Shuoer Conductor Electrostatic DD+2BA+4EST Tribrid Flagship In-Ear Earphones
免責事項
- このレビューはShuoerから誠実な品質レビューを読者に伝えるために貸し出されたサンプルに基づいて書かれています。
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こんな人におすすめ
- かっつりした少し硬めの音が好き
- 分析的なモニターフラットサウンドが好き
- ディテールサウンド重視
Shuoer Conductorの概要
「アウトラインレビュー」は製品の概要を簡潔に紹介するレビューシリーズです。今回取り上げる製品は「Shuoer Conductor」です。
Shuoer Conductorの完全なレビューはこちらにあります。
基本スペック
- 周波数特性:20Hz~30kHz
- インピーダンス:8±2Ω
- 感度:104dB/mW
- ケーブルコネクタ:2pin 0.78mm
- 価格帯:50000円~100000円
audio-sound @ hatenaはこの機種を「audio-sound @ hatena Highly Recommended」として、大多数の人にとって満足度が高いオーディオ製品であると推奨します。
Shuoer Conductorの特徴
- フラッグシップドライバーモデル:
ShuoerのフラッグシップインイヤーモニターモデルであるConductorは、ヨーロッパのドライバーメーカーSonion社の最新の静電型(EST)ドライバーを搭載しています。
このEST65QB02は、独自に開発したトランスを搭載し、4つのウルトラナノメンブレン静電型トゥイーターを駆動することで、高音域を人間の耳で知覚できる範囲を超えて拡張することができます。
Knowles WBFK 30095スーパートゥイーターとSonion 2389デュアルバランスド・アーマチュアとの組み合わせにより、Conductorは非常にまとまりのある、細部まで行き届いた、絹のように滑らかな高音域レスポンスを実現しています。
Shuoerが自社で製造した10mm液体シリコンダイナミックドライバーは、深みのあるパワフルな低音を出力しますが、減衰が早く、透明感のある均一な中音域レスポンスを実現します。これらのドライバーは、緻密に計算された3ウェイクロスオーバーシステムと3つのサウンドボアを用いて、楽器の分離とステレオイメージを強調するようにまとめられています。
- ハーマンターゲットカーブ2019に基づいたバランスの良い出力:全体的なチューニングは、最近の2019年版Harman Curveをアップデートしたものですが、より良い低音のインパクトと、さらに届く高音の伸びを実現するために修正されています。Conductorは、透明感と生命感あふれる雰囲気が特徴の、快適でスムーズなリスニング体験を提供します。
- 医療用樹脂による快適性の高いイヤーシェル:Conductorの筐体には、生体用の補綴物や補聴器によく使用されるヨーロッパの医療用樹脂が使用されています。Shuoerでは、より強力な紫外線照射と長い処理時間により、快適な装着感を保ちながら、経年劣化に耐えうる耐久性の高いシェルを実現しています。厚みのあるシェルは、外耳道の密閉性を高め、外界の騒音を最大で26dB遮断します。
- 超高純度銅ケーブル:音質を最大化するために、カスタムの6N超高純度無酸素銅ケーブルがConductorとペアになっています。銅の自然な電気伝導特性により、中音域はより暖かく、より豊かな音色を生み出し、低音のパワーがさらに強化されます。Shuoer Conductorは、あなたのために最高のサウンドを準備してお届けします。
パッケージ
Shuoer Conductorのパッケージクオリティは価格の標準を充分満たしています。そのパッケージは凝ったデザインではありませんが、価格に見合った高級感があり、機能的でエレガントです。
Shuoer Conductorは標準で4.4mm/2.5mmバランスと3.5mmシングルエンド接続に対応しています。Shuoerの製品カタログも付属しています。
Shuoerの製品カタログは読んでいて非常に楽しいです。
ケーブルはファブリックコーディングされ、非常に高品質です。ただしタッチノイズは少し目立ちます。
パッケージ内容
付属品に不足はありません。パッケージには以下のものが含まれています。
- イヤホン本体
- 3種類合計8つのシリコンイヤーピース(S/M/L)
- フォームイヤーピース
- クリーニングツール
- 2.5mmバランス接続対応0.78mm 2pinケーブル
- 2.5mm→3.5mmSE変換アダプタ
