- このレビューは「私的な購入品」または「対価を払ってレンタルした商品」に基づいて書かれています。
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こんな人におすすめ
- 深みのある低域を聞きたい
- エレキベース、バスドラムのサウンド重視
- 臨場感重視
- KZファン
KZ ZESの概要
「アウトラインレビュー」は製品の概要を簡潔に紹介するレビューシリーズです。今回取り上げる製品は「KZ ZES」です。
KZ ZESの完全なレビューはこちらにあります。
基本スペック
- 周波数特性:20Hz~40kHz
- インピーダンス:32Ω
- 感度:113dB
- ケーブルコネクタ:0.75mm 2pin
- 価格帯:3000円~5000円
パッケージ
KZ ZESのパッケージは簡素で、価格なりです。エコで良いとも言えますね。
パッケージ内容
付属品に不足はありません。
- イヤホン本体
- イヤーピース
ビルドクオリティ
外観のビルドクオリティは価格帯の水準以上です。最近のKZの造型技術の進化はめざましいですね。デザインも下手な高級イヤホンより洗練されています。
装着サンプル
若干重みを感じますが、装着感は良好です。
音質
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
KZ ZESはKZ ZEXの低域側を改善したとも言うべきサウンドバランスで、低域と中域でより均整の取れたウォームW字型サウンドを提供します。ただし、高域と解像度はZEXのほうが優れています。
音質についての詳しいレビュー内容はこちらを参照して下さい。
音質総評
- 原音忠実度:A
- おすすめ度:B-
- 個人的な好み:C
KZ ZESはKZ ZEXのマイナーチェンジといったサウンドを持っており、低域でZEXの欠点を大幅に改善しました。中域もかなり改善されていますが、劣化したところもあります。
一方で高域の表現力と解像度はZEXのほうが優れており、上位互換という機種ではありません。
結局、ZEX Proを改善したモデルと言えるCCA CRAのほうがおすすめ度が高いですね。
音質的な特徴
美点
- 優れたダイナミズム
- 奥行き感のあるサウンド
- ノスタルジック
- 濃厚感がある
- ボーカルフォーカスが良い
- 深く臨場感のある低域
欠点
- 彩度に欠ける
- 爽快感に欠ける
- 高域の拡張性に欠ける
- 構築感に欠ける
- 音像一貫性に欠ける
総評
KZ ZESはKZ ZEXの最大の問題点であった低域と中域のサウンドバランスの改善に取り組んだモデルです。ZESのサウンドチューニングを見ると、普段は理解し難いチューニングの多いKZですが、実際のところ技術力が足りないわけではないのではないかということが推察できます。ZESの低域は特に質の良いチューニングが施されており、中域との繋がりも非常に合理的で丁寧に作られています。総合的には価格帯で優秀な機種とも言いづらく、ZEXよりも優れているとも言いづらい、微妙な機種ではありますが。
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