- 【1】装着感/遮音性/通信品質「軽量で着け心地は良い」
- 【2】外観・インターフェース・付属品「2pinリケーブル可能」
- 【3】音質「高域で緻密さを強調し、硬い感じで音をくっきり聴かせる分解能高めの高解像度系サウンド。全体的に音が細く、ギスギスしやすいのが欠点」
- スマホ向き
- 【4】官能性「曲を選ぶ」
- 【5】総評「ハズレ率も高いかも知れません」
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【1】装着感/遮音性/通信品質「軽量で着け心地は良い」
おすすめ度*1 | |
---|---|
ASIN | |
B07TLXRMFB | |
スペック・評価 | |
再生周波数帯域 | 20~25000Hz |
インピーダンス | 55Ω |
感度 | 108dB |
ドライバー |
バランスドアーマチュア型ドライバー4基+ダイナミックドライバー2基+セラミック振動板ドライバー1基 |
音質傾向 |
木管楽器がきれい、高域が詳細、爽やか、薄味、緻密、手がかりが多い、ワイドレンジ |
シュア掛け可能で装着感は悪くありません。軽量で耳に比較的良く収まります。遮音性もそこそこ良いです。
テスト環境
今回のテストはCayin N6II/E01とAstell&Kern a&norma SR15、Astell&Kern KANN CUBE、ONKYO GRANBEATで行っています。ゲイン設定は基本的に「低」設定です。
インピーダンスは55Ωのあるので本来であればゲイン設定は高めにすべきですが、このイヤホンはピーキーなので低設定の方が聴きやすいです。
【2】外観・インターフェース・付属品「2pinリケーブル可能」
付属品はイヤーピースの替えです。
【3】音質「高域で緻密さを強調し、硬い感じで音をくっきり聴かせる分解能高めの高解像度系サウンド。全体的に音が細く、ギスギスしやすいのが欠点」
レコーディングシグネチャー(試験運用中)
レコーディングシグネチャーはバイノーラル録音されていますが、品質は良くありません。低域は抜けやすくなるので、イコライザーで低域を持ち上げていますが、それでも充分出ていません。したがって聴いたそのままの音質とは異なりますので、あくまで参考情報ということでお願いします。
原曲
銀の意志 Silver Will / 空の軌跡ざんまい / Copyright © Nihon Falcom Corporation
今回は標準イヤピのLサイズを使ってレビューします。
音質的にはかなり高域が目立つ調整になっています。とくに初めてこのイヤホンの音を聴いた印象はかなりシャリシャリして聴きづらい感じがあるかも知れません。異様に緻密感にこだわっている感じがあり、とくにシンバルを聴けば粒立ちがかなり強調されていることにすぐ気づくでしょう。ボーカルも最初は実体感があまり感じられないと思います。少なくともボディは薄く、子音が尖り気味で、なんかサ行やツ音がやたら強調されて聞こえると思います。スネアは細いながらも手応えが強調されて硬い感じがあるので、メリハリは利いていて、スピード感は悪くありません。低域は曲によってほとんど聞こえない場合もありますが、ロックではベースやドラムに強調がある場合、浮かび上がるように聞こえると思います。
しかし、音に重みや深みがそれほどない割に、低域がボーカルからは離れて聞こえるような少し過剰なワイドレンジ感があるので、間がスカスカして感じられる可能性があります。また床鳴りを感じられるほどには低域は沈みこんでません。そのせいで低域音はクリアですが、床から浮き上がっているように聞こえ、なんか音楽全体が上から下までふわふわして軽い印象を受けます。この低域もスピード感が良く、ハキハキして聞こえるのはなかなか好みです。スネアは鼓面を強調するところがあるので、リズムは基本的にビシバシ感は少し強めになります。キックはスピード感重視なので、踏み込みは少し甘い印象を受けるかも知れません。低域確認用に使ってるドラムとベース中心のテスト動画を鑑賞しても、サコサコシャリシャリ、スネアとシンバルが目立つ感じなんで、低域に集中できずうるさい感じはあります。
