audio-sound @ hatena

audio-sound @ hatena

オーディオ機器やゲーミングデバイスのレビュー、そして好きな音楽を徒然なるままに

MENU

【特集】究極のコスパ vs 至高のコスパ!彗星の如く現れた ifancier KD-66 と Jabra Elite Active 65t を課題曲で聞き比べた![完全ワイヤレス深掘り]

ifancier KD-66 Jabra Elite Active 65t

 

  先日私はifancier KD-66という完全ワイヤレスイヤホンをレビューいたしました。これが思いのほか出色であったので、今回はすでに評判が定まり絶賛されていると言っても過言ではない名機種Jabra Elite Active 65tと聞き比べてみようと思います。

 Jabra Elite Active 65tについてはいまだ個別レビューは書いておりませんが、レビューを書く前に、私自身がその真価を正しく理解するために情報収集の一環としてこの特集記事を組みました。お付き合いくださいませ。

 

 さて、私の中ではこの2機種は音質的に似通った立ち位置にあります。両者ともシャープネスとソリッド感を強調する方向で音楽を聴かせるタイプで、結果生まれる高いコントラスト感で緻密な曲をより緻密に、明るい曲をより発色良く聴かせてくれるのが特徴です。あとで見ますように、価格差や機能性の違いもあり、両者は必ずしも同じ土俵に立っているわけではありませんし、音質に対するアプローチもやや異なるのですが、私の印象では両者は少なくとも近い系統の音を出し、同じような人々に好かれる音質であろうと思います。

 

 

【比較ポイントその1】装着感・機能面・防水性能など

 では早速音質を……と行きたいところですが、一応両者の立ち位置の違いを明確にするために、いくつか機能面での違いを紹介します。

 

通信品質

 まず両者ともに対応コーデックはAAC/SBCです。SBCというと音の悪いmp3だろって思う人もいるかもしれませんが、最近はSBCでも高音質で聴ける機種が多いです。両者ともに私は不満を覚えません。通信品質も安定しています。

 

装着感

 双方とも耳への収まりは良いです。ただし、Jabra Elite Active 65tは少しデカイので、耳の形状によっては合わない人がいるかも知れません。

 

機能面

 両者ともに取り出しで自動接続・ケース収納でオート自動オフを謳っています。厳密にこれらをすべて実現しているのはJabra Elite Active 65tで、ifancier KD-66はケースから出した後にいちいち音源機器のほうで接続していますし、ケースに入れても接続切れないのでどう見ても宣伝文句と違うんですが、個体差や環境の違いかもしれず、深く追及しませんし、それで使い勝手が悪いとも思ってないので無問題です。むしろJabra Elite Active 65tのほうは無設定だと「Jabra Sound+」の入っているスマホやタブレットと優先的に繋げたがり、DAPメインで使用している私には邪魔なときもあります。そういう意味ではスマホ/タブレット向けとしてはJabra Elite Active 65tのほうが手間が少なくていいかも知れません。

 Jabra Elite Active 65tのほうはスマホアプリ「Jabra Sound+」の出来が良く、ユーザーの満足度も高いようですので、今のところスマホ/タブレットユーザーにとってはこの差は大きいかも知れません。私のようなDAPで音楽を聴くタイプにはあまり関係ありませんが。

 ただ、こうした専用アプリがあるとファームウェアのアップデートなどで不具合や使い勝手の改善のサポートが長期にわたって受けられる場合があります。

 メーカーや製品による対応の頻度や質といったものには違いがありますので、一概にこうしたアプリがないとダメだというわけではありませんが、海外のオーディオコミュニティの書き込みを見ますと、機能合理性を愛するアメリカ人ユーザーの中には「ファームウェアアップデートできない機種は選択肢に加えるべきではない」という声もあります。彼らはワイヤレス製品に不具合がつきものだということを熟知しており、未知の不具合に対応できる可能性を持たない、ファームウェア更新手段のない機種を使い捨てのものと断じています(そして音質的には優れた日本のメーカーの高級完全ワイヤレス製品が目下売れにくい理由の一つもコレ)。したがって、彼らの観点に立てば、とくに高級機種ではファームウェアアップデートの手段がないというのは致命的です(私はこの意見に納得しつつも全面的には賛同しかねますが、重要な論点であることは間違いないでしょう)。

