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【ハイブリッドイヤホン Fender NINE 1 レビュー】熱気と黒みのある、重厚でシック、アタック感は少し抑えた大人びたサウンド。しかし高域は少し派手。おすすめ

ヘッドライン

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Fender NINE 1

Fender NINE 1

Fender NINE 1 [Gun Metal Blue] 9.25mmダイナミック1基&HD-BA1基ハイブリッドドライバーイヤホン IEM2pinコネクター採用 独自開発医療用グレード熱可塑性エラストマーイヤーピースSureSeal Tips付属 6811000068

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「軽量で付け心地は安定している」

おすすめ度*1

Fender NINE 1

ASIN
B07GC8PSYB
スペック・評価
再生周波数帯域 10~21000Hz
インピーダンス 16Ω
感度 109dB
ドライバー

2ドライバーハイブリッド(ダイナミックドライバー×1, バランスドアーマチュアドライバー×1)

音質傾向

 ドライ、シック、ドンシャリ、重厚感がある、エレキギターが黒くカッコイイ、ベースラインが渋い、シック、黒みがある、アコースティックギターが濃厚、クラッシュがきれい、金管が渋い、熱気がある

 カスタムIEMに似せたような、しっかりした装着感を持っており、遮音性は高めです。

 

テスト環境 

 今回のテストはSOUNDAWARE M2ProFiiO M15Cayin N6II/E01Galaxy A30ONKYO GRANBEATで行っています。ゲイン設定は基本的に「低」設定です。

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【2】外観・インターフェース・付属品「独自プラグですが、2pinリケーブル可能です。」

 付属品はイヤーピースの替え、クリーニングツール,、3.5mm→6.3mm3極変換プラグ、キャリングケース、フォームイヤーチップ(3サイズ)、 Sure Sealイヤーチップ (4サイズ)、クイックガイドです。ケーブル端子は2pinです。

 

 この2pinコネクタは独自の「Talonシステム」という加工が施されていますが、標準ケーブル以外でこの「Talonシステム」採用のケーブルの販売予定はないとのことです。しかし、普通のカスタム2pinと互換性があり、2pinケーブルが普通に使えるので問題ありません。

 

Fender NINE 1

Fender NINE 1Fender NINE 1

 

【3】音質「ドライでビター、酸味がある黒めのサウンド」

周波数特性イメージ(試験運用中)

f:id:kanbun:20200206205045p:plain

※周波数特性イメージはあくまでレビューの便宜上、個人的に周波数分布のだいたいのイメージを掴むための参考情報で、測定方法も測定されたデータも非常にアバウトで厳密な信頼性や正確性に欠けます*2

 

音質インプレッション

 今回は標準イヤピの中で、SureSeal TipsのLサイズを使ってレビューします。

 このイヤホンのインピーダンスは16Ωで、一般的なスマホでは鳴らすのに支障はありません。手持ちのGalaxy A30で聴いてみましたが、とくに不足感はありません。

 

 では早速、メインのテスト機のGRANBEATにつないで音を聴いてみます。すぐ気づくのは、音場に少し黒い雰囲気があることです。スネアに少しアタックがあり、シンバルも少しシャリシャリし、ボーカルの子音に尖りなどが確認できますが、基本的には鮮やかさを抑えた、ダークなロックな雰囲気が感じられます。音はドライで少しビターに聞こえ、苦味と酸味が強いような雰囲気で聞こえます。黒ビール的な雰囲気という感じで、エレキギターに黒い感じがしっかりあり、背景に少し暗い落ち着いた静寂感があるのが特徴です。

 Pharrell Williamsの「Happy」のような曲は少しシックです。ボーカルは少し細く、甘味は少し抑え、黒い背景の中でフォーカスが当たって聞こえます。ハンドクラップは輪郭は丁寧でディテール良く聞こえますが、派手さはありません。ドラムも少し重くビターで落ち着いた雰囲気があります。その中で、ハイハットの粒立ちだけが少しシャリシャリして聞こえますが、それも輝きを抑えているので、地味めで清潔です。全体的に引き締まった細マッチョ体型の印象を与える音です。少しカサカサしますが、適度に落ち着いた感じで聴き心地は安定しています。輪郭は少しシャープに強調されるので分解能も良いですが、あまり分解能を出しすぎて、地味めの中高域の自然な色づきと解像感が失われないように調整されているようです。一般にボーカルは少し細く乾燥しているので、フォーカスは悪くありませんが、味付けは淡泊に思えるでしょう。

Happy

Happy

 