さて個別に音域を確認していきますと、まず低域ですが基本的にはあまり厚みのないクリアサウンドで見通しが良い感じです。実際のところ、この機種の低域単体の評価は海外のレビューでも悪くないものがほとんどです。全音域鳴らすとせっかくの低域が聞こえにくくなって残念なだけで、低域音自体の質は決して悪くはありません。低域は明るめですが、黒みもあり、胴鳴りは適度に抑えて、ベースラインとキックの点がよく見える感じがあります。鳴動とか振動があまりない音でモニター的ではありますが、ディテール感には優れています。ただし沈み込みが甘いのでスピード感はやや早すぎる感じはあり、キックの踏み込みを重視する人やどっしりとしたベースラインを求める人には物足りないでしょう。低域弦楽は明るくクリアで、ビヨンビヨン躍動します。浅く厚みも出さずに軽い感じなので、濃厚感は出ません。またこの低域は単体としてはクリアなレイヤー的な見通し感があり、良好ですが、バランス的に高域に対して劣位に置かれているので、大抵の楽曲で存在感が希薄です。
中域は過剰に低域から分離されていて、妙に下が清潔です。もともとあまり強くない低域の暖かみは、ほとんど中域に届かず、空間には透明感があります。楽器音は基本的に低域を離れて、中空から伸びてくるような不思議な感じになっています。これが大抵の楽曲でまるで蜃気楼のように音が浮かび上がっている感覚を味わわせ、分離が良いので解像感は高まっていますが、根立ちが極端に悪い印象を与えます。実体感に乏しく、中域で色味も薄くなりがちなので、中高域の艶やかな音が人工的で無機質的に聞こえやすくなっています。中域では充実感はほとんどありません。ボーカルはボディがほとんどなく、語尾と子音が目立ち、声質は乾いてハスキーに聞こえやすく、ボーカルラインのメロディーが刻まれて過酷な表現になりがちです。抱擁感に欠け、落ち着いて聴ける雰囲気はないでしょう。
NX7はピエゾドライバーの採用により豊かな倍音成分を持っていることは事実であり、木管楽器の響きやピアノの上辺、弦楽に透明感があるのは確かで、この点は非常に魅力的です。しかし一方で、金物系の音も過剰に強調されやすく、シンバルの粒立ちは過剰気味で、しかも異様に粒立つ割に抜けが悪いので、美しく響く楽器音の近くで過剰に目立ちます。率直に言って、このシンバルは多くの曲で邪魔で、もう少し清潔感を考慮すべきであると私は思います。シンバルだけでなく金物に少し過剰な強調感が出るので、音の手がかりは中高域で極端に増えます。ボーカルもこの領域に突っ込んで聞こえやすいので、曲によってはシンバルと混ざってゴチャゴチャうるさい印象を受けるでしょう。そのボーカルも子音が尖るのでなおさらシャリシャリ感を助長します。率直に言って、ボーカルは妙に高い感じで聞こえ、あまりに気持ち悪いので個人的にはいらないくらいで、インスト曲のほうがまだ落ち着いて聴ける印象です。
どうも高域の開放感が見た目ほど良くないんで、いろいろレビューを読んでみると、10khz付近をかなりカットしているようです。おそらくサ行の刺さり対策の気がしますが、あまり効果が出ていないばかりか、むしろボーカルの息が突然スパッと切れたり、シンバルが高く抜けない原因になっているようです。せっかく高域が詳細にされているのに、音が詰まって音場が開放されていない、妙なモヤモヤ感が残るのは、このあたりに原因がありそうです。
ぶっちゃけ、このメーカーの音響設計には毎度投げやりな印象を受けるのですが、NX7も率直に言って、高域の一番いいところをきれいに緻密に解像度高く聴かせて見た目の美しさだけで人を惹きつけるような、行き当たりばったりな印象があり、音楽全体を丁寧に聴かせようという、あるべき根本的な哲学の不足を感じます。音場は一見透明感が高く、音が細いので広いように思えるかも知れませんが、見た目ほど高域に開放感はなく、横幅も窮屈なので、奥行きが多めで、しかも低域が離れて感じられやすいので音楽の下半分はスカスカしやすいです。その割に中高域は平坦で音が集中しやすく、奥行きも途端になくなってガチャガチャ感じられたりもします。そして高域成分が多い楽曲は基本的にギシギシして音が聞こえる印象を受けるでしょう。音は基本的にドライです。
