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【完全ワイヤレスイヤホン Tronsmart Spunky Beat レビュー】爽やかに抜ける清潔感のある高域、ほどよいアタック感のある中高域が魅力の完全ワイヤレスイヤホン。おすすめ

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Tronsmart Spunkyk Beat

Tronsmart Spunkyk Beat

Tronsmart スパンキービート Bluetooth TWS イヤホン APTX とワイヤレスイヤフォン QualcommChip 、 CVC 8.0 、タッチ制御、音声アシスタント

 

 

【0】海外(主に中国)で人気の機種らしい

 この機種、日本のamazonでは取り扱いがないのですが、中国本土では結構人気の機種らしく、目にとまりました。低価格でQCC3020を搭載しているということで、ちょっと興味を持ったので注文してみました。

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感は良い。通信品質も良好で荒れも少ないが、クセがある」

おすすめ度*1

Tronsmart Spunky Beat

ASIN

amazon登録なし

スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間

7h/24h

Bluetoothバージョン 5.0
対応ワイヤレスコーデック aptX/AAC/SBC
防水性能

IPX5

音質傾向

フラット、清潔感がある、抜けが良い、ボーカルフォーカスが良い、薄味、爽やか、清楚、見通しが良い、聞き疲れしにくい、シンシン

 丸みを帯びたハウジングデザインで装着感は悪くありません。軽量です。遮音性もそこそこです。

 

 通信チップはQCC3020です。対応コーデックはaptX/AAC/SBC。ONKYO GRANBEATHiby R6 Proにつなぎ、新宿駅周辺でテストしました。

 駅のホームで電車に乗り降りするときにまれに途切れを感じましたが、基本的には安定度が高く、改札やバスロータリーなどの通信が途切れやすいところ以外では安定しています。比較的人が多かった駅構内でも途切れる感じはなく、かなり安定している印象を受けました。街中でも途切れません。家庭内ではまず途切れることはないでしょう。

 通信品質的にはこの価格帯ではかなり優秀な方であると考えられます。またQCC3020独特の接続が荒れる感じもほとんどありません。

 なおこの機種は接続相手が通話プロファイルに対応してない場合、一定時間で勝手に切断して電源OFFするという仕様になっており、スマホや純正Android DAP以外とは相性が悪いです。

 

テスト環境

 今回のテストはONKYO GRANBEAT、Hiby R6 Pro、Astell&Kern KANNで行っています。

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【2】外観・インターフェース・付属品「充電コネクタは内蔵式とType-Cです」

 付属品はイヤーピースの換え、充電用USBケーブル(Type-C)、専用充電ケース、説明書です。

 

 充電ケーブル内蔵式ですが、Type-Cの充電口もついています。外出先では内蔵ケーブルを、普段はType-Cをと使い分けできるようになっています。

 

Tronsmart Spunky BeatTronsmart Spunky Beat

 

【3】音質「フラット系に近い見通しの良さを持ち、ほどよく清潔で、少しアタックは強いノリの良い系統の音」

 今回は標準イヤピの中で、Lサイズを使ってレビューします。

 まず音質的な全体像を確認すると、清潔な見通しの良い音で、中高域から高域にかけてが少し清潔にすっきり聞こえてきます。低域は薄味かと思いましたが、曲をいろいろ聴いてみると、あまり量感を強調しないながらも、胴鳴り感は結構出してくれるので、床面にほどよい支えが感じられるようになっています。低域の傾向はややタイト傾向ではありますが、パンチでアタックを出し過ぎないほどよいマイルド感があり、厚みも少しあるので、深掘り感はそれほどなく、かといってそれほど浅い感じでもありませんが、浮き上がりは良くリズム感のスピードは良いように思われます。全体的に見渡すと、音は少し細めで中高域から高域で手がかりが多いように感じますが、アタックはほどほどで押し込みすぎない適度なバランス感覚を感じます。なるほど、聴き心地は安定していて、解像感もあって音場もほどよく広く聞こえるので、これは悪くない気がします。

 各音域を確認していきますと、まず低域ですが、一番深いあたりは比較的清潔で、ベース音はラインが比較的明瞭で、ブンブン感は強くない印象です。やや明るい感じです。バスドラムのキックもトントンというくらいの優しいタッチで、しかもまとまりよく比較的明瞭に聞こえます。ドラムは胴鳴り感は少し強めに感じ、本体の振動感はかなり感じられますが、床鳴りは相対的に静かでクリアでモニター的な印象を受けます。ボディの厚みはあり、肉がほどほど詰まっている感じもあります。色味は明るく見通しが良い感じで、厚みがある分ややブーミーとも取れますが、どちらかというとレイヤー感のある透明な低域に近いでしょう。人によっては少しボワつき気味に感じるかもしれないといったところでしょうか。低域弦楽は少し浅いですが、胴鳴り感があるので沈み込みが良く、透明感がある音に聞こえると思います。基本的には低域ジャンキーを満足させるほどの深みや重みはないでしょうが、ディテールはなかなか悪くない気がします。

