さて、以前BOSE QuietComfort35 Ⅱ(QC35Ⅱ)をワイヤードモードで味わったところ、ワイヤレスで聞いたときに比べて大幅に化けてびっくりしたことがありました。ということで今回は味を占めてBOSE SoundLink around-ear Ⅱのワイヤードモードを試してみようという、それだけの企画記事でございます。しばしお付き合いくださいませ。
今回も愛用するOPPOのヘッドホンアンプ「HA-2SE」につないでPCから音源を取ってテストいたします。
【課題曲その1】Jess Glynne「No One」
私の大好きなR&Bシンガー Jess Glynne の曲です。最新アルバム「Always In Between」に収録されています。パワフルなボーカルとそれに負けない情熱的で重厚感のある楽器音が特徴の曲です。また上の方では残響感、下の方では重みのある衝撃音が加えられており、そこらへんがきれいに出ると妙味につながります。
で、聴いてみたのですが、率直に言って驚きました。残響感や衝撃音の表現が充分なことはそうなのですが、それ以上にボーカルに瑞々しさも感じられ、楽器音にフレッシュなスマッシュ感もあって抜けと圧が良くて、充実感の高い表現で聴かせてくれます。コントラスト感もしっかりしていて、このメリハリ感はQC35Ⅱに劣りません。っていうかほぼ一緒。ワイヤレスでは結構差を感じましたが、ワイヤードでは実質的な音質差はあまりないように思えます。しかし、このボーカルの瑞々しさはちょっと感動するな。
【課題曲その2】ハルカトミユキ「17才」
TVアニメ「色づく世界の明日から」のOP主題歌です。アコースティックな音をなめらかなデジタル音とともに奏でる瑞々しい空間が特徴です。またサビでは密度感が変わるので、その変化を楽しむことが出来る曲です。
このヘッドホンで音を聞くと、コントラスト感は結構しっかりしていて、弦楽の色彩はしっかり出ます。背景にもかなり黒みを感じられます。サビは少し密度が高くなってボーカルが埋もれやすい曲ですが、比較的分離感よく、埋もれない一体感があるという感じでこれはよいです。またスプラッシュシンバルのカンカンした音もほどよく粒立ちして聞こえてきます。
【課題曲その3】渕上舞「リベラシオン」
緻密な背景表現でかなり独特の立体感がある曲です。いわゆる打ち込み系って感じで音が近くに寄ったり遠くに行ったりが激しいところがあります。
で、実際このヘッドホンで聞いてみると、定位感はかなりいいです。音響空間の立体感の再現度は高く、音場が躍動して包み込んでくるこの曲の妙味がこれでもかとくらい感じられます。音はやや太めに、なめらかで、かすれる感じも膨張しすぎる感じもなく素直に厚みが出て満腹感もあります。これはかなりいいかもしれない。
【総評】
んーBOSEのヘッドホン、やっぱりいいですねぇ。このヘッドホンのワイヤードに関してはQC35Ⅱにあまり遜色を感じないので、価格差を考えると、優秀と言えるかも知れません。ノイキャンがないってところが弱いだけで、装着感はむしろ、軽量なこちらのヘッドホンの方が優れている気がしますし、相応の魅力は感じられます。私の場合は激安セールで1万3000円くらいだったので、有線ヘッドホンとしてもコスパは異常に高く思えましたが、2万6000円くらいの標準価格でも、ワイヤードで充分勝負できるところはあるかも知れませんね。ワイヤードに限れば1more H1707とかもっとコスパ優秀なのはありますけど、付け心地やワイヤレス対応も考慮すると、これは案外いいんじゃないですかね。
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