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【特集】完全ワイヤレスイヤホン最高の音質を持つ四天王を語る。なぜATH-ANC300TWのダークサウンドはこんなにも私の心を打つのか【Technics EAH-AZ70W/SENNHEISER MOMENTUM True Wireless 2/NUARL N6 Pro/audio-technica ATH-ANC300TW】[完全ワイヤレス深掘り]

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audio-technica ATH-ANC300TW

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 2018年に急拡大した完全ワイヤレスイヤホンの市場は、2019年にSONY WF-1000XM3Apple Airpods Proという2機種が登場し、さらなる発展の時代に入りました。2020年はまさに豊作の年となりつつあり、各社から次々と魅力的な製品が出てきています。

www.ear-phone-review.com

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 今回はそんな完全ワイヤレスイヤホン市場の中で、とくに「音質的に」優れている4機種を取り上げ、とくにその中では最も地味で、オーディオスペック的に陳腐で、流行と常道を外れていると思われるのに、明らかに異色で驚異としか思えない(少なくとも私にとって)素晴らしいサウンドを持つATH-ANC300TWについて語らせて下さい。

 

完全ワイヤレス「音質」四天王

 あくまで私の勝手なチョイスですが、現状の完全ワイヤレスイヤホンで音質で選ぶなら、有力機種は4つです。

 

合理的で科学的にもしっかりしたチューニングスタイルの「Technics EAH-AZ70W」

Technics EAH-AZ70W

Technics EAH-AZ70W

 

 さて、あなたが若く、どんな音楽でもきれいにしっかりと、聴きたい音をバランス良くちゃんと把握させてくれながら、聴き心地も安定した単純に「良い音」を求めているなら、選ぶべきはEAH-AZ70Wです。ほぼすべてのジャンルの音楽を破綻なく聴かせ、しかも中域が適度に充実していて音楽は安定感があり、少し高級な雰囲気で聞こえるようになっています。音響工学的にもよく考えられたチューニングで、少なくとも音響設計の設計図の上では、非常に理想的に作られており、とてもクリアで透明度の高い「トランスペアレント」な音がすると思います。

 少なくともイヤホンを何個も集めるほどじゃない、興味があるくらいの人にとって、このイヤホンの音は現在の市場に存在するあらゆる完全ワイヤレスイヤホンの中で、最も素晴らしく、また音ゲーや音響エンジニアリング的な発想で音楽を聴く人にとって最も合理的で心地よいサウンドに聞こえるはずです。

 単純に科学的根拠をつきつめて、良い音とは何かを考えた場合、このイヤホンの音が最も素晴らしいことは間違いなく、絶賛されていることは理由のないことではありません。実際店頭試聴で曲を聴いてみれば、もっともクリアで音楽の隅々まで聞こえるような感覚がし、おそらく第一印象は非常に素晴らしいでしょう。

 エントリークラスのオーディオ初心者が高級機にステップアップを考える場合、最も合理的な選択肢で、高級オーディオの良さが素直に体感できる素晴らしいイヤホンです。

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 しかし、あなたがより上質なクラシック音楽やJAZZに嗜みがあり、豊かな広がりのある充実した音楽性を重視するリスナーの場合、EAH-AZ70Wの音はきれいですが、あまり面白くないでしょう。同様に、空間的な立体感や派手さのあるサウンドが好きな場合も、やや中域によりがちなEAH-AZ70Wの音は見通しは良いですが平板で、なんだかダイナミズムに欠けると思うかも知れません。なによりどこもかしこも聞こえすぎて、落ち着かないという意見ももっともです。そういった人からは結局「EAH-AZ70Wの音質は音を聴かせてくれてはいるが、音楽そのものを聴かせてくれていないのではないか」という疑問が生じるのも当然のことです。そういう感想を抱く人にとって、EAH-AZ70Wの音はきれいだけどなじめない、あまり長時間聴いていても面白くない、鑑賞するには底が浅いサウンドに感じられるでしょう。

 一言で言えば、オーディオ的にこれが聞こえなかったらマイナスみたいな「減点方式」で評価すると一番減点が少ないという意味で素晴らしいイヤホンです。

 

 

優れた音楽性とバランス感覚のある正統派「SENNHEISER MOMENTUM True Wireless 2」

SENNHEISER MOMENTUM True Wireless 2

SENNHEISER MOMENTUM True Wireless 2

 

 年齢的にも成熟し、音楽的にも幅広いジャンルに精通して、音楽の妙味を知っているリスナーにとってはSENNHEISER MOMENTUM True Wireless 2(MTW2)の音のほうがEAH-AZ70Wより好ましく思えるはずです。クラシック音楽やJAZZ音楽をはじめ、あらゆる音楽に豊かな広がりが感じられ、雄大でのびやかな、より音楽的に美しいサウンドがそこにはあります。

