HiBy R6 プロポータブルHi-Fi音楽プレーヤー ハイレゾオーディオプレーヤー Bluetooth MP3プレーヤー 2.5mmから4.4mmアダプター付き シルバー R6Pro
- 【0】なんでHiby R6 Proを買ったの?
- 【1】外観/操作性「ちょっと厚めのスマホぐらいのサイズ感。持ち運びもよく、操作性も良い」
- 【2】連続再生時間「個人的には物足りない」
- 【3】音質「低域に一定の厚みがあり、ESS系らしく中域以上はすっきり透明感を出しつつも、音にマイルド感と柔らかみがあるバランスの良いナチュラルウォームサウンド」
- 【4】総評「価格帯では必ずしも最適解ではないが、世間の評判以上には総合能力は高い」
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【0】なんでHiby R6 Proを買ったの?
完全Androidでアプリ対応力が高く、音質バランスと携行性が高いところがポイントでした。
このDAPはCayin N6IIを選んでいるときにもう一つの候補にしていて、Cayin N6IIを入手した後も店頭試聴で手持ちのN6IIと比較しつつ、結局欲しくなったので買いました。で、レビューの王道としては、どうして購入に至ったか美点を説明するのが普通だと思うんですが、むしろこの機種については、どうしてN6IIよりこちらを後回しにしたかという欠点を説明した方がポイントが分かりやすくなると思いますので、あえて後回しにした理由を列挙します。
- ネット上でノイズ問題が指摘されており、不具合がある可能性があった
- 日本正規代理店の評判が良くない
- Cayin N6IIに比べて電池持ちが良くない
- 店頭試聴機を置いている店が少ない
- 標準アプリのHiby musicがCayinのカスタム版Hiby musicより使いづらい
1.について。メインDAPとして使う以上、真偽不明であっても不具合情報がある機種はよく確認しないと買う気になりません。さらに個人的な事情として、この機種は国内正規版が海外正規版と3万円以上ある、PCで言う「アスク税」(意味はググってね)のような割り増し料金設定になっているため、最初から個人輸入を考えていました。そのためサポートが充分受けられない可能性があり、不具合確認をより徹底する必要がありました。ですから、ネットで確認した範囲では目立った不具合情報などのないCayin N6IIの購入を優先し、こちらはよりじっくり吟味しました。
2.について。この製品の国内正規代理店についてはやりとりしたことないんで、よくわからないんですけど、ネット上であまり評判が良くありません。元々個人輸入するつもりだったんで、個人的にはあまり気にしませんでしたが、良い代理店がついているということは商品の信頼性の問題にもなります。まあ個人的にはグローバル時代には代理店より販売プラットフォームの対応がむしろ大事なので、必要以上に代理店にこだわる必要はないと思っていますが、気になることは事実なので一応書いておきます。
3.について。基本的に電池持ち重視派なので、場合によって音質以上に重視します。実働3時間くらいの神音質DAPと実働15時間くらいのそこそこ良音質DAPが同じ価格で並んでいたら、個人的に後者を取ります。今回の場合メインDAPとしての運用を考えていたので、電池持ちは特に重視していたってのもあります。
4.について。私は基本的に複数店舗で商品を確認します。一店舗だけだと、その日の気分や店舗の管理が良くて、たまたま印象が良かったなんてこともありますから。ただDAPについては、これはしかたないんですが、ヨドバシの旗艦店クラスでも品揃えが偏っていたり、管理がいい加減だったりします。具体的にはテストしたいと思っても、電池切れてたり、中身の音楽ファイルが消されているとか。だからこの機種のように比較的レアなDAPの場合、試聴回数や店頭での使い勝手確認を確保するのに、無駄足をしつつ確認することになり、手間がかかりました。とくにこの機種のようにネット上で不具合情報があるような機種は、個体差の問題に留まるのか確認に時間を掛けます。
5.についてはそのまま、Hiby musicのCayinカスタム版が使いやすかったというだけです。
そういうわけで確認にじっくり時間をかけてたら、その間に新色「パープル」が発表されるというね。使い勝手ほぼ確認した後だったんで、喜んで飛びつきました。
ネットで言われたノイズ問題については私の個体では結局ほとんど気にならない
一応この機種にまつわる不具合情報とは何なのか、気になる人に説明すると、条件は定かでありませんが、まれにバランス接続時にノイズが発生することがあります。条件を満たしたら必ず発生するわけではありません。また使い始めて半月くらい経った現在は非常に稀でしかノイズは発生しなくなりました。なんでノイズ発生頻度が極端に低下したのかは謎で、購入直後にあったファームウェアアップデートによるのか、使われているアンプやDACのチップのエイジングが完了して安定したのかなどによるのかもしれません。
