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audio-sound Score
- パッケージ:8.5/10.0
- ビルドクオリティ:9.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:9.0/10.0
- 中域:8.5/10.0
- 低域:9.0/10.0
- 歪みの少なさ:9.0/10.0
こんな人におすすめ
- キラキラした音が好き
- 高域重視
- クリア感重視
- 外観重視
- コスパ重視
- Moondropファン
Moondrop Stellarisの概要
「アウトラインレビュー」は製品の概要を簡潔に紹介するレビューシリーズです。今回取り上げる製品は「Moondrop Stellaris」です。
Moondrop Stellarisの完全なレビューはこちらにあります。
基本スペック
- 周波数特性:10Hz-50kHz
- インピーダンス:36Ω
- 感度:117dB/Vrms
- コネクタ:0.78mm 2pin
Moondrop Stellarisの特徴
- 高精度サブナノメータードライバー振動板
- 完全非対称型磁気回路
- 星空をイメージした美しい外観
- 快適なリキッドシリコンイヤーチップ
優れた性能の14.5mm平面型ドライバー
MOONDROPは、優れた性能とコストパフォーマンスに優れた平面型インナーイヤーヘッドホンを作ることにしました。市場にある多くの平面型ドライバーの中から、MOONDROPは優れた非線形歪み性能と一貫性を持つ14.5mm平面型ドライバーを選択しました。ドライバーの音響構造を慎重に変更し、独立した内蔵音響キャビティを装着してシステムの共振周波数を正確に制御することで、フラッグシップのダイナミック型ドライバーイヤホンに匹敵する非線形歪み性能だけでなく、HRTFに基づくVDSFターゲットレスポンスと高い整合性を持つ周波数特性性能を持ち、聴取特性に最適化された性能を有しています。その結果、より正確で、より自然で豊かなディテールのサウンド再生が可能となりました。
高精度サブナノメータードライバー振動板
高精度な超薄型・均一応力振動板構造により、振動過程における分割振動や非線形歪みを低減し、より透明感のある音質とディテールの明瞭なメロディアスな音色を実現します。
フルシンメトリカル磁気回路
7+7個のN52Hマグネットを金型組み立て時に精密に配列した完全対称型磁気回路により、低高調波歪みと高い磁気回路効率を実現し、1テスラに近い磁気ギャップでの最大磁束を生み出し、よりクリアな音質を実現しています。
星空をイメージした美しい外観
STELLARISは、星空をテーマにした虹色仕上げのシェルを採用し、様々な角度や光の条件下で異なる色を反射させることができます。
快適なリキッドシリコンイヤーチップ
STELLARISには、Softearsが新たに開発した高浸透性リキッドシリコンを使用したU.C.イヤーチップ(Ultra Clear Tip)が付属しています。人間工学に基づいた設計により、通常のシリコン製イヤーチップよりもはるかに外耳道にフィットし、低音の圧力によるロスレス音質、高音へのにじみのない低音性能の向上、そしてオールマイティな性能を確保します。
パッケージ
パッケージは価格帯の標準を満たしています。紙製で処分は簡単です。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- イヤーピース(2種類)
- キャリングケース
- 説明書など
ビルドクオリティ
ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。かなり美しい造形です。
装着感
装着感は良好です。
音質
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
Moondrop Stellarisは拡散音場ニュートラルターゲットを意識した中域上部と中高域が強調された中域充実系のサウンドシグネチャーを持っています。
音質についての詳しいレビュー内容はこちらを参照して下さい。
低域
Moondrop Stellarisの低域は比較的リニアに深くまで伸びています。
