- Jabra Elite 85t vs BOSE QuietComfort Earbuds、完全ワイヤレスイヤホン界の覇権イヤホンはどちらだ?
- スペック比較
- 使いやすさ:Jabra Elite 85tの勝ち
- アクティブノイズキャンセリングとヒアスルー:BOSE QuietComfort Earbudsの勝ち
- アプリ:Jabra Elite 85tの勝ち
- 音質:オーディオスペック的にはほぼ拮抗しているが、音質傾向が異なる
- 各イヤホンのデータレビュー
- まとめ
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Jabra Elite 85t vs BOSE QuietComfort Earbuds、完全ワイヤレスイヤホン界の覇権イヤホンはどちらだ?
JabraとBOSEはともにポータブルオーディオ界隈でゆるぎない名声を誇っています。
デンマークのヘッドセットメーカーJabraは、先進的なマイク技術によって知られています。その製品は高機能で通話品質に優れ、さらに高度な専用アプリと優秀な装着性、業界で数少ないマルチポイント対応など、多くの点でライバルを圧倒し、支持を集め続けています。
一方のBOSEはアメリカを代表するオーディオブランドです。BOSEの名はアクティブノイズキャンセリングと同義と言っていいでしょう。BOSEはアクティブノイズキャンセリング技術のパイオニアでありリーディングカンパニーです。
Jabraは今年、Elite 85tをリリースしました。これまでのJabra製品同様の高い機能性を維持しつつ、強力なアクティブノイズキャンセリングを搭載した85tは2020年最強の完全ワイヤレスイヤホンの最右翼にいることは間違いありません。完成度は非常に高いです。
一方のBOSEは初めてのアクティブノイズキャンセリング搭載イヤホン QuietComfort Earbudsを今年リリースしました。そうです。BOSEがアクティブノイズキャンセリングTWSを出すのはこれが初めてです。本来であれば去年か今年の初めに出ていたはずの製品ですが、リリースは年末近くになりました。その間、市場はSONYとAppleが席巻し、BOSEはアクティブノイズキャンセリングTWSの投入で出遅れたのです。ようやくにしてリリースされたQuietComfort Earbudsは今のところ市場で歓迎されているようで、入手困難になっています。その実力は本物でしょうか?
この記事では両者を私なりに比較してみたいと思います。
スペック比較
BOSE QuietComfort Earbuds | Jabra Elite 85t | |
価格 | 約33000円 | 約28000円 |
カラーリング |
トリプルブラック ソープストーン |
チタニウムブラック |
公称バッテリースペック |
イヤホン単体:6h ケース込み:18h |
イヤホン単体:5.5h~7.5h ケース込み:28h |
防水性能 | IPX4 | IPX4 |
ワイヤレス充電 | ○ | ○ |
アクティブノイズキャンセリング | ○ | ○ |
ヒアスルー | ○ | ○ |
イコライザー | × | ○ |
マルチポイント | × | ○ |
付属アプリ | ○ | ○ |
Bluetooth | Ver 5.1 | Ver 5.0 |
対応コーデック | AAC/SBC | AAC/SBC |
競合機種との比較表
製品名 | Master&Dynamic MW07 Plus | BOSE QuietComfort Earbuds | Jabra Elite 85t | SENNHEISER MOMENTUM True Wireless 2 | Technics EAH-AZ70W |
タイプ | カナル型 | インナーイヤー型 | カナル型 | カナル型 | カナル型 |
連続再生時間 | 10h | 6h | 7h | 7h | 6.5h |
最大再生時間 | 40h | 12h | 25h | 21h | 19.5h |
対応コーデック | aptX/SBC | AAC/SBC | AAC/SBC | aptX/AAC/SBC | AAC/SBC |
防水性能 | IPX5 | IPX4 | IPX4 | IPX4 | IPX4 |
ANC性能(10) | 5.5 | 10 | 9.5 | 7.5 | 8 |
ヒアスルー(10) | 7(自然) | 9.5(集音的) | 9.5(自然) | 8.5(集音的) | 7.5(自然) |
音質傾向 | U字型 | フラット | U字型 | U字型 | U字型 |
プライストレンド(2020/12時点) |
価格は値下がり傾向だが、大きく下がることはあまり期待できない。色によってはアマゾンの大型セールなどで3万円を切る価格で入手することも可能。
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入手困難気味で価格はまだ安くならない。割安で出回るようになるのは2021年半ばごろ以降と予想。
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Jabra製品は定期的に新製品が出るので、コンスタントに値下がりする傾向がある。2021年前半くらいからセールに出てくる可能性がある。
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基本的に発売後1年程度は価格は堅調に推移することが多い。割安で手に入りやすくなるのは2021年後半以降と予想。
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最近は比較的値が落ち着いているようで30000円前後で定着している。現在値がだいたい過去最安。
