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【ゲームリプレイ】[Crusader Kings Ⅱ オートプレイ架空史]オートプレイ観戦が面白すぎるゲームがここ数日私を離さない!

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 皆さん、「Crusader Kings Ⅱ」(以下CK2)というゲームをご存知ですか?歴史系SLGで有名なParadox Intaractiveという会社が製作しているゲームで、日本では今は亡きサイバーフロントが日本語ローカライズして販売していました。中世の一領主になって、一族の繁栄を目指すという独特のゲームです。2012年に発売された製品ですが、それから毎年のように、DLC商法で有名なバンナムもビックリのスピードで、DLCが発売されて細かなアップデートが続けられています。この11月には新DLC「Holy Fury」も発売され、2000円以上するので私はセール待ちでまだ導入していないのですが、久しぶりにCK2がやりたくなりました。

 前作「Crusader Kings」も熱狂してプレイしていた私ですが、CK2も5年以上にわたり愛好しています。感嘆するのがそのデータ量。セーブデータには実際のゲームにはほとんど影響を与えない史実データが保存されており、たとえばアウグストゥス以来のローマ皇帝家の王朝データが記録されていたり、ゲームの開始時期にはすでに滅びている東ゴート王家のアマル家(Amali, Amaling)やヴァンダル族のハスディンギ家(Hasding)が含まれていたりとかなり凝っています。信長の野望でたとえると、織田家の先祖データが藤原信昌まで網羅しているというようなものです。最近の信長の野望でも比較的古い年代がサポートされてきたとはいえ、せいぜい祖父の織田信定までなので、そのデータ量の違いは一目瞭然です。

 この膨大なデータを使うことで、CK2ではセーブデータエディットをして簡単に面白い状況で遊ぶことが出来ます。たとえば本来滅びているはずの東ゴート王族やメロヴィング家の人物を登場させ、家の再興を目指すプレイも可能です。普通にプレイしても面白いのに、飽きたらエディットを加えるだけでさらに楽しめるというわけです。

 しかしそうしたエディットプレイを繰り返した私が、さらにここ2年ばかり楽しんでいるのが「放置鑑賞プレイ」。これはシナリオ開始時に特定の人物をエディットした上で、コンピューターのみにプレイさせ、その一族の繁栄と凋落を鑑賞するというプレイです。エディットした一族が数百年の時をかけて国王や皇帝になったり、逆に歴史の波に埋もれていく様子を楽しむことが出来るのです。

 

↓は公式トレイラー。

 

↓公式でアップされているサウンドトラック動画。ベセスダの「The Elder Scrolls V: Skyrim」や「The Witcher」系の音楽が好きならハマるはず。

 

【今回の設定】

 今回はDLC「The Old Gods」所収の867年シナリオをエディットします。まず、いくつかの主人公となる史実人物と架空人物を用意します。

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↑カール大帝死後分裂したカロリング帝国の後継王国が割拠する867年の世界。現実の歴史では後に、オットー朝に続いて長期王朝を築くザリエル家だが、この時代はまだプファルツを支配する一地方領主に過ぎない。

 

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↑オートプレイで一晩寝かせたあとの1619年の世界。ヨーロッパは青の大フランシア帝国と赤紫のビザンツ帝国にほぼ二分されている。ちなみにビザンツ帝国は長い歴史の中でイスラム化していた。画面中央付近、現在のイラン付近にはアッバース朝が追いやられている。夜セッティングして寝ている間にオートプレイさせ、朝に架空世界を確認するのが楽しみ。

 たとえば今回はザリエル家のヴェルナー(歴史上では3世)を主人公の一人にしていますが、彼の一族はほかの主人公の一族であるイングランドのウェセックス家や滅亡寸前の大モラヴィア王国のモイミール家と縁戚関係にあり、一族はビザンツ帝国内にも領地を持っている設定にエディットされています。

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↑主人公の王朝がすぐ滅亡しては面白くないので、歴史上活躍できるよう細工をする。王朝の偉大な創始者ないし中興の祖である主人公キャラが強力な特性(traits)を持っていることは必要だが、とくに優良な特性は効果を強化している。また意図的に遺伝しやすく設定している。たとえば「天才(genius)」の特性はゲーム中屈指の強特性だが、さらに効果を増やして受胎率を高めて子孫が増えやすくなったり、他者の好感度を上げて結婚しやすくしたり、外交しやすいようになっている。さらに「天才」の子への遺伝確率もデフォルトの15%から85%に大きく底上げした。これで主人公の一族はコンピュータプレイの長い歴史の中でも滅亡しづらく、子孫を順当に増やしていくことが多いようになっている。

 

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↑セーブデータをいじって大幅にアップデートされた867年ザリエル家の家系。一族は近隣のモラヴィアやブリテン島にまで裾野を広げており、妻はカロリング王家の姫君。さらにビザンツ帝国のアモリア家(ゲーム内のマケドニア皇帝家の前の皇帝一族)との縁戚関係をでっち上げ、その縁故で一族がビザンツ帝国内に領地をもらっている設定になっている。ビザンツ帝国内のザリエル一族は現マケドニア王朝に対する不満分子でアモリア家の復権を狙っているという筋立て。