私には若干明るいバランスですが、バスドラムキックは比較的インパクトがあり、力強く聞こえます。ただちょっと膨張感が弱く、太さに欠けるので、ボリューム感には欠けますね。エレキベースも黒さは悪くないものの、明るい雰囲気で若干軽い音に聞こえます。
存在感の上では中域より少し弱いくらいで中域を邪魔しない調整になっています。モニター的に感じる人も多いでしょう。
中域
中域はあまりMoondropらしくない作りです。中域上部から中高域が強調されていて、前傾しており、だいぶ派手めに聞こえやすい音です。
ボーカルは艶の乗りが良いものの、ハスキーに聞こえがちですし、質感再現度と透明度は平凡で中域で立体感があまり感じられず、ドライでみずみずしさにも欠けます。
何より、高域に比べて明瞭感が大幅に不足しているので、フォーカスが高域に外れやすく、音楽のキラキラ、ガシャガシャしたあたりにフォーカスされて聞こえやすくなっています。そのため、華やかさは非常によく感じられるものの、全体的にうるさく薄っぺらい音になっています。
この中域は本当にMoondropらしくないですね。もしかすると、今回は初めての平面駆動型ということもあり、いつものVDSFターゲットから逸脱して新しいスタイルの音を目指したのかもしれませんが……やりすぎていると思います。個人的にはうるさくて聞くに堪えませんが、派手な音が好みなら、この中域は気に入るかもしれません。実際THDは非常に低く、クリーンです。
高域
高域は原音忠実性を意識して丁寧に調整されており、拡張性の上でもわりとのびやかです。
ただ中域に対して目立ちすぎて聞こえやすいところがあり、輝度が少し高すぎ、よく言えばキラキラ、悪く言えば妙にカリカリ、ガシャガシャしたうるさい音になりがちです。
全体のバランスの中で高域だけが浮き上がって聞こえやすく、トレブルヘッド(高域好き)には喜ばれるかもしれませんが、一般に中域を重視する上級のオーディオマニアにはあんまり訴求力がないでしょう。
音質総評
- 原音忠実度:S-
- おすすめ度:B+
- 個人的な好み:B
オーディオスペックに優れ、全体的な原音忠実度もよいため、Moondrop Stellarisは価格帯では優れた部類に入る選択肢であることは間違いありません。しかし、従来のMoondropのVDSFターゲットモデルに多い、なめらかで中域を丁寧に聞かせる音を期待していると、Stellarisのサウンドに面食らうかもしれません。Stellarisはもっとキラキラしていて、その名の通り群星のようなサウンドです。
Stellarisのライバルとしては同じ価格帯に存在するLETSHUOER S12がまず挙げられます。S12はStellariasよりも正統派のニュートラルサウンドで、より解像度も高く、全体的なサウンドパフォーマンスで圧倒しています。Sterallisのほうがよりクリーンで煌めき感があり、より原音忠実的であるという以外、ほぼあらゆる点でS12が勝ります。
少し高い価格帯にはRAPTGO HOOK-Xが存在しますが、Stellarisよりも正統派のスタジオチューニングが実現されており、おそらくStellarisよりはHOOK-Xのほうがオールラウンダーかつより滑らかなサウンドで万人向きです。
Stellarisは、従来のMoondropファンにとってもやや異端児のサウンドに属しています。伝統的なMoondropサウンドを好むファンには、これを買うよりはほぼ同じ価格帯で優れたパフォーマンスを実現し、伝統的なMoondropサウンドの現段階における一つの完成形を具現化しているMoondrop KATOがより推奨されます。
音質的な特徴
美点
- 派手で煌めき感のある高域
- 優秀な原音忠実性
- サウンドバランスが良い
- 良好な質感
- 良好な定位
- 優れた制動特性
- 優れた位相一貫性
- 艶やか
- 低歪
- 十分に伸びやかな高域
欠点
- VDSFターゲットニュートラルではない
- 目立ちすぎる高域
- 中域はもっと作りこめた
- 深さとボリューム感で物足りない低域
総評
Moondrop StellarisはMoondropらしい優秀なオーディオスペックとバランスの良いサウンドを兼ね備えたコストパフォーマンスに優れたモデルです。ただし、そのサウンドは煌めき感が強く、中域の質感再現度でライバルに比べると物足りないところがあり、抜群におすすめできるという機種ではありません。
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