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【完全ワイヤレスイヤホン ZERO AUDIO TWZ-1000 レビュー】音質的にはややドライな傾向のSENNHEISER MOMENTUM True Wirelessといった感じ。デザインは独特。使い勝手はそれなりにいいので、気に入ったならおすすめ

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ZERO AUDIO TWZ-1000

ゼロオーディオ フルワイヤレスイヤホン True Wireless Zero TWZ-1000 [マイク対応 /防水&左右分離タイプ /Bluetooth]

 

 

より新しいレビュー記事があります

 この記事は内容が古いだけでなく、わりと感情的な時に書いたものです。より中立的な観点とデータを示してこの機種を解説した、より新しい以下のレビュー記事の方がおそらくもっと参考になるでしょう。

www.ear-phone-review.com

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「見た目はそれほど好みじゃないけど、装着感はよい」

おすすめ度*1

ZERO AUDIO TWZ-1000

ASIN

B07N6NRS8Q

 装着感は悪くない。結構ハマリが良い割に、遮音性が高すぎる印象は受けない。まあ悪くないと思う。

 aptX対応。通信は基本安定している。遅延・途絶はない。

 

 ZERO AUDIOは比較的私が好きだったブランドで応援してました。←棒読み

 最近このブランドに対するイメージが劇的に変化したんで、以前ほどいいブランドだと思ってないです。在庫も十分に確保できない状況にも関わらず、貴重な在庫を流用してプレゼント企画をしたり、提灯記事を書かせ、Twitterで必要以上に宣伝して適度な需要以上に売ろうとすることしか考えてないようなブランドに見えてきたんで、かなり幻滅。
www.ear-phone-review.com

 

 ZERO AUDIOの有線イヤホンの音は悪くないけど、このTWZ-1000はこれまでのZERO AUDIOの代表的な機種の音とはまた別の方向性を感じる。具体的にはZERO AUDIOらしい明るくのびやかな高域表現をほぼ感じない。

 

【2】外観・インターフェース・付属品「連続再生時間とかそこそこ優秀」

 付属品はイヤーピースの替え、イヤーリングシリコンカバーの替え、充電用USBケーブル、専用充電ケース、説明書。

 

 ケースはなんか横長で、私のオーディオバッグには妙に収まり悪いし、ケースのマグネットが強すぎる感じがするんで、ケースに入れようとする時にイヤホン同士がくっつくことがあって若干めんどくさく、個人的にはあまり気持ちよく使えてない。

 って最初書いたんだけど、読み返したら上の説明はさすがにわかりづらい気がするので補足する。ケースの着脱感について、ちょっと詳しめに説明すると、たとえばマグネットのないNUARL NT01AXはお気に入りなんだけど、すんなりケースからイヤホンが取り出せ、入れるときもすんなり収まるので使い勝手が良い。出し入れはたぶん片手で両イヤホンつまんでもできるってくらいスムーズで軽く、楽。つまむときに取り出しやすい両イヤホン収納箇所同士の距離感もいい。あとはBang & Olufsen E8 2.0はマグネット搭載だけど、ケース内の両イヤホンの距離感とマグネットの強さがちょうどよくて、これも私には絶妙で取り出しやすいし、収納も楽。それに比べてマグネットの吸着力の差なのかデザインの違いなのか、SENNHEISER MOMENTUM True Wireless(MTW)は少し本体を取り出すのが重くて、若干すんなり使えないところがある。収納も少し硬い印象。そして、このZERO AUDIO TWZ-1000も横長のケースデザインとマグネットの吸着力の問題なのか、私は両手を使わないとうまく収まらない感じがあって、ちょっと使いづらいなぁと感じている。ケースに入れようとするときに、片手でやると一方のイヤホン用のケースマグネットに両方引き寄せられて、くっつく感じになったりするのが若干煩わしい。まあ「ケースからのイヤホンの付け外しが若干重い感じがする」って書けば分かりやすいかな。

 あまり他のレビューを見てもケースのマグネットが強いって風に書いている人はいないから、たぶん私のような印象を受けている人は少ないと思うんで、これは私固有の使い方なり感じ方なりの問題かも知れないけど。むしろ取りこぼしにくいと肯定的に評価している声のほうを見るので、そんなもんかなって印象。ゼロオーディオも着脱快適みたいにアピールしてるんだけど、「快適快適」って言われると、私はあまのじゃくなのか、そうでもないよって言っちゃうところがあるんで。私にはワンタッチ感にいまいちなところがあって、微妙にスムーズな使い勝手になっていないところを感じるけど、ここらへんは敢えて粗探しをしている感がなくもない。まあ出し入れを両手でしっかりすれば問題ない。

