レコーディングシグネチャーとは何ですか?
私がブログ上でレビュー記事を書くときには、気分などによる聴感上の誤認をなるべく無くしたり、音楽に入り込みすぎないよう、録音音源を必ず確認するようにしています。その録音確認用の音源を少し加工し、なるべく適切に試聴できるように調整したのがレコーディングシグネチャーになります。レコーディングシグネチャーは一般に、私の環境で出力された1khzのトーンが-35dB程度で入力されるような音量レベルで調整されております(初期の一部の音源は-30dBになっており、少し異なります)歪み率の測定値などを考慮しておおよそ最適な聴取音量に合わせて録音されたものを-23LUFSにラウドネスノーマライズしています。
レコーディングシグネチャーは測定機材に合わせた自由音場補正が適用されており、フラットな特性を持つ再生機器で比較的実際の聴感に近い音域バランスで各イヤホンやヘッドホンを聴けるようになっています。
レコーディングシグネチャー推奨イヤホン&ヘッドホン
以下にレコーディングシグネチャーを聴く際におすすめするイヤホン/ヘッドホンを列挙します。音質的には自由音場フラットに近く、自然な質感に近いダイナミックドライバー型のイヤホンが向きます。
レコーディングシグネチャーを利用することで、短期記憶に頼らざるを得ない一般的な店頭などでの試聴体験以上の情報をかなり客観的に理解することが出来るようになっています。是非活用してもらいたく、今回はレコーディングシグネチャーの利用ガイドを執筆致しました。
自由音場補正の有効性については以下の記事を参考にして下さい。
原曲と+5dB上げたものがあるのはなぜですか?
一般的に音響機器の音は1khzを基準に音量レベルが調整されます。しかし、イヤホンやヘッドホンはその原理上完全にフラットな音にすることはできません。そして多くの場合、多かれ少なかれ1khzが周波数特性の縦軸の低い位置にあります。このことにより、必然的に1khzでイヤホン/ヘッドホンを音量調整すると、多くの帯域で実際より音量レベルが高くなり、原曲より印象が良く、実際より明るく明瞭に聞こえる可能性が高いです。
そこで原曲を1khz基準で5dB音量レベルを上げたものを用意し、音像の全体印象の差を軽減することで、より実用的で実際に近い比較ができるようになっています。
ただし、場合によって原曲そのままと比較した方がよりわかりやすい場合もあるため、両方の音源が掲載されています。必要に応じて使い分けてください。
以上は古い仕様での説明です。2021年12月時点では、当ブログではラウドネスノーマライズを適用することで原曲と録音音源の心理的な音量感を等しくしています。
これからもレコーディングシグネチャーをどんどん進化させていく予定です
現状ではまだまだ至らないところも多く、もしかするとまだ満足に皆様を楽しませていないかも知れないレコーディングシグネチャーですが、これからも鋭意改良を進め、よりヘッドホン・イヤホンの印象がわかりやすく試聴できるよう工夫を進めていきたいと思っています。
盛り込んで欲しいアイデアなどがありましたら、是非気軽にコメント下さるか、メールなどで教えて下さい。改良の参考にさせて頂きたいと思います。
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