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【平面駆動型イヤホン MUSICMAKER TONEKING BL1 レビュー】広い音場に立ち上がりも良く安定感のある音を奏でる。一聴するとおとなしいが、音像の明確さで優れる。おすすめ。

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MUISCMAKER TONEKING BL1

MUISCMAKER TONEKING BL1

TONEKING BL1 14mm平面磁気ドライバーを搭載した平面駆動型イヤホン 高音質 MMCX リケーブル 着脱式 カナル型 樹脂筐体を採用によりフィット感良い  上位機種 高純度銀メッキ銅ケーブル カナル型イヤホン  3.5mmプラグ 中華イヤホン (BL1)

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「よくあるシュア掛けタイプ。遮音性は低い」

おすすめ度*1

MUISCMAKER TONEKING BL1

ASIN

B07KPFBWVD

 シュア掛けタイプのハウジングの装着感は悪くない。密閉型だがベント穴が多く、遮音性はあまり高くない。音漏れについても、大音量では漏れるので気をつけた方が良い。

 

 ファーストインプレッション的に他機種との音質比較をしたレビューがあります。併せてお楽しみください。

www.ear-phone-review.com

 

【2】外観・インターフェース・付属品「平面駆動型っぽさというのはよくわからない」

 付属品は多数のイヤーピースの替え、携行ケース。リケーブル可能。標準ケーブルにタッチノイズはほとんどない。

 

 名も知らない中華メーカーから発売された平面駆動型を採用したというイヤホンだが、他の平面駆動型イヤホンより格段に安い。たぶんメーカー品で一番安い平面駆動型イヤホンはAUDEZE iSINE 10というイヤホンで、このAUDEZEというアメリカのメーカーは狂ったように平面駆動型を出し続けているその道のプロ的メーカーだ。で、この平面駆動マニアメーカーが出しているイヤホンのiSINEシリーズは、デカい上に開放型という特性上、とても外出に利用できず、イヤホンである意味は全くないんじゃないかと思う機種なんでとても買う気になれない。それに対し、このBL1は常識的なサイズな上に、マイカプレートがオシャレで密閉型ということもあって率直に言って惹かれた。

 


Audeze iSINE 10 Lightning & standard cable 平面磁界駆動型インイヤータイプイヤホン SP735 110-IE-1000-01

 

 実際のところAUDEZE iSINE 10と聞き比べると高域の伸びとか雲泥の差があるんで、BL1がこれと勝負できるのは音場の広さくらいで価格差だけにとどまらない技術的実力差みたいなのを感じさせられるんだけど、そもそもiSINE 10はカナル型だからイヤホンって名乗っているだけで、実質的な仕様的にはもはやヘッドホンなんでこれくらいの実力差があるのは当たり前とも思う。

 あとはRHA CL2っていうのが平面駆動型なんだけど、YCやBCの販売員に「RHAの平面駆動型イヤホン聴きたいんですけど」って聞いても「?」ってされることが多い。RHAはMA650からMA750T20にかけてのラインナップが圧倒的好評を博していて、しかもポンド安の影響か値段が低めで安定しているので、これらの機種のコスパが驚くほど良いため、このCL2はなんだか影が薄い。RHAの人気機種の購買層がステップアップでT20iくらいは買う気になるけど、さすがにCL2を買おうとはなかなか思わないだろう。

 PhileWebのCL2のレビュー記事なんて、「RHAとしては従来製品と価格面で桁が違うハイエンドモデルだが、平面磁気駆動ドライバーを採用してきたのは興味深い。平面駆動型イヤホンはもっと高いものもあるので、ある意味、RHAらしいリーズナブルな価格と言っても良いだろう。」と結論づけているが、「ある意味」という言葉が意味深で、安いと言いたいのか高いと言いたいのか私には理解不能(おそらく本音では高いと思っている)。ただしこの記事からも平面駆動型の特徴が場合によってイヤホンの域を超えるような広い音場にあることがわかり、たしかにBL1も音場は広いのでこれが特徴なんだろうなとは思った。CL2については価格帯的にそもそも私の購買対象ではないので音は聴いていないが、機会があれば聴いてみたい。

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RHA CL2 Planar Bluetooth/3.5mm/2.5mmバランス接続 平面駆動ハイレゾイヤホン MMCX端子着脱式 aptX/AAC対応 12時間再生 3年保証【国内正規品】

 

恐るべきネイティブヒアスルー性能?