 芸術的なサウンドとは何かを理解しているリスナーにとって、EAH-AZ70Wの音は悪くはないが、結局人工的で計算された、どこか非人間的な音に感じられるでしょうが、MTW2の音はもっと人間的で情感に溢れています。それでいて高域から低域までバランス良く音が配置されており、EAH-AZ70Wほどのクリアさはありませんが、代わりにコクがあり、音楽的な深みが感じられる、鑑賞性の高い音楽体験が存在していることに気づくでしょう。

 流行曲だけでなく、クラシックやJAZZ、そして民族音楽などの多様性に富んだ音楽に馴染みがあるユーザーが聴けば、ドイツの一流メーカーであるSENNHEISERの音作りの確かさは疑いようがないことに気づくはずです。EAH-AZ70Wはたしかに音数は多く、曲のすべてを理解できるような万能感があります。音楽性にも配慮があり、それでいて微視的に音を捉えようとしたときにも求める音がすぐ見つかる感覚は素晴らしいでしょう。しかし、この音は理知的すぎて芸術的ではない、そう感じるかも知れません。音は聞こえればいいわけじゃない、そう思っているリスナーを満足させる芸術性の高い豊かなサウンドがここにあります。音楽性豊かなそのサウンドは、長期的にも味わい深いサウンドで、多くの人にとって、使えば使うほど、これを大事にしたいと思えるところがあるでしょう。

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 「そもそも音のクリアさが足りない、中域のあたりが濁るじゃないか」、そう思うユーザーはEAH-AZ70WやNUARL N6 Proを検討すべきです。

 

 

派手で立体的、解像感が高い「NUARL N6 Pro」

NUARL N6 Pro

NUARL N6 Pro

 

 NUARLというメーカーはあまり知られていないかも知れませんが、完全ワイヤレスイヤホンの市場では間違いなくスタープレーヤーで、その音質が完全ワイヤレスイヤホンの市場で最高水準にあることは疑いなく、1万円台の価格帯では完全ワイヤレスイヤホンが有線イヤホンに音質的に追いついてしまっていることを証明しました。NUARL N6 Proは少なくとも分解能と輪郭的な解像度の点で間違いなく現状の完全ワイヤレスイヤホンで最高の音を持っています。ただし、そのサウンドは少し落ち着きがなく、派手で、人によって「がさつ」に聞こえるかも知れない元気の良い音です。

 このイヤホンは立体感の表現に優れており、とくに音楽に奥行きと高さ、粒立ち的な意味での「繊細さ*1」を重視するユーザーにとって最も望ましいサウンドと言えます。一聴してその凄さがわかるくらいの楽しいサウンドで、とくに年齢が若くて明るい曲を好む場合、EAH-AZ70Wよりかっこよく、立体的で楽しく聞こえるでしょう。

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 わりと癖が強いサウンドなので、万能ではありません。とくにシャリシャリするのが嫌いな人には向かないでしょう。万能なサウンドを求めているのなら、NUARL NT01Aを買うのが良いと思います。NT01Aは同ブランドの人気を不動たらしめた名機NT01AXのマイナーチェンジ版でその音質は今でも1万円くらいで選ぶなら定番と言えるほど高いレベルの音です。

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一流の演奏者。「これでしか聴けない」素晴らしいサウンドを持つ「ATH-ANC300TW」

ATH-ANC300TW

 さて、audio-technica ATH-ANC300TWです。オーディオレビュアー的な視点に立って、読者に「良い音」をおすすめしたいと考える場合、はっきり言ってこのサウンドを褒めることは出来ません。この音は紛れもないダークサウンドで、極端です。原曲を無視し、どんな音でもATH-ANC300TWの音で聴かせる、まさに邪道としか言えないサウンドです。

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 ATH-ANC300TWのやっていることを簡単に解説すると、こういうことです。

LiSA「一番の宝物 ~Yui final ver.~」

 実際にレビューでも紹介したこの曲でイコライジングしてみます。ベースに温かみがほしいので400hzくらいを足してみましょう。だいたい「+5」くらいで。音場にだいぶ温かみが出て、ドラムも少し柔らかくなったと思います。次に1khzを「+3」、2khzを「+6」くらいにしてボーカルを低域に埋もれないように前面に出しつつ、甘味を加えます。

 次は一番のポイントになり得る6.3kの調整です。この曲の情感に関わるアコースティックギターです。ちょっと明るくギラギラさせたいなら「+5」以上くらいで。逆にコシのあるポロンポロンした感じにさせ、ボーカルを支えるバランスにしたいなら「-3」くらいにしてみて下さい。聞き比べてよりいいと思った方を採用で。

