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【低価格イヤホン Monster RAVE V1 ミニレビュー】中低域強めでオーディオマニア向きではないが、高域の鮮明感は高めで悪くない

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Monster RAVE V1

Monster RAVE V1

 

免責事項
  • このレビューはMonsterから誠実な品質レビューを読者に伝えるために提供されたサンプルに基づいて書かれています。
  • これを掲載することによる原稿料のような報酬または対価は一切受け取っておらず、個人的な試験での測定データや個人的見解に基づいて誠実に評価したものです。
  • 当サイトのプライバシーポリシーをご確認ください。

 

 今回紹介するMonster RAVE V1はアメリカのスピーカーケーブルで有名なMonsterの低価格イヤホンです。まあ実際には低価格イヤホン部門は中華メーカーとなっており、たしかデザインから製造までまるごとMade In Chinaのはずなんで、実質低価格中華イヤホンです。

 率直に言うと、最近ここらへんの価格帯まともに聴いてなかったので、久しぶりに聞いてみたいと思いました。Monsterからの提供レビューになります。

 

こんな人におすすめ

  • とにかく安くて装着感の良いイヤホンがほしい
  • パンチのあるサウンドが好き
  • ウォームなサウンドが好き
  • 聴き心地重視

 

美点

  • 聴き心地が安定している
  • パンチが強くブームが気持ち良い
  • 艶やかで色づきの良いサウンド
  • 良好な装着感

 

欠点

  • ぼんやりしていて透明感に欠ける中域
  • 聞こえづらいボーカル
  • 価格を考えてもチープなパッケージ

 

パッケージ

 一昔前のチープな中華イヤホンという感じです。価格を考えると悪くないとは思いますが、個人的には正直物足りませんね。1000円以下のイヤホンに開封の喜びとか感動を求めるのもどうかと思いますけど、家電量販店で国産の同じ価格帯のイヤホンを買ったほうが感動できそうです。

 

www.youtube.com

 

装着サンプル

 装着感は悪くないです。耳にすっぽり収まってかなり快適ですね。

 

Monster RAVE V1
Monster RAVE V1
Monster RAVE V1
Monster RAVE V1

 

音質

 以下が音響カプラーによる測定値です。

 

f:id:kanbun:20211018200603p:plain

 

 ときどき質問を受けるので一応書いておきますが、今回の測定値はピークを10kHz付近に持ってきています。海外では8kHzにピークを作ることを基準とするのが一般的ですし、私のサイトの測定値もだいたいそのあたりにピークを持ってくるのですが、8kHzを基準としているわけではありません。時々このイヤホンのように違います。それはHATSの測定値が基準になっているためです。

 ここでは技術的なことを説明するわけではないので、簡単に言うと、カプラーは装着感を再現できませんが、HATSはイヤーモデルと頭部を持っており、装着感を再現できるため、測定値はより実情に近くなります。必然的に測定値の誤差も少なくなります。そのため、当サイトではHATSの測定値からカプラーの測定値を校正しています。

 

 閑話休題。

 

 さて、Monster RAVE V1ですが、基本的に中低域のブームとウォーム感が出すぎですね。正直言うと、中域がぼんやりしており、ボーカル音像がかなりぼやけるんで、オーディオマニア的な観点ではよくないんですが、個人的には悪くなくて不思議に思うところです。原音忠実性が比較的高いせいかもしれませんし、コンシューマーで人気のあるM字型の利点が生かされているのかもしれません。

 

 わりと聴き応えがある原因を探っていくと、やはり中域上部から中高域あたりがかなり高くなっているのが影響しているようです。これによって相当に音の艶やかさが強調されており、色づきが良いので、中域のぼんやり感をそれでうまく……というわけでもないですが、わりとよくバランスを取っています。

 

 たとえば穏やかなポップス曲である大原ゆい子「君と光」のような曲は、かなり温かみがあり、聴き応えがありますね。中域の透明度は悪く、もやがかっている感じがありますが、アコースティックギターやピアノの光沢感などは艶があってきれいに聞こえるので、意外と印象的な解像感は高く思えます。

 

 歯擦音の刺さりなどはないわりに子音は比較的しっかりしており、低域なんか締まりが悪くてぼんやりしているんですが、構築感はしっかりしており、スネアアタックなんかはわりとはっきりしているので、聞き心地は良いですね。

 

 実際中低域の膨張感のせいでぼんやりしていてよくわからないんですが、ボーカルはわりとシャウト感が出やすく、たとえばKirara Terzett「Searchlight ~夢とうつつの物語~」なんかを聴くと、女声ボーカルはもやの向こうでギャンギャンうるさく吠えているんですが、あまり良く聞こえないので気になりません。ボーカルよりは中高域の艶のあるエネルギッシュな楽器音が目立ち、きれいに聞こえるので、吠えまくってうるさいサビでも、そのうるささをあまり意識しないですね。ボディの厚みがしっかりしていて、安定感があるのも大きいようです。バスドラムがポンポンと力強くも穏やかで優しく聞こえるのもわりと好きですね。

 

 なお、印象的な解像度はともかく、THD的な意味でのクリア感は悪くありません。

 

オーディオステータス

Monster RAVE V1のオーディオステータス
※オーディオステータスは周波数特性(自由音場補正済み)から「各要素に関わる周波数帯域の平均値」を算出し、その特性平均値全体の「全体平均値」を求め、「各要素に関わる周波数帯域の平均値」の「全体平均値」からの乖離を数値化したものです。各要素の相対的な強さを表し、独自のオーディオ指標として試験的に導入しています。

 

オーディオ評価値

低域の原音忠実度 S-
臨場感 B-
深さ B
重さ B+
太さ B+
低域の存在感 B
   
中域の原音忠実度 A
厚さ A-
明るさ B+
硬さ B
中域の存在感 B
   
高域の原音忠実度 D
艶やかさ B+
鋭さ B+
脆さ B
荒さ D
繊細さ C-
高域の存在感 B-
   
質感 B
定位 B-
全体の原音忠実度 A+

 

  • クリア感:B+
  • おすすめ度:B

総評

 Monster RAVE V1は1000円ぐらいのイヤホンとしては中の中か、中の上くらいの機種だと思います。個人的にはこれよりokcsc ED10(≒TRN MT1)とか、KZ EDX PROのほうが同じ価格くらいなら、もっと良い音に聞こえると思いますが、ウォーム感があり、パンチの強い感じが好きなら、これも悪くないでしょう。とくにおすすめでもありませんが。

 

Monster RAVE V1

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