低域

 第一印象を軽く確認したところで、各音域を確認していきます。エレキベースは重く、黒く、暖かみがありますが、厚みは抑えられているようです。バスドラキックもドンドンと重く、床面にしっかり踏み込む感じがありますが、広がりはあまりありません。胴の膨らみは自然な厚みくらいはありますが、重く、浮き上がりがよい感じではありません。基本的には明るさに欠ける、黒い低域です。低域弦楽も少し膨らみが弱く、どちらかというと縦に厚みがあって重く沈みこむ音です。床面方向に少しゴリゴリと重みを出す音で、ボディはあまり強調されないので、シックで大人びた雰囲気に聞こえます。躍動感は少し感じられますが、重みが強いので弦に弾む感じはあまりありません。シックな感じで静寂感のあるJAZZを楽しみたい人には好ましい雰囲気でしょう。低域は全体の中では少し支配的で、音場に重厚感をもたらしています。

 

中域

 中域はあまり豊かさがありません。そのため音楽全体に引き締まった感じがあります。少し清潔で、ギターは黒い感じで横に広がり、少し濃厚感が出ますが、くどい感じはありません。女声ボーカルの下は少しスカスカしています。男声ボーカルはわずかにコクがありますが、少しドライです。少し奥で聞こえやすく、曲によっては楽器音に埋没気味で細る感じがあります。女声ボーカルのほうはのびやかで前傾してのびてくる感じがありますが、艶やかさは適度でツヤを出し過ぎず、少し息が強調され、子音はそれよりも尖りやすい感じがあり、わずかにハスキーです。甘味は強くなく、歌詞は明瞭ですが、ちょっと唾が強い感じがあるかも知れません。楽器音は低域の方で厚みを感じさせてくれたりはするものの、中域ではやや遠ざかる感じもあり、ボーカルと距離を取って、少し左右に広く展開されます。Fenderらしく、中域ではボーカルよりギターがよく聞こえる感じがあります。

 

高域

 金属的な質感に強調があります。艶やかさもそれほど強くなく、高域全体に少し乾燥した雰囲気がありますが、スネアはあまりスナッピーではなく、ビシバシ感はあまりないので、ドラムのアタックは強調されません。ドラムは中高域ではギターの背景にしっかり後退し、黒みのあるギターサウンドと透明に鋭く伸びるギターエッジをむしろ引き立たせます。それに対し、ハイハットの方は少し金属的な質感を出してチャリチャリします。ただし高さもあるので、白味も出して立体的になっており、チャリチャリしたあたりだけが濃く滞留する感じにはなっておらず、爽やかに穂先が立っているので臭みはあまりありません。アコースティックギターは少し濃く黄金色くらいで、ややべっとりして色づきます。ギラつきはやや強めでしょう。

 

音場

 適度に幅はやや広く感じられ、奥行きもそれなりにあります。低域は重く、やや中域から分離しています。ボーカルから上は基本的にのびやかで、軸が立って音が高く抜けていく感じがあるでしょう。中域のマージンが多く、比較的広い音場に感じられるはずです。

 

全体印象

 全体的な印象としては少しシックでハードロックな重たい雰囲気がある低域と、同じく色味を抑えながらも、適度に艶やかに色づき、高く抜けていく高域がありますが、少し低域の支配力が強いので、音場に明るい感じはなく、少し暗い雰囲気で大人びています。アタックが抑えめなのも落ち着いた雰囲気を感じさせるでしょう。

 適度に味わいを出しつつも、いわゆる「ギャンギャンする」音を抑えてくれる感じなので、落ち着いて音楽を聞きたい人にはおすすめできます。

 

音質因子評価
音質因子 評価
鮮やかさ
(鮮やか/色味が薄い)

普通。全体的にドライで鮮やかな感じではないが、少しべっとりした感じの色づきがある。

鋭さ

(鋭い/鈍い)

普通。上でクラッシュ感を出し、少しシャープに音が立つ感じがあり、ジャリジャリした感じもあるが、低域が強く押さえ込んで丸くする場面が多い。
明るさ
(明るい/暗い)
やや暗い。基本的に音場はシック。
派手さ
(派手/地味)
やや地味。派手さがないわけではないが、ドライで艶やかさはあまり強調されないし、アタックも強くないので、落ち着きがある。ただしギラつきは強く、濃厚感がある。
硬さ
(硬い/柔らかい)
普通。少しシャカシャカカリカリするが、低域が支配的で落ち着きがあるので、目立ちにくい。
尖り
(尖っている/丸みがある)
やや尖っている。音は少しシャープネスが強調されている。
穏やかさ
(穏やか/騒々しい)
やや穏やか。シャリ付きなどは強いので、騒々しさもあるが、アタックは強くなく、基本的には落ち着いている。
力強さ
(力強い/嫋やか)
普通。低域に重みはあるが、パンチを強く打ち込んでくる感じではない。
豊かさ
(豊か/貧弱)