 

 どちらにせよ、ここらへんの使い勝手の問題は個人差ありそうなうえに、私が今ゼロオーディオにあまりよい心証を持ってないから、否定的なところを若干強調して捉えるなり書いてしまう感じになっている可能性は高いので、ネガティブ発言はだいぶ差し引いて考えて欲しいとは思う。

 まあケースは極端にかさばる方でもないんで、そんなに気にする人は少ないかな。←読み直して追記するけど、ケースは別に目立ってデカいタイプはなく、むしろコンパクトなんで、この書き方はさすがに私の悪感情が出過ぎてしまっている気がする。私のオーディオバッグのポケットにいまいち入りづらいくらいの横幅があるのは事実なのだが、冷静に考えれば充分コンパクトなケースであることは間違いないから、かさばる印象を与えかねないこの文言はちょっと言いすぎかな。

 

 連続再生時間はイヤホン単体で最大7時間、ケース込みで最大28時間あります。

 

【3】音質「色味は全体的に渋く、ドライに聞こえる。音場は広く、聞き疲れはしにくい」

 『家電批評』のこの機種につけてるコメントが秀逸で、「18インチのスピーカーをベスポジで聴いた音」なんだって。何言ってるのか私には厳密には理解不能なんだけど、たぶん単純に「音場が広めで気に入った!」ってことを多少かっこつけて言いたいだけなんだと思う。すっげーわかりづらいうえに、なんで18インチ限定なのか、18インチスピーカーって言っても音にはいろいろあると思うが、具体的にどのメーカーのどんな音色を想定して話しているのか、そもそもベスポジってどの位置よ?みたいなことを語り合う必要があると思うんで、そこらへんの説明を放棄してるこのコメントには全く価値を感じないんだけど、これで納得できる人がいれば、そういう音なんだって。天下の辛口を標榜する『家電批評』様のコメントがこんなレベルとは、世も末ですね。

 ついでにもう一人は「聞き入るほどに音のディテール感や表現力、バランスの素晴らしさに気づかされます」ってコメントしてるけど、正直私の評価だとディテール感では同じ系統の音なら、SENNHEISER MOMENTUM True WIreless(MTW)のほうが圧倒的に上なんで、この評者がMTWよりこちらをディテールが良いとどうして判断したのか謎(この記事では点数がつけられていますが、MTWの点数はTWZ-1000にはるかに及ばない評価になっていますし、具体的にこの機種の何をもってディテール感が良いと評価しているのかは語られていません)。ここらへんについては官能性で実際に聞き比べた所感を述べます。

 私にはこの『家電批評』のコメントは提灯感満載の内容皆無なコメントに思えますが、いちおう辛口で名の知られたオーディオのプロのお言葉らしいんで、私の拙い駄文よりよほど高尚で奥深く含蓄に富んでおり、なるほどなぁと理解できる人が多いんじゃないかと思って、提示しておきます。私にはさっぱりわかりませんでしたけど。

 

 音には人それぞれ好みというものがあるんで、辛口オーディオレビュアーのお二人がこういう音が好きで高く評価したいのは別に構わないんですけど、「自分の好みです」って前置きしてから語るんじゃなくて、辛口レビュー系の人に多い「この音以外はクソだ」みたいな語り口なんで、(←さすがにこれは私が以前Westone W40ディスられたのを根に持ちすぎで言葉の裏を読みすぎたかも。まあ前号と今号で、TWZ-1000の音質が「別次元」とか「オーディオを愛する人なら絶対買ったほうがいい」ってな具合のコメント言ってるんで「あんっ!?」って感じですけど)この押しつけがましい態度がそもそもいやなんですが、具体的にこのイヤホンのどこがいいかの重要な点については、すでに示したように「18インチスピーカーのベスポジ」とか「高域のディテールが良く、低域のレスポンスがよい」とかっていう、どんなイヤホンなのかサウンドイメージ皆無の言葉で語られるんで、この機種の何がいいのかもさっぱりわかりません。こんな腑抜けたコメントでオーディオレビュアーとして仕事してるって言えるんですかね?私がこの雑誌の編集だったら、こんなフニャフニャしたコメントじゃダメ出しすると思うんですけど。しかも前号も「18インチのスピーカーの音です」ってコメント言ってて、今号も同じコメント繰り返してるからね、このレビュアー。2回目は違うこと言えよ。それともそんなにその言い回し、気に入ってんの?