 この機種を使っていて気づいたのは低音量でも音像が安定して聞き取りやすいという利点。そして、かなり広めの音場かつ、音が鳴ってくる位置が定まって聞こえてくるので、外音と共存性が高い。ちょっとびっくりしたんだけど、開放型でもヒアスルー搭載でもないのに小音量にすると外音を聞きながら音楽が楽しめる。と言っても、私の使い方は音楽を聴きながらテレビやネット動画やゲームをするという用途であるので、些か特殊な使い道であることには留意してもらいたい。ヒアスルーに何を求めているかは人によって違うし、メーカーの調整の仕方も異なるので、この機種の優秀さが発揮されるのは、あくまで音楽を聴きながらテレビを見たり人の声を聴くという用途に限る。

 挙動的にもマイクで外音を拾って共存させる本物のヒアスルーとは異なり、外音は増幅されない。あくまで開放されたベント穴から聴くので一定程度の減衰はある。なおこの機種は音漏れが目立つかも知れないと先に述べたが、私がネイティブヒアスルーできる程度まで音量を落として試した感じだと音漏れはまず目立たない。

 というわけで私にとってこの機種は完全にネイティブヒアスルー機種と化した。

 

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BL1についての海外レビューをまとめています

www.ear-phone-review.com

 

【3】音質「音は広大な音場に少し引っ込んで聞こえる。雄大さを強調する味付け」 

周波数特性イメージ(試験運用中)

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※周波数特性イメージはあくまでレビューの便宜上、個人的に周波数分布のだいたいのイメージを掴むための参考情報で、測定方法も測定されたデータも非常にアバウトで厳密な信頼性や正確性に欠けます。いずれ勉強を深めて信頼性を高めていきたいとは思いますが、本ブログは周波数特性の測定をメインとしていませんので、期待しないで下さい。私自身も聴感上の音像印象の解釈の補助として利用しているだけで、この周波数特性イメージを全面的に信頼し、依拠しているわけではありません。

 

※またイヤホンの周波数特性イメージはヘッドホンの測定値との互換性を持たせるために、外耳道を疑似的に再現した環境で測定されています。

 

レコーディングシグネチャー(試験運用中)

 レコーディングシグネチャーはバイノーラル録音されていますが、品質は良くありません。人工的に外耳道に近い環境を作って録音していますので、それなりに自然に近い音になっているとは思いますが、聴いたそのままの音質とは異なりますので、あくまで参考情報ということでお願いします。

 

原曲

www.youtube.com

銀の意志 Silver Will / 空の軌跡ざんまい / Copyright © Nihon Falcom Corporation

 

www.falcom.co.jp

 

anchor.fm

 

 平面駆動型の音質というのを私はよく理解してなかったが、だいたい平面駆動型の各種レビューや平面駆動型の実機を聴いたところ、おそらくその音質の特徴は音場の広さと、音の輪郭感と抜けの良さに集約されると思う。

 平面駆動型のレビューを読んだだけのイメージでは、最初は平面駆動型というのは瞬発力が良いのだと思っていたが、ロックを聴いてもアタック感はそれほどでもなく、むしろゆったり伸びてくる感じがあるので、空間に広がっても音がかすれたり空間に溶け込んだりしない輪郭感のよさにあるようだ。音場が広いので空間に隙間は感じるのだが、音が弱々しく消えないので、個々の音と空間の差が明瞭で、強調感がないので発色がよいとは言えないが、音の存在感が感じられる。そのせいか空間は広く取っているのにスカスカした印象は少なめ。それでもこのイヤホンの音は地平線奥付近に集まりやすい傾向があって、音量低めだと少し篭もって感じられるかも知れない。amazonの販売ページのスペックだとインピーダンス16Ω、感度102dbくらいで、「なんだJVC HA-FX1100(インピーダンス16Ω、感度106db)と同じくらいじゃん」と思うけど、音はだいぶ奥まっているので、同じ音量でつなぐと明らかにBL1のほうが音が小さく感じられる。スペックが間違っていてDAPのゲインが足りないのかと思ったが、ヘッドホンアンプに繋いでも同じ感じなので、よくわからんけど、おそらくこのイヤホンの表現が音場重視でおとなしいんだと思う。そのため、普段大音量で音を聴く人には迫力不足を感じやすいだろう。頭をすっぽり包んでくるくらいの音響が好きな人には向かない。

 実際、音はなめらかかつつややかで高域に透明感や光沢感を妙に強調する感じはなく、立体感はゆったりしているのでダイナミックに伸びる感じはあまりしないけど、たゆたうように音が広がるので落ち着いて聞き込める音。空間全てを音で埋め尽くさないバランスで奥行き感と広さもあり、圧迫感をまったく感じさせないので聞き疲れもしない。派手さのない音で雄大に聴かせる。

 

[高音]:強調感はかなり排されている。驚いたのだが、たとえばこのイヤホンを聴いた後だと、Westone W40の高域なんか残響感が目立ち、人工的に作られた音のように聞こえる。このイヤホンと比較的に似た傾向のSENNHEISER MOMENTUM True Wireless(MTW)の音に対しては、のびやかさと音の広がりの雄大さでこちらが勝るので、MTWの音がやや軽薄に透明感が強調されているように聞こえてくるくらい。発色は少ないのでおとなしめ。(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:あまり艶味もなく演出感も少なくて、一聴すると地味だが、細かな音はかなり聞こえ、解像度感は悪くない。音の抜けがよく、全体的にサッパリした味。

