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【特集】2020年完全ワイヤレス最強王座の戦い!SENNHEISER MOMENTUM True WIreless 2 vs Technics EAH-AZ70W[完全ワイヤレス深掘り]

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Technics EAH-AZ70W

Technics EAH-AZ70W

 

 

2020年完全ワイヤレスイヤホン最強候補2機種を比較します

 2019年がSONY WF-1000XM3AirPods Proの年だったとすれば、2020年の完全ワイヤレスイヤホン市場はこの2機種によって代表されるようになるかもしれません。すなわち、Technics EAH-AZ70WSENNHEISER MOMENTUM True Wireless 2(MTW2)です。

 両者はともに完全ワイヤレスイヤホンとしては3万円以上の高級機になり、しかも音質はどちらも完全ワイヤレスイヤホンの最高峰を目指して作り込まれています。

 今日はこの2機種のうち、どちらがあなたの好みに合うかの比較参考記事を提供致します。どうぞお楽しみください。

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基本スペック比較

  Technics EAH-AZ70W SENNHEISER MOMENTUM True Wireless 2
対応コーデック AAC/SBC aptX/AAC/SBC
ノイズキャンセリング
ヒアスルー
連続再生時間/最大再生時間 6.5h/19.5h 7h/28h
防水性能 IPX4 IPX4

 

 スペック上の大きな違いは、まずEAH-AZ70WはaptXに対応しておらず、最大再生時間でもMTW2に水をあけられていることが挙げられます。しかし実際のところ再生時間に関しては日常使用の範囲であれば差はほとんどないはずです。

 防水性能がどちらもIPX4相当で、防汗や少しの雨なら充分に耐えてくれます。

 

外観比較

 

 ケースデザインはEAH-AZ70Wのほうがわずかにコンパクトかもしれません。体感的な重量はMTW2のほうが軽量に思えます。手に馴染む感じ、イヤホンの取り出しやすさも、私の場合MTW2のほうがスムーズです。

 

装着サンプル比較

 

 出っ張りはわずかにMTW2の方が少ないですが、装着感はほとんど相違がありません。

 

アクティブノイズキャンセリング性能の比較

 以下のグラフは規格に基づいて測定したものではなく、あくまで私の我流での測定結果になります。

 

 具体的なテスト方法は、

  1. HATS(測定用ヘッド)にOneAudio A9を被せ、アクティブノイズキャンセリングをONにしたうえでホワイトノイズを再生して「基準ノイズ」を測定し、
  2. 次にHATSにそれぞれの標準イヤーピースのMサイズを装着した各イヤホンを挿入し、そのうえからOneAudio A9を被せ、アクティブノイズキャンセリングをONにしてホワイトノイズを再生して1/6オクターブごとに測定しました。
  3. 測定時には自由音場補正フィルターをかけています。

 以下がそのデータをグラフ化したものになりますが、使用しているイヤーシュミレータの特性上、20hz以下の低域や16khz以上の高域はそれほど参考になりません。

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 グラフからわかるのは、今回の測定テストでは低域ではEAH-AZ70Wが、中域でMTW2の遮音性能が優れていたということです。全体の平均遮音性能では、可聴域(20hz~20khz)の平均値を算出したところ、EAH-AZ70Wの平均遮音性能が18.11dBだったのに対し、MTW2の平均遮音性能は17.82dBになりました。

 少なくとも私のテストの測定値の上では、EAH-AZ70Wの遮音性のほうが優秀だということになりますが、装着感の違いも影響しますし、あくまで参考値ということにして下さい。

 

体感

 実際のところはどうかという問題ですが、これは2通りのテストを行いました。まずヘッドホンで電車内を録音した音声データを再生し、イヤホンの上から被って遮音性を体感しました。もう一つはサーキュレーターを動作させ、その風切り音の遮音性を体感しました。

 結論から言いますと、私の体感上はEAH-AZ70Wのほうがはるかに優秀に感じられました。それは私には聞いた途端に分かるレベルです。アクティブノイズキャンセリング性能についてはEAH-AZ70Wのほうが総合的に優秀なのではないかと推察します。

 

 

アクティブノイズキャンセリング体験

 ここでは録音されたアクティブノイズキャンセリングを体感できます。

 録音はOneAudio A9のアクティブノイズキャンセリングをONにして各環境音源を再生したものが最初に録音されています。次に、ANC機能をONにした各イヤホンを装着した上から、同様にOneAudio A9から各環境音源を再生したものが続いています。装着感などにより、実際は微妙に異なるとは思いますが、参考としてお楽しみください。

 なお環境音源は効果音ラボさんの音源を利用しています。

soundeffect-lab.info

 

電車内

基準環境音

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EAH-AZ70W

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MTW2

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大通り

基準環境音

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EAH-AZ70W

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MTW2

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飛行機内

基準環境音

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EAH-AZ70W

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MTW2

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使い勝手比較

 率直に言って、使い勝手の面では私の場合、MTW2のほうが優秀です。その理由は以下の通りです。

  1. MTW2のほうが接続がスムーズ
  2. MTW2のほうが充電が長持ちする
  3. MTW2のほうがホワイトノイズが少ない
  4. EAH-AZ70Wは親機の切り替え時などに小まめに通信途絶する

 個人的にMTW2のほうがなんだかんだいって完全ワイヤレスイヤホンとしての完成度は高いように思われます。

 