 それ以上によく見れば、数値いじったりしてランキングを無理矢理に操作しているところがあるのが露骨に見えるので、『家電批評』の評価は問題だらけで大きな欠陥を抱えていると思います。

 で、コメントを読む限りこのレビュアーはやっつけ仕事でレビューしてて、最初からTWZ-1000をヨイショするためだけに記事全体が作られていて、他の機種は数値を見たら明らかにまともに評価してるようには見えないんですが、そんな提灯感満載の記事を見て「辛口レビュアーに本気で褒められた!」と勘違いして、入荷待ちしている客もいるのに記念プレゼントキャンペーンしますなんてやってる、ゼロオーディオさんの顧客軽視気味の宣伝工作が非常に厭わしいです。『家電批評』には自分から製品提供してたから事情はわかってるはずなのにね。

 

 まあここらへんの事情については詳しく語りすぎてしまったので、私の感じたこの機種の音質について語りたいのですが、とにかくまず、このイヤホンは音場の広さは現在出ている機種の中では広めでゆったりと感じられ、その点は価格を考えると素晴らしいです。その点についてはおそらく万人が認めるところだと思います。

 ただ、音色の発色は全体的に抑えめで渋く感じることが多く、クラシック音楽でもだいぶ暗い印象を受けやすいと思います。発色が良くないせいか音の輪郭感もいまいちきれいに出てくれないところはあり、小音量では全体的に靄がかった印象を受けやすいです。この感じを空気感と肯定的に捉えることも可能ですが、MTWと比べると個々の楽器音にディテール感がいまいち感じられづらく、濃厚さでは劣ります。

 この1万円台の価格帯ではAVIOTやNUARL、GLIDiCをはじめ、もう少しコントラスト感やシャープネス、色味の明るさを強調した元気な音のモデルが多いのですが、それに比べると高級オーディオを志向したような音場重視で渋い印象を受ける音になっていて、その点充分に差別化されています。世間で評価の高いMTWの音が気に入ったけど、高くてとても買えないなぁって人には、私の印象では音質傾向が似ているので、代替機種として候補になり得ると思われます。

 

[高音]:高域はあまり発色が良くなく、おとなしく感じられやすい。ただ主張が強くない分、逆に透明感やつややかさを丁寧に味わえるところもあって、品のある音だと感じる人も多いと思う。こういう聴かせ方は私も好き(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:ピアノの色味には深みは出やすく、少し大人びた色気を感じやすい。個人的にはもうちょっと表面にキンキンした光沢感があるバランスの方が好きだが、ポロロンとした下方向に染み渡る音の雰囲気は、JAZZなんかでは気持ちよく聞こえる。全体的に渋いんで、発色が抑えめで色味の差を認識しづらいところはあり、音の輪郭感はときどきはっきりしない印象を受ける。音場も広めなので、小音量ではとくに、音が篭もったような印象を受ける人もいるかも知れない。

[低音]:厚みのある振動で100hz~30hzまで素直な減衰。比較的素直な厚みのある減衰でぶれた感じを受けない。低域は実際結構タイトに聞こえるが、輪郭を強調しすぎないバランス感覚の良さも感じて、この低域が好きでこの機種を選んでいる人が多そうなのも結構よくわかるところ。ただし個人的には、厚みだけ若干物足りなく、もう少しほしいと思う。同じ傾向の低域では、MTWの厚みのある音の方が濃厚さでは勝る印象(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:音場は広い。高域の発色はあまりよくなく、上方向にマージンを感じるところがあるので、ダイナミックな印象はあまり受けず、静的で地平線付近に音が集まりやすい印象を受ける。ここらへんの立体感のサウンドイメージはMTWによく似た印象を受ける(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:パーカッション周りは個人的にこの機種の表現が好きなので、聞いて欲しいと思う。ドラムの音は地熱感が感じられ、張りも良く、表面に革張り感がしっかり出る音で、色味は抑えめでややドライな印象を受ける。厚みは少し足りないかなと思うが、性格としてはロック向きに感じるバシンバシン、バリバリした音。反発力を出し過ぎて尖ったり、明るく撥ねて浮ついたりしない、大人びた男らしい音を出してかっこいい。ハイハットも色味がややドライで乾いた印象があり、ドラムに比べると目立ちにくいとは思うが、粒感は悪くなく、ドライな傾向と相まってシュワシュワした熱気を感じさせてくれる音(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:女性ボーカルは少しおとなしめに聞こえやすく、場合によって暗い印象を受けるかも知れない。男性ボーカルのほうが自然に楽しめる印象を受ける。

