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【ハイレゾ対応イヤホン ELECOM AMA25813 クイックレビュー】爽快で高さがあり、クラッシュとアタックの利いた、スピード感のある音。おすすめ

ヘッドライン

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ELECOM AMA25813

ELECOM AMA25813

エレコム カナル型イヤホン ハイレゾ対応/高音質/ステレオ/ネオジムマグネット・MMCX端子採用 ブラック AMA25813

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「小型で耳への収まりは良い」

おすすめ度*1

ELECOM AMA25813

ASIN
B075LHZ47W
スペック・評価
再生周波数帯域 15~40000Hz
インピーダンス 16Ω
感度 98dB
ドライバー

1ドライバー(12mmダイナミックドライバー)

音質傾向

のびやか、爽やか、クラッシュ感が強い、アタック感がある、清潔、風通しが良い、抜けが良い、倍音成分多め

  

 

テスト環境

 今回のテストはONKYO GRANBEATで行っています。

www.ear-phone-review.com

 

【2】外観・インターフェース・付属品「mmcxリケーブル可能です」

 付属品はイヤーピースの替えです。

 

ELECOM AMA25813

【3】音質「中域に適度な暖かみを維持しつつ、シャリシャリ感とギラつきを適度に強調するエッジの立ったサウンド」

周波数特性イメージ(試験運用中)

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※周波数特性イメージはあくまでレビューの便宜上、個人的に周波数分布のだいたいのイメージを掴むための参考情報で、測定方法も測定されたデータも非常にアバウトで厳密な信頼性や正確性に欠けます*2

 

ファーストインプレッション

 今回は標準イヤピのLサイズを使ってレビューします。

 では早速ONKYO GRANBEATにつないでファーストインプレッションを見ていきましょう。

 

伸びやかなサウンド、倍音を出して走るバイオリン、前に出てきて明るいピアノ(久石譲「Summer」)

Summer

Summer

 このイヤホンを特徴付けているのは中域から高域に向かって、少しアタックを出しつつ立体感を強調する味付けになっていることです。そして中域はそれほど凹んでいないので、高域の高いところが閉じているのと相まって、適度な甘味と暖かみが中域に存在していることです。

 久石譲「Summer」を聴いてみましょう。まず出だしのバイオリンです。倍音が豊かでやや細く筋立ち、少しかすれてエッジにこする感じがありながらも、甘味があります。弦の運びが細かく、ダイナミックでスピード感があり、出だしから音楽が十分に走り出して聞こえるはずです。

 音場は少し乾燥していますが、甘味は充分にあり、ピアノ音はそれほど潤いは強くありませんが、たっぷりとしたツヤを持って聞こえてくるはずです。潤いが強調されすぎないので、木材の乾いた音の雰囲気が少しあり、やや有機的に聞こえます。打鍵の打ち込みはしっかりしていますが、強く叩くほどではなく、硬い感じはありますが、適度なメリハリ感といった具合です。有機的な透明感のある少しくっきりとした明るいピアノです。

 音は基本的に伸び上がっていく開放感がありますが、すでに述べたように高域の高いところは閉じているので、中域に甘味は適度に確保されています。それでも少しスースーする雰囲気はあるでしょう。それがこの曲の場合、清涼な風味につながっています。

 

ズチャズチャしやすいところが好みを分けるかも知れない(向井太一「リセット」)

リセット

リセット

 アタックが強く、またギラつきが少し強調されているせいで、電子ドラムのリズムに強調がある場合、強くベシベシする感じになり、音量を上げるとたぶんズチャズチャします。ズチャ音が強いと音が潰れるような、ややべったりした雰囲気が出るので、人によっては好ましく思えないかも知れません。この曲の電子ドラムは個人的にバシッと聞こえるほうが曲調に合っていると思いますが、このイヤホンはだいぶズチャッって粘ってべとつく感じになります。手応えはしっかりしているので、こういう音が好きな人もいますから、そういう人は気にならないでしょう。

 それを除けば、基本的には粒立ちが強調され、メリハリも強いリズムのよく乗ったサウンドに聞こえるはずです。シンバルは硬めにツッツッと刻みを出してくれるのがスパイシーです。ボーカルは少し子音が尖り、息が強調されていますが、適度な甘味がのったボディがあるので、過酷には聞こえないはずです。

 

ギターのドライブ感の強調と派手めでややくどいハイハットアタック、軽快な味付け(そのうちやる音「走り出せ凡人」)

