CatEar Mia 8mm Single Dynamic Driver In Ear Earphone
- 基本スペック
- パッケージ
- 装着サンプル
- 音質
- レコーディングシグネチャー
- 録音機材
- GENS D'ARMES(ロック系)
- Sophisticated Fight(ロック系)
- TO MAKE THE END OF BATTLE(ロック系)
- 白き魔女(クラシック系)
- 小さな英雄(クラシック系)
- 淡い恋 ~Too full with love~(クラシック系)
- FEENA(EDM系)
- The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
- Sophisticated Fight(JAZZ系)
- ケノーピ火山(JAZZ系)
- 浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- QUATERA WOODS(OST系)
- 幻の大地 セルペンティナ(OST系)
- 愛を感じていたい「終焉」(ポップス系)
- 魔王ヴェスパー(OST系)
- 花と風のうた(JAZZ系)
- 総評
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「フラッシュレビュー」はデータ中心の簡潔な内容で、ポイントを絞ってオーディオ製品を解説します。
今回取り上げる中華イヤホンの機種はCat Ear Audio Miaです。
C.E.A(Cat Ear Audio)は、Shunshi(深圳)Technology Co.、Ltd.のサブブランドであり、原音忠実性の高いイヤホンやオーディオギアの開発を目的としています。 このブランドには、音響構造設計、音響システムのチューニング、および高忠実度のケーブルチューニングを行える専門チームがあります。 このブランドは高品質かつ自然でリアルなサウンド出力を持つ製品を提供することを目指しています。
このブランドは今年2020年7月に、中国本土で最初のインイヤーモニター(IEM)モデルであるCat Ear Audio Miaを発売し、中国国内で多くの注目を集めました。
audio-sound @ hatenaはこの機種を「audio-sound @ hatena Highly Recommended」として、大多数の人にとって満足度が高いオーディオ製品であると推奨します。
基本スペック
- 周波数特性:16Hz~22kHz
- インピーダンス:16Ω
- 感度:105dB
- ケーブルコネクタ:mmcx
パッケージ
パッケージは10000円台という価格を考えるとそれなりに上質です。
本体のビルドクオリティも良好で、ケーブルクオリティは価格の標準クラスですが、取り回しが良好で絡まりにくくなっています。ただしタッチノイズは少し多いです。
装着サンプル
耳への収まりは良好です。
音質
測定機材
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- オーディオインターフェース:ROLAND Rubix 24
- アナライザソフト:TypeDSSF3-L
※イヤーシミュレーターの特性上、20hz以下と16khz以上の信頼性は高くありません。
周波数特性
上から順に、
- [標準イヤーピースS装着時]左右別
- [標準イヤーピースS装着時]左右平均
- [標準イヤーピースS装着時]左右別(自由音場補正済み)
- [標準イヤーピースS装着時]左右平均(自由音場補正済み)
※当ブログの自由音場補正については機材に合わせてサザン音響さんから提供された補正値を使用しております。
全体を見るとかなりフラットに近いU字型といった感じです。低域は少し隆起していて、ウォームな傾向を持っています。
THD+N特性
上は周波数帯域ベースのTHD+N特性、下は1khzでの音量レベルTHD+N特性です。THD+N特性はおおむね1%以下で、満足できる品質です。
vs TANCHJIM HANA
Miaと同じ価格帯で「低歪み」を公式に宣伝文句として表明しているTANCHJIM HANAと比較します。さすがにTANCHJIMの高磁束ドライバーのTHD+N特性は素晴らしいです。
音質解説
Miaは原音忠実性の高さを謳っていますが、実際のところフラットに近いウォームサウンドで原曲の雰囲気をよく再現してくれるイヤホンであることは間違いありません。ただし分析的ではないので、モニター的なサウンドというよりはリスニングライクで中域の自然な響きを重視しているという意味での原音忠実と捉えるべきでしょう。
低域は深いところでノイズ感のある自然な重みのあるライブサウンドで、質感的にもかなりナチュラルです。やや熱気が強いですが、中域はそれほど濁りません。エレキベースは自然な黒みとエッジ感を持っており、バスドラムキックもどちらかというと重厚ですが、重すぎないバランスです。低域の輪郭感は若干あいまいでどちらかというとブーミーな雰囲気があります。低域弦楽も自然な膨らみと濃厚感を持っており、やや柔らかみのあるサウンドで聞こえます。
中域はボーカルが少し浮き上がって前に出てくるバランスになっていますが、声質はナチュラルで中庸です。ボディやディテールのバランスもよく、少しだけフォーカスが強いですが、適度に楽器に囲まれていて、ボーカルは孤立的ではありません。ピアノやアコースティックギターは温和で音に抱擁感と濃厚感のあるサウンドになっており、中域には充実感があります。
高域は少し手がかりが強調されますが、中域を引き立てる適度な輝度を維持しており、超高域の抜けは自然で、音場の開放感は中庸なバランスに聞こえます。高域は少しギラつき、シャープな傾向がありますが、分析的な雰囲気や派手さは抑えられており、中域の抱擁感に配慮されています。