 

【4】官能性「ドライで黒みを感じさせるかっこいい音」

UVERWorld「CORE PRIDE」

  このイヤホンで聴くこの曲は素直に好き。ドラムスとギターのどちらも黒みのあるドライな味わいがあってかっこいい。ドラムに一定の重量感と躍動感があり、リアルな革張りを感じさせる表面がライブ感を醸す。黒みの強いベースが下地をしっかり作ったうえにシュワシュワと汗噴くようなハイハットが湧き上がって聞こえてくるのがまた中毒的。全体的に黒く締まった男の世界観を感じさせる音で、これはいい。

 


CORE PRIDE

 

東京カランコロン「スパイス」

 とくにこのイヤホンのパーカッション関連の表現の良さが私のお気に入りで、この曲も聴き応えを感じる。色味を抑えた空間にシンバルの音が輪郭感よく、しかも煌めきすぎない粒感で聞こえてくる。結構シンバルの感じって言葉にするのが難しくて毎回自分の語彙力の無さを嘆くんだが、シュリシュリシュンシュンって本当に細かい粉末が吹き出る感じの気持ちの良い音って言い方で伝わるとうれしい。この曲のギターは結構明るめだと思うけど、このイヤホンだとそこも結構色味をドライに感じさせて浮つく感じを抑え気味に聴かせ、音も締まって膨らみすぎない感じで聞こえる。

 ただぶっちゃけこの曲に関してはMTWのほうが上位互換に思われるところがあって、サイドの方でかなりやわらかめにつま弾くアコースティックギターに注目して欲しいんだが、その音色はMTWのほうがはっきり感じられて、より細かなディテールを感じる。発色の関係か、私にはMTWのほうが情報量自体はより多く感じられるのだが、どうだろう?『家電批評』さんはMTWよりTWZ-1000のほうがディテール感上に感じられてるんだろうから、たぶん違うんだろうけど。一応おそらく高域のディテール感がいいって『家電批評』の人がおっしゃっているのは、たぶんこのイヤホンの色味を抑えた高域のギラつかないでまとまりよく思える、聞こえの良い感じをクリア感と捉えて言ってるんじゃないかと思うけど、ここらへん全く評価した理由が書いてないので、厳密には何をディテールがいいと言いたいんだか理解不能。私が理解している音のディテール感っていうのは個々の音がどこまで細部を感じて聞こえるか、つまりシャープネスとコントラストのバランスで表現される音の情報量のことだと思うので、TWZ-1000の音をディテールが良いとはあまり感じない。むしろディテールが良いのはMTW。

 実際、人によって聞き取りやすい音、聞き取りにくい音に差があること、さらに自分がよく知ってる楽曲に対して、実際には聞こえない音を脳が勝手に補完する「ホワイト・クリスマス効果」は科学的にも立証されてる*2ので、オーディオのプロでもない私には、そういう影響がないとも言えないのだけれども、それにしたってディテール感においてMTWがTWZ-1000が劣るようにはとても思えないのだが、これはもはや私が幻聴を聴いていると判断するしかないのだろうか。

 


スパイス

 

水瀬いのり&久保ユリカ「More One Night」

 この曲に関してはTWZ-1000のあまり得意でない曲として挙げたい。私の聞いた感じ、率直に言って色味が暗い。個人的にボーカルの艶やかさや背景楽器音の煌めき感が足りない。ピアノも色味が落ち着いていてJAZZっぽく、大人の色気が感じられるのはいいが、この曲ではもっとキンキンした透明感を出して明るく浮かれて聴かせてくれた方が良い。

