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元記事
FiiO M15:フラッグシップの風格!
中国を拠点とするデジタルオーディオプレーヤーブランド FiiOは2019年12月28日にフラッグシップであるFiiO M15を発表し、2019年を大盛況の中で終えました。FiiO M15はFiiOのラインナップの中でフラッグシップと言われていますが、その音質が世界中で高く評価されていた以前のフラッグシップモデル、FiiO M11 Proのおよそ2倍の価格設定となっています。
このDAPは2020年1月6日に世界に向けてリリースされましたが、このたびパッケージ内容と第一印象を確認するためのサンプルを手に入れることができました。
まあ、先を急がず、まずはFiiO M15の技術仕様をご紹介します。
技術仕様
- DAC:AKM4499EQ(旭化成のフラッグシップ)
- SoC :Exynos7872
- RAM:3GB
- ストレージ:内蔵64GB+2TBまでMicroSDで拡張可能
- ディスプレイ:5.15インチHDディスプレイ(720P)。18:9対応。Corning Gorilla Glass採用
- Wifi機能:2.4/5GHzデュアルバンドWi-fiサポート
- バッテリー:7490mAh(約15時間の音楽再生が可能)
- 出力ポート:2.5 mmバランス型、3.5標準型、4.4バランス型ポート
- 通信チップ:Qualcomm CSR8675(双方向LDAC Bluetooth対応)
- ノイズ発振器:NDK(日本電波工業)製フェムト秒水晶発振器×2
- USBチップ:XMOS XUF208(768kHz/32bitのダイレクトデコードが可能)
- MQA展開:MQA×8
- 音量調節:Professional ADCボリューム調整
- 筐体:CNC加工アルミニウム-マグネシウム合金シャーシ
- カスタマイズ可能な機能を持つ5つの物理ボタン
- 北米産黒クルミ無垢材エンクロージャ
- 「HOLD」スイッチ
- グラファイト被覆PCB
- 熱伝導性シリコングリース
- 第2世代DSDに完全対応
- ワンクリックスタンバイモード
- 21Wデュアル・クイック充電
- Android/Pure Music/USB DAC
- FiiO Link/DLNA/AirPlay/WiFi Song Transferに対応
- FiiO Original APP
パッケージ
さて、FiiOM15はフラッグシップモデルのDAPであり、パッケージもそれにふさわしく、ホログラフィックにFiiO M15のイメージが前面に印刷された非常に美しい黒い段ボール箱に入っています。
内側を引き出すと、M15がプリントされたシンプルな無地のブラックボックスがあり、そのブラックボックスの内側には美しい木製のフィニッシュボックスがあります。さあ次は、FiiO M15の素敵な本体を見ていきましょう。
FiiO M15自体は5.15インチHDディスプレイとカーボンファイバー製のバックパックで非常に高級な作りになっていますが、これについては工作精度の節で説明します。
DAPの下にはマニュアルとMicroSD用のイジェクトピンがありますが、このピンが付属しているのは、メモリカードスロット部分が最近の携帯電話のSIMスロットと同じように閉じたコンテナ構造になっているからです。
FiiOは、FiiO M9のようなベーシックモデルと比較して、梱包の面で品質を向上させており、パッケージ全体にプレミアム感を与えていますが、率直に言って、この機種はフラッグシップモデルですから、こういう雰囲気がふさわしいです。
パッケージの内容は以下の通りです。
- FiiO M15本体×1
- USBタイプC充電ケーブル×1
- マニュアル
- 保証カード
工作精度
FiiO M15は、アルミニウムとマグネシウムの合金製で非常に高級感があり、美しいコーナーラインを描き、上部にはアナログのボリュームホイールがあります。
前面には5.15インチのきれいなコーニングのゴリラガラスがあしらわれ、背面にはカーボンファイバーパネルがあり、このDAPにプレミアム感と力強い印象を与えています。
画面は1440p×720pの解像度を持つHDディスプレイで、18:9のディスプレイと優れたコントラスト比により、眩しい日の光の下でも鮮明で詳細な画像を表示できます。
上部には、画面をオフにした状態でも音量を簡単に変更できるアナログボリュームの回転ホイールがあり、それに並んで、3つの出力スロット(2.5 mmバランス/3.5 mm標準プラグ/4.4 mmバランス)があります。
この豊富な出力スロットのおかげで、どんな種類のイヤホンやケーブルであっても、箱から出した状態で、FiiO M15はすぐに音楽を流すことができます。
本体の左側のカーブした側面には5つのボタンがあります。一番上が電源ボタン、次の3つのボタンは音楽再生コントロールで、最後に多機能でカスタマイズ可能なボタンがついていますが、それぞれに異なる機能を割り当てることが出来ます。これらのボタンのさらに上には、ポケット内でうっかりボリュームノブが動いてしまったりするのを防ぐホールドスイッチがあるのも注目ポイントです。
FiiO M15の右側には、ボタンはなく、本体を握りやすいようにフィンガーグリップがあります。
底部には、急速充電対応のUSB Type C充電アダプタとMicroSDスロットがあります。この美しい製品は素晴らしい7490mAhのバッテリー容量を持っており、それによって15時間も音楽を再生出来るだけでなく、Quick Charge 2.0にも対応しています。
また、FiiO M15は最大2TBのメモリカードを、遅延なしでサポートします。