 中域はほどよく清潔感があり、中高域に向かって前傾しているように聞こえます。ピアノや弦楽がほどよく後退しており、シンバルやギターのつま弾きがボーカルとともに前面に出てくる感じになっています。とくにシンバルの白い、輝きすぎない刻みの良い清楚な味わいはなかなか魅力的で、シンシンシツシツとした静寂感のある音はかなり気持ち良いです。中域が充分に清潔なので、こうした中高域の手がかりの多い音が色味やアタックは必ずしも強くないのに、丁寧に響いてくる感じがあります。この清潔な空間ではスネアも少し目立って押し出されて聞こえてきます。

 中高域は一聴した印象では少しアタックが強いように思われましたが、ボーカルのツ音がそれほど尖らないことや、聴き心地がマイルドなことを考えると、楽器音のアタックが強いのではなく、むしろ空間の清潔感が高いと解釈するのが適切に思えました。中域のところで述べたように、中高域から高域にかけての音は清潔な中域に対して前面に出てきて、少し派手に手がかりを強調しますが、色味は強くなく、適度に淡い聴きやすい感じがあります。輪郭がパリパリする感じもあまりなく、どちらかというとシルキーでスキッとした音の抜けがよい印象を受けます。

 

 総合すると、フラットで見通しが良く、少し高域方向がすっきりしながらも目立つ、明るい開放的な表現が特徴です。音は少し拡散的で、音場の横幅は広く、高さも感じられるはずです。しかし意外とフラットなようなので奥行きはそれほどでもないかなといった印象を受けます。少なくとも吸い込まれる感じはありません。

 かなり緻密で手がかりが多い感じになりますが、アタックが強すぎたり、色味が強すぎたり、ボーカルが尖りがちになる、低域がうるさいといった聞き苦しい要素はあまりないので、意外と万能に聴けます。全体のバランスを考えると、やや中高域以上で手がかりが多すぎる気もするので、情報量の点で聞き疲れしやすい可能性もありますが、基本的にはクリアで清潔に音像を丁寧に味わえる系統のイヤホンです。音は現代的で、どちらかといえばアニソンのような明るい曲が得意そうです。

 

音質因子評価
音質因子 評価
鮮やかさ
(鮮やか/色味が薄い)
普通。中高域は少し鮮やかめに目立つが、全体の印象はどちらかというと清潔で淡い。

鋭さ

(鋭い/鈍い)

やや鋭い。エッジ感は少し強調されて聞こえる。
明るさ
(明るい/暗い)

やや明るい。空間は少し清潔で開放的で明るめ。

派手さ
(派手/地味)
やや派手。中高域で緻密に音を出す感じはあり、やや派手な印象を受ける。
硬さ
(硬い/柔らかい)
普通。高域で少し筋立つだったり粒立ちを強調して少し手がかり多くて硬いかなと思えるところもあるが、抜けは良く滑らか。
尖り
(尖っている/丸みがある)
やや尖っている。全体像を見ると、少し音が細く伸びる感じがある。
穏やかさ
(穏やか/騒々しい)
少し騒々しい。わずかに音数は多めでガチャガチャする感じはあるかも知れない。
力強さ
(力強い/嫋やか)
普通。少しアタックが強く思えるが、パワフルさは中高域のアタック中心でそれほど強くない。
豊かさ
(豊か/貧弱)

普通。音数的、ディテール的な情報量が多いという意味で豊かな傾向の音で、太く広がりが豊かな感じではない。

太さ
(太い/細い)

やや細い。音は少し細めに聞こえる。

手触り
(ざらざら/滑らか)
ややざらざら。中高域で手がかりが多く、少しザラザラ感があるが、抜けはシルキー。
粒感
(きめの細かい/粗い)
ややきめの細かい。中高域以上は繊細で拡散的に分離感を出すところがあり、情報量は少し多い。
清潔感
(澄んだ/濁った)

澄んでいる。全体的に淡泊で清潔系に聞こえやすい。

潤い
(潤いのある/乾いた)
やや乾いた。音は少し硬く、カリカリシャリシャリしている感じがあり、少しドライに聞こえる。
重さ
(重い/軽い)
やや軽い。低域の引き締めは強くなく、高域の浮揚力が少し優勢で、重心は少し高い。