走り出せ凡人

走り出せ凡人

 ロックはベース音も明るく、基本的に軽い感じで聞こえます。しかし、フワフワしているかというとそうでもなく、たとえばこの曲の場合、エレキギターのクランチサウンドがアタックしながらよく出て、ドライブ感が充分に楽しめます。

 ハイハットはアタックと輝きが強くてスチャスチャシャリシャリした音になります。派手めで酸味のあるクラッシュ感の強い、気持ちよい音ですが、刻みが輝きによって隠される感じがあるので、金物にくっきりとした輪郭を求める人向きの音ではありません。一方でシャープ感は強いので穂先が立っており、そういうエッジ感の強い鋭利な音が好きな人には悪くなさそうです。

 ボーカルは乾燥していますが、適度に甘味があります。

 リズムに軽い疾走感が出るので、こういうロックではスピードがあって軽快さが充分感じられます。

 

クラッシュ感の強調による高域の脆い雰囲気((K)NoW_NAME「Harvest」)

Harvest

Harvest

 このイヤホンはすでに述べたようにハイハットのクラッシュ感が強調されており、スピード感のあるロックではそのアタックの強いクラッシュが非常に心地よいですが、落ち着いた曲では鼻につき、曲全体の雰囲気を脆く、不安定な感じにするところがあります。たとえば(K)NoW_NAME「Harvest」を聴いてみましょう。

 この曲ではサビでハイハットが非常に派手に強調される場面がありますが、このイヤホンではそこで輝きを強く、粒立ちも細やかに、本当に粉々にするようなくらいまで分離感を強調して、しかも派手にハイハットを表現します。この曲では本来、この表現によってこれまで丁寧に組み立てられてきたメロディーラインが一気に崩れされるような、カタルシスの感じられる表現を作り出しているのですが、このイヤホンの場合、それが過剰に表現されます。その結果として音楽全体がハイハットの崩壊に飲み込まれていくような、弱々しい雰囲気になってしまいます。派手めに前面で鳴るハイハットが音楽を覆い尽くす感じもあるので、ただ単に他の楽器音が聴きづらくなるだけでなく、この曲の静けささえ失われて聞こえやすいでしょう。

 それがこの曲を聴くときに全体的に軽っぽく、チャラく、弱々しい足場のふらついた印象を覚えさせます。

 

音域印象
低域「クリア、透明感、ディテール」

 エレキベースの締まりは悪くないですが、やや細い印象を受けます。温かみはありますが、黒みは強くなく、ややグレーの甘みのある音に聞こえます。バスドラキックの重みも強くありません。スピード感は速めで、ドラム全体がややシャコシャコしている感じもあるので、軽快な音に聞こえやすいです。

 低域弦楽は明るい雰囲気で、やや浅めですが、濃厚感は少し感じられます。重みはないわけではなく、沈み込みの雰囲気は感じますが、重量感は強くありません。

 低域全体の印象は量感的にはやや物足りなく、存在感的にもサポート重視の音で、見通しはよいのと適度な重みや厚みがあるので、ディテールは悪くないですが、主張は強くありません。そのため深いところまでは一応音が出ていて見通しは悪くない雰囲気がありながら、重みや地熱がほどほどで、低域好きな人には物足りなさがあるといった感じになります。

 

中域「マイルド、甘み、ドライ」

 中域はややV字になっていますが、低域からの後退はそれほど見られないので、奥行きは自然なくらいです。中域下の量感も維持されているので、ポップスではドラムのパンチはやや存在感が強いです。そういう意味では低域が少しせり上がって来やすいところはあり、床面は少し腰高に聞こえます。V字のサウンドのおかげで、大抵の曲でボーカルや楽器音はサビに向かうほど活き活きとのびてくるように聞こえ、奥行きを出して聞こえます。楽器音はのびやかに上昇気流に乗るように聞こえやすいです。

 また中域が適度に凹んでいることで、音楽に立体感が出ており、高域と低域が分離的にしっかり把握しやすくなっているだけでなく、音場に少し左右の幅が実現されています。

 

高域「輝き、クラッシュ、清潔」

 高域は基本的に開放的な構造になっていますが、砂上の楼閣のように音を積み上げた感じで、非常にクラッシュしやすい脆い感じの音になっており、安定感に欠けるように聞こえます。すでにファーストインプレッションで述べたように、スピード感のあるロックではこのクラッシュは非常にかっこよく聞こえることが多いでしょうが、曲によっては音楽全体を不安定にして安っぽく感じさせかねないところがあります。

