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【中華イヤホン OSTRY KC07 レビュー】やや硬質に輪郭を強調してかっつり聴かせるメリハリ感の強い、緻密系の透明感と光沢感が強めなドライな出音だが、シャープネスや音圧は適度に調節されており、聴き心地も良い。おすすめ

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OSTRY KC07

OSTRY KC07

OSTRY KC071DD + 1BA ハイブリッド MMCXリケー ブル対応 イヤホン【日本限定版】【国内正規品】 (標準ステレオ3.5mm, シルバー)

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「アルミハウジングで頑丈。装着感は良好」

おすすめ度*1

OSTRY KC07

ASIN

B07M82MQPX

スペック・評価
再生周波数帯域 20~20000Hz
インピーダンス 24Ω(スイッチにより可変)
感度 101db
ドライバー

ハイブリッド型(DD×1, BA×1)

音質傾向

弱ドンシャリ、アタックが強い、カリカリ、シャリシャリ、チャリチャリ、かっつり、パワフル、ドコドコ、ドカドカ、派手、ドライ

 耳穴に向かって出っ張るようにノズルの根元が盛り上がっており、耳にしっかり嵌まります。遮音性はそこそこ良好です。

 

テスト環境

 今回のテストはHiby R6 ProONKYO GRANBEATで行っています。ゲイン設定は低設定です。

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【2】外観・インターフェース・付属品「mmcxリケーブル可能」

 付属品はイヤーピースの替え、キャリイングケース。リケーブル時のコネクタはmmcxになります。

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【3】音質「かなりカリシャリした派手めの高域の出音を楽しませてくれる。ただし音圧は適度に調整されており、低域もほどよく支えが良いので聴き心地は安定している」

 音質的にはやや硬めでカリカリチャリチャリした硬めの手応えのある中高域が特徴的です。凛とした透明感のある出音で、より高い高域でも一定の出音があるので、シンバルも粒立ちが強調され、シャンシャンした空気感も出ます。ただし透明感のあるガラス質の光沢があるあたりが一番良く聞こえるバランスになっているようで、シンバルもチャリチャリした眩しいあたりを強めに聴かせ、ピアノも少しキンキンし、高域弦楽もややギラつきます。そういう意味で一般的にアグレッシブな音楽表現に感じられるとは思いますが、押し出し感は適切にセーブされているので、聴きやすい距離感を維持して、うるさげになりにくいです。色味が鮮やかになりすぎないよう配慮されている感じです。どちらかといえば、歯切れの良いドライでクリスプな刻みを感じることができる音と言えます。中高域の繊細さを重視したような表現力は、人によってはかなり魅力的に映るでしょう。

 中域は少し清潔で後退している感じですっきりしており、楽器音の艶やかさに比べると、ボーカルは意外にもそれほど突き抜けは強くなく、潤い感が抑えめでやや乾燥しており、どちらかといえば男声ボーカルのほうがはっきり聞こえます。そのため、人によっては、とくに女声ボーカルでやや包容力の足りない印象を受けることはあるかも知れません。また楽器音もやや中域で広がりに欠け、間延びする印象を受けます。

 中域と低域の間はパンチが少し強いようで、緩く出やすいところはあり、人によっては若干境目が曖昧に感じられ、立体感的に緩く感じられ、場合によってわずかに篭もっているように思うかも知れません。

 低域は地熱が強く出やすく、熱気があってだいぶドライで、場合によってモサモサした感じがあり、あまり透明な感じではありません。中低域であまり膨らみを強調する感じもないので、量感の割に意外と抱擁感がなく、少しよそよそしく感じることころはあります。ベース音は濃いめ、キックもやや分厚くドンドンボンボン聞こえる感じがあり、下に重いです。低域弦楽は少し透明度が高く、下の方でドーンと床面に重みを出す、深掘りのある音になります。クラシックやJAZZなどのアコースティックな曲を楽しみたい場合、おそらく大半の人は125hz~250hzにもう少しボリューム感が欲しいと思うのではないでしょうか。

 

音質因子評価
音質因子 評価
鮮やかさ
(鮮やか/色味が薄い)
やや鮮やか。音はくっきりしているが、音質はややドライなので音が乾いて感じられ、色味に深さを感じないところがある。

鋭さ

(鋭い/鈍い)