 

ボーカル因子評価
ボーカル因子 男声 女声
澄んでいるか
(澄んでいる/濁っている)
澄んでいる 澄んでいる

明るいか

(明るい/暗い)

明るい 明るい

伸びやかか

(伸びる、突き抜ける/天井感がある)

伸びやか やや伸びやか

潤っているか

(しっとりしている/乾いている)

やや乾いている やや乾いている

太いか

(太い/細い)

やや細い やや細い

濃いか

(濃い/薄い)

やや薄い やや薄い

子音が強調されるか

(目立つ/目立たない)

普通 普通

 

空間因子評価
空間因子 評価
主に中域の密度
(ぎっしり/スカスカ)
スカスカ
主に高域の高さ
(抜けが良い/天井感がある)
抜けが良い
主に低域の深さ
(深掘り感がある/浮き上がりがよい)
普通
主に中域の奥行き感
(前進的/後傾的/前傾的/後退的)
やや前傾的
主に低域と中域の横幅
(広い/狭い)
広い
定位感
(頭内的/頭外的)
やや頭外的
分離感
(拡散的/密集的)
やや拡散的

 

美点
  1. フラットで見通しが良い
  2. 音場に開放感があり、横幅は広い
  3. 爽やかで抜けの良い音
  4. 清潔感がある
  5. ボーカルフォーカスが良い
  6. 聞き疲れしにくい
欠点
  1. 濃厚感に欠ける
  2. 奥行きは少し抑えめで立体感は思ったよりない
  3. 全体的に薄味

 

[高音]:高域の高いところは清潔で透明な感じがあり、たとえばシンバルの空気感はシャーンよりシーンとした感じで、思ったより強く高さが強調されないが、中域と中高域が比較的清潔なので、高域の高さは印象的には高い。しかしよく仔細に聴いてみると、ボーカルの子音はそれほど尖らず、息感も見た目の清潔さほど強調されていないので、スーハーする感じも強くなく、自然な高さで抜けているようである。この透明感のある高域の利点は音量を上げても音が過酷になる感じがなく、すっきり感が維持されて聴き心地に安定感があることである。

 中高域は中域に比べて前進しているが、アタックはそれほど強くないらしく、スネアはかなりアタックを感じるが、弦楽や管楽などは前傾しすぎずにどちらかというと角度が緩く高く伸びている感じがある。手がかりは少し多く出すところがあって、中高域は音数的にはやや多めに聞こえるので、ボーカルすぐ上くらいに少し音が集中する感じがあり、人によってはガチャガチャ感を感じる可能性があるが、それもあまりアタックが強くなく、色味に派手さもあまりないので、相対的に聴き心地は良い(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中域は基本清潔で、中域下のパンチが少し厚みを感じさせるが、中高域に向かって伸びやかに音が浮き上がりながらつながっていく感じに聞こえる。そのため中域全体の印象は少し上昇気流が感じられるアタック感のあるものとなる。ピアノ音は深さよりはガラス質の光沢感成分をやや多めに聴かせる、少し浮き足立った艶やかな感じになり、スネアはややアタック強めに浮き上がる。

