zigsowからのメッセージ
じつは今日、zigsowっていうところからこんなメールが来ました。無断転載はだめらしいので、上に示したように画像引用という形に致しました。これなら法的にも問題ないでしょう。さて、zigsowというメディアをご存知ない方をいらっしゃると思いますが、彼らは「レビューメディア」を名乗っており、一般人からレビューを募って掲載しているサイトです。その一般人のレビュアーのレビューからアフィリエイト収入を得ようというのがまず第一の目的のようです。
ただそれだけではレビューは集まらないですし、商売にならないのか、企業と協力して、レビュー製品でレビュアーを釣ってレビューを書くインセンティブを与えています。
レビュー発信の場は意外となくなってきている
私自身はこのレビューメディアのスタイルがamazonのVineとどう違うのかわからなかったですし、形態としてあまり好ましく思えなかったのと、まだ自分のレビュースタイルに安定感がなかったので、参加していませんでした。何より発表の場としてはamazonのカスタマーレビューで充分でした。比較的初期の2012年くらいにzigsowにちょっとだけ投稿したきりでした。
転機となったのは、2016年ころからamazonでステマレビュー問題が大きな話題となり、私は中華製品に好意的なレビューをいくつも書いていたのと(それ以上に否定的なレビューも書いていましたが)、たまたまレビュアー順位が急速に高くなったので、ヘイトに晒されるようになったことでした。脅迫めいたメールが来たこともありますし、自分のレビューに上位レビュアーから文句が来ることも多くなって*1、気持ち悪いのでamazonへのレビュー投稿をやめました。私自身は上位レビュアーになるのを夢見てamazonにいろいろレビューを投稿していました時期もありましたが、amazonでは自由な言論はできないです。
残念なことですが、ステマ問題などがあってレビューに関する一般の目は厳しくなり、迂闊に率直な意見でレビューを書きづらいところもあり、レビュアーが素直に言葉を発する場が狭められてきているところがあります。中華製品を少し褒めるとステマだとか言う輩が非常に多い。そこで私は最終的に自分でブログサイトを立ち上げることにしました。本サイトは明記しているようにアフィリエイト収入を得ていますが、それらははてなプロの更新料を稼ぐためです。多少余剰がありますが、それもオーディオ製品の購入代にしており、ブログ生活者ではありません。それに憧れているところはありますが。
私としては誠心誠意自由なレビュー発信ができる場所を探して、結局いろいろ邪魔されずに発信できる場所がここしかなく、最終的にこのブログを立ち上げることになったというのが経緯です。このブログを立ち上げてからは、自由になった反面、迂闊なことは書けないところもあり、責任感を感じつつ、日々読者の皆さんに楽しんでもらえるよう不器用ながらいろいろ工夫を凝らしてきました。楽しんで頂けていればそれだけで幸せです。
で、話は戻りますが、最近になって私は久しく忘れていたこのzigsowを思い出し、せっかくいろいろレビューしているのでリンク元を開拓する風穴を空ける意味でもレビューの一部を抜粋して掲載したら楽しいだろうなと思い至ったのです。私にはzigsowが相変わらず閉鎖的なように見えていました。
12月くらいから比較的時間があったので、ちょくちょくzigsowにレビューの抜粋を転載しました。あまりリンク元開拓効果はなかったですけど、やっぱり自分のレビューが少しでも目に触れるというのは楽しいものです。抜粋の掲載に当たってはアフィリエイトリンクなどの部分は外して音質レビューを中心にした抜粋にし、ちょこまかと更新しておりました。そしたら今日、こんなメッセージが来たというわけです。
抜粋内容に自分のブログへのリンクを貼っていただけですが、偏狭なるzigsow先生はリンクを貼ったブログにアフィリエイトリンクがあることすらも気に入らないようで。おそらく、リンク元にされるのがイヤなんでしょう。レビューの内容はお構いなしに。百歩譲って、zigsowが私のブログ記事の収益以上の原稿料払ってくれるなら、ブログ辞めてzigsowに載せますが、原稿料なんてないでしょあそこ。
私個人としてはzigsowに愛着も忠誠心もないですし、メッセージを見た途端に「あ、これはセンスないメディアだ。関わるだけ損なヤツ」って悟ったので、その日からzigsowに一切関わるのを辞めて放置しました。