 高域は明るく輝いて聞こえるので、音場の全体はかなり明るい雰囲気になります。楽器音の粒立ちは細かく、充分にキラキラと聞こえるはずです。

 また高域の感度が高いので、録音などに含まれるヒスノイズは拾いやすく、音源によってはサーッとした音が出やすいでしょう。

 高域は風通しの良い感じで、抜けも高めに感じられますが、常に音がサワサワしている感じがあり、ボーカルの息にも毛羽立ちが感じられやすいでしょう。ただこの高域の繊細な雰囲気は清潔感ももたらしています。

 

ボーカル「子音、のびやか、甘味」

 中域の後退と中高域に向かっての前傾が、ボーカルにのびやかさと子音の強調をもたらしています。ツ音はやや尖って聞こえやすく、高域にもよく伸びているので、息も高く伸びます。一般に突き抜け感に優れていますが、ややシャウトが強めの上昇圧の強めの声色になるでしょう。

 子音の強調が強いので、歌詞は明瞭で唾や息遣いが強調されて聞こえるはずです。また倍音の強調もあるので、とくに高い女声ボーカルはサビで突き抜けるときに揺らぎと震えも強く、雲を抜けていくような感覚を味わわせてくれます。

 一方で全体的に乾燥していてハスキーで薄味な感じが出やすいです。男声ボーカルにはコクがないわけではありませんが、フルボディの味わいにはほど遠いので充実感に欠けるかも知れません。少なくとも濃厚でたっぷりした感じはなく、しっとりもしておらず、カサカサしています。

 

音場「浅い床面、自然な奥行き、抜けの良い高さ」

 音場は高さを意識しやすい調整になっています。基本的に音場は開放的で、この価格帯では左右の幅もありますが、奥行きはそれほどでもないので、高域方向で音が張り出して聞こえるかも知れません。ボーカルも息をこちら側に吹きかけてくる雰囲気があります。また低域は深みがなく腰高気味になりやすいです。

 

全体印象

 開放的な音場を持ち、抜けの高さがあり、分解能が高いです。音楽全体は乾燥しやすいですが、明るく風通しの良い雰囲気があり、スピード感もあります。ただ、クラッシュは強めで脆い感じも強調されやすく、低域に安定感がないので、音楽全体に重厚感とか力強さは感じられにくいです。どんなパワフルな音源を聴いても、最終的にはどことなく、吹けば飛んでしまうのではないかという雰囲気がつきまとう感じがあります。逆に言えば風通しの良い爽やかな音が好きだったり、クラッシュがはじけ飛ぶくらいの雰囲気が好きな人にはかなりおすすめできると言えるでしょう。

 

美点
  1. 脆い音
  2. 開放的で抜けが良い
  3. 風通しが良い
  4. ドライ
  5. 高さがある
  6. 明るい音
  7. 爽やか
  8. のびやかな音
  9. 疾走感がある

 

欠点
  1. 潤い感が足りない
  2. 音楽に安定感が出にくい
  3. シャリシャリしやすい

 

【4】総評「爽やかでのびやかな音が好きならおすすめです

 音質は少しドライですが、のびやかでさわやかな雰囲気を持ち、ロックではスピード感と疾走感、気持ち良いクラッシュを聴かせてくれます。やや浮揚感が強く、上昇気流の感じられる音楽表現になります。実売2000円くらいでリケーブルもでき、しかも国内メーカーなのでパッケージもしっかりしています。

 

まとめ
  • 爽やかで開放的なサウンド
  • スピード感とアタック、クラッシュ感に優れる
  • 音がドライでトゲトゲしい感じがある

 

ELECOM AMA25813

ELECOM AMA25813

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

*2:音量による変化、各イヤホンの特性を考慮した補正などを行っておらず、測定環境もスマホマイクで集音しているので非常にアバウトで厳密ではありません。レビュー執筆の参考に使っていたものの、これまでは公表してきませんでしたが、これまでサンプルを取って聴感上の印象と照合してきた感じ、それなりに参考にはなりそうなので、試験的に公開していきたいと思います。いずれ勉強を深めて信頼性を高めていきたいとは思いますが、本ブログは周波数特性の測定をメインとしていませんので、期待しないで下さい。私自身も聴感上の音像印象の解釈の補助として利用しているだけで、この周波数特性イメージを全面的に信頼し、依拠しているわけではありません。

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