普通。低域で濃厚感は適度にあるものの、シックな感じもあって落ち着いている。

太さ
(太い/細い)
普通。弦楽器系を中心にピアノなど楽器音はやや厚みが強めです。しかし、ボーカルはちょっと後退気味で細る感じがあり、低域の豊かさに対して、高域は細ってる感じがあります。この質感の差はハイブリッド構成のせいかもしれません。
手触り
(ざらざら/滑らか)
ややざらざら。ややジャリジャリしやすく、シャリシャリ感もある。
粒感
(きめの細かい/粗い)
ややきめの細かい。高域で粒立ちに少し細かい感じがある。
清潔感
(澄んだ/濁った)

普通。低域で少し暖かみがあり、中域に滲み出す感じが強いが、高域は逆に清潔に聞こえる。

潤い
(潤いのある/乾いた)
乾いている。音は全体的に乾燥している。
重さ
(重い/軽い)
やや重い。低域が強めで重厚。

 

ボーカル因子評価
ボーカル因子 男声 女声
澄んでいるか
(澄んでいる/濁っている)
普通 やや澄んでいる

明るいか

(明るい/暗い)

普通 普通

伸びやかか

(伸びる、突き抜ける/天井感がある)

ややのびやか ややのびやか

潤っているか

(しっとりしている/乾いている)

乾いている 乾いている

太いか

(太い/細い)

普通 普通

濃いか

(濃い/薄い)

普通 普通

子音が強調されるか

(目立つ/目立たない)

普通 少し目立つ

 

空間因子評価
空間因子 評価
主に中域の密度
(ぎっしり/スカスカ)
普通
主に高域の高さ
(抜けが良い/天井感がある)
やや抜けが良い
主に低域の深さ
(深掘り感がある/浮き上がりがよい)
深掘り感がある
主に中域の奥行き感
(前進的/後傾的/前傾的/後退的)
やや前傾的
主に低域と中域の横幅
(広い/狭い)
やや広い
定位感
(頭内的/頭外的)
やや頭外的
分離感
(拡散的/密集的)
普通

 

美点
  1. ボーカルフォーカスが良い
  2. シックで落ち着いた雰囲気
  3. 重厚感がある
  4. ドライでビター
  5. クラッシュ感に少し強調がある
  6. ギターサウンドがきれい
  7. ギャンギャンしづらい
欠点
  1. アタック感に少し欠ける
  2. 低域が支配的で重すぎる可能性がある
  3. 潤い感に欠ける

 

音質特性(サウンドシグネチャー)
[高域]
  • 抜けの高さ*3:A
  • 金属光沢感:A
  • クラッシュ:A
  • アタック:C
  • ツヤ:B
  • ディテール:B
Hint

 シンバルは派手めで、チャリチャリからシャリシャリシンシンまで立体的に表現されます。一般に臭みは強くないと思いますが、人によっては臭みを感じるかも知れません。アコースティックギターもややべったりした音ですが、濃厚に刻みを出して聞こえます。アタックは抑えめでスネアに派手さは出づらく、ギターエッジのほうが聞こえやすい感じになっています。透明感とかガラス質の光沢感みたいなものはあまりないので、金属光沢感を除いては、艶やかさや鮮やかさに欠ける印象を受けるかも知れません。

 

[中域]
  • 甘味:C
  • 広がり:B
  • 濃厚感:A
  • コク:B
  • 太さ:B
  • ディテール:B
Hint

 中域では濃厚感もありますが、ドライな雰囲気があり、甘味はあまり感じられません。低域が滲み出す感じもあるので、低域が強い曲だと少し篭もった感じはあるかも知れません。中域は適度に幅があり、清潔感がありますが、音にもっさりした雰囲気はあります。安定感はありますが、少し奥に音が聞こえます。

 

[低域]
  • 深さ:A
  • 重さ:A
  • パンチ:B
  • 厚み:B
  • 熱気:B
  • 鳴動:B
  • ディテール:B
Hint

 低域は重く、深さ方向での厚みがある音です。ドラムサウンドはかなり下が強く、ドシンドシンした重みが強いですが、パンチは打ち込みがそれほどでもないので、腹に応える感じはほどほどありますが、重さの割には優しい感じに聞こえるかも知れません。ベースギターはコシもあり、結構目立ちますが、厚みは少し足りないような気がします。

 

