イヤホンの音質におけるイヤーピースの重要性が再認識されている
最近のオーディオ製品の主役といえば完全ワイヤレスイヤホンです。オーディオの売れ筋ランキングの上位が完全ワイヤレスイヤホンで占められることも珍しくない、というのが最近の傾向で、新たなオーディオブームの火付け役になっているとも過言ではありません。
そんな完全ワイヤレスイヤホンの特徴は完全に「ケーブルレス」だということです。そのため、伝統的な有線イヤホンや、ケーブル付きのワイヤレスイヤホン以上に、完全ワイヤレスイヤホンではイヤーピースの重要性が高まりました。
- 完全ワイヤレスイヤホンにはケーブルがないため、ケーブルでの音質変更はできないため、音質を改善するにはイヤーピースを使うしかない
- 完全ワイヤレスイヤホンにはケーブルがないため、装着感を安定させるにはイヤーピースで改善するしかない
ちなみに下の記事ではイヤホンにおけるイヤーピースの重要性を強調しています。
そういうわけで完全ワイヤレスイヤホンの普及とともにイヤーピースの重要性は高まりました。これまではケーブルだDACだアンプだと拡散していたんですが、完全ワイヤレスイヤホンではイヤーピースが決定的に重要です。そして、それに合わせたように各社これまでにない魅力的なイヤーピースをリリースしてきています。
これまでも何回かイヤーピースを紹介してきましたが、今回はとくに直近発売されたイヤーピースを紹介したいと思います。
最近出たおすすめイヤーピース
ePro Horn-shaped Tips
【新製品】 ePro Horn-shaped Tips S/M/L 各1ペア 【EPR-ET-SML1】 イヤホンのゴム イヤピース イヤチップ 【送料無料】
材質にグラフェンを使ったという独特の質感があるイヤーピースです。基本的に軸も傘もペラペラで、通気性がよい印象を受けます。
このイヤーピースを付けると、音質は中域から高域がすっきりし、風通しが良くなった印象を受けるはずです。低域はタイトになり、存在感は少し薄まります。低域がパワフルなJVC HA-FX1100にこのイヤピを着けて聴いてみると、信じられないことに、いつもの厚みのあるパワフルな低域はかなり下方向に収まり、むしろスピード感の乗りやすいタイト傾向になって、濃厚だった中域が靄が晴れたようにすっきりします。「いや、それって持ち味だいぶ消してねぇ?」ってツッコミが来そうですが、とにかくその変化には驚きました。音場を開放的に感じたい人にはもってこいのイヤーピースです。
弱点はあります。音が抜けの良い感じになるので、音の印象がやや薄味になり、剥き出しな感じが減って、少し淡く聞こえてくる感じになります。既述のように低域も量感が減って、厚みより重低音の広がり重視になります。何より装着感が独特で人を選ぶので万人向きではありません。
個人的にはそれでもかなりお気に入りで、最近よく使っているイヤピです。
AZLA SednaEarfit Short
AZLA SednaEarfit Short [S/M/Lサイズ各1ペア] フルワイヤレスイヤホン専用設計 医療用LSRシリコン採用高音質イヤーピース
SednaEarfitの音質はほぼそのままに、装着感が大幅に改善
大人気イヤーピース、AZLA SednaEarfitのショート版です。軸が短くなって完全ワイヤレスイヤホンでも使いやすくなりました。軸の直径も狭まっていて、今までゆるゆるで付けられなかったイヤホンにも使えます。
しかしぶっちゃけ個人的には装着感の改善具合に驚きました。SednaEarfitって軸が硬くて長く、傘も材質硬かったんで、妙にゴワゴワするところがあったんですけど、このイヤピではゴワゴワ感かなり減ってます。ほとんど気になりません。
音質はSednaEarfit無印に似ていて、低域を濃くし、中域以上の音も剥き出しにダイレクトに聞こえるバランスになって、コントラスト感が強めです。その分ちょっと音に圧迫感が出るところはあるんですが、迫力重視でくっきり音を聴きたい人には最適なイヤピの一つです。
SednaEarfit無印より装着感が良い分、個人的にはより万人向けと思っていて、文句なくおすすめできるイヤーピースです。
AZLA SednaEarfit Light Short
AZLA SednaEarfit Light Short [S/M/Lサイズ各1ペア] 傘部柔軟性強化 フルワイヤレスイヤホン専用設計 医療用LSRシリコン採用高音質イヤーピース
音を近く聴かせてくれるので、没入感重視の人向き
AZLAはSednaEarfit Lightのショート版も発売しています。軸の設計がやはり短くなっていて、完全ワイヤレスイヤホンでも使いやすくなりました。
音質はSednaEarfit lightの音をより剥き出しにした感じで、中域がはっきりし、ダイレクトに音が出てくる親近感を感じると思います。没入感重視で聴きたい場合はかなり有力候補かも。
個人的にはこちらのショート版はLightの通常版ほど好きではなくて、その理由は露骨に音場が狭くなる感じがあるから。SednaEarfit Lightは音が剥き出す感じがあってもほどよい距離感があったのですが、こちらは傘も柔らかいせいか鼓膜のすぐ近くまで音が近づいてきている感じがあり、はっきり聴けますが、ちょっと圧迫感を感じます。ある意味、最初に紹介したePro Horn-Shaped TIpsの対極にあるイヤピかも。
ただポータブルに完全ワイヤレスイヤホンで音楽を聴く用途なら、むしろこの没入感高めで音が近い感じは良いかもしれません。外出時のうるさい環境でも音楽に没頭できます。
【最新イヤピではないですけど】Fender SureSeal Tipsも再販されています
Fender SureSeal Tips フェンダー イヤーピース シュアシールチップ 【ゆうパケット対応】
心地よい装着感と遮音性!
医療用グレードのシリコンを使い、人肌の温度で膨らんで耳道に密着し、遮音性と装着感の両方が優秀なので大人気のFender SureSeal Tipsも再販されています。Fenderのイヤホンを買うと付いてくるんですけど、個人的に半分これ目的でFender NINE買ってたところもあります。
このイヤーピースは遮音性が高いのが特徴です。耳にフィットする感覚が強めです。音質はちょっと音が近い感じがありますが、剥き出し感はそこそこ吸収されて音場に狭い感じはなく、密閉度が高いんで低音の存在感が感じられ、帯域バランスも悪くない感じがあります。
ただし装着感は粘りがあって独特なんで、人によっては苦手って場合もあるかも知れません。肌にはりつく感じがあります。
最近「これもうちょっとほしいなぁ」なんて考えてたら、ちょうどよいタイミングで再販されたんで、買い足しました。
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