zigsowはレビューメディアとして閉鎖的でいつか失敗する
さて、今回のメッセージを頂いてわかったのは、zigsowというのが自由なレビュー発信の場ではなく、閉鎖的なレビューメディアだということです。zigsowは品質の高いレビューの商業化に目を付けたという意味では先駆的ですが、その成功者にはなれないと思います。
一つは一部のレビュアーを囲い込んでいて、商品提供をしてレビューを書かせていますが、これは結局のところ、自分のアフィリエイトリンクを充実させるためで、その収入を商品提供を受けていない大多数のレビュアーに還元しようという視点などはありません。さらに今回のようにレビュアー自身がサイト運営上の事情からアフィリエイトをしている場合でさえ認めようとしません。
これはレビューの中立性を守るためだとzigsowは言うでしょう。しかし、果たしてそうでしょうか?傍目から見ても、zigsowはしっかりした仕事をしているレビュアーに適正な対価を提供しているとは思えません。「衣食足りて礼節を知る」という言葉があります。レビュアーは適正な対価が得られ、安心できてこそ自由で忌憚なく意見を述べることができます。射幸心を餌にレビュアーに自分好みの「中立性」を押し付け、意に沿わぬ相手を排除するような姿勢を取るzigsowには、真の意味での「中立性」はなく、あるのは虚飾のみで真の意味での経済効果も生まれないでしょう。運営が排除的な姿勢を貫く限り、zigsowからレビュアーが自立できない、あるいはzigsowの中でさえも自立できない、搾取される構造になっているのです。レビューメディアという美名はレビューに真の経済効果を生み出すものに与えられるべきですが、zigsowはそのような経済的効果は生み出していないので、単純な搾取の場でしかないのです。
私がzigsowで一番問題視しているのは、結局のところ閉鎖的な運営体質とその収益分配における不公正です。彼らはギャンブル業者とあまり変わることがなく、もしくはもっとひどいところがあり、もらえるかもわからない製品を餌にレビュアーを募り、zigsowのルールに従わせ、忠誠心を維持し、出稿料も払わずにレビューを集め、そのレビューを商業的に利用しています。これではレビュアーは最終的にzigsowに奉仕するようになり、レビューを必要としている読者に奉仕しようとはしなくなるでしょう。レビューの読者に対する誠実性を失ったレビューメディアなるものに生き残る道があるとは思えません。
このようなやり方はレビュアーを疲弊させますし、彼らが上質なレビューを書くための環境作りをしようというような観点が皆無です。つまりamazonといっしょで彼らはレビュアーからレビューを搾取し、気に入らなければ勝手に削除するし、商業的対価は独占して還元しません。賢明なレビュアーほどこの構造に嫌気が差すでしょうから、このようなレビューメディアが発展するとは思えません。
レビュアーとしての矜持
私自身にとってこのブログでアフィリエイト収入を得るということは大変な責任になっております。少しでも多くの製品について、手に取って使い、詳しく調べ、よいレビューを書き、本当にいい製品を納得した上で買ってもらいたいと思っています。今も手探りでレビューをしている状態で、よりよい方法を探っている状況です。私のブログを通して満足できるオーディオ製品に出会い、喜んでもらえること、それだけが私の願いです。
だからつまり、何が言いたいかというと、zigsowはやはり私にはふさわしくないので、掲載はやめることにしました。この禁止行為なる規定を読んでも最終的にはzigsowの言いなりになるしかないようですし、守るだけバカバカしい規約です。丁寧にレビューを書いてもzigsowに搾取されるだけとか誰得。道は遠いでしょうが、偽りのレビューメディアの言いなりになるより、私は真剣にレビューをしたいのです。
レビューメディアを名乗るなら、レビュアーがレビューだけで食っていけるくらいのシステムを自前で作るべきです。餌で釣って原稿料を払わずに搾取するようなシステムを行っている限り、日本に本当のレビュー文化は根づきませんし、レビューに正当な対価を支払える環境を作れていない搾取気質のzigsowはむしろ真のレビュアーが育つためには障害でしかありません。
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*1:上位レビュアーには同じ商品にレビューするとストーキングしているとか言い出すのがいます。