基本的にこのイヤホンのボーカルは過酷に聞こえやすいので、不快になりやすく、いっそいないほうが聴きやすいです。豊かな倍音表現を楽しむために落ち着いたインスト曲を聴くのが良いでしょう。倍音成分が豊かなので木管系の音と相性良さそうです。それでも少しサワサワ高域が毛羽立つので、うるさい感じはあるかもしれません。また音数は適度にあった方が良く、たとえばピアノ弾き語りのような静かな曲を聴くとサーッとしたヒスノイズが出やすいです。
スマホ向き
このイヤホンはむしろ解像度が高すぎないスマホなんかで聴く方が落ち着くと思います。DAPだと解像度を出しすぎて過酷さが悪目立ちするところがあるので、音が柔らかくしかも駆動力が出ない再生機器のほうが相性が良さそうです。
#NICEHCK NX7。スマホで聴くと良いかもみたいな情報いただいて、聴いてみると、ドライで人工的な感じは残りますが、なんか適度に高域落ち着いて普通に聞きやすくなりました。ギスギス感がだいぶ減って中域が聞こえやすくなりますな🤔 https://t.co/Drj2LkFcFK
— audio-sound @ hatena (@audio_sound_Twr) January 10, 2020
音質因子評価
音質因子 | 評価 |
鮮やかさ (鮮やか/色味が薄い) |
鮮やか。空間は清潔で中高域は倍音も含めて豊かに出るが、少し過酷。 |
鋭さ (鋭い/鈍い) |
尖る。ボーカルは特に子音が尖りやすく不快。 |
明るさ (明るい/暗い) |
明るい。中高域の一番明るい辺りをギンギンに出してくれる。 |
派手さ (派手/地味) |
派手。中高域が派手に出る。 |
硬さ (硬い/柔らかい) |
硬い。音は全体的に粒立ちすぎてシャコシャコしやすく、硬く感じやすい。 |
尖り (尖っている/丸みがある) |
尖る。ボーカルが基本尖る。 |
穏やかさ (穏やか/騒々しい) |
騒々しい。中高域がうるさくなりやすく、ガチャガチャしやすい。基本シンバルの存在感が過剰気味。 |
力強さ (力強い/嫋やか) |
普通。アタックは強めだが、音は細く、ミニチュア的。 |
豊かさ (豊か/貧弱) |
貧弱。高域の情報量は多めだが、中域が清潔すぎて抱擁感に欠ける。音楽は上半分ばかり聞こえる。 |
太さ (太い/細い) |
細い。緻密。 |
手触り (ざらざら/滑らか) |
ざらざら。粒感は細かい。 |
粒感 (きめの細かい/粗い) |
きめの細かい。とにかく粒立ちは細かい。 |
清潔感 (澄んだ/濁った) |
澄んだ。過剰なくらい清潔。 |
潤い (潤いのある/乾いた) |
乾いた。音は基本ドライ。 |
重さ (重い/軽い) |
軽い。中域以上が蜃気楼のように浮き上がって聞こえる。 |
ボーカル因子評価
ボーカル因子 | 男声 | 女声 |
澄んでいるか (澄んでいる/濁っている) |
澄んでいる |
澄んでいる |
明るいか (明るい/暗い) |
明るい | 明るい |
伸びやかか (伸びる、突き抜ける/天井感がある) |
伸びやか |
伸びやか |
潤っているか (しっとりしている/乾いている) |
乾いている | 乾いている |
太いか (太い/細い) |
細い | 細い |
濃いか (濃い/薄い) |
薄い | 薄い |
子音が強調されるか (目立つ/目立たない) |
目立つ | 目立つ |
空間因子評価
空間因子 | 評価 |
主に中域の密度 (ぎっしり/スカスカ) |
スカスカ |
主に高域の高さ (抜けが良い/天井感がある) |
やや抜けが良い |
主に低域の深さ (深掘り感がある/浮き上がりがよい) |
普通 |
主に中域の奥行き感 (前進的/後傾的/前傾的/後退的) |
前傾的 |
主に低域と中域の横幅 (広い/狭い) |
やや広い |
定位感 (頭内的/頭外的) |
普通 |
分離感 (拡散的/密集的) |
拡散的 |
美点
