中華イヤホンの品質は日々進化しています。現在は1万円以下でも十分な品質の中国製IEMが手に入るようになっており、オーディオファンがさらなるステップアップをする入り口となっています。
この記事ではお財布に優しい価格で、高品質なサウンドを提供するエントリーレベルの中華イヤホンを紹介します。
CCA CRA
低価格中華イヤホンで圧倒的な人気を誇るブランドの一つであるKZの姉妹ブランドCCAの最新中華イヤホン「CCA CRA」は2022年現在、最も注目を集めている製品の一つです。
CCA CRAの特徴は、低価格ではありえない3.8μの超薄型振動板を採用していることです。超薄型の振動板は一般に機敏で応答性能がよく、繊細な音楽の響きを再現できます。CCA CRAでは高域の伸びが改善され、7K~18Khzの高い周波数領域でも細部まで聴き取ることができます。さらに、アップグレードされたデュアル・マグネティック・ドライバー・スピーカーにより、低域がより際立ち、ボーカルと楽器音の分離が良くなりました。CRAに搭載された振動板の性能は、市場のほとんどの製品を上回るものです。
- 伸びやかでダイナミックなサウンド
- 深みのある低域
- 超薄型振動板の生み出す優れたレンジ感
CCA CRAについての記事
- CCA CRA:低価格ではありえない「薄さ」にこだわった複合ポリマー振動板採用のエントリーモデル - audio-sound @ hatena
- 中華イヤホン CCA CRA レビュー - audio-sound@premium
Cat Ear Mimi
インナーイヤー型で$15程度で買えるCat Ear Mimiはあまり知られていませんが、一部で非常に高い評価を得ています。
多くのレビュアーが言うところによると、中域の透明度が高く、明るい高域と合わさってディテール感のあるサウンドを持っているようです。廉価な製品ですが、パッケージもおしゃれでプレゼント用にも良さそうですね。
- 心地よいウォームサウンド
- 透明度の高い中域
- 高い解像度
Cat Ear Mimiについての記事
Tripowin Leá
Tripowin Leȧは、最新世代の液晶ポリマー(LCP)振動板ドライバーを採用し、優れたトーンバランスとオーディオの解像度を実現しています。このドライバーは、他社製の超人気モデルにも採用されている10mmドライバーですが、通常のサウンドチューブではなく、アコースティックチャンバーを設けることで、その性能をさらに高めています。音導管を排除することで、不要な高調波共振を抑えながら、よりリアルな音場と奥行きを実現しています。前世代の10mmダイナミックドライバーと比較して、このLCPダイアフラムは表面張力と抵抗がよりタイトになり、より素早いレスポンスと聴きやすい音質の改善を可能にしました。ダイナミックドライバーのカテゴリーにおいて、次世代の高解像度を実現します。
価格は3000円以下という廉価ながら、ハイエンドクラスに匹敵する解像度と低い高調波歪みのハイクオリティサウンドを持っており、辛口のオーディオマニアでも思わず唸らされてしまうことでしょう。
- ボーカルが美しい
- 透明度の高い中域
- 高い解像度
Tripowin Leáについての記事
- Tripowin Leá:10mm LCP ダイナミックドライバー搭載HiFi中華イヤホン - audio-sound @ hatena
- 中華イヤホン Tripowin Lea レビュー - audio-sound@premium
Moondrop Quarks
わずか2,000円程度で買えるドラムタイプのかわいいイヤホン「Moondrop Quarks」はしかし、丁寧なチューニングでなめらかかつ自然なサウンドを実現しています。6mm径のドライバーの振動板にはポリマー素材を用い、プレミアムレベルのネオジム磁石で構成された外部磁気構造、CCAWボイスコイルなど、低価格でも最高のパフォーマンスが実現できるよう最善のビルドが施されています。
MoondropはこのイヤホンのためにHRTF(頭部伝達関数)を参考にして細やかな調整を行い、広い音場と高解像度の明瞭さを実現しつつ、自然でナチュラルなサウンドが実現されるようチューニングに苦心を重ねました。とくに力を入れたのは高域の制振で、不要なリンギングを極力排除することで自然な倍音表現をもたらす、なめらかな周波数応答を実現しています。
- ボーカルが美しい
- 自然でなめらかな高域の抜け
- 自然な倍音表現
Moondrop Quarksについての記事
- 【HiFiGOニュース】すべての人に愛されるであろうエントリーイヤホン「Moondrop Quarks」リリース - audio-sound @ hatena
- Moondrop Quarksの海外レビューまとめ - audio-sound @ hatena
Astrotec Vesna
中華イヤホンブランドとしてはそれほど有名ではないAstrotecですが、一部では非常に高い人気を誇っています。その最新製品であるVesnaは、手頃な価格のパッケージのよくできた弾丸型イヤホンです。
Vesnaは非常にニュートラルかつ詳細なディテールを強調した明るいサウンドを持っており、モニター的な音が好きな人には優れたコストパフォーマンスを提供してくれるでしょう。低価格ありながら、iPhoneやスマートフォン用に使えるUSB Type-Cコネクタが付いているのも注目ポイントです。
- 分析的で繊細