 この曲は明るい感じではないので、15.6kは思い切って下げます。「-10」でもいいでしょう。音が濃く感じられるはずです。

 最後に「ClearBASS」を「+6」くらいにして深みを出します。

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 この感じが好みだったら、ここから細かく自分好みにいじってみて楽しんでみて下さい。たとえば400hzを「+10」まで引っ張り上げてボリューム感を楽しむ、15.6khzを「+10」にして高域の抜けと余韻を出して違いを楽しむなど、何度も同じ曲を楽しめるはず。

 逆に基本の音楽の組み立て方がちょっと暗いなと思ったら、400hzを下げるか、2.5k以上のバランスを調整してみるとよい感じです。

 

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 そう、音楽をこう聴きたいからイコライザーで音をいじってしまうような、まさに「オーディオマニア」的な発想の音です。音楽をそのまま聴かせるのではなく、聴きたい音に大胆にアレンジしているのです。オーディオレビュー的観点で言えば、原曲の明るい雰囲気を無視して、とにかく自分の好みに合わせた、それも極端な解釈で音を聴かせてくるこのイヤホンはバランスも良くありませんし、原音忠実的でもありません。

 ただ、非常に美しく、素晴らしいサウンドを持っています。このイヤホンは本当にその筐体の中に一つの世界観を実現しており、いまのところ「このイヤホンでしか聴けない音」を持っています。とにかく情感が篭もっていて、芸術的なセンスが感じられ、嘆息するほど美しく、いつまでも聴いていたい、素敵としか言いようのないサウンドです。

 このイヤホンは自ら聴かせたい音をしっかりと持っている一流の演奏家で、このイヤホンを通して聴く音楽はどれもこのイヤホンの独特の美学に則った暗くて深みのある、神秘的で、人間的な暖かいサウンドとして聞こえます。

 繰り返しますが、オーディオレビュアー的にはこれを高く評価することは出来ません。断じて!絶対に!

 しかし、オーディオマニアとしては、この音は本当に素晴らしく芸術的で、感性豊かで愛おしく、いつまでも聴きたい最高のサウンドです。

 

 繰り返しますが、このイヤホンは良くありません。悪です。本当に非常に危険なサウンドです。なぜなら、このサウンドを好きだと言うことは私にとって命を天秤にかけるに等しいからです。これは明らかに独特の、偏った、万人向きでないサウンドで、批判すべき点は非常に多く、音響工学のプロなら、「これはありえない!」と言うでしょう。私も客観的には「これは万人向きではなく、味付けが強すぎて良くない」と考えざるを得ないし、「これを素晴らしい」ということは、この変な、多くの人に共感されないかもしれない音が好きだ、つまり自分が「異端的で変態だ」と宣言するに等しい行為に思えるからです。

 

 ですが、率直に言って、このATH-ANC300TWが実現したサウンドは非常に素晴らしく、甘美でノスタルジックです。聴けば聴くほどのめり込みます。

この音は時代をこえて語り継がれるべきで、現状で完全ワイヤレスイヤホンが到達した一つの金字塔と言って良いでしょう。

 

 

 

 ATH-ANC300TWの音は神がかっていますが、そうした芸術的な音というのは常道を外れることが普通なので、いともたやすくバカにされる可能性のある音です。だからこそ、この音を出そうと思ったオーテクは凄すぎるとしか言いようがないんです。私に言わせれば、オーテクというメーカーは明らかに音が好きでしかたないバカがやってる「頭がおかしい」メーカーです。本当にオーテクは日本が生んだ、いや、人類が育んだ最高に近い素晴らしい音響メーカーの1つで、そのセンスの良さ、大胆さ、音作りの奥深さに驚嘆する気持ちが尽きるところがありません。

 

 このイヤホンでヨルシカの「藍二乗」を聞いてみて下さい。震えます。とにかくもの悲しく、哀切に満ちていて、情緒に溢れている人間的な音がします。このイヤホンは本当に頭がおかしい、常識を越えた天才的なサウンドを持っています。

 オーディオ初心者や普通に良い音を求めるオーディオファン層にこの音はおすすめしません。本当に独特で、美しく感動できる、「これでしか聴けないサウンド」を求めるようなオーディオマニア層にこそ、この製品は深く心に響き、いつまでも持っていたいと思わせる、最高のコレクションになりえるでしょう。

 この音がなぜ心を打つかの理由は、もう明白でしょう。このサウンドには明らかにサウンドエンジニアの人間性が篭もっており、世界観があるからです。この音は本当に個人の人間性に基づいて、「こういう音を俺は聞きたい!」という強い欲望とともに、真心を込めてデザインされているのです。

 

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*1:あくまで音の細かさで精細という意味で、音楽性の点で繊細という意味ではありません。

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