- 空間が清潔
- 倍音成分が多く、上に伸びやか
- アタック感がある
- 緻密
- 爽やか
欠点
- 音に抱擁感がない
- 実体感に欠ける
- 濃厚感に欠ける
- 色味が薄い
- 子音がうるさい
- サ行刺さりやすい
- ヒスノイズが出やすい
- ガチャガチャしやすい
- 過剰な分解能
- 見た目の割に抜けの悪い高域
[高音]:高域は緻密さと輝き感重視に聞こえる。そのわりに開放感に欠ける感じもあり、また繊細すぎてヒスノイズも出やすい。基本的にロックはいつもなんかシャカシャカシェイカーみたいにハイハットが聞こえていることが多く、一本調子で面白味に欠ける。またシャーンという空気感は意外と抑制されており、見た目の割に高さを感じない。中高域は充分に強調され、スネアの鼓面は明るく硬めに弾けるし、ギターは妙に明るく浮かれ気味でギュンギュン伸びてくる。ボーカルの子音は尖りやすく、サ行はやや刺さりやすい。また弦楽は筋立ちが強くヒステリック気味になりやすいが、高いところでは透明感がある。一方で高域木管はかなりきれいに聞こえる(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)
[中音]:中域は過剰に清潔。ボーカルのボディが薄く、甘味が感じられにくい。基本的に子音をつないで聴かせる感じがあるので、落ち着きなくガタガタしやすい。また楽器音は低域との繋がりが寸断されているので、この中域の奥の方から突然浮かび上がって伸びてくるような感じになっている。そのせいで蜃気楼のように音が高い位置で浮かび上がって聞こえやすい。
[低音]:100hz~40hzまで鈍いボーッという音。30hzで沈み、20hzでほぼ無音。低域は見通し感が良く、中域から分離されていて、ベースは明るめに聞こえる。少し重い感じはあり、床鳴り感もかすかにあるが、淡いので高域音がうるさいこのイヤホンでは基本的に目立たない。バスドラムキックもトストス固まりになって聞こえやすく、やや軽めに感じる。床鳴りは少しあるが目立たない。低域弦楽も透明で少しビヨンビヨンしており、躍動感はあるが、濃厚感はない(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:基本的に中高域から高域にかけてに強調があり、その緻密な表現のおかげで音楽全体の解像度が高いように感じられやすい。音は細め。空間は清潔だが、高域でノイズ感が出やすい。音はパキパキして感じられやすい(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:スネアの鼓面が優位でバシバシバチバチし、さらにそのすぐ上にシンバルが被さってくるバランスになっていて、ロックは曲によってかなりうるさく、音の整理が出来ていない印象を受ける。ビシバシ感は強めに出やすく、バスドラキックは力関係的に弱いので、重みが足りない印象を受けやすい。明るめのバシンバシン、バチンバチン。ハイハットは曲によってかなり目立ちやすく、スネアとかぶさりやすくてガチャガチャする。疾走感は強め(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:ボーカルは過酷。男女ともに薄味でしかも女声ボーカルの場合、スネア・シンバルの派手に鳴っているあたりに突っ込んで聞こえやすく、ガチャガチャする。ここらへんを聴けば見た目ほど音場が広くないことは容易に分かるだろう。ボディは薄めで子音が目立ちガタガタした感じになりやすく、しかもサ行は刺さりやすいわりに息の伸びは思ったより悪い。ボーカルはハスキー気味でドライな声質で人工的に聞こえる上に、とくに女声ボーカルは基本的に不快要素が多いので聴きたくないくらい。
【4】官能性「曲を選ぶ」
大原ゆい子「言わないけどね。」
【Cayin N6II/E01(A)で鑑賞】単純に不快です。チャカチャカカリカリ解像度を高く出すのはいいでしょう。それが横幅と縦軸の狭い範囲で聞こえるので、個々の音が接近しすぎてうるさく落ち着く場がありません。さらにボーカルもその一番ガチャガチャしているあたりに突っ込んで聞こえる上に、ギャンギャン吠えた感じで子音の強調も強くてガタガタしてるので、気持ち悪くて聴けません。高域が不必要に情報量が多いのはまあ許せますが、抜けが悪いのが最悪で、ギチギチに詰まった音がします。