- 明るくきらめく音
- 軽やかな音だが低音が少し薄い
Astrotec Vesnaについての記事
Geek Wold GK10
Geek Wold GK10は2021年、最も話題となった中華イヤホンの一つであることはすでに間違いありません。5000円クラスでありながら豪華な2DD+1BA+2ピエゾのトライブリッドドライバー構成となっており、$200クラスに匹敵するという衝撃的なインプレッションとともに、たちまち熱狂と議論を巻き起こしました。
オーディオコミュニティのほぼ全てが一時期このイヤホンに釘付けとなりましたが、その評価は最終的には分かれます。実力派のオーディオマニアはすぐにGK10の中低域にある弱点を見抜き、ビルドクオリティがチープな点からも、高い評価を下しませんでした。しかし、より一般的なオーディオファンはそのバランスの取れたリスニングサウンドを高く評価し、熱狂しました。
GK10の最大の功績はオーディオコミュニティに活気をもたらし、技術的で多様な情報がもたらされたことです。GK10はたしかに価格帯最高の製品ではありませんが、オーディオファンたちが寄せた信頼できる情報が集積されており、その製品の全体像は明らかになっているために、購入の判断材料に困ることはありません。そして、サウンドは快適なリスニング環境を求めるリスナーには最適と言えるバランスになっています。
たしかにそれは$200クラスに匹敵するかというと難しい機種でしたが、多くの人を熱狂させた魅力は結局のところ、コミュニティの多数の検証によりほぼ追認されています。温かみのある、少しゆったりした、充実度の高いリスニングサウンドが好きなら誰でも、GK10で熱狂することができ、それを愛おしく思うでしょう。
- 滑らかで温かみのあるサウンド
- 聴き心地が良い
- 軽量な装着感
Geek Wold GK10についての記事
- 廉価なトライブリッド5ドライバーIEM「Geek Wold GK10」 - audio-sound @ hatena
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- 中華イヤホン Geek Wold GK10 セカンドインプレッション - audio-sound @ hatena
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- Geek Wold GK10のベント穴問題について - audio-sound @ hatena
- 中華イヤホン Geek Wold GK10 フォースインプレッション - audio-sound @ hatena
- 中華イヤホンGeek Wold GK10 レビュー - audio-sound@premium
Kinera BD005 Pro
Kineraは価格帯に関係なく、常に素晴らしいサウンドとデザインを提供してくれる高品質なIEMメーカーです。BD005 Proは1万円以下という廉価な価格で、聴き心地がよくソリッド感のあるサウンドシグネチャーを提供しています。 Kinera BD005 Proは魅惑的で滑らかなトーンを生み出すことに成功した、暖かい音色を体験できます。
またKineraの優れた外観デザインはこの価格帯でも色褪せることはありません。BD005 Proのフェイスプレートは透けるように美しく輝き、耳元で燦然と輝きます。3通りの透明感のあるカラーリングから好みに合ったものを選ぶことができ、低価格でありながら高級イヤホンのような彩りを感じることができます。
- 繊細で明るい解像感のある高域
- 美しいフェイスプレートデザイン
- つけ心地が良い
Kinera BD005 Proについての記事
QOA Vesper
Kineraの姉妹ブランドであるQOA(Queen of Audio)は、1万円未満のVesperで姉妹ブランドに劣らない、非常に優れた品質のIEMを提供しています。ゆったりとしたホールのような音場感を持ち、質感表現ではVesperは価格以上のものがあります。低域が少し強調されたQOAらしいウォームサウンドがしっかりとしたインパクトと充実感を提供し、卓越したレイヤリングを実現しています。
また、Vesperの芸術的なフェイスプレートと工作精度の高い美しいケーブルは、1万円以下で手に入るIEMの中では、おそらく一番格好いいデザインであると思う人が多いでしょう。
- 温かみのあるウォームサウンド
- 美しいフェイスプレートデザイン
- つけ心地が良い
QOA Vesperについての記事
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Moondrop Aria
実力派オーディオマニアが高く推奨する製品を継続的に送り出してきたのがMoondropです。その安定した製造品質とオーディオマニア向きのニュートラルサウンドは、音楽に造詣が深いリスナーほど感銘を受けてきました。同ブランドの最新のエントリーモデルである「Aria 2」もそのチューニングスタイルと製造品質を十分に実現しています。逆に言えば、音質的に、一般的なリスナーには硬質できらびやかすぎるところもあるということです。
バランスが良く、詳細でディテール感があるクリスタルクリアなサウンドが好みで、とくにボーカルパフォーマンスで高い満足度を得たい場合、Aria 2は価格帯の「女王」と呼ぶにふさわしい、最高のエントリーモデルの一つとなります。