[解像度・立体感]
  • 音場評価*4:A
  • 分解能*5:B
  • 音像明瞭性*6:B
  • 明るさ:B
  • 聴き心地:B
Hint

 横幅は適度に広く、深さや高さもあって奥行きも適度にあり、音場は基本的に広めに感じられると思います。音が全体的に黒くグレーがかって聞こえる感じがあり、低域が少し強くてもっさりしやすいところもあるので、高域は緻密ですが、中域では音の見通しが良く分解能が高いという感じではないかも知れません。

 

[パーカッション・リズム]
  • ドラムの雰囲気:重厚で重い。ガツガツしてドスンと重い、バツンバツン。
  • ハイハットの雰囲気:チャリ感もあり、色づきはやや派手めに輝く、白味もある立体的なシャリシャリ。
  • 弾け:C
  • 粘り:B
  • 重み:A
  • 濃さ:A
  • スピード感:B
Hint

 スネアは理性的です。アタックは比較的抑えて、重みが強い重厚な音に聞こえます。スピード感に遅れはありません。スナッピーさには少し欠け、やや地味めに聞こえるところがあり、マッチョ気味です。ハイハットはスネアの鼓面よりは目立って輝きを出しつつ明るく聞こえると思いますが、重厚なドラムに比べると全体のパワーバランスでは負けています。

 

[ボーカル傾向]
  • 甘味:C
  • 媚び:B
  • ボディ:C
  • コク:B
  • 息感*7:B
  • 子音*8:B
Hint

 男女ともに少し乾いてカサカサしています。男声ボーカルはコクが少しありますが、上に行くほどやや後退していく感じがあります。女声ボーカルは反対に上でのびやかに出てきますが、潤い感に欠けるので、ビターでわずかにハスキーで甘味に欠けて聞こえるかも知れません。軸は立ってます。

 

【4】官能性「ドライなロックサウンドが好きならおすすめ」

まじ娘「アマデウス」(vs FAudio Passion)

アマデウス

アマデウス

【FiiO M15(Pure Music Mode)で鑑賞】この曲あたりはNINE 1は比較的相性が良いように思えます。甘味を出さずにちょっとカサカサしたボーカルが大人びたビター味があってかっこよく、アタックは適度に抑えて派手さのない明るくない背景に落ち着いたスネアのおかげで、ギターが前面でしっかりと聞こえますし、そのビターな雰囲気を胴からエッジの先まで楽しめます。ドラムは重厚で、音場を沈みこませていますが、その基本的に暗い空間の中で、ハイハットだけは輝きを強調してクラッシュを目立たせて聞こえます。

 

 FAudio Passionと聞き比べてみます。まずボーカルや楽器音はNINE 1より色づきが良く、少し甘味と媚びがあり、さらにスネアがアタックしてくるので、ギターラインよりは前に走ってくる感じがあります。ボーカルの子音や息感、楽器の穂先はNINE 1より強調されるので、少し毛羽立つ感じが強いですが、低域が適度に音場を暖めているので、ギスギス感はそれほど強くないと思います。それでもNINE 1に比べるとだいぶギスギスしている感じはあります。また金属光沢はPassionのほうが強いです。

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 手がかりが多く、音も艶やかでコントラスト感の上でも聴きやすいのはPassionだと思われますが、この曲の場合、個人的にはNINE 1のシックな感じの方が好きです。

 


Contrast

 

Uru「Scenery」(vs JVC HA-FD01[ステンレスノズル])

Scenery

Scenery

【SOUNDAWARE M2Proで鑑賞】全体的に乾燥した、シックな落ち着いた雰囲気があり、ピアノもキンキンよりはカンカンコンコンとした音で、ヴァイオリンも胴に厚みがありつつ、上では筋立ちも良いので、この曲の少し憂鬱げな雰囲気をよく出して聴かせてくれる気がします。高域は少しギスギス感があるくらいですが、重厚感があるので音楽全体には安定感があります。潤い感がないのでメロウな雰囲気は足りないと思うところはあるかもしれません。

 

 JVC HA-FD01のステンレスノズルと聞き比べてみます。すぐ気づくのは、HA-FD01のピアノ音には潤い感があり、ボーカルもみずみずしい雰囲気が少し増して聞こえます。低域の存在感はNINE 1よりも抑えめで、ボーカルが前面にのびやかに聞こえてきて、その隣の弦楽もやや倍音を強調しつつ、少し湿っぽい感じで聞こえてきます。

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 NINE 1のシックな雰囲気は好きですが、HA-FD01の鮮やかでみずみずしい音により惹かれます。私が個人的にJVC党であり、しかも潤い感のある音が好きというのもあるでしょうが、ボーカルはじめ、全体的に充実して聞こえるのはHA-FD01に思えます。

