「物欲探訪」シリーズは普段からamazonを覗いている筆者が、買おうかどうか迷っている機種を紹介するコラムシリーズです。
amazon売れ筋ランキングで一瞬AirPods Proを抜いたOKIMO A3
amazon売れすぎ筋ランキングを眺めていますと、いろいろ面白い発見があります。ある日のランキングではランキング常連のAirPods Proが2つになっていて、「あれ?分裂した?」なんて思ってよく眺めると、なんと1位はパチモンw
amazonのイヤホン売れ筋ランキングで、パチモンが本家抜いててワロタw pic.twitter.com/6hKwr5MnDN
— audio-sound @ hatena (@audio_sound_Twr) August 9, 2020
どんなえげつない手を使ったんだ?実に興味深いと思って商品ページを見てみると、件の機種は「OKIMO A3」という名前の模様。なんと721個もの評価がついており、ほとんど★5です。こんなすごい評価であれば、クッソバカ売れしてる人気機種はずなので、完全ワイヤレスイヤホンファンとしては、見逃していたなんて切腹モノ!w
そういうわけで念のため調査に乗り出したのでありますが、どうやらこのOKIMO A3は今回紹介するAKIKI A3と実質的に同じ製品(色違い?)だと思われます。で、AKIKI A3は調べてみた感じ、わりと悪くないかもしれないと思い、ぶっちゃけ一瞬買おうかと思ったくらいです。
AKIKIはファッションブランドではありません
さて、AKIKIというブランドについてです。「AKIKI」でググると、ファッションブランドが出てくると思いますが、それとは無関係です。amazonでよく見かけるかもしれないワイヤレスイヤホンブランドのAKIKIは、Shenzhen City Meilianfa Technology Co., LTDのブランドで、OKIMO、PasonomiなどはAKIKIの姉妹ブランドです。
したがって、これらのブランドの製品が買いたいなぁと思っても情報が少ない場合、別ブランド名でも検索してみると同じ機種が出てきて、より安く買えたり、より詳細なカスタマーレビューが見つかったりします。
で、Shenzhen City Meilianfa Technologyです。わりとamazonではたくさん商品を売っているEC専門っぽいメーカーですが、規模はそれほど大きくなさそうです。創業は2012年らしいので、泡沫中華ブランドとしては歴史が古いほうですが、規模は小さい気がします。先日紹介したPicunと同程度かなと思います。
AKIKIやOKIMOの製品については、めんどくさくてレビューは書いてないですが、それなりに使ったことがあります。その使用感からすると、品質は悪いほうではないと思いますが、ビルドクオリティと音質は価格なりくらいのものが多く、パッケージングはややチープかなって感じです。iKanziもこれらのブランドとほぼ同じと思われる製品を出していますが、こちらはShenzhen Aotu Technology Co., Ltdという別会社のブランドです。会社の規模はほぼ一緒。
閑話:レビュー増殖と謎の種
で、冒頭に紹介したOKIMO A3のあまりにそぐわない数のレビューは、サクラレビューを募集したり、いわゆるレビュー工場とかで製造されている可能性が高いです。以前は不自然な日本語ばかりだったのが、最近はわりと精度が高くなっているようです。
「商品にレビューをつけるのは欠かせない。これは形を変えた広告費だ。日本人はレビューがないと、まずその商品を買わない。2つの同じ商品がある場合、見比べてレビューがたくさん付いているほうを選ぶ。これは日本人の習慣。食事といい、宝くじといい、長い列のところに行きたがる。列が長ければ長いほど、そこに行きたがる。自分で判断するという意識が低い」
「ビクビクしないで大規模にやらないと何もできない。レビューが消されるのなんて普通。その分新しく書けばいいだけ。何の役にも立たないものでもレビューが多ければ売れる。消費者はそういうものだ」
最近話題になっている「謎の種が送り付けられてくる」案件もこうした不正レビューにかかわるブラッシング詐欺の一環であるかもしれないということが推測されています。
先にこの事件の結論を言いましょう。これはアメリカの大手通販会社でのレビューを不正に高評価に吊り上げてくれる業者がいて、以下にお話しするような手口でレビュー操作をするために日本の見知らぬ人に種を送りつけていると見られます。
ここらへんの話題は以前にも紹介しました。
で、AKIKI A3はどうなん?