 Jabra Elite Active 65tが愛されているのはこの機能面での充実ですが、ifancier KD-66は高級機種ではありませんから、この点で分が悪いのは仕方が無いですね。

 

防塵防水性能

 防塵防水性能についてはJabra Elite Active 65tがIP56を誇るのに対し、ifancier KD-66は防塵性能は不明ですが、防水においては大きく上回るIPX8を誇ります。この差はどれくらいかというと、前者のIPX6の防水性能が水のかかるような場所、たとえばプールサイドや海辺、風呂場でシャワー浴びながら、土砂降りの雨でも大丈夫というくらいで、後者になると、着けたまま水泳もOK、深い海じゃなければ水没させてもOKくらいになります。私の日常的に使う使用環境だとIPX8の防水性能は過剰気味ですが、上位の防水性能ほど密閉性が高く、外部環境に対する機器の耐久性は高まることは事実なので、ifancier KD-66のスペックは魅力的です。

 

連続再生時間

 イヤホンでの連続再生時間は、スペックではifancier KD-66が4時間、Jabra Elite Active 65tが5時間になりますが、一般的なリスニング環境ではJabraの機種はスペックをこえて6時間程度動作することが指摘されています。私は日常的に複数機種を持ち歩いていて、聴いているイヤホンのバッテリーが少なくなったら、他に付け替えて使うというスタイルなので、あまり連続再生時間については興味が無いので厳密なテストをしておらず、明らかに短い再生時間のものを除けば気にしないのですが、ifancier KD-66については少なくとも3時間はあるようなので、おそらく公称スペック値は妥当でしょう。充分な長さです。

 バッテリーを含めると、ifancier KD-66が最大56時間、Jabra Elite Active 65tが最大15時間となります。後者でも日常使用には充分ですが、泊まりがけの旅行に行く場合などは、前者の驚異的な持続時間のほうが安定感があるでしょう。メインイヤホンのバッテリーが切れちゃったときのサブイヤホンとしても優秀です。

 

【比較ポイントその2】音質

 前置きが長くなりましたが、ここまでお疲れ様でした。ようやく記事のメインコンテンツに来ました。ここではいくつか課題曲をピックアップして音質を比較します。

 

山下康介「烈風いざないて」

 以前も紹介しましたが、PCゲーム「信長の野望・烈風伝」のOPムービー曲です。信長の野望のOP曲の中でも、個人的にとくに気に入っている曲の一つです。山下康介さんが携われた将星録・烈風伝(それ以後も関わってますが、以下の印象は初期の楽曲のものなので、あえてこういう言い方をします)の音楽は、それまでの菅野よう子さん作曲の信長の野望の楽曲に比べて、デジタルっぽい音作りなのに、菅野よう子さんに劣らぬ、情感に優れた名曲が多く、私は個人的に大好きでどれも素晴らしいです。同じようにほぼ同時期の、「つのごうじ」さんが手がけられている「三国志Ⅵ」もデジタル風なのにロマンを感じさせる曲が多く、前作までの大河オーケストラ観のある楽曲とは異なった、旧世代の「光栄」に対する新世代の「Koei」を感じさせるものがありました。

 ちなみに最新作「信長の野望・大志」は各所で酷評の嵐ですが、私は大好きで今も定期的にプレイしています。ぶっちゃけ名作といわれる「革新」「天道」「創造PK」より緊張感のあるプレイが出来て楽しい。久々に「天翔記」くらい白熱した信長の野望ができる感じです。世間では酷評されてますけどね。その理由もわかるので、酷評したい気持ちもわかりますが、私にとっては名作の一つで、手応えを感じる仕上がりでした。