[低音]:100hz~40hzまで明るめのボーッとした振動。30hzで沈み、20hzでほぼ無音。基本的に少し明るい低域の印象を受け、たとえばベース音は少し明るくラインを聴かせ、重みはそれほどなく、ブンブン感も抑えめに聞こえる。バスドラムのキックもあまり重くなく、トントンくらいで床に踏み込みすぎないタッチに思え、床面の鳴動も少なめ。相対的に胴鳴りは結構聞こえて少しドラムは豊満に思えるが、それもボワつくというほど膨らみを強調する感じでもない。低域弦楽はやや明るめで浅い感じがあるが、胴鳴りはドーンと出るので、深掘り感はそれなりにあり、透明感が少し高い音に聞こえる。ビヨンビヨンとゴリゴリの間でグォングォンくらいの床に響かせすぎない、中庸な深みの表現に思える。低域は曲が強調している場合以外は基本的に支配的にならないはず。比較的透明度が高く、ディテールが良いように思えるので、レイヤー系の深さがわかりやすいモニター的な低域が好きなら魅力的に思えるはず(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:全体の印象はフラットに聞こえる。基本的には清潔系で音の粒立ちや透明感を重視している印象で、色味を出し過ぎずに音像を丁寧に聴かせる印象を受ける。音は拡散的で少し情報量が多いタイプだが、アタックや派手さは適度にあるので、ボーカルフォーカスや楽器のグルーヴ感は分かりやすく、リスニング的な感触は掴みやすい(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムはややスネアのアタックが強めで、スナッピーさがあってバシバシッバツバツッと粘る音が強めに目立つ感じはある。リズムの印象はバスドラキックよりはスネアの鼓面が激しく曲を疾走させていく感じが少し強いだろう。胴鳴りも一定程度あるので、意外と分離感が強調されすぎる感じもなく、実体感があるので、ビシバシしすぎてタイトすぎる感じもない。アタック強めのバチンバチンないしバツンバツン。ハイハットは清潔系でチンチンしたあたりはあまり聴かせすぎず、むしろシンシンした高いところをやや透明に聴かせる。ハイハットはそれ単体では輝きを抑えたおとなしい色味に思えるが、ドラムセットの中では一段高めに浮き上がって聞こえるので、高さを感じやすい。全体的にドライで酸味の利いたスパイシーな感じに聞こえ、ロック向きに思える。(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルはコクはあまりなく、やや薄く聞こえやすいところはある。しかしボディがあまり濃くないわりに子音や息感の強調も少なめで、息感にスーハー感はあるものの、それが強く出る感じはなく、透明にスーッと抜けている感じに聞こえる。そのためボーカル全体は芯が立った伸びやか系に聞こえつつ、そののびやかさを露骨に上で強調して臭みを出す感じがなく、透明にスーッと空間に抜けてくれるようなナチュラルさがある。女声ボーカルも上昇圧があるので少し媚びる感じは出るが、すぐに透明になって伸びるので、ギャンギャン吠える感じになりにくい。

 

【4】官能性「清潔で抜けが良く、聴き心地が良い」

水瀬いのり「アルペジオ」(vs Nex Q70)

アルペジオ

アルペジオ

【GRANBEATで鑑賞】少しキラキラする派手めの曲でボーカルも上昇圧がありますが、このイヤホンはほどよくすっきりした感じであまり輝かせすぎない感じで清潔に聞こえます。音場は清潔系で、低域から中域が少し離れていて、整理された感じがあり、高域方向も開放的で音が抜けていくので、ボーカル周りは清潔です。そのボーカルもあまり子音を強調せず、息もスーハーさせすぎない透明な感じで聴きやすく、爽やかな印象で聞こえます。

 

 さて、同じように清潔系の音であるNex Q70と聴き比べてみますと、まず低域はQ70のほうが少し厚ぼったく、中高域の色味ももう少し濃い目で中域がSpunky Beatより少し密度感が高い印象を受けます。そのため、同じ清潔系の音とはいえ、電子音の輪郭感は強く、キラキラ感がより濃くはっきり聞こえ、ボーカルも媚びた甘味がより強くキャピキャピしている感じがあります。Spunky Beatの音が清楚系だったとすると、こちらはもう少し甘ったるい感じで聞こえます。

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 最終的にはSpunky Beatの清潔で抜けの良い開放的な感じが好きか、同じ清潔系でももうちょっと媚びたキラキラ系の音が好きかという感じになりそうです。解像度的にはQ70のほうが音の輪郭がしっかりしてるので、解像感高そうに思えますが、私の好みはこの曲の場合、Spunky Beatの清潔系の感じが好きかなぁってところです。電子ドラムがSpunky Beatの方がスパッとキレてる感じがするのも大きいです。一方で比較的薄味のQ70よりSpunky Beatはさらに薄味に聞こえるので、人によっては充実感が足りないと思えるということはありそうです。

 


BLUE COMPASS【初回限定盤】

 

Fire Bomber「New Frontier」(vs Ephram K7)

New Frontier

New Frontier

【KANNで鑑賞】この曲はかなり淡泊に聞こえます。ドラムやギターは清潔系で透明に伸びている感じがしますし、ボーカルは少し透けるくらいに聞こえます。低域もドラム音とベースの分離が良く、少し透明にレイヤー感を出してくれるのでモニター的に楽しめます。それでいて、スネアのアタックやエレキギターのディストーション、ハイハットの粒立ちはしっかり味付けされて聞こえてくる感じがあるので、リスニング的なノリの良さも失われていません。色味は淡く、すっきり系です。

 ちなみにKANNで音楽再生してたら3,4分程度で勝手に電源OFFすることに気づきました。通話機能のないDAPとの相性は悪いようです。

 