音質比較

 EAH-AZ70WとMTW2はどちらも完全ワイヤレスイヤホンとしての音質は最強クラスと言われています。どちらも中域の充実を意識した高級機らしい音質になっていますが、その音質思想は若干異なるようです。

 以下のグラフは私のHATSで双方の周波数特性を測定したものです。イヤーピースはそれぞれのイヤホンの標準イヤーピースを使い、EAH-AZ70WはMサイズを、MTW2は大きさを合わせて上から2番目のイヤーピースを使いました。

 

使用機材
  • SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
  • AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ
  • マイクプリアンプ:Type4053
  • Type5050 マイクアンプ電源
  • オーディオインターフェース:ROLAND Rubix 24
  • アナライザソフト:TypeDSSF3-L

 

 

 さて測定して得られた周波数グラフを観察してみますと、MTW2とEAH-AZ70Wは中域上部以上はまあまあ似たような雰囲気になっていますが、中低域から中域下部で大きな差が生じていることが分かります。

 音の厚みに関わる音域に関して言えば、MTW2のほうが優秀で、コントラバスの音の厚み、アコースティックな濃厚感が良好で、クラシック音源やJAZZなどではより深みのある中域が楽しめます。しかし、低域の深さではEAH-AZ70Wのほうが深く感じられ、床面が強く意識されるでしょう。またMTW2の音はイヤーピースや音源次第ですが、少し籠もって聞こえる場合もあるでしょう。

 MTW2の高域の落ち着いた雰囲気と強調は音場にホールのような立体感をもたらし、また中高域の落ち着きは中域のボーカルをナチュラルに聴きやすくし、尖りや刺さり、エッジの立ちを抑えています。

 EAH-AZ70Wはよりエッジが強調され、MTW2よりはとげとげしく、ボーカルの声の端にハスキーさやわずかな尖りを感じやすいでしょう。しかし、中低域から中域下部が清潔なので、ドラムとベースはぶつからずクリアに聞こえますし、中域音がややドライですが、くっきりめに聞こえます。一般的に低域弦楽の味わいには欠けるかも知れませんが、ベース音の明瞭さやドラムキックの重みに優れ、現代的な音楽と相性が良いと思われます。

 

聴き比べ(官能性テスト)

 実際にFiiO M15に両方のイヤホンを繋いで聞き比べを行いました。

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Daft Punk「One More Time」

One More Time

One More Time

 EAH-AZ70TWは低域のリズムが深いところで明確です。しかし、この曲の場合、中域下に厚みがないので、ボーカルは少しドライでカサカサしており、楽器音もやや薄く聞こえます。解像度感は悪くありませんが、高域が少しうるさく、ちょっとガサガサしている雰囲気を感じます。

 ぶっちゃけるとこの曲の場合、私はMTW2の音の方がどちらかというと好みです。低域の深さでEAH-AZ70TWに劣るので、出足は少し貧相に聞こえるのですが、楽曲が走り出すと、厚みのある中低域の支えがボーカルや楽器音にボディを提供し、パンチにもリアルな厚みが出ます。また中高域が落ち着いているうえに、中低域の厚みが適切に充実感をもたらしているので、EAH-AZ70Wよりガシャガシャする感じはありません。

 


One More Time

 

HARUHI「空のパレード」

空のパレード

空のパレード

 第一印象から言えば、この曲を聴いた場合、多くの人はEAH-AZ70Wのほうが好ましいと感じるような気がします。中域が清潔で透明感があり、アコースティックギターのエッジやチャイム音などが明瞭に輝き、スネアの鼓面もよりパリッとキレのある形で聞こえるでしょう。全体的にハイファイ的で、ベース音は中域からしっかり分離されて深く聞こえます。一方でボーカルは清潔で聞き取りやすいですが、子音と息に刺さりがわずかに出やすく、少しだけ攻撃的に聞こえます。高域のスパイクに敏感な人には、中域が清潔でくっきり聞こえる分だけ少し気になるところかもしれません。

 一方、MTW2の音はより温かみがあります。最初の印象はあきらかにボーカル周りに熱気があるので、ぼーっとして聞こえるかも知れません。ベース音の沈み込みも強くなく、むしろ厚みを出して中域を支えます。ボーカルは半ば中域下の厚みに埋もれながら聞こえるところがあるので、EAH-AZ70Wよりは明瞭感に欠けるかもしれませんが、深みがあり、潤い感も増しています。

 私はどっちが好きかって?この曲の場合、MTW2です。

 


ソラのパレード

 

総評

 まず音質ですが、基本的に篭もりに敏感な人はEAH-AZ70Wを、逆に高域の刺さりが気になるタイプの人はMTW2を選ぶのが無難です。MTW2のほうがよりアコースティックな音を奏で、とくに男声ボーカルではよりコクとボディが感じられると思いますが、ボーカル全体の聞き取りやすさではEAH-AZ70Wのほうが優れているでしょう。

 ノイキャン性能は明らかにEAH-AZ70Wが優れています。それ以外の全体的な使い勝手においては、私の中ではMTW2の圧勝です。

 

 

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