 2月に「パワーアップキット」が出ますね。注目です。←宣伝

 閑話休題。例の如く公式の音源動画はないので、とりあえずリメイク版ゲームのPV動画を埋め込みました。背景で流れているのがこの曲です。

  価格的には雲泥の差がある両者ですが、印象的にはifancier KD-66のほうが迫力が感じられます。ifancier KD-66は低域の厚みがしっかり出ていて膨張感もあるので、量感と熱気がほどほどに篭もっており、その印象はとても低価格機種とは、にわかには思えないものです。

 Jabra Elite Active 65tの低域は輪郭がよくなめらかですが、つややかな感じで膨張する感じはあまりありません。その代わり、高域の煌めき感とのびやかさのある音との連携がスムーズで全体的に華やかでのびのびした艶味の強い感じになっています。立体感的にも勝っている印象です。解像度感でいえば、後者のほうが圧倒的にクリア感もあって中毒性があり、面白みのある音に聞こえるのではないでしょうか。デジタル的な艶味感のある音というのが私の評価ですね。最近のモニターライクなんて言われている音に通じるところがあるかな。

 これがこの機種を魅力的だという人も、嫌いだという人もよく指摘する「演出過剰」「誇大表現」といったところです。私自身は実際のところ、このJabra Elite Active 65tの音自体は好みの傾向ではなく、それほど高く評価していないのですが、魅力があることは確かで独特の妙味があり、気に入ってます。好みという面ではifancier KD-66の音の方が圧倒的に私の心を掴んできますが、インパクトの面ではJabra Elite Active 65tに魅力を感じる人は多いでしょう。いろいろ言うやつはいるでしょうが、結局のところ、どちらが自分にとって楽しいかという判断でよろしい。迫力のある音か、華麗な音か。その違いです。

 荒っぽいまとめ方をすれば、Jabra Elite Active 65tの音は戦国絵巻的な華やかな色合いで、信長の野望でいえば、まさに「嵐世記」のビジュアルイメージに近い色彩感のある鳴らし方です。それに比べると、ほどよいボリューム感で戦闘を含めカジュアルなゲームデザインを追究している箱庭的戦国らしさのある「烈風伝」の作品イメージにより近いのは、ifancier KD-66のほどほど迫力のある音のほうかもしれません。

 

早瀬沙織&東山奈央「Hello Alone」

  私の大好きなアニソンの一つがこの「Hello Alone」です。コケティッシュなボーカルが青春の甘酸っぱさの篭もった歌詞を華やかなガールズバンドロック調の楽器音に乗せて、ライトに可愛く聴かせてきます。公式のMVとかちょっと探しても出てこなかったんで、下はキャラソン版の公式PVを埋め込みました。一応大丈夫だと思うんですけど、このPVのバージョンはアレンジ加わってるんで、原曲とは違うので以下の記事読むときの参考にはしないで下さい。

 で、聴いてみるとどうなるかですが、はっきり言ってJabra Elite Active 65tの音はうるさい。背景の緻密感が多少きつめなのはよいとして、ハイハットがやばすぎるくらいシャンシャンうるさくて、ドラムはパツパツした硬い音。私がJabra Elite Active 65tのあまり好きじゃないところってこういうところかな。ある意味現代的な風味があって、ドンシャリ系に慣れた人なんか「おお、これは!」って思うだろうし、最近は好まれそうな音だけど、率直に言って目覚まし時計。強めに覚醒感を促してくるので、朝に聴くとそれだけで頭がシャキッとするし、徹夜で頑張りたいって時に栄養ドリンクとともに聴くと最高に良い仕事が出来そうな音ではあります。翌日どうなるかわからんけどね。そんな音。