さて話を戻しますが、AKIKI A3はおそらくOKIMO A3の色違いで、現在amazonで4580円で売られており、1500円OFFクーポンが商品ページにあります。クーポン適用後の価格はわりと手ごろな価格といえます。
カスタマーレビューの写真を見ると、パッケージは価格相応くらいのチープさです。
技適取得済みで安心して使えます
商品ページで技適取得を謳っており、実際に技適取得済みであることを確認しました。
搭載通信チップはおそらくairoha AB1536U
上で確認した技適情報によれば、通信チップはairoha AB1536Uです。このチップはMCSyncという左右のイヤホンに同時にワイヤレスオーディオ送信ができる技術を搭載しており、AACコーデックに対応し、通信品質も高いです。少なくとも私のこれまでのレビューではこのチップを搭載している製品で通信品質が物足りないものはたぶんなかったと思います。
MCSync搭載機種は片耳をしまえば残りの一方がシームレスに片耳イヤホンに移行するので、使い勝手もよい印象を持っています。
バッテリースペックは十分
イヤホン単体の連続再生時間が最大4時間ってあたりは少し短く思いますが、それでも通勤通学なら3時間あれば十分快適に使えると思います。バッテリーケース込みの最大再生時間は60時間と、こちらはコンパクトなのに優秀です。使用頻度によっては1週間十分に持ちそうですね。
防水性能はIPX8か?
防水性能ですが、私の見落としでなければ、AKIKI A3の商品ページでは確認できません。そこで同一機種と思われるOKIMO A3の商品ページを確認すると、IPX8と書かれています。本当であれば水没させても大丈夫なので全天候で使えるはずです。ただ、それが本当ならAKIKI A3が嬉々として大々的に宣伝しないのはちょっと不思議なので、こういう時は防水性能が皆無ってことはないでしょうけど、だいたいIPX4くらいかなと考えておくのが無難です。
中華の完全ワイヤレスイヤホンの泡沫メーカー品は、同じ製品と思われる機種のIPXがあちらこちらで4~8まで変動します。
充電コネクタはType-C
OKIMO A3のほうは商品ページをよく見ると充電ケーブルがMicro-B端子のように見え、実際カスタマーレビューの写真にもMicro-Bケーブルが写ってるんですが、AKIKI A3はType-Cケーブルのようです。カスタマーレビューの写真で端子がType-Cであることが確認できます。なので、最新スマホのケーブルがそのまま使え、抜き差しもしやすいAKIKI A3のほうがOKIMO A3より優れていると思われます。
音質はわかりません
Airoha AB1536U搭載のイヤホンはわりとまともな音が多かったですが、この機種については知りません。同じチップを搭載している機種としては例えばSoundPEATS TrueShift2があります。
AKIKI A3の技術仕様
- Bluetoothバージョン:V5.0
- サウンドコード:SBC/AAC
- 防水性能:IPX8?
- 再生時間:イヤホン単体4時間/バッテリーケース込み最大60時間
レビュー記事
AKIKI A3についての当ブログのレビュー記事は以下を参照してください。
まとめ
わりと個人的には評価の高いairoha AB1536Uを搭載しており、Type-C充電タイプで、防水性能も十分そうなので、3000円くらいで買えるなら面白いかもしれないと興味を惹かれました。ただ、OKIMO A3ほどではありませんが、こちらもamazonのカスタマーレビューは明らかに「盛られている」うえ、よくある「参考価格ふっかけて実売価格を低くすることで割安に見せる」というような通販初心者だましのテクニックが使われているのが気になります。
それでも3000円でAB1536Uの完全ワイヤレスイヤホンでこれだけのスペックなら、わりとお買い得そうに見えるので、買おうか迷ってます。実際技適&PSEはしっかりしてると思われますしね!
……ただぶっちゃけAKIKI A3を買うくらいなら、同じ値段くらいで買えるSoundPEATS TrueFree2のほうがいろいろと無難に思います。個人的にもTrueFree2買おうか迷ってますw
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