シーオーディオ See audio Anou [インナーイヤー型ヘッドホン 日本限定版 ブラック]
こんな人におすすめ
- スマホでも鳴らせるイヤホンが欲しい
- 没入感の高い音を楽しみたい
- おしゃれなイヤホンが好き
- ボーカルをしっかり楽しみたい
SeeAudio ANOUの概要
「アウトラインレビュー」は製品の概要を簡潔に紹介するレビューシリーズです。今回取り上げる製品は「SeeAudio ANOU」です。
SeeAudio ANOUの完全なレビューはこちらにあります。
基本スペック
- 周波数特性:20hz-20khz
- インピーダンス:27Ω
- 感度:108dB
- ケーブルコネクタ:2pin 0.78mm
See Audioについて
SeeAudioは2018年に設立されたばかりのまだ非常に若いブランドです。その評判は中華イヤホン界隈でもほとんど無名と言っていいでしょう。このブランドの製品は現代日本文化へのリスペクトに溢れています。静電型ドライバー4基とバランスドアーマチュアドライバー4基を搭載したブランドのフラッグシップIEMは「Kaguya(輝夜)」と名付けられました。
audio-sound @ hatenaはこの機種を「audio-sound @ hatena Highly Recommended」として、大多数の人にとって満足度が高いオーディオ製品であると推奨します。
SeeAudio ANOUの特徴
SeeAudio ANOUはSeeAudio Yumeの分身でありながら、それはSeeAudioにとってYumeより大きな意味を持っています。
See Audioは世界展開させるモデルとして、市場の流行に沿ったサウンドのYumeを作りながら、一方で彼ら自身のブランドが本当に愛する音、実現したい音を温めていました。彼らが敬愛し、進出することを夢見ていた日本で製品を展開するにあたって、彼らは秘蔵していたこのチューニングレシピを尊敬してやまない友人であり、成熟した感性を持つ日本のオーディオファンに真っ先に聴いてもらいたいと思ったのです。
日本には流行を追う世界のオーディオシーンとは異なり、四季折々の情景とともに生み出されてきた独自の典雅なオーディオ文化があります。そこには風味のある芸術的なサウンドを高度に理解できる音楽文化があるとSeeAudioは信じており、表面的な意味でない、本当に心に響く美しい音を最もよく理解してくれるのが日本のオーディオファンだという信頼と尊敬の気持ちがあります。
SeeAudioがすでに成功したYumeではなく、ANOUのサウンドで日本市場に進出することは冒険でした。彼らは彼ら自身が最も愛する音を日本で展開し、日本の人々に受け入れてもらいたいと切に願って、あえて日本限定モデル「ANOU」を完成させました。
ANOUはSeeAudioが世界のどこよりも日本のオーディオファンを重視している気持ちの表れであり、彼ら自身の真心が詰まっている結晶です。彼らの日本に対する情熱がANOUという唯一無二の製品を生み出しました。
3BA構成
変更されたフェイスプレート、イヤホンケース
日本限定パッケージ
パッケージ
内容物はイヤホン本体と、イヤーピース2種類合計8ペア、キャリイングケース、説明書、ステッカーなどです。
それは単純にパッケージフォントの問題です。Yumeの日本語フォントは中国製品にありがちな、硬く、どことなく不自然に見えるゴシック体、ゴシック体と明朝体の不自然な混淆(写真には写ってません)、わずかな誤植(「ドラーバー」)によって、海賊版のWindowsパッケージのような印象を抱かせます。
したがって、自身で使うなら問題ないでしょうが、ANOUを親しい人へのプレゼントなどに考えた場合、こうした細かなパッケージ上の問題が、相手にいかがわしい印象を与えるかもしれません。
ビルドクオリティ
イヤホン本体のビルドクオリティは良好です。非常に美しく、透明感のあるデザインになっています。
Yumeと比べるとANOUのデザインは同じく透明度の高さがありながら、より深みの感じられるものとなっています。
装着感
筐体はコンパクトで耳への収まりは良く、遮音性も良好です。
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ベストセラーモデルがさらに進化
⼈気モデル「Soundcore Liberty Air 2」の音質・機能性をさらにアップグレードした上位モデル。Anker独自の「ウルトラノイズキャンセリング」を搭載。イヤホンの外側と内側に配置した2つのマイクで周囲の音を検知し雑音を除去することで、聴きたい音楽をクリアに届けます。また、あなたが今いる環境をアプリ上で選ぶだけで、そのシーンに最適なノイズキャンセリングを起動させることができます。