やや鋭い。中高域で緻密さを強調するところがあり、音は少しシャープ。
明るさ
(明るい/暗い)
やや明るい。中高域で明るい光沢感があり、清潔感もあって高さもあるので、明るい印象を受けるが、低域も深いところを黒く強調するので、全体が明るい感じではない。
派手さ
(派手/地味)
やや派手。出音はやや派手目だが、音はドライで色味を鮮やかに押し出す感じでもないので、キラキラが必要以上に強い感じでもない。
硬さ
(硬い/柔らかい)
やや硬い。音のタッチは強くなく、鮮やかさも抑えられているので硬質感がしつこく出る感じはないが、音は全体的にやや硬め。
尖り
(尖っている/丸みがある)
やや尖っている。すでに述べたようにややシャープネスは強い。
穏やかさ
(穏やか/騒々しい)
やや騒々しい。聴き心地は適度に調整されているが、全体的に音が乾いている中で、ギターとシンバルはかなりギラつくので人によっては妙にうるさげに思うかも知れない。
力強さ
(力強い/嫋やか)
やや力強い。全体的にエッジを際立たせる感じはあり、アタックは強め。低域も深いところで重くパワフルさを出すところがあり、足踏みが強い感じがある。
豊かさ
(豊か/貧弱)

普通。全体的に音が少し硬く緻密傾向で、豊かに広がるという感じではない。抱擁感にはやや欠けるだろう。低域も包容力のある感じではなく、重く引き締める感じである。一方で中域下に安定感があり地平線で一定の厚みが感じられるので、よそよそしいが貧弱な感じでもない。

太さ
(太い/細い)
普通。高域でやや細くなる傾向があるが、全体的には中庸な太さを維持している印象を受ける。
手触り
(ざらざら/滑らか)
ざらざら。ドライで砂粒のような粒立ちを感じる。
粒感
(きめの細かい/粗い)
細かい。上述の通り、粒立ちは細かめで上で少しシルキーな手触りを感じたり、下で砂粒のようなざらざらな手触りを感じることができ、全般的に緻密に感じる。
清潔感
(澄んだ/濁った)
やや澄んでいる。低域がややブンブンうるさくなりやすいところがあるが、全般的に見れば清潔系の音である。
潤い
(潤いのある/乾いた)
乾いている。印象はドライ。
重さ
(重い/軽い)
やや重い。ベースがやや強く出やすく、ブンブンした重みは感じやすいだろう。低域弦楽も深掘りを強調しやすく、一般に浮き上がりの良い低域ではないので、沈みが強い。

 

ボーカル因子評価
ボーカル因子 男声 女声
澄んでいるか
(澄んでいる/濁っている)
やや澄んでいる やや澄んでいる

明るいか

(明るい/暗い)

やや明るい やや明るい

伸びやかか

(伸びる、突き抜ける/天井感がある)

やや伸びやか

普通

潤っているか

(しっとりしている/乾いている)

乾いている 乾いている

太いか

(太い/細い)

普通 普通

濃いか

(濃い/薄い)

普通 やや薄い

子音が強調されるか

(目立つ/目立たない)

やや目立つ やや目立つ

 

空間因子評価
空間因子 評価
主に中域の密度
(ぎっしり/スカスカ)
普通
主に高域の高さ
(抜けが良い/天井感がある)
やや抜けが良い
主に低域の深さ
(深掘り感がある/浮き上がりがよい)
やや深掘り感がある
主に低域と中域の横幅
(広い/狭い)
やや広い
主に中域の奥行き感
(奥まる/前屈み)
やや奥まる

 

美点
  1. 清潔で緻密さを感じさせる高域
  2. ドライでキレの良い音
  3. 重みを充分に出す低域
  4. アタック感のある音
  5. 手応えがある音
  6. 圧迫感が少なく、聴き心地が安定している
欠点
  1. 全体的に音に膨らみがあまりなく、抱擁感に欠ける
  2. ドライで潤い感に欠ける
  3. ボーカルが少し薄味

 

[高音]:高域は立体感がある。シンバルの高いところのシャンシャンする空気感から、チャリチャリする下の方まで粒立ちよく丁寧に緻密に聞かせる。光沢感もかなり明瞭に感じられるが、質感はドライで乾燥しているので鮮やかさは少し抑えられて聞こえやすい(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:中域はやや上の方で清潔で、低域近くに腰の座った感じがある。全体的には少し清潔な空間で、奥行きのある感じである。ボーカルは上の方でやや薄くなっていく傾向があり、場合によって天井感があるように思われるかも知れない。エレキギターのディストーションエッジは上でやや遠ざかるように聞こえ、アコースティックギターの刻みはかなり明瞭でギラつく。音は緻密な感じがあり、下で安定感もあるが、膨らむ感じは薄く、やや人工的に感じられ、豊かさには若干欠ける印象を受ける。