参考のために私が確認したノイズ発生はだいたい下のような場合を条件にしているようです。
- 電源つけっぱなしで長時間経ったとき
- BluetoothをONにしながら有線で音楽を聴く
- 複数のプレーヤーアプリを切り替えながら音楽を聴く
症状としては2パターンあって、
- 曲始めなどにポップノイズが乗る
- 曲再生中にざらざらしたラジオノイズが乗る
となります。
この症状はバランス接続の口に変換アダプタなどを噛ませて直接ケーブルを挿さないことで収まる場合もあり、また普通は再起動で回復するはずです。
私は店頭試聴ではこのノイズに会ったことがなく、再現度はあまり高くないか個体差のように感じたので購入しました。しかし購入して使ってみると、たしかに時々上記のような症状が確認されましたが、現在はほとんどノイズが入ることはないです。
よって個人的感想としては、このノイズ問題なるものは怖がる必要はないかなと思っています。
本格的な完全ワイヤレス&サブスク時代に突入。長く使うなら完全Androidがよい時代に!
さて、ここからはCayin N6IIのレビューでも述べたことの繰り返しですが、このDAPを買った最大の理由は完全Androidだというところです。
完全ワイヤレスイヤホン全盛時代がやってこようとしていますが、完全ワイヤレスは急速にスマホガジェット化しつつあり、各社アプリを提供して独自機能を打ち出して差別化しようとしていたり、かたやミュージックでもサブスク全盛時代がやってきつつあり、amazonがロスレスオーディオサブスク始めるとか噂になるこの現代。DAPもそうしたアプリ対応能力で選ぶ時代が来ています。Playストアに対応しないDAPは多少音質が良くても、今後微妙な使い心地になっていく可能性は高いです。
アプリ対応能力と音質、コスパのバランスを考えるとこのHiby R6 Proは悪くない機種です。
新色PurpleバージョンはGoogle Play ストアはないかもしれません
私のは香港から輸入したせいかもしれませんが「Google Play Store」はついてませんでした。インストールしても動作しません。ただスマホアプリはAPKPure使ってapkダウンロードで使えているので支障はありませんでした。シルバーの国内正規版はGoogle Playがついていますから、国内正規版のパープル色もついていると思いますけど、ここらへんは詳しくわかりません。
SONY Headphones Connectとは相性悪い
さて、完全AndroidのHiby R6 PROですが、N6IIと同じく、SONYのイヤホン/ヘッドホン 付属アプリ「Headphones Connect」とは相性良くないです。事情は良くわからんのですけど、SONY WF-1000XM3では、つないでしばらく音楽聴いてるとHeadphonesアプリがイヤホンを制御できなくなるらしく、表示がバグって使えなくなります。
ONKYO HF Playerとの相性はそれほどよくない
私が完全AndroidのDAPにこだわる理由の一つがONKYO HF Playerを使いたいから。GRANBEATでONKYOのイコライザーの凄さに触れてから、HF Playerなしでは生活できないくらいなんですが、残念ながらHiby R6 Proとの相性はそれほどよくないようで、イコライザーで音を調節すると歪みが発生しやすい感じです。そのため結局「遊べるDAPならGRANBEAT最強神話」はいまだに健在というね。
アルミニウム版もありますが、音質は違います
Hiby R6 Proには後発でアルミニウム版が追加されました。筐体材質が変更され、軽量になった以外仕様の変更はありませんが、音質は低域がだいぶ違います。低域により重みと深みを求めるなら、この記事で紹介しているステンレス版をオススメします。
②Hiby R6 Proステンレス版とアルミ版で違いはあるの?所要時間ほぼ瞬時。
— audio-sound @ hatena (@audio_sound_Twr) November 18, 2019
1.ステンレス版の方が低域に厚みがあり、存在感があります。音が締まって聞こえ、私はステンレス版が明らかに好み。
結論)低音にこだわるならステンレス版にしましょう。
最近ちょっと考えを改めました。上の視聴時はたしかにステンレス版の方が低域が出ていたんですが、ゲインやフィルターの設定などが共通だったかあやふやなので、今度確認したいと思います。
Hiby R6 PROについてみんなが語っています!