 


願い (期間生産限定アニメ盤) (Blu-ray Disc付) (特典なし)

 

松任谷由実「KATHMANDU」(vs Westone B50)

KATHMANDU

KATHMANDU

【Cayin N6II/E01(A)で鑑賞】この曲をNINE 1で聴くと、重厚感がしっかりありながらも、すっきり清潔系に聞こえます。ボーカルやスネアはやや乾いていますが、熱気が充分に感じられ、ハイハットが少し派手めにシャリシャリ聞こえるのが、吹き抜ける清涼感を感じさせます。まさにフェーンの熱気と高原の冷涼感があり、カトマンズの空気感があります(行ったことないけどね)。カラッとした晴天の音楽です。

 

 さて同じドライ系の音では私の好きなWestone B50と聞き比べてみます。さて、同じく低域重視なところがあり、熱気がある音を持っているNINE 1とB50ですが、雰囲気は少し違います。B50はアタック感がNINE 1より強く、中高域で艶やかな感じも強く、色づきがやや強めです。低域も重厚一辺倒のところがあるNINE 1とは異なり、少し浮き上がりが良い感じもあり、そのせいか、より床面でグルーヴ感を出すところがあります。NINE 1と同じくHOTな感じがありますが、もう少しリゾート感覚でバカンスを楽しんでいる雰囲気があり、朗らかです。

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 ぶっちゃけ活き活きしているのはB50の方ですし、私の好きな音で、より万人が楽しめそうなのはB50なんですが、この曲に関する限り、NINE 1にしか出せなさそうな熱気のある高原の雰囲気というのが感じられ、ちょっと地味ですが、NINE 1の音の大人びた方が個人的には好きです。地味な雰囲気に、なんていうか生活感を感じます。他の人には面白くない音かも知れないとは思いつつ、私がNINE 1を好きなのも、こういう実直な鳴らし方をするところにあるのかなとも思います。ノリは少し悪いんですけどね。

 


KATHMANDU

 

【5】総評「落ち着いた雰囲気でロックやJAZZを聴きたいなら、是非」

 地味めの音ではあると思うので、若い感じではないと思います。少し大人びた雰囲気で、ノリは少し悪いかも知れず、やや無愛想に思えるところがあります。またもっさりしやすいところもあり、低域が強いのが嫌いな人には向かないかも知れません。艶やかさにも欠け、甘味もあまりないです。しかしシックで落ち着いた、でも上で少し派手なサウンドは聴き心地が安定しており、音像は地味ですが、比較的きれいに出て、モニター的に楽しめます。ただし、ボーカルは少しカサカサしていて、おいしさを感じづらいのはネックかも知れません。

 

  • アタックを適度に抑え、シックで大人びた雰囲気
  • シャリ感は少し強く、清涼感と抜けの高さを適度に感じられる
  • もっさりしやすい

 

Fender NINE 1

Fender NINE 1

Fender NINE 1 [Gun Metal Blue] 9.25mmダイナミック1基&HD-BA1基ハイブリッドドライバーイヤホン IEM2pinコネクター採用 独自開発医療用グレード熱可塑性エラストマーイヤーピースSureSeal Tips付属 6811000068

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

*2:音量による変化、各イヤホンの特性を考慮した補正などを行っておらず、測定環境もスマホマイクで集音しているので非常にアバウトで厳密ではありません。レビュー執筆の参考に使っていたものの、これまでは公表してきませんでしたが、これまでサンプルを取って聴感上の印象と照合してきた感じ、それなりに参考にはなりそうなので、試験的に公開していきたいと思います。いずれ勉強を深めて信頼性を高めていきたいとは思いますが、本ブログは周波数特性の測定をメインとしていませんので、期待しないで下さい。私自身も聴感上の音像印象の解釈の補助として利用しているだけで、この周波数特性イメージを全面的に信頼し、依拠しているわけではありません。

*3:全般的に言えることですが、この評価は主観的であり、しかも音はバランスと好みが大事だということに留意して下さい。Aのほうがその分野では優れていると判断していますが、たとえばシャリ付きが苦手な人はクラッシュがAの評価のイヤホンは避けるべきです。あと稀にSが出てくると思いますが、Sは「やりすぎ」という意味で、必ずしも良い評価とは限りません。ただしその音質特性が好きな人には良いでしょう。

*4:価格帯を考慮した相対評価です。

*5:価格帯を考慮した相対評価です。

*6:価格帯を考慮した相対評価です。

*7:主にサ行が刺さるかどうかです。スーハーしている感じが強いかです。

*8:主にツ音が尖るかどうかです。

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