[低音]:100hz~40hzまで少しボーッとした振動音。30hzで沈み、20hzでほぼ無音だが、40hz以下でややジージーとしたノイズ感がある。低域はベースやキックなど深いところで厚く、地熱感がある。低域弦楽は厚みより深掘り重視で床面を強調する(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:中高域のやや高いあたりと低域の深いところに強調があるような、ややフラットに近い弱ドンシャリだが、フラットとは異なり、ボーカルは少し後退しやすい。音場は清潔で奥行き感と、深さ、高さに強調があり、やや縦長にワイドレンジ感を出すところがある(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:タムやスネアの鼓面はバッツリ革張り感があるが、少し乾いたパツパツパシパシした感じになる。中盤は少し膨らみが抑えられていて、色味も輪郭も少し淡く、バスドラキックがかなりドシンと目立つ。乾いて重みもあるバシンバシン、あるいはバツンバツン。ハイハットはやや白味が強く高さも出して、浮き上がりよく聞こえ、チリチリしたあたりも丁寧に出る。シンバルのディテールはよく感じられ、疾走感は出やすい(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:全体的にちょっと薄味で透ける感じがある。男声ボーカルの方が濃い。女声ボーカルは少しツヤが不足し、のびやかさや突き抜け感にも少し欠けて聞こえるかも知れない。男女ともに子音が適度に強調され、輪郭がよく、透明感があって少し若いように感じる。

 

【4】官能性「清潔系で少しカッツリしている」

伊沢麻未「fly away」

Fly Away

Fly Away

【GRANBEATで鑑賞】ドラムに重みがあって力強く、シンバルもアタックがあって粒立ちも細かく緻密なのですが、全体像を少し俯瞰してみると、かっつり優等生っぽい聴かせ方で、若干ノリが悪いかなって印象を受けます。おそらく金管が少し膨らみが弱くてよそよそしいのと、ボーカルが薄味気味でツヤが足りず、若干外連味が足りないようで、そのせいで見通しは良いのですが、少し上滑りに音が聞こえてくる感じがあります。抱擁感がいまいち足りないのもノリの悪さに影響してそうです。聴き心地は安定しています。

 


Fly Away

 

ねごと「アシンメトリ」

アシンメトリ

アシンメトリ

【GRANBEATで鑑賞】むしろドラムとシンバル中心で緻密なリズムで走らせていくような、こういう曲だと相性が良い印象を受けます。清潔感が高い感じも、この曲の電子音が浮かび上がるような透明感重視の空間表現と親和的ですし、音が緻密で圧迫感なく聞こえてきます。なによりリズムの主役であるシンバルがしっかり浮かび上がって聞こえるので疾走感は非常に綺麗で、ボーカルも鮮やかさを抑えて媚びた感じがほとんどなく、少し無機質に聞こえてくるのが、逆にデジタル感があってかっこいいくらいです。個人的にはこのイヤホンでこの曲はかなり浸れます。

 


アシンメトリ e.p.

 

KARAK「いつかまた生まれた時のために」

いつかまた生まれた時のために

いつかまた生まれた時のために

【Hiby R6 Proで鑑賞】ゆったりとしたデジタルな透明感のある曲ですが、こういう曲を楽しむには非常に良好なバランスに思えます。この曲はかなり光沢感の高い音中心で構成されており、ボーカルにもリバーブがかなりかけられていますが、こうした透明感の表現は変に鮮やかにならずに清潔に丁寧に出すところがあります。低域も深み重視でワイドレンジ感があり、輪郭良く粒立ちを重視した音が、浮遊感のある感じで丁寧に聞こえてきます。

 


機動戦士Vガンダム SCORE 2

 

Tobu「Life」

Life

Life

【Hiby R6 Proで鑑賞】音場に清潔感があり、音の立ち上がりがよく、また音場を支える低域にドシッとした重みがあります。そのおかげで下では躍動的、上では少し静的で奥行き感のある空間が広がっています。足場でリズムを楽しみつつ、上では緻密でありながら、やや落ち着いた光沢で静謐感のある音楽が楽しめます。床面はほどよく情熱的でありながら、冷静なテクノです。

 


Tobu - Life

 

【5】総評「透明感重視のデジタルなインスト曲やEDMやテクノを聴くなら非常に浸れる」

 中高域を非常に清潔に、透明感がある形で緻密に表現してくれますので、シンセ音とは相性が良さそうです。アコースティックな曲では抱擁感の不足を感じますが、デジタル系サウンドでは、低域の深さと重みで押し広げられ、上にも高く、奥行きもある空間がとても魅力的なカンバスになります。個人的にはこのイヤホンで聴く、Rasmus FaberのEDMアルバムなんかおすすめです。音が降り注いでくるような感覚を味わえます。

 濃厚な音、潤い感のある音、抱擁感のある音、ソフトタッチな音が好きな人には向きません。

 

  • 清潔で緻密な出音
  • 低域は重みと深みがある
  • 音に抱擁感が足りない

 

OSTRY KC07

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

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