全体として少しウォームなリスニングライクサウンドになっており、ポップスやバラード、アンプラグドな曲によく似あう、少し温和なボーカルホンです。
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。ソースはFiiO M15を用いています。イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使い、ゲインは高設定です。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
録音機材
- SAMREC HATS Type2500RSシステム:HEAD & TORSO、Type4172マイクX2搭載
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- オーディオインターフェース:ROLAND Rubix 24
- レコーディングソフト:Audacity
GENS D'ARMES(ロック系)
GENS D'ARMES / イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック / Copyright © Nihon Falcom Corporation
Sophisticated Fight(ロック系)
Sophisticated Fight / 空の軌跡ざんまい / Copyright © Nihon Falcom Corporation
TO MAKE THE END OF BATTLE(ロック系)
TO MAKE THE END OF BATTLE / Ys Ⅰ&Ⅱ ベストサウンドコレクション / Copyright © Nihon Falcom Corporation
白き魔女(クラシック系)
第3部「白き魔女」: 白き魔女 / 交響曲「ガガーブトリロジー」 ~白き魔女~朱紅い雫~海の檻歌~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
小さな英雄(クラシック系)
第3部「白き魔女」: 小さな英雄 / 交響曲「ガガーブトリロジー」 ~白き魔女~朱紅い雫~海の檻歌~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
淡い恋 ~Too full with love~(クラシック系)
淡い恋 ~Too full with love~ / イース・ヒーリング / Copyright © Nihon Falcom Corporation
FEENA(EDM系)
FEENA / PROVINCIALISM Ys / Copyright © Nihon Falcom Corporation
The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
The Silver Will -ギンノイシ- / 空の軌跡ざんまい / Copyright © Nihon Falcom Corporation
Sophisticated Fight(JAZZ系)
Sophisticated Fight / 英雄伝説 空の軌跡FC&SC スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
ケノーピ火山(JAZZ系)
ケノーピ火山 / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
浮遊大陸アルジェス -Introduction- / Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008 / Copyright © Nihon Falcom Corporation
QUATERA WOODS(OST系)
QUATERA WOODS / イースVI -ナピシュテムの匣- オリジナル・サウンドトラック / Copyright © Nihon Falcom Corporation
幻の大地 セルペンティナ(OST系)
幻の大地 セルペンティナ / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
愛を感じていたい「終焉」(ポップス系)
愛を感じていたい「終焉」 / オリジナル・サウンドトラック 「海の檻歌」~後編~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
魔王ヴェスパー(OST系)
魔王ヴェスパー / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
花と風のうた(JAZZ系)
花と風のうた / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
総評
Cat Ear Audio Miaはウォームで聴き心地が良く、バランス感覚に優れ、アコースティックな自然で充実した質感のサウンドを持っています。温和で豊かなサウンドは温かみがあり、みずみずしい抱擁感と甘みがあります。イヤホン本体のビルドクオリティは文句ないものの、CatEar MiaについてのHiFiGOのレビューでも述べられていましたが、ケーブルはこのIEMの唯一の弱点になりえます。
CatEar Mia 8mm Single Dynamic Driver In Ear Earphone
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