【1】外観/操作性「ちょっと厚めのスマホぐらいのサイズ感。持ち運びもよく、操作性も良い」
携行性は悪くありません。ちょっと厚みがありますが、面積はスマホサイズで、持ち運びやすさはGRANBEATとどっこいどっこいくらいです。
オーディオ端子は3.5mmアンバランスとLINE OUT、4.4mmバランス接続に対応しており、ワイヤレスオーディオコーデックとしては SBC / AAC / apt-X / apt-X HD / LDAC に対応しています。Cayin N6ii同様、AACに対応しているというのが購入に踏み切った個人的な理由の一つです。
【2】連続再生時間「個人的には物足りない」
この機種の電池持ちはあまりよいとは言えません。バランス接続で8時間とかいうスペックが与えられていますが、まあ新品状態でも体感的にそんな感じで、10時間持ちません。ただワイヤレスオーディオだと10時間くらいは持ちそうなのと発熱はあまりしないので電源効率は良さそうで、a&norma SR15よりは長持ちする感じです。Cayin N6IIよりは確実に短いことは確かです。
製品名 |
操作性 |
対応コーデック | 連続再生時間 |
---|---|---|---|
SR15 | ○ | SBC/aptX/aptX HD | 10時間(実際はもっと短い) |
CT10 | ◎ | SBC/aptX/aptX HD | 10時間(実際はもっと短い) |
NW-A27 | ○ | SBC/aptX/LDAC | 23時間(SBC時、充分一日使える) |
NW-ZX300 | △ | SBC/aptX/aptX HD/LDAC | 14時間(LDAC時、ほぼ一日使える) |
NW-A55 | ◎ | SBC/aptX/aptX HD/LDAC | 13時間(LDAC時、ほぼ一日使える) |
GRANBEAT | △ | SBC/aptX/aptX HD | 22時間(私の使い方ではワイヤレス接続利用しても、実測10時間はもつ) |
DP-X1A | △ | SBC/aptX/aptX HD | 16時間(普通は10時間も持たないだろう) |
KANN CUBE | ◎ | SBC/aptX/aptX HD | 不明(「低ゲイン」なら10時間持つかも) |
Cayin N6II | ○ | SBC/AAC/aptX/aptX HD/LDAC | 14時間(たぶん10時間くらい) |
Hiby R6 PRO | ○ | SBC/AAC/aptX/aptX HD/LDAC | 12時間(ワイヤレスで10時間くらい) |
【3】音質「低域に一定の厚みがあり、ESS系らしく中域以上はすっきり透明感を出しつつも、音にマイルド感と柔らかみがあるバランスの良いナチュラルウォームサウンド」
まあ音質に関しては最高に好みです。
手持ちでは解像度が異様に高く、曲の細かいところまで聴かせてくれるKANN CUBEのほうが圧倒的に凄さを感じさせてくれますが、あまりにもモニター的でちょっと親しみづらいところがあります。
Cayin N6IIのほうは、AimerさんとかUruさんとか鹿乃さんとかやなぎなぎさんあたりの女声ボーカルに対して最強神話があって、ギターサウンドも濃く温もり感もあって音が豊かなんですけど、いかんせん、小音量では高域や低域が中域ほどはっきり出てこないので、その音質が本領発揮するのに結構な音量が必要だったりします。そのためEDMみたいな高域低域ほしい曲の場合、遮音性とか関係なしに音量を結構上げちゃう感じが気になってました。
