブリーな曲に強かったのね。

 

【5】総評「重厚でわかりやすいロック曲向き。コスパは良くない」

 個人的には安全地帯とCyndi Lauperあたりを気持ちよく聴かせる時点で充分素晴らしいけど、最近の曲にはあまり強いって言えないかな。インストゥルメンタル系の曲とは相性悪くないみたいだけど、アニソンはあまり聴き応えある感じじゃない。通話品質がよいところなどネックスピーカーとしての出来は文句なく良いけど、音質目当てに買うと、人によっては微妙に思うことも多いかも知れない。80年代ロックのようなわかりやすい曲向きかな。

 そして作りが良いのはわかるんだが、いかんせん価格が高すぎる。結局良質なイヤホンなりヘッドホンを買った方がなんだかんだ言ってより満足できる可能性が高い。そういう意味ではライバルはSONY製のSRS-WS1よりはむしろ、同じBOSEのQuiet Comfort 35ⅡSoundLink around-ear Ⅱかもしれない。

BOSE SoundWear

 

【5】このスピーカー向きの曲

 普通に満足度が高い曲を探していくと、ヨルシカ「あの夏に咲け」。なんだろ密度感のある曲だから首回りだけに滞留する感じが強くないのと、ボーカルの傾向が合っているのかな。かなり良好に聞こえる。

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

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