- 透明感と鮮明感を重視したニュートラルサウンド
- ボーカルが美しい
- 深みのある低域
Moondrop Ariaについての記事
- 最新LCP振動板DD IEM「Moondrop Aria」が発売されました - audio-sound @ hatena
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TINHiFi T3 Plus
TinHiFi T3 Plusは、ダブルキャビティデザインの10mmダイナミックドライバーを搭載しています。強力な磁束を生み出す高性能磁気構造を内蔵し、ボイスコイルとダイアフラムコイルのスムーズな動きを実現しています。ドライバーには高品質の液晶ポリマー(LCP)振動板を採用し、不要な振動を抑えることで、歪みの少ない高品質なパフォーマンスを実現しています。
また外観も魅力的です。Tin HiFi T3 Plusのイヤーシェルは、肌に優しい高品質の樹脂素材を使用しており、エレガントなマーブル模様のフェイスカバーを採用しています。イヤーシェルはただ軽量であるだけでなく、宝飾品のように美しく、耐久性に優れた堅牢な作りになっています。
- 透明感と鮮明感を重視したニュートラルサウンド
- ボーカルが美しい
- まろやかで明るい美音系サウンド
TINHiFi T3 Plusについての記事
- Tin HiFi T3 Plus:最新型10mm LCP振動板ダイナミックドライバー搭載中華イヤホン - audio-sound @ hatena
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DUNU TITAN S
DUNUの最新製品「DUNU Titan S」は、サイバーパンクをイメージしたメタリックなイヤーキャビティと2pinの着脱式ケーブルで構成され、Titanシリーズのルック&フィールを一新しています。Titanは、11mmダイナミックドライバーを核に現代に生まれ変わりました。搭載されているドライバーは、多層ポリコンデッセートLCP振動板と軽量なCCAWボイスコイルを採用しています。
DUNU Titan Sは、サイバーパンクをイメージした高級感のあるイヤシェルに、耐久性に優れ、軽量な亜鉛合金素材を使用しています。アンチレゾナンス・デュアルチャンバーデザインを採用し、キャビティ内の信号による共振を効果的に低減します。また、人間工学に基づいた形状により、快適な装着感を実現しています。
- サイバーパンクデザイン
- ニュートラルチューニング
- クリーンな中域
DUNU TITAN Sについての記事
- DUNU Titan S:サイバーパンクにインスパイアされたシングルダイナミックドライバー中華イヤホン - audio-sound @ hatena
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ThieAudio Legacy 2
大手オーディオショップ「Linsoul」と関係が深いブランドが「ThieAudio」です。オーディオショップ系ブランドの強みとして、ユーザーの嗜好を売上情報などから的確に把握できる点があります。ThieAudioの「Legacy」シリーズは実力派オーディオマニアが納得する製品ラインナップであり、音に造詣が深い人ほど優先して購入している、知る人ぞ知る鉄板シリーズです。
そのエントリーモデルである「ThieAudio Legacy 2」はとくに良質なニュートラルサウンドで知られており、エントリーモデルでありながら、この粒ぞろいのシリーズの中で最も評価が高いモデルでもあります。1万円前後の懐に優しい価格で、バランスが最善に近い、完全にオーディオマニア向きのサウンドを手に入れることができます。
- 透明感と鮮明感を重視したニュートラルサウンド
- ボーカルが美しい
- 美しいフェイスプレートデザイン
ThieAudio Legacy 2についての記事
TRN VX Pro
TRNは今年、そのイヤホンラインナップで最も人気のあるモデルのひとつである「TRN VX」を再調整してリリースしました。人気があった軽量で頑丈な、高精度のCNC加工された航空宇宙グレードのアルミニウムシェルはそのままに、デザインとサウンドをより洗練した上位モデル「TRN VX Pro」をリリースしました。
一般に多くのドライバーを搭載するほど音の表現の幅は広がりますが、その間のバランスを取り、一体的な音響として仕上げるのは困難を伴います。しかし、TRNは1DD+8BAという驚異的な数のドライバーをコンパクトな筐体の中にうまく収めることに成功し、しかもサウンドの統一感を損なうことなく、流麗でダイナミックなサウンドを実現しました。やや高域で派手さが出る華やかで繊細さのあるサウンドは、音楽の細部をきらびやかに浮き上がらせ、緻密で精細感のあるディテールと、抜けが良く広く感じられる中域を実現しています。
- 繊細できめ細やかな高域
- ややすっきりとした、広く聞こえる中域
- 軽量でつけ心地が良い
TRN VX Proについての記事
- 人気のVXシリーズから待望の第2弾「TRN VX Pro」リリース - audio-sound @ hatena
- 中華イヤホン TRN VX Pro レビュー - audio-sound@premium
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