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【ワイヤレスヘッドセット OneOdio A1 レビュー】ほどよい膨張感のある低域が穏やかな重厚さを出し、溶け込みの良い優しい楽器音は温かみがあってソウルフルな音楽空間を作り出す

ヘッドライン

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OneOdio A1

Oneodio Bluetooth ヘッドフォン ワイヤレス ステレオ ヘッドセット 高音質 密閉型 Bluetooth4.2 有線・無線兼用 折りたたみ式 マイク付き ハンズフリー通話可能

 

おすすめ度*1

OneOdio A1

ASIN

B07HRVDRZX

 デザインも洗練されており、なかなかかっこいいヘッドホン。傾向としては固めの装着感ではあるが、イヤーマフはそこそこ厚みがある。装着感で似ている機種で思い浮かぶのはSENNHEISER MOMENTUM M2 OEBT。音の傾向もややウォームで調和的なのでSENNHEISER系っぽい感じ。遮音性はそこそこ。イヤーマフはそこまで厚くなく、密着は強くないので、音漏れは少し目立つかも知れない。

 aptX対応ではない。通信品質は安定しており、音飛び・遅延は感じられない。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はUSB充電ケーブル、AUXケーブル、説明書。

 

OneOdio A1OneOdio A1

 

【2】音質

 全体的にやや低域に寄せた重厚な音質。低域音はブーミーというほど支配的ではないが、膨張感があって、少しゆるやかな輪郭を持っているので、ドラムは革張り感が出やすいし、ベースはやや厚ぼったく広がる、地熱感を強めに出す感じはある。中高域は厚みを重視した自然でウォームな傾向の音。印象としてはSENNHEISERやbeyerdinamicなどのドイツの主流メーカーのヘッドホンに多い音質に似ている。密閉型でありながら、オープン型を意識させるような、空間への溶込みを感じさせる鳴らし方。耳当たり良く、とくにピアノには有機的な温もり感が出るので、濃厚味を感じやすい。JAZZやR&B、ソウルミュージック、ムード音楽には持って来いのバランスだ。聞き疲れもしにくい。これは個人的にかなり好み。

 

[高音]:突き抜け感はないが、空気に溶け込む上昇感があり、上方向に空間を意識させる優しい広がりを持っている(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:充満する濃厚な味がある。弦楽やピアノは太めで穏やかなポロンポロンという優しい光沢感があり、ウォーム。

[低音]:ほどほどの輪郭感はあり、ブーミーに潰れない、やや膨張した核のある鳴り方。振動は太めで100hzから30hzまで比較的明瞭な振動感がある。20hzでもそれなりの振動を感じるので、たとえば低域弦楽の深掘り感はダイナミックに出る(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:やや広めに音響が頭を包み込む。高域は音の端は目線よりそれほど高くないように思うが、上方向に溶け込む感じがあって、天井が近い感じはしない。厚めの低域が床面を感じさせるので、ドーム状の空間を感じる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムは膨張感のある鳴り方で少し柔らかく、ボスンボスンという地熱感のある鳴らし方。粘りは少しあるが、それほど強くないので、耳への固着感は強くない。ハイハットはかなり輪郭が柔らかく、存在感薄めで、かすかに煌めきを加える程度のことが多い。ドラム優位(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:高音で優しく溶け込み、ビブラートは温もり感を持って出るので、生気感に優れる。穏やかに空間に伸びるボーカル曲に妙味がある。ハスキーボイスでは温かみを感じやすい。

 

【3】官能性

 傾向としては厚く、しっとりとした濃厚味を出す曲に向く。ピアノの厚みはJAZZ味を感じさせるのに十分。たとえば秦基博なら「水彩の月」。ピアノが濃厚かつ重みを感じさせる圧倒的世界観を構築し、奥の弦楽とベースがやや太めにそれをサポートする。ボーカルはやや発色は抑えめで太いが、温かな息感があって生命的。

 こういう優しい温もり感のある聴かせ方は、私の勝手な分類による「お涙ちょうだい」系の曲に向く。たとえばrionos「ウィアートル」、YuRiKA「夜奏花」、karuta「一番の宝物 Original Ver.」、奥華子「変わらないもの」、南壽あさ子「フランネル」あたりの、しっとりした鳴らされ方をすると、つい涙腺がゆるみがちになる曲だ。こういう曲で涙腺を一番刺激してくるのは、瑞々しくキラキラしすぎない色合いで鳴らすピアノ音。一定の厚みと有機的な材質感、空間への溶け込みなどがよくないと十分な情緒感を感じられないが、このヘッドホンのピアノ音はまさにそういう有機的な鳴らし方。ついでに膨張感と地熱感のある低域表現も胸を熱くさせる。涙腺に直撃間違いなしだ。

 そして温度感のある表現の得意分野として忘れてならないのはソウルサウンド。たとえばHall & Oatesの「Forever for you」を聴いてみれば、生命的な温もりの篭もった、まさにソウルという音を楽しめる。ベースも膨張感があってハートフルに優しく、濃厚に空間に溶け込み、ギターの煌めきもおだやかで夕日を穏やかに反射する水面のようだ。

 

【4】総評

 OneOdioにはかつてStudio Pro 002という製品で素晴らしいコスパを体験させてもらったが、ここに今一度恐るべきコスパの製品が出てきたことは認めざるを得ない。私の愛するSENNHEISERのMOMENTUMシリーズは音がいいが、正直価格的に、庶民が日常的に持ち歩いて使うには些か勇気がいる。だが、このOneOdio A1はワイヤレスヘッドホンでもエントリークラスの価格設定なので、気軽に持ち運んで使い潰せる。かつてStudio Proで気軽に使い潰せるコストで、かなりの音質パフォーマンスを感じさせてくれたOneOdioが、再びこのような野心的な機種を出してきて、個人的には復活に歓喜。アコースティックで温もり感のある有機的な楽器音を低価格で楽しむなら、おすすめ。

OneOdio A1

 

【5】このヘッドホン向きの曲 

 厚みのある生命的な弦楽とソウルフルなボーカルの出だしから圧倒的世界観を感じさせるR&Bの名曲。低域ドラムの膨張感がポムポムと温かな弾みをもたらし、厚みのあるJAZZ味の強いピアノが濃厚さを加える。素晴らしい。

 

 厚みがあり、温もり感に優れた弦楽とピアノが暖色の空間を作る。早見沙織のボーカルもほっこり温かで、高域では空間にゆったりと溶け込む。この曲を楽しむなら低価格最強と言って良い。このMVではカットされる後半はとくに素晴らしい。

 

 日本で有数のソウルフルなボーカルの持ち主として個人的に崇拝しているのがAimer。Aimer教徒の言なので割り引いて考えて欲しいが、このヘッドホンで聴くと、温度感のあるボーカルを支える、温かみのある低域ドラムサウンドが非常に気持ちよく出る。弦楽も暖かく伸びて優しい情感を空間に振りまく。

 

Oneodio Bluetooth ヘッドフォン ワイヤレス ステレオ ヘッドセット 高音質 密閉型 Bluetooth4.2 有線・無線兼用 折りたたみ式 マイク付き ハンズフリー通話可能

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

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