[低音]:厚みのある振動で100hz~50hzまで素直な減衰。40hzで少しおとなしく、30hzで沈む感じ。20hzはほぼ無音(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:音場は開放的でかなり広い。音は地平線付近に集まる傾向があり、まとまって聞こえてくる印象がある(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:表面の張りはあるが、全体的に膨張感が少しあって抜けもよい音。ボッツンボッツンといった感じ。ドラム優位ではあるが、シンバルの粒感と発色は結構良く、ドラムと分離されて意外と繊細に聴けるので疾走感も感じる(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:音の抜けが全体的に良く、音に圧迫する感じが全くないので、ボーカルも分離感が良く、埋没しない。

 

【4】官能性「圧迫感を感じさせない開放的な音響。一見すると地味」

久石譲「セピア色の写真」「Porco e Bella」「Porco e Bella ~Enging~」

  かなりゆったりと音場を広めに、開放的に聴かせる。弦楽は立ち上がって伸びていくというより、豊かにたゆたって空間を満たしていく鳴らし方。音圧はセーブされており、また高低のダイナミックさよりは雄大さを強調した感じである。一聴した感じ気づかないが、音の分離感はかなり良く、コントラスト感が強調されている感じはあまりないのに、個々の音の聞こえはよく、聞き込むとかなりの解像度感がある。ヘッドホン並みの音場はあるうえに、低音量でも音像がしっかりしているので、リラックスして聴くのに最適。

 


紅の豚 サウンドトラック

  

ROUND TABLE feat. Nino「夏待ち」

 膨張感があるやわらかさを持ちながら、表面ではスタンスタンという軽快な反発力を持つドラムが秀逸にリズムを刻む。かなり奥行き感と広さを持った空間だが、耳元ではアコースティックギターがつねに茜色の色彩で弦を奏でる。清涼感よりはムード感を出す感じで、濃厚な方向性の表現ではあるので、青空というよりは夕焼けを思わせるセピア感のあるイメージで聴かせてくれる。

 


「ARIA The NATURAL」エンディングテーマ 夏待ち

 

鹿乃「今をかける少女」

 埋め込んだMVは作詞作曲者によるボカロ版。ボーカルがふっくら甘味があり、背景にも全体的になめらかで抜けの良い柔らかな音圧感があって膨張して聞こえる感じがあり、暖色的なのだが、ボヤボヤした感じになりそうな音なのに、解像度感はしっかりしているので緻密さもある。尖ったところなく、安定感のある形で楽しめる。

 


nowhere

 

わーすた「Just be yourself」

 どうってことない、アイドル風アニソン。どうってことないはず……だった。けど、意外と面白い曲で、結構ハマリました。このイヤホンの聴かせ方はかなりスムースで、起伏が少ない感じで、面白くないなって思うような鳴らし方で、Etymotic ResearchやKlipschのBAモデルみたいな演出感のないすっきりなめらかな音で抜けが良い。ファーストインプレッションはおとなしめなんだけど、聞き込むと意外と個々の音の聞こえが良い。実際には、ER3XRと聞き比べた感じ、解像度感ではEtymotic Research製品に劣るが、こちらには音に膨張感があってやや優美な色味もあってボリューム感では勝る。

 


Just be yourself

 

(K)NoW_NAME「Freesia」

 音の面取りがされている感じがあって、結構尖った表現も多いこの曲でもなめらかに調和性を感じながら聴ける。音の抜けが良く、開放型ヘッドホンのような広大な音場を楽しめる。高域の発色がよくないところがあって、上方向にだいぶマージンがある感じではある。ボーカルは遠めでおとなしく、仄暗いくらい。

 


「Freesia」【豪華盤】(TVアニメ『サクラクエスト』エンディングテーマ)

 

 

【5】総評「開放型イヤホンに近い音響を楽しみたいならオススメ」

 個人的にはヒアスルー機種っぽい使い方が出来るところや開放型に近い音響は好みだが、おそらくイヤホンとして音質を考えると、面白味が感じづらいって人が大部分だと思う。音のメリハリ感はないし、ふわっとした感じで発色はよくないから、イヤモニ的な鮮明度重視の音を求めていると、聞こえが悪い感じだろう。

 だが、静かな環境で広い音場をリラックスして楽しむにはよく、温和な聴き心地は長時間リスニングに向くし、テレビや動画なんかを楽しみながら音楽を聴くには最適。平面駆動型の強みというのはいまいち掴みきれていないが、おそらく穏やかな音の鳴らし方と解像度を共存させているあたりに性能が発揮されているのだろう。

MUISCMAKER TONEKING BL1

 

【6】このイヤホン向きの曲

Rie fu「For You」

 なめらかかつのびやか、圧迫感のないスムース感でこの曲を楽しむならおすすめ。リラックスして浸ることができる。

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

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