言わないけどね。(アニメ盤) TVアニメ『からかい上手の高木さん』OPテーマ
久石譲「仕事はじめ」
【KANN CUBEで鑑賞】こういう適度に音数が少ないけど少なすぎもしない適度な密度感のある曲とは相性が良さそうで、明るく解像感高めに聴かせてくれます。少しスカスカした感じがありますが、手がかりが多いのであまり気になりません。音に深みはなく、なんか妙にウキウキして聞こえますが、まあ悪くないでしょう。ちなみにこの曲を聴くなら、ELECOM AMA25813なんかを買った方がたぶん満足できます。そもそもこのイヤホンで聴くと上半分しか音が鳴っていないような、妙に軽く細い感じになり、最初はパリパリした解像度が気持ち良いように思えますが、芸がないので聴いているうちにすぐ飽きます。
「今まで聞こえてなかった音が聞こえるぞ!」と言いたい人にはおすすめしますが、基本的に音楽性を考えると、あまり聞かせなくても良かった音が聞こえるだけです。
Snai's House「Galactic Whisper」
【SR15で鑑賞】SR15は音の輪郭が柔らかく、高低バランスはフラットにやや中域で充実感を出して均してくれるところがあるので、このイヤホンのきつい感じをよく調整してくれるかもしれないと思いました。少なくともyinyoo Yy-Ashの時にはこの試みはうまくいきました。今度はどうでしょうか?
……残念ながら、あまり効果はないようです。高域が非常にギシギシした感じで余裕がなく、キラキラした音もカリカリに聞こえて、なんか耳に歯科医のドリル突っ込まれてる気分になれます。この曲をこのイヤホンで聴いていると、こめかみが痛くなってくるくらいで、頭痛の種になりかねません。よほどギシギシした感じが好きだという人以外は、基本的にEDMトラックを聴くのは避けた方が良さそうです。
小田和正「ふたつの奇跡」
【GRANBEATで鑑賞】声量がしっかりしていて、子音が落ち着いている小田和正の曲はこのイヤホンではおすすめです。ちょっと高域で妙にスースーした感じがありますが、解像度高めに細かく聞かせる感じがあります。
しかしこの曲もELECOM AMA25813のほうが断然自然で音の繋がりも良く、響きも豊かに聞こえるでしょう。なんかさっきからELECOMの宣伝ばかりしてる感じになってますが、レビュー予定品でたまたま手近にあり、同じ高解像度系の音で値段も近いので引き合いに出しただけです。
【5】総評「ハズレ率も高いかも知れません」
この機種はハズレ品も多いという噂を聞きます。私の手持ちの個体がハズレ品の可能性もあると思いましたが、よく他サイトのレビューを確認したところだと、音の印象はだいたい私の個体と同じ感じなので、おそらく私の個体はハズレ個体ではないと思います。ただ、大抵このイヤホンを悪く評価すると、「ハズレ個体の可能性もある」という指摘が来るのでそういうもんなんでしょう。「エイジングが足りないのでは?」という言葉もよく来ますが、エイジングしてまで楽しむほどの音であるとは私には思えません。基本的には私の好みの音ではありませんし、万人向けとも思えないのでオススメしません。ていうかハズレも多いなら、なおさら買う必要はなさそうです。
一方でこのイヤホンが人気が高い理由もよくわかっています。単純に中高域から高域が異常に強調されているので音が美しく聞こえ、緻密さを強調するので、「これまで聞こえなかった音が聞こえている」感覚を抱けると思います。また倍音成分が多いので、木管はきれいに聞こえました。
- 中高域が艶やか
- 清潔感がある
- 音が細く、人工的に聞こえる
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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。