- 【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感は良い。通信品質も良い」
- 【2】外観・インターフェース・付属品「スペックは優秀」
- 【3】音質「高域に詳細なディテールと光沢感を持たせた明るいドンシャリ」
- 【4】官能性「明るくのびやかで爽やかに聴かせる」
- 【5】総評「明るい高解像度サウンドが好きなら候補になり得る。コスパは高い」
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【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感は良い。通信品質も良い」
おすすめ度*1 | |
---|---|
ASIN | |
スペック・評価 | |
連続再生時間/最大再生時間 |
18h/- |
Bluetoothバージョン | 5.0 |
対応ワイヤレスコーデック | aptX HD/aptX/AAC/SBC |
防水性能 |
IPX6 |
音質傾向 |
明るいドンシャリ、爽快、シャープ、シャキシャキ、サクサク、シャリシャリ、チャリチャリ、派手め、抜けが良い、清潔、風通しが良い |
イヤーフック付きで装着感は良好。遮音性もなかなか良い。
対応コーデックはaptX HD/aptX/AAC/SBC。ONKYO GRANBEATとHiby R6 Proで交互に繋ぎながら接続品質をみた。テストしたのは関東某ターミナル駅周辺だが、ほとんど途切れはなく、かなり安定していた。
テスト環境
今回のテストはHiby R6 ProとONKYO GRANBEATで行っている。
【2】外観・インターフェース・付属品「スペックは優秀」
付属品はイヤーピースの替え、充電ケーブル(Micro-B)、イヤーポーチ、説明書。
【3】音質「高域に詳細なディテールと光沢感を持たせた明るいドンシャリ」
音質的には同じくaptX HD対応だったTaoTronics TT-BH072と同様にTT-BH07系の後継機種になっている。しかし、どちらかというと機能強化版の高級機といった感じのTT-BH072に比べると、素直にTT-BH07の置き換えを狙ったような立ち位置になっている。そういう意味では正統派的な後継機といえる。
TT-BH072に比べると、低域はややセーブされていて、中域以上のすっきり感を重視している感じがあり、たとえばボーカルや弦楽は高域までかなり素直に突き抜けてくれる。ややドライな清潔感重視の音になってはいるが、中高域で少しツヤのある光沢感も加えられており、質感的に乾燥しすぎないよう適度に発色が加えられている感じになる。そのためエレキギターエッジや弦楽音は特にツヤが出て鮮やかで、やや清潔で静寂な空間に浮き上がる感じがある。中域で膨らむ感じがないので、ピアノは光沢感はあるが、少しカクカクしていてちょっと硬い感じがするかも知れない。
音質因子評価
音質因子 | 評価 |
鮮やかさ (鮮やか/色味が薄い) |
少し色味が薄い。中高域でそこそこ鮮やかさが強調されるものの、低域と中域の色味はやや薄く、全体の印象はやや薄味に感じる。 |
鋭さ (鋭い/鈍い) |
やや鋭い。シンバルやギターのエッジは強調されるので音楽に鋭い感じは出やすい。 |
明るさ (明るい/暗い) |
やや明るい。音場は清潔で高域も明るめに聞こえる。また中高域で少し鮮やかに発色する。 |
派手さ (派手/地味) |
やや派手。高域のディテール感は強く金属的な硬質感が強めなほか、中高域でも光沢感がやや強めで、若干派手めの出音に感じる。 |
硬さ (硬い/柔らかい) |
やや硬い。中域で膨らむ感じがなく、中低音もややおとなしいので、音楽全体を眺めると、角立っている印象を受ける。 |
尖り (尖っている/丸みがある) |
やや尖る。中高域から高域にかけて鮮やかさを出しつつ、エッジも強調される感じがあり、人によってはやや刺激が強い音響になっている。 |
穏やかさ (穏やか/騒々しい) |
やや騒々しい。中高域より上が若干目立ち、派手めで荒々しく感じるところがある。 |
力強さ (力強い/嫋やか) |
普通。高域に伸びやかさがあり、エッジも強くてスネアの音などに衝撃力を感じるので、それなりに力強さを感じるが、低域のパワーは抑えめ。 |
豊かさ (豊か/貧弱) |
やや貧弱。中域にあまり充実感はなく、どちらかといえば清潔で音が細い感じがある。 |
太さ (太い/細い) |
やや細い。中域や中低域で膨らむ感じはなく、どちらかといえばミニチュア的な細かさを重視したサウンドに聞こえる。 |
手触り (ざらざら/滑らか) |
ややざらざら。高域で尖りを少し強調する毛羽だった感じがあるので、少なくとも滑らかさが強くはない。ボーカルの息感にもやや強調がある。 |
粒感 (きめの細かい/粗い) |
やや細かい。高域でややシャープネスが強調され、粒感が細かに出る。 |
清潔感 (澄んだ/濁った) |
やや澄んでいる。清潔感は高め。中域はかなり清潔になっている。 |
潤い (潤いのある/乾いた) |
やや乾いている。中高域でツヤを強調しているので、光沢に潤い感を感じないわけではないが、どちらかというとドラム音やシンバルの乾いた感じを強く感じる。 |
重さ (重い/軽い) |
やや軽い。中域の清潔感のおかけで低域の存在感は悪くないが、低域の支配力は弱め。 |
ボーカル因子評価
ボーカル因子 | 男声 | 女声 |
澄んでいるか (澄んでいる/濁っている) |
やや澄んでいる | やや澄んでいる |
明るいか (明るい/暗い) |
やや明るい | やや明るい |
伸びやかか (伸びる、突き抜ける/天井感がある) |
やや伸びやか | 伸びやか |
潤っているか (しっとりしている/乾いている) |
やや乾いている | やや乾いている |
太いか (太い/細い) |
やや細い | やや細い |