 そういう意味で比較的私の考えるこの曲の正統的な表現をしてくれるのはifancier KD-66。ほどよく膨張感のあるドラムで緻密な音場を支えつつ、ハイハットはそれほど強調せずにボーカルに被せず、緻密感もほどほどでギラつきすぎない。音が全体的に近くて窮屈に思うところはあるけど、迫力と緻密さのバランスは良好です。各楽器のパワーバランスが良いので、全体的な満足度が高いです。

 したがって、この曲に関しては私は圧倒的にifancier KD-66に与します。Jabra Elite Active 65t、お前のことが嫌いなわけじゃないんだ、ごめんね。

 

大塚利恵「ラストコーヒー」

 申し訳ありませんが、この曲「ラストコーヒー」には動画がありません。リンクのamazon musicで試聴してください。しっとりしたJAZZ曲です。私のプレイリストではAimer「雪の降る街」や岡崎律子「長距離電話」なんかと同じところに入ってる、まあ比較的落ち着いた気持ちで聴く曲ですね。そういう意味で予測段階では、覚醒感を促す音質傾向の強いJabra Elite Active 65tに分が悪そうです。

 ちなみに「長距離電話」は私の中では、「岡崎律子で聴くべき曲」上位に必ず入る曲です。現在はなかなか音源を入手するのは難しいかも知れませんが、例によって現代のおもちゃ箱youtubeをくまなく探すと発掘できます。こういう権利しっかりしてるのかわからないアップロード動画は1ファンの気持ちとしては微妙ですが。岡崎律子さんの曲を私はとても愛しています。

  話がそれました。率直に言ってまず、ifancier KD-66のバランス感覚の良さが光ります。けっしてウォームな音ではないのですが、ドラムの膨張感、シンバルの粒感の良さ、ギターの穏やかなエッジ、タップの生々しさなど材質感の再現度が素晴らしく、これは低価格の完全ワイヤレスでは破格と言って良い。ちょっと真似できない気がします。

 それに比べると、Jabra Elite Active 65tの音はいきなり「軽っ!」て感じです。解像度感は確かでハイハットの音などより緻密で鮮明、低域弦楽は明瞭で深掘り感があり、ドラムは明るくタンタンとした反発力のある音で軽快といった感じで、全体的に清明さを伴った軽妙感がありますが、私の趣味じゃないですかね。パーカッションの生々しさはRHA TrueConnectなんかに通じる細密感で出してくれるので、とても素敵でいいんですけど、私にはどことなく物足りない。なんだろね、背景の黒みが足りないのかな。

 この曲みたいなJAZZ色の強い曲に関してはifancier KD-66のほうが圧倒的多くの支持を集めるんじゃないかと思います。アンケートでもやってみないとわからんですけど。そうは言いつつ、パーカッションが強めのBasiaのラテン系JAZZ「From Now On(Band Version)」なんかJabra Elite Active 65tで聴くと結構味わい深いから好きだったりして、JAZZ全般悪い感じでもないかな。音がギラギラしてるところはあって落ち着かないところはあるけど。でも、こういうことを言い出すと、個人の好みですから切りがありません。

 

【総評】

 以上で今回のささやかな比較レビューを終わります。だいぶ値段に差がある機種同士を比べるという、無茶なところのある記事でしたが、なにかしら皆様の参考になれば幸いです。私は音質に関しては、Jabra Elite Active 65tをあまり高く評価していないので、なんとなくJabra Elite Active 65tに分が悪い記事になってしまったかも知れませんが、使い勝手が良いことは確かなので、音質はあまり好きじゃないと言いつつ、結構な頻度で使っている機種でもあります。その意味でやはりおすすめには変わりが無いです。

 それにも増して今回私はifancier KD-66の音質のバランスの良さに驚きました。普段使いとしても充分に魅力的な機能性と音質を備えたこの機種が5000円以下で手に入るという事実は、改めて衝撃的です。どうですか?

 

ifancier KD-66 Jabra Elite Active 65t

 

【関連記事】

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com