 さて同じようにさっぱり系に属するかも知れない音を持っているEphram K7と聞き比べてみます。ぶっちゃけK7はレビューでも述べましたが、アタックが強すぎる感じがあり、スネアのビシバシ感やシンバルのカリカリ感を強く出し、ボーカルは妙に子音が尖る媚び媚びな上昇圧をかけて聴かせる感じがあるので、小音量なら「手がかり多くていいですね」くらいですが、音量上げると音楽がピーキーな感じになりやすいんで、個人的にはやややりすぎかなというラインなんですが、通信品質は良いですし、人によってはまあおすすめできるかもしれない機種です。アタックがあるので、場合によって音場も奥行きは広く感じられるでしょう。

 実際K7のコンセプトは分かりやすく、この曲の場合ドラムをカツカツに近いぐらいスナッピーにアタック強く聴かせて、シンバルもチャリチャリカリカリ感強めに派手に輝かせて目立たせる感じです。色味はほどほど濃く、解像感はあり、意外と悪くないようにも思えますが、私の好みとはちょっと違う感じです。それでも印象的には私の比較的好きな機種であるFAudio Passionなんかに近い感じもあり、意外と悪くないとも思ったりする、個人的にはなんとも評価しづらい機種です。音場的にはもっと大胆にアタックを出しているPassionに比べて詰まった印象を受けるので、開放感は比較になりませんけれども。

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 まあそういうわけで個人的な結論としては、どちらかというとSpunky Beatの清潔感のある爽やかな出し方の方が音の方がセンスが良いと思うのですが、一方でK7のアタック強めで派手めでかっつり感もある音も、この曲はなかなか気持ち良いと思えるところもあります。ただしこの感想の要因としては、K7の、妙に前に出てきてシャンシャンチャリチャリうるさいシンバルが、個人的にあまり好みじゃない点が、おそらく大きいと思います。

 


マクロスダイナマイト7 DYNAMITE FIRE!!

 

TVアニメ「放課後さいころ倶楽部」EDテーマ「On the Board」(vs BOMAKER SiFi)

On the Board

On the Board

【Hiby R6 Proで鑑賞】さて、この曲もかなり爽やかめに聴かせます。具体的にはピアノや弦楽の色味はかなり淡い感じがあり、透明感が強めで、シンバルの粒立ち感が輝きは強くないのに、ピアノや弦楽に埋もれずにシャンシャン清潔な色でしっかり聞こえてきます。ボーカルは媚びを抑えて甘味はほどほどの薄味気味ですが、逆に思春期らしい清潔感のある声色で、息感も透明で無理に伸びている感じがありません。ボディは薄いのに子音も尖らず滑らかです。全体的に清潔感強めの薄味すっきりサウンドで爽やかに聴かせてくれ、ドラムも軽やかな感じでしつこさがありません。

 

 さて同じ価格帯で同じくQCC3020対応のBOMAKER SiFiと聞き比べてみます。SiFiは比較的低域がしっかりしていて、色味が濃い感じがありますが、一方で高域も意外と清潔で透明感があり、高さはそれほど強く感じさせないものの、抜けはよいという特徴があり、この曲でもボーカルにコクを出してボディをしっかり感じさせ、ドラムの胴鳴り、床鳴りも味わわせてくれるので安定感がしっかりしています。それでいて、高域では少し爽やかでボーカルはちょっと息感の伸びを感じさせつつも、子音にあまり尖りを出さないというなかなかよい調整です。

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 まあ好みが多分にあると思いますが、あえてどっちが気持ち良いかというと、個人的にはSiFiです。決め手はドラムの胴鳴りの確かさと、ピアノ音がしっかり濃く聞こえるかという充実感、ボーカルのコクのある甘味です。コントラスト感もSiFiのほうが高いので、メリハリも良い印象を受けます。最終的には好みですが。

 


TVアニメ『放課後さいころ倶楽部』エンディング・テーマ「On the Board」

 

【5】総評「清潔に分解能高めに聴きたいなら有力候補」

 少なくとも音空間は清潔で、淡い薄味気味ですが、上から下までしっかり聴かせ、音場も広いので分解能は高い印象を受けると思います。音量を上げてもうるさくならず、清潔な感じの音が好きなら、かなり魅力的に思えると思います。一方で、清潔すぎて色味が淡泊なところがあり、低域も透明系の音なので、うるさい場所では音楽が聞こえづらいということもありそうです。ある意味音楽をかけていても外の音が聞こえやすいという意味では美点にもなりえるかもしれませんが。

 通信品質はかなり安定している印象を受けましたが、相性問題があるのが気になります。

 

まとめ
  • 清潔で淡泊なさっぱり味の音
  • 爽やかで抜けが良く、しかも滑らか
  • 通信に相性問題がある

 

Tronsmart Spunkyk Beat

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

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