- 2.5mm→4.4mm変換アダプタ
- キャリイングケース
ビルドクオリティ
Shuoer Conductorのビルドクオリティは精巧です。医療用樹脂が採用されたイヤーシェルは高品質に出来ており、内側から覗ける配線も丁寧に組み上げられています。
デザインに新奇性はなく、むしろ地味でさえありますが、全体的な造型に優れています。
装着サンプル
レジン製シェルは耳当たりが優しく、外耳道をほぼ完全に塞ぐことができ、密閉性は良好です。
イヤーノズルが少し長いので、人によってはイヤーピースは小さめの方が良いかもしれません。私はいつもより1サイズ~2サイズ下を使っています。
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ひとつひとつの楽器が手にとるようにはっきりと
演奏者の息づかいや指の動きまで見えるように
演奏されている空気感が目の前に再現されるように
そんなヘッドホンを愚直なまでに追求した
決して飾らない、現場が育てたプロユース・ヘッドホン
モニタリングと音楽鑑賞の共存を目指した音づくり
録音スタジオなどで使われているモニターヘッドホンの音づくりをそのまま皆様に。
肉声や各楽器の定位、音の粒立ちや輪郭、遠近感、広がりなどを、手に取るように聴くことが出来、演奏者やエンジニアの意図をストレートに表現する。
これがモニターヘッドホンの使命です。
しかし、モニター系の音はともすれば長時間の音楽鑑賞には不向きで聴き疲れしやすいといわれています。
SW-HP10Sは、これらのデメリットを感じさせず、モニタリング志向の本格的ヘッドホンをめざして作られています。
音質
音質総評
- 原音忠実度:A+
- おすすめ度:A-
- 個人的な好み:B
Conductorは私にとって完璧に近いサウンドであり、素晴らしいイヤホンです。しかし、それはより完璧に思えるいくつかのイヤホンと比べたとき、魅力を大幅に失います。
まず異次元のサウンドを持つShuoer EJ09が価格以上に思えたのに対し、Conductorは価格を考えると私には平凡な音に聞こえます。EJ09の圧倒的ディテール感とは価格差以上に思えるほど雲泥の差があります。それは同価格帯のAKG N5005よりも質感のうえで自然に聞こえますが、拡張性とダイナミズムに欠けます。質感の上では私には完璧に自然に近く聞こえるfinal A3000に劣り、わずかに退屈に聞こえます。
私自身些か当惑しています。周波数特性の上でも聴感の上でもConductorがかなり素晴らしいということは事実で、私の好みのサウンドに思えたのですが、なぜか私には深く響かず、それは価格なりか……もしかするとちょっと価格に劣るサウンドに聞こえます。
ですが、客観的に考えると、おすすめ度が高い水準であることは間違いありません。そのため、これらのランクは高くスコアリングしています。
しかし、見た目のスコアに比べると、個人的なおすすめ度ははるかに低く、これより1more ComfoBuds Pro(低域がConductorに劣るので本来であればより私の好みではないはずの機種)を買った方が総合的な音質的満足度が高いだろうとすら思っています。
音質的な特徴
美点
- バランスが良い
- かなり忠実なハーマンチューニング
- 拡散音場に基づく自然な響き
- 音像の均一性が高い
- 中域への適切なフォーカス
- ディテール感のあるサウンド
- みずみずしい中域
- 自然に近い質感
- 中域とよく釣り合っている高域
欠点
- 高域の拡張性に欠ける
- わずかに刺激的になりやすい高域
- ダイナミズムに欠ける
- クリア感に欠ける
総評
Shuoer Conductorはハーマンターゲットカーブにほとんど忠実な良質なチューニングと、静電型特有のきわめて品質の高い高域が特徴です。そしてバランス感覚もかなり優れています。
しかし、クリア感やマイクロディテール、拡張性のわずかな不足がこのイヤホンのサウンドを私には少し退屈で窮屈なものにしています。この印象が本当に客観的なものかどうかは保留すべき点もあり、オーディオスペック的に目立って劣るわけでもなく、むしろそれは優れてさえいると言える点も多いので、スコアにすると点数は良好でした。それでも、私個人としてはあまり妙味を感じなかった製品です。パッケージやビルドクオリティなどを総合的に勘案すると、おすすめ度は高いのですが、本心ではいまいち煮え切らない印象が拭えません。
Shuoer Conductor Electrostatic DD+2BA+4EST Tribrid Flagship In-Ear Earphones
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