HearID 2.0
従来のHearing Profileの自動作成に加えて、ロックやポップ等の音楽ジャンルを掛け合わせて設定することが可能になり、より自分の好みにあったサウンドをお楽しみいただけます。
外音取り込み機能
音楽を聴いていても、イヤホンを付けたまま会話や公共施設のアナウンス等の外音を取り込んで聴くことがきます。(※本機能はアプリでの設定が必要です)
直感的なタッチ操作
イヤホンのタッチパッドを操作するだけで、着信への応答や音楽の再生、停止、曲送りが可能なほか、ノイズキャンセリングや外音取り込み機能の切り替えができます。
音質
音質総評
- 原音忠実度:B+
- おすすめ度:S
- 個人的な好み:S
私はSeeAudio Yumeのサウンドに非常に感動し、それを愛していたので、Yumeが日本展開されないということを知ったときは少しショックでした。SeeAudioがANOUのターゲットカーブを公表した後、私の友人の何人かもANOUがYumeのアップデートモデルではないことを残念がっていましたし、私もそれにかなり落胆していました。
しかし、SeeAudioはYumeを称える私の言葉をうれしく思ったようですが、もどかしそうにANOUのサウンドがより良いと思っていると私に語りました。今、ANOUを聴いて、その意味が確かに分かりました。ANOUは音楽的な感性に溢れており、Yumeの儚く美しい音とは違う、精彩に富んだ四季の彩を持っています。
彼らがなぜYumeではなくANOUを日本で展開しようと思ったのか、それはANOUのサウンドがすべてを物語っています。そこにはYumeのように深いローレンジや上から下まで見渡せるような眺望感はありません。しかし、ANOUのサウンドは中域に余裕と広がりを持っており、高域はより繊細で、音楽の綾をより引き出し、リスナーに提示します。
ANOUを通して聴く音楽にはYumeのまどろむような響きの美しさのあるものとは全く異なる、立体的で精彩に満ちた体験が待っていました。それはときどきCayin YB04のようであり、ときにはKinera FreyaやQoA Pink Ladyに似ているように聞こえましたが、それらのどれもとは違う新しいサウンドです。
SeeAudioの音楽の世界は想像以上に奥深いようです。彼らはSeeAudio Yumeでフラットサウンドの常識を破り、単にフラットでワイドレンジ、クリアな音を目指すのではない、独自の音楽性を追求し、成功させました。Yumeというネーミングも含めてそれはすでに十分完成されていましたが、ANOUはさらに彼らの巧みなチューニングセンスを雄弁に語る製品です。この美しく四季とともに移ろうような歌うイヤホンに、私は素直に感嘆します。
音質的な特徴
美点
- 中域への適切なフォーカス
- 高域の優れたグルーヴ
- ニュアンスが多く、生き生きしたボーカル
- 全体的にリラックスして滑らかな聞き心地の良いサウンド
- エネルギッシュな高域
- ウォームで聴き心地が良い
- 鮮明感が高い
- 輪郭の広がりが良く、人肌感のあるノスタルジックなサウンド
欠点
- クリア感に欠ける
- 低域の深みに欠ける
- 低域描写力に劣る
総評
SeeAudio ANOUのサウンドはステージングを丁寧に構築し、適切な位置に豊かに歌うボーカルを聴かせ、その周辺にエネルギッシュで生き生きとした楽器を配置し、音楽をグルーヴとダイナミズム、精彩に満ちたものにします。そのサウンドは没入感が高く、スマホでも十分に駆動でき、パッケージデザインやビルドクオリティに不満はありません。
SeeAudio Yumeと比べてどうかって?Yumeは周波数特性の上でもサウンドの印象の上でもほぼほぼ私が好きなものをすべて満たしており、そのサウンドに高く満足していました。ANOUを聴くまではそこにYume以上のものがあるとは思えませんでした。しかし、ANOUのサウンドを聴いた後、私がおすすめしたいのは、どちらかといえばANOUです。たしかに、私のつけたスコアはYumeの方が高く、コスパの点でもYumeが優れています。しかし、ANOUのサウンド、とくにそのボーカル表現は私の心を打ち、感動を呼び起こします。その非常に印象的で素晴らしい中域のステージングがANOUを私の中で特別なものにしました。
シーオーディオ See audio Anou [インナーイヤー型ヘッドホン 日本限定版 ブラック]
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