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使いやすさ:Jabra Elite 85tの勝ち
Jabraは機能性と使い勝手において定評があります。実際、Jabra Elite 85tとBOSE QuietComfort Earbudsを並べてみれば、どちらが使いやすそうかは外観から容易に判断できます。
外観・サイズ
まずケースは単純にBOSE QuietComfort Earbudsがデカすぎます。厚みもあるので、ズボンのポケットに入るかどうかはぎりぎりです。Jabra Elite 85tのほうがはるかにスマートで出し入れが簡単です。
イヤホンのサイズも比較してみましょう。左がJabra Elite 85t、右がBOSE QuietComfort Earbudsです。BOSE QuietComfort Earbudsはかなり目立ちます。
装着検知機能
どちらのイヤホンも装着検知機能があり、イヤホンを片耳から取り外すだけで再生が停止され、つけなおすと再生が再開します。どちらも十分効果的に機能しますが、反応は85tのほうがわずかに良いようです。
アクティブノイズキャンセリングとヒアスルー:BOSE QuietComfort Earbudsの勝ち
アクティブノイズキャンセリング
アクティブノイズキャンセリング性能の測定値において、両者は平均値であまり変わりませんが、削減している帯域を確認すると、BOSE QuietComfort Earbudsのほうが効果的に機能するように思われます。
実際私の聴感上もBOSE QuietComfort Earbudsのほうが効果が高いように思われます。低周波のカット性能ではBOSEが少し優れており、中域でもわずかに優秀なようです。多くのレビュアーがBOSE QuietComfort EarbudsをANC完全ワイヤレスイヤホンの王者だと評価していますが、私もそれに賛同します。
しかし、Jabra Elite 85tがそれにほとんど劣らないレベルで、SONY WF-1000XM3やApple Airpods Proに匹敵するレベルであることも事実です。
ヒアスルー
Jabra Elite 85tのヒアスルーは自然です。BOSE QuietComfort EarbudsのヒアスルーはJabraと比べると、むしろ環境音を増幅しているようです。自然な外音取り込みといった雰囲気のJabra Elite 85tとは異なり、BOSE QuietComfort Earbudsを透過モードにすると、ホワイトノイズは少し強くなったように感じ、衣擦れの音など周囲の環境音が敏感に拾われます。BOSE QuietComfort Earbudsのヒアスルーは積極的に音を拾いに行くので、自分の声も増幅されます。PCのファン音もよく聞こえるようになります。
どちらをよしとするかは難しいですが、自然な感じを重視するならJabra Elite 85t、周囲に耳を澄ませて細かい音を拾いたいという用途であれば、BOSE QuietComfort Earbudsが優れていそうです。
アプリ:Jabra Elite 85tの勝ち
Jabraのアプリは高機能であることが知られています。EQやさまざまなカスタマイズ機能を搭載しており、機能性ではBOSEのアプリを凌駕しています。
Jabra Sound+ | Bose Music | |
ANC調整 | ○ | ○ |
ヒアスルー調整 | ○ | × |
イコライザー | ○ | × |
コントロールカスタマイズ | ○ | ○ |
ファームウェアアップデート | ○ | ○ |
イヤホン位置情報 | ○ | × |
音質:オーディオスペック的にはほぼ拮抗しているが、音質傾向が異なる
両者はオーディオスペック的にはほぼ拮抗していますが、音質傾向は異なります。BOSE QuietComfort Earbudsの音質はかなりフラットです。Jabra Elite 85tのほうがドンシャリで、音場の奥行き感や立体感は一般にJabra Elite 85tのほうが優れて感じられるでしょう。BOSE QuietComfort Earbudsは低域に少し強調がありますが、低域好きを満足させるのはJabraのほうでしょう。高域もJabraのほうが派手で楽しく思える可能性が高いです。BOSE QuietComfort Earbudsの高域は少しドライで不自然に聞こえやすいところがあります。
両者でより原音忠実性が高いのはBOSE QuietComfort Earbudsです。
録音比較
GENS D'ARMES / イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック / Copyright © Nihon Falcom Corporation
- 原曲(+5dB@1khz)
- Jabra Elite 85t
- BOSE QuietComfort Earbuds
各イヤホンのデータレビュー
それぞれのイヤホンについてより詳しく知りたい場合は、以下のレビューにデータを載せています。
まとめ
あなたが最強のANC完全ワイヤレスイヤホンがほしいと思っているなら、BOSE QuietComfort Earbudsをおすすめします。BOSE QuietComfort Earbudsは間違いなく、あなたを現状で最高の静寂へといざなうでしょう。しかし、私の印象では多くの点においてJabra Elite 85tのほうが優れているように思われます。より使いやすく、機能的で便利な完全ワイヤレスイヤホンを求めているなら、Jabra Elite 85tのほうが安く手に入れることができ、かさばらず、満足できるかもしれません。
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