全体的に見てこのDAPは非常に高級感があり、素晴らしく人間工学的で頑丈な工作精度で作られています。
続いて、FiiO M15の印象をもっと確認してみましょう。
ユーザーインターフェース
Samsung Exynos7872チップセットと3Gb RAMを搭載したユーザーインターフェースは非常に高速かつスムーズで、約4000曲のflac音源がメモリカードにロードされていても、動作はスムーズで明瞭です。楽曲のアルバムアートは素早くロードされ、遅延もソフトウェア的な不具合もありません。
FiiO M15はAndroidを搭載しているので、プレーヤーでさまざまなストリーミングアプリを使うこともできます。
2.4 GHzと5GHzのデュアルWi-Fiバンドのサポートにより、Wi-Fi受信はスムーズでタイムラグがなく、ネットサーフィンやTIDALをはじめ、さまざまなストリーミングアプリの使用時に遅延はありません。
コーニングゴリラグラスによる明瞭な画面
FiiO M15は、コーニングゴリラガラスと5.15インチHDディスプレイが付属しています。このディスプレイは非常に鮮明で、明るい日の光の下でさえ、スクリーンは充分に明るく、鮮明感を保っています。
ディスプレイは1440p×720pを持ち、最大10本の指によるマルチタッチジェスチャーにも対応し、鮮明な画像表示が可能です。
またダブルタップにも対応しています。
音質
新しいDAPを買うときはいつも、ヘッドホンやイヤホンとの相性や、それよりもさらに音質について気になりますが、FiiO M15に関して言えば、音がしっかりとなっているように聞こえるはずです。
フラッグシップらしさ
FiiO M15には、4.4バランス、3.5 mm標準、2.5バランスの3つの異なる出力ポートがすべて備わっているのであらゆるイヤホンとヘッドホンに対して互換性があります。
このDAPは、フラッグシップ級のAK4499EQを2基搭載し、日本のNDK(日本電波工業)製のクラス最高水準のフェムト秒水晶発振器2台を搭載しており、音楽からジッターやノイズフロアが排除されています。
音楽は生き生きとしています。複数のFLACファイルをテストしましたが、詳細で豊かに聞こえます。
Moondrop Blessing 2、Dunu DK-3001 Proなど、FiiO M15を使用して複数のイヤホンとヘッドホンをテストしたところ、鮮やかで機敏な低音レスポンスと自然で豊穣なディテール感のある中域、スムーズで拡張された高域レスポンスを活き活きと聴かせてくれました。
率直に言って、音質を決定するのは常に、どのDACが使われているかではなく、どのように実装されているかであり、FiiO M15においては、FiiOは実装方法の点で優れています。
サウンドは透明感に優れ、広い音場と楽器の鮮明なディテールを持っています。
M15はMQAファイルでは8倍のデコードに対応しており、少しも遅延がありません。非常にパワフルで、イヤホンにあらゆるディテールと音色を正確に提供し、それらを存分に響かせてくれます。
低音の減衰や高音のディテールの欠落が出ないように、M15は低音と高音の両方に優れた拡張を提供します。
FiiO M15は、flac、m4a、mp3、AAC、wavなど多くのフォーマットをサポートしており、DAPは768kHz/32bitまでハイレゾ音源再生とDSD512までのネイティブ再生に対応しています。私はDSD256のネイティブ再生まで試しましたが、入力の遅延はなく、ユーザーインターフェースもスムーズでもたつきはありませんでした。
Bluetooth通信品質
FiiO M15は双方向Bluetoothをサポートしており、他のデバイスから送信されたBluetooth信号を受信したり、逆に別のBluetoothデバイスに音楽を送信して再生することもできます。たとえばBluetoothを通してスマートフォンの音楽ファイルを再生したり、内蔵のQualcommのフラッグシップBluetoothチップ 「CSR8675」で信号の強度を高めて、好きなBluetoothヘッドホンで音楽を再生したり出来ます。
そして、LDAC、apt-X、apt-X HDなど、さまざまなBluetoothコーデックをサポートしています。
バッテリー品質
バッテリー駆動時間は15時間と謳われています。いろいろなファイル形式の音楽を再生して、いつもあちこち操作し、ラグがあるかどうかチェックしていましたが、その間4.4バランス、2.5バランス、3.5標準プラグと、プラグの異なるヘッドホンを取り替えて使っていたのにも関わらず、私の場合、バッテリーは13.5時間ほど持ちました。
FiiO M15はバッテリ持続時間が長いだけでなく、Quick Charge 2.0にも対応しており、わずか1時間充電するだけで十分な音楽を再生できるほどの急速充電を可能としています。
総評
FiiO M15は、あらゆるフォーマットをサポートし、最新のハードウェアを標準装備した、非常に優れたフラッグシップDAPです。
FiiO M15は単独でフラッグシップデバイスとしてふさわしい、非常に高機能で頑丈なDAPなので、外部のアンプモジュールに依存する必要はありません。
FiiO M15は、バッテリー駆動時間が長いだけでなくQuick Charge 2.0をサポートするので、長時間音楽を聴きたい人にとって、ポータブルオーディオプレーヤーとしては究極的なパッケージです。
- 元記事の公開日:2020/01/08
- 著者:Candice Song
Fiio M15 Flagship DAP Android-base Loseless Portable Music Player
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