 ほかの主人公は、たとえばゲーム開始時は本当は滅亡しているアマル家。イタリアに向かった東ゴート王家の本流とは異なる分家が長い歴史を経てアイスランドに定住していたという設定でゲーム内に登場させてます。東ゴート族の源流はスカンディナビア地域であるという有力説があります。この架空世界では、イタリアに定住する前の一部の戦士集団が紆余曲折を経て、スカンディナビアに戻ってノルド化し、アイスランドに植民したという設定にしました。

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↑アイスランドの豪族となったかつての東ゴート王家、アマル家の一族。このCK2世界の果てからどのように歴史に絡んでくるのか楽しみである。アイスランドの領地もスロットが7と発展性は高い。どこから手に入れたのか大量の資金も持っており、一族の発展が期待される。

 

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↑架空世界のアマル家の家系。右に見えるのがテオドリック大王などが属するアマル家の本流。架空世界で生存した一族はその本流とはイタリア侵入前に分かれた。おそらく意見対立の果てに北方で活路を見出すことにしたのだろう。左側にひたすら伸びている架空人物の流れが架空歴史の重みを感じさせる。

 さらにマケドニア朝革命によって帝位を簒奪されたアモリア家の皇子たちは、おそらくザリエル家の手引きでイングランドに亡命しています。この時代のイングランドはいきなりデーン人の激しい攻撃に晒されるという過酷な時代ですが、彼らは生き残ることが出来るのでしょうか?

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↑イングランドのオックスフォードの領主をしているビザンツ人。彼は実は先代のビザンツ皇帝の息子である。

 

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↑架空歴史の都合上、たくさん増やされた皇帝の子供たち。ザリエル家の手引きでそのほとんどはイングランドに亡命している。皇女の一人はザリエル家の公子と結婚してビザンツ帝国内にとどまっている。

 とりあえずこんな感じでセッティングしてオートプレイを開始して寝ました。

 

【架空のビザンツ帝国 1619】

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↑一晩明けた1619年。ここから一晩に起こった出来事を紐解く。

 一晩明けてセーブした画面が上の写真です。ビザンツ帝国とフランシア帝国がヨーロッパを二分しているのが目を引きますが、まずはビザンツ帝国の歴史を確認します。

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↑1619年の皇帝家はマケドニア家。この時代のビザンツ帝国はイスラム教に改宗している模様。現実世界ではオスマン帝国によってすでに滅ばされている時代だが、架空世界の帝国は都市ローマのすぐ南までのイタリア半島を支配しており、現実のオスマン帝国以上にヨーロッパ世界の脅威となっている。架空世界のビザンツ帝国は「ヨーロッパの防波堤」ではなく、侵入者といえるかもしれない。皇帝は民族的にはゲルマン系らしい。

 

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↑ビザンツ皇帝の系譜を遡っていく。どうやらマケドニア家が帝位に返り咲いたのは最近のことらしい。マケドニア家の前の皇帝家はアブカジア家。

 

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↑アブカジア家は元を辿ればリカオン家の分家だそうだ。比較的歴史は浅く、パッと見それほど繁栄しているようには見えない。

 

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↑リカオン家。アンティゴノス家の分家だという。この家も大して繁栄しているようには見えない。

 

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↑アンティゴノス家。アンティゴノス家というと、紀元前2世紀に共和政ローマと戦ったマケドニアの王朝が思い浮かぶが、ゲームのアンティゴノス家はそれとは別。アンティゴノス家の祖バルダニオス(中世ギリシャ語だとヴァルダニオスか?)は、867年のゲーム開始時にはスミルナの領主をしていた。セーブデータを見ると歴史上の人物とされているが、詳細は軽く検索してみてもよくわからない(ゲームからのWikipediaリンクも反応しない)。だが、1619年の架空世界では、ビザンツ皇帝にこそなったことはないものの、ビザンツ帝国屈指の名家であり、家系の威信値(Prestige)は4456。これはマケドニア家の威信値3915を凌いでいる。架空世界で成功を収めた一族の一つのようだ。

 

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↑アブカジア家の前の皇帝家、バザン家。908年生まれのナポリの領主で、完全に架空の人物ヌフィオから家の歴史は始まった。合計11代のビザンツ皇帝を輩出しており、架空世界のビザンツ帝国では有数の名家であったようだ。ヌフィオもこれほどの家門になるとは思っていなかっただろう。

 

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↑1619年時点のバザン家当主ゴットフリート。ドイツ系。マップ中央部でうっすら光って囲まれているのが彼の領土。現在のスロバキアにあたる、トレンチーンの領主である。

 

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↑バザン家の前の1479年~1514年の間、帝国を支配していたチェノポウロス家。ゲーム開始時はプルサの領主をしていた。プルサは現在ブルサといい、オスマン帝国の首都にもなったことのある都市。架空世界のビザンツ帝国におけるチェノポウロス王朝時代は革新と変容の時代と言えるのかもしれない。