濃いか (濃い/薄い) |
やや薄い | やや薄い |
子音が強調されるか (目立つ/目立たない) |
やや目立つ | やや目立つ |
空間因子評価
ボーカル因子 | 評価 |
主に中域の密度 (ぎっしり/スカスカ) |
ややスカスカ |
主に高域の高さ (抜けが良い/天井感がある) |
やや抜けが良い |
主に低域の深さ (深掘り感がある/浮き上がりがよい) |
やや浮き上がりが良い |
主に低域と中域の横幅 (広い/狭い) |
やや広い |
主に中域の奥行き感 (奥まる/前屈み) |
やや奥まる |
美点
- 中高域、高域のディテールが良い
- 音場が清潔で風通しが良い
- 低域が抑えめで中域がマスキングされる感じがない
欠点
- 中域での充実感が薄い
- 音が少し乾燥している
- 音にざらつきがある
- 中高域で少しガチャガチャしやすい
- 若干聞き疲れやすい
[高音]:かなり高いところは結構減衰しているようだが、それでもシャープネスは強めで弦楽がややヒステリックに伸びる。中域も低域も抑えめなので、マスキングされる感じがなく、シンバルの空気感もそれほど強い感じでもないが、浮き上がりは悪くなく、全体的に出音は丁寧に味わえる。中高域のツヤ出しも結構派手なんで、高域はかなりディテール感高めに感じる可能性はある(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)
[中音]:中域は中高域以外はほとんど派手さや膨らみがなく、清潔。ピアノも弦楽もギターも基本的に上で妙に明るい浮ついた出音に感じられるはず。
[低音]:やや地味めのブンブンした振動で100hz~40hzまで素直な減衰。30hzで沈み、20hzでほぼ無音。ややスカスカする。標準イヤピの傘が薄めでさらさらしており、密閉度がそれほど高くなりにくい材質なのもあって、基本的に物足りない。私の感覚だとSednaEarfitを付けるとかなり締まりの良いベース音が感じられる。SednaEarfitを付けた状態でも低域の量感は強すぎる感じはなく、またパンチは抑えめで、キックやベースが少しだけ深掘りするような、基本的にはタイト傾向でしかも薄味な低域である。低域弦楽の色味もやや薄め(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:中高域で鮮やかさとディテールを感じるような、のびやかで清潔な、上方向の縦軸重視のサウンドになっている(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:ドラムスはタムやスネアのパリパリ感を強調する感じがあって、かなり明るい。破裂感のあるパッツンパッツン。シンバルの浮き上がりも良く、全体的に鮮やかで高さもあり、リズム表現は全体的に明るく快活である(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:男声ボーカルは率直に言って少し薄味で、細めに感じる。中性的。女声ボーカルのほうもやや細身でサビで伸びて突き抜け感をやや強調する感じがある。また子音と息感に少し強調を感じる。ツ音にも強調が少しあり、艶やかさはあるがそれでも少し乾燥している印象を受ける。
【4】官能性「明るくのびやかで爽やかに聴かせる」
沼倉愛美「Climber's High!」
【ONKYO GRANBEATで鑑賞】イヤピの具合にもよるだろうが、バスドラキックが基本的にちょっと浅く、ドラムはズドンが抑えめで、パスパスした破裂感の強い表現になる。ギターも黒い感じはなく、どちらかといえば上辺のジンジンジュワジュワしてるあたりを若干ギラつかせて聞かせるバランス。ボーカルはのびやかで突き抜けも良いが、コシは抑えめで下で踏ん張る感じはあまりない。基本的に爽快系サウンドに仕上がって聞こえる。
Leroy Anderson「Serenata」
【Hiby R6 Proで鑑賞】中域に厚みがなく、低域も薄味なので、この曲は弦楽がやや浮き上がった感じで聞こえる。弦楽や金管に上で伸びる感じがあるので、奥行き感らしきものは感じられるが、床面が少し存在感が薄いので、ちょっと蜃気楼のように音の根立ちが悪い感じがある。少しヒステリックで幽玄な感じはあるが、重厚感には欠ける。クラシックを聴く場合はイヤピを変更するかイコライザーをかけて低域を強化する必要があるだろう。
多田葵「灼け落ちない翼」
【Hiby R6 Proで鑑賞】音場全体に清潔感があり、高域で光沢感や金属的な硬質感をきれいに出してくれるので、この曲の透明感を解像度高めに味わうことが出来る。床面の主張は少なめで、人によってはスカスカに感じる可能性はあるが、フロアタムが少し明るめに広がってくれるので、深みはないが、支えがないわけではない。むしろ透明に近い床面のほうが臭みがなくて、中高域以上の煌めき感に集中できるだけよいとも言える。若干音の光沢にくどさがあり、少し聞き疲れる感じもあるが、総じて解像度高めにこの曲を楽しめる。
【5】総評「明るい高解像度サウンドが好きなら候補になり得る。コスパは高い」
音質的には中高域以上に注力している感じがあり、明るい光沢感と清潔な音場、ディテール感の細かい音を楽しめる。一般に低域には不足が感じられると思われるのが欠点で、付属イヤーピースの質感的にも密閉性を確保しづらいところがあるので、低域がほしい場合はイヤピ交換が必須かも知れない。EDMやテクノ系が好きでとくに高域のディテールにこだわるタイプの人にはかなりおすすめ。
まとめ
- 清潔感のある音で風通しがよく、解像度も高い
- aptX HDに対応し、通信品質やバッテリー性能も充分満足できる
- やや聞き疲れしやすい
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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。