それに比べるとこのR6 Proは小音量でも低域の存在感強めで、ESS系DACを搭載している機種っぽくちょっとパリパリした輪郭を持った高域も発色良く、中域の聞こえも良いのでボーカルもしっかりしてます。なので基本的に音量抑えめで聴く私とは相性が良く思えました。ここらへんは愛用しているONKYO GRANBEATと音の傾向が似ているってのもあります。GRANBEATはもうちょっとモニター寄りですが。音場表現は価格帯では普通です。奥行き感や幅はそれなりにありますし、高域はほどよく開放的ですが、特筆するほど素晴らしいというわけではないです。水準的にはa&norma SR15よりは優秀です。
この機種を特徴をまとめると以下のようになります。
美点
- 基本はESS系らしいパリパリ系の、透明感と明瞭な輪郭感のある音
- 低域に厚みと濃さがある
- みずみずしい音
- 音にマイルド感があり、広がりが良いのでESS系の無機質な感じがない
- 小音量でもバランス良く音が聞こえる
欠点
- 人によっては音が柔らすぎる印象を受けるかも知れない
- 低域の量感が少し強調される感じが、人によって気になるかも知れない
- ESS系独特のくっきり感はむしろ抑制的に調整されている
製品名 |
音質傾向 |
音場 | 解像度 |
---|---|---|---|
SR15 | フラット | 広い | 高い |
CT10 | フラット | やや広 | 高め |
NW-A27 | ドンシャリ(シャリ感強め) | 狭い | 普通 |
NW-ZX300 | ドンシャリ(低域やや強) | やや広 | 高い |
NW-A55 | ドンシャリ | やや広 | 高め |
GRANBEAT | 弱ドンシャリ | 広め | 高い |
DP-X1A | ドンシャリ | 広め | 高い |
KANN CUBE | パワフルフラット | 広大 | 最高 |
Cayin N6II | かまぼこフラット | 広い | 高い |
Hiby R6 Pro | 低域厚めフラット | 広い | 高い |
DAP比較の参考記事
いろいろDAPを比較しているんで、もっと知りたい人は以下の記事も読んでみてください。ただし過去記事なんで、この機種は取り上げてません。
【4】総評「価格帯では必ずしも最適解ではないが、世間の評判以上には総合能力は高い」
世間の評判があまり良い感じに思えなかったんで、結構後回しにして慎重に選んだんですけど、使い勝手は想像以上で、個人的にはFiiO系よりよほど使いやすいです。確かに最初に述べたように問題点の指摘が多い機種で、それが適切な批判であるかは別にして、人によっては使いづらいところもあるのかもしれません。
しかし、私の評価では少なくとも日常使用に関する限り、最高クラスの使い勝手でONKYO GRANBEATのように変なワイヤレス相性問題もないうえに、音質も既述のようにリスニング寄りながらモニター的なバランス感覚を持っていて、現代的な音楽から古典的、伝統的な音楽まで幅広く対応できる素養を持っています。
なおHiby R6は別物です。間違えやすいので注意。
HiBy R6 プロポータブルHi-Fi音楽プレーヤー ハイレゾオーディオプレーヤー Bluetooth MP3プレーヤー 2.5mmから4.4mmアダプター付き シルバー R6Pro
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