 

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↑チェノポウロス朝初代の皇帝アダルベロ2世。「出家帝」あるいは「求道帝」と呼ばれた彼は、カトリックの父母の下に生まれたが、のちにイスラム教スンニ派に改宗する。彼により帝国のイスラム化が進展することになる。彼は架空世界史上初のイスラム=ビザンツ皇帝ではなかったが、彼以後帝国のイスラム化は決定的となった。

 

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↑架空世界のビザンツ帝国で初めてイスラム教徒として皇帝となったバザン家のアンドレアス帝。しかし、カトリック回帰を訴えた一族のアダルベロの反乱に遭い、その戦いの中で没した。アダルベロは1425年に100年ぶりにバザン家に皇帝位を取り戻した中興の英祖ルードヴィヒ3世帝の息子であり、カトリック擁護派の貴族たちの支持を集めていた。帝位簒奪に成功したアダルベロは、アダルベロ1世として即位した。架空世界最後のカトリック=ビザンツ皇帝である。

 

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↑イスラム化する前の14世紀前半~15世紀前半の間、ウェセックス家(!)の支配を挟みながら帝国を支配していたのはナバラ家だ。

 

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↑しかしナバラ家は出自的にはナバラの町を支配する商業貴族で、867年ゲーム開始時のナバラ王家であるイニゴ家とは何の関係もないし、のちにナバラ王家となるヒメノ家とも縁戚ではない。威信値を見る限り、ビザンツ貴族の中では中規模の家柄と言えるだろう。じつは第一次バザン朝(1284-1317)以後の架空ビザンツ帝国ではそれ以前の皇帝とは異なり、必ずしも最有力ではない家から皇帝が輩出されている。

 

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↑13世紀の皇帝たち。バザン朝以前はウェセックス家、カロリング家など、欧州全体を見ても名門といえる家門の出が続く。この時代のビザンツ帝国の皇帝は基本的に外国出身者であった。

 

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↑9世紀後半から12世紀後半にいたるまで皇帝位をほぼ独占したのがザリエル家である。ザリエル家時代に帝国のゲルマン化が進行した。ザリエル朝最後の女帝エンゲルトラウドはカロリング家の王子と結婚し、カトリック信仰を受け入れた。

 

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↑当初は異邦人であったザリエル家だが、長い支配の間に社会に定着し、帝国支配層のゲルマン化を進展させた。1619年の架空世界ではビザンツ貴族のほとんどがゲルマン系であるが、ザリエル朝時代にその淵源がある。

 

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↑ザリエル家。架空世界のヨーロッパにおける超名門ともいうべき家系。威信値9813はカロリング家(18521)や北欧の名門ムンサ家(11251)には及ばないが、イングランドの名門ウェセックス家(5785)に勝る。

 

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 ↑マケドニア朝君主バシレイオス1世の後は旧王朝のアモリア家の勢力に推されたザリエル朝が皇帝に選出された。しかしザリエル朝初期はマケドニア家の勢力の反乱にも悩み、マケドニア家のゾフィー女帝が即位する。女獅子とも渾名されるゾフィーはイスラム勢力と戦いシチリア島を回復しつつ、内政的にはザリエル家から夫を迎えて国内融和を図った。歴史家は彼女をマケドニア家の君主としてよりは、ザリエル朝的な文脈の中で見るだろう。

 

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↑1619年の強国、威信順。ビザンツ帝国はスウェーデンに次いで2位だ。

 

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 ↑支配領土数ではフランシア帝国に次いで2位。この世界ではフランシア・ビザンツ・ベンガルの3帝国の支配数が群を抜いている。

 

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↑兵力順。フランシアの軍事力が際立っているが、ビザンツ帝国も3位以下とは格が違う。

 

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↑架空世界1619年の宗教地図。インド方面はジャイナ教が支配的で、中央アジアまで勢力を広げている。ビザンツ帝国が改宗して広い地域をカヴァーしている緑のイスラム教スンニ派も比較的巨大だ。カスピ海北方のユダヤ教地帯はハザールの影響。ギリシャ正教はロシアの一部のみになって滅亡寸前。カトリックはブリテン島、北欧からシベリア付近まで広く信仰されている。

 

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↑西欧にズームアップした宗教地図。カトリックがメジャーだったはずの西欧ではパウロ主義が流行。フランシア皇帝もカトリック信仰を捨て、パウロ主義を信仰している。現実世界の歴史では、パウロ主義は3世紀にアンティオキアの司教サモサタのパウロが唱えたグノーシス主義的異端で、7世紀から9世紀にかけてアルメニアやビザンツ帝国東部で流行した。1619年の架空世界の西欧でこんなに爆発的に流行している理由は謎。

 本当はもっと紹介したかったのですが、ビザンツ帝国を調べているだけでもかなりの分量になってしまったので、今日はここまでにしたいと思います。架空歴史を紐解いているだけで妄想が広がり、止まりません。CK2の妄想喚起力、恐るべし。

 

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