 ジャンルが合わないと言えばそれまでだが、同じような傾向のMTWは全体的に音の輪郭感が良く、発色ももう少し鮮やかなので、この曲の緻密感みたいなものはよりディテール良く感じられ、同様に物足りないにしても、かなりの差を感じる。ボーカルもTWZ-1000に比べてさわやかな印象があるので、『家電批評』で高域・中域・低域、そしてダイナミクスというよくわからん項目も含めて全ての面においてTWZ-1000の点数がMTWを越えている理由は謎としか言いようがない。『家電批評』のレビュアーが聴いているイヤホンはMTWの模造品か何かだとでも言うのだろうか。

 


TVアニメ「 少女終末旅行 」エンディングテーマ「 More One Night 」

 

ムラヴィンスキー指揮、ベートーヴェン「交響曲第四番」第一楽章 Sym No. 4 In B-flat, Op. 60: 1. Adagio. Allegro vivace

 クラシックはとくに好きじゃないけど、ムラヴィンスキーは好き。そんな私のオススメ曲はこのベートーヴェンの交響曲第4番。私はクラシックを語るほど造詣も深くなく、浅薄なことしか言えないと思うんで、とにかく聴いて下さいとしか言えないが、躍動する生命的な弦楽と誘い込まれるような木管の風味に色気があって、生命的な喜びを感じさせるマッチョな力強さと、華やいで薫ってくる風流な音色を、時に交互に、時に同居させて楽しませてくれるところに最大の魅力を感じます。とにかく最後は「ムラヴィンスキーすげぇ」連呼で終わる曲。

 で、正直ここは同価格帯のNUARL NT01AXとの比較をしてみたいです。TWZ-1000もクラシック案外いけると思うんですけど、個人的にはやっぱNT01AXすげぇって感想になるんですが。TWZ-1000の表現は悪くないと思うんですけど、まず弦楽の色味が暗いのでのびていく感じがあまり出ず、この曲のダイナミックさを充分に表現し切れているようには思えません。暗いとは言いましたが、音に瑞々しさがあって音色単体では結構聴き応えは感じるんですけど、NT01AXの音場全体を躍動させるくらいの高低感に比べて、落ち着きすぎです。NT01AXの厚みと膨張感のある中低域もこの曲にエネルギーを感じさせる原動力となっていて、それに比べると全体的にTWZ-1000はおとなしいなぁって思います。『家電批評』は「ダイナミクス」っていう謎項目でNT01AXよりTWZ-1000を高く評価してるんですけど、この曲を聴く限り、私の印象はNT01AXのダイナミクスを高く評価しないとおかしくねぇ?って思います。

 ダイナミクスって要は抑揚って意味ですからね。実際に聴いてもらえば抑揚があるように感じるイヤホンがどっちか、明らかだと私は思いますから、これ以上は実際に聴いて体感してみて下さい。

 


Mravinsky Edition Vol.7 - Beethoven: Symphony No.4, Tchaikovsky: No.5

 

手嶌葵「Cheek to Cheek」

 JAZZは気持ちよく聞けると思う。色味を抑えて濃密な中低域を前面に出した音色でかなり満足感を感じる。ピアノの色気のある音に充実感がある。金管も下で渋く鳴らしながら、上に鮮やかに持ち上がっていく音色を持っていて、楽しい。前も指摘したシンバルの空気感に貢献するシュワシュワした感じも良くて、価格帯ではかなりレベルが高い表現だと思う。

 ただしMTWには負ける。シンバルの粒感、楽器の全体的な発色、それに伴うメリハリ感、ボーカルの艶やかさ、全般的にMTWのほうが勝っているようにしか感じられないが、『家電批評』の評価ではそうなってない。

 


Cheek to Cheek~I Love Cinemas~(通常盤)

 

【5】総評「1万円台で音場重視あるいは大人っぽい濃厚な味を聴きたいなら有力選択肢」

  この機種については個人的に以前はもっといい印象を持ってたし、熱の入ったコメントを書きたいんだけど、この機種の周囲の状況にいろいろおかしいところがあって、そうしたこの機種の本質とは関係ないところの雑音のひどさのせいで、この機種をおすすめすることに若干気分的に乗らないところがあって、あまりおすすめしづらい。ただこのイヤホンの聴かせる男性ボーカルのロックとか、JAZZなんかとくに私はお気に入りで、いいと思う。横長のケースも含めてデザインが気に入ったなら、使い勝手は文句ないと思うし。

 少なくともどこぞのモノ雑誌がいうような高域のディテール感が神がかっている感じはないし、低域にタイト感はあることは事実だが、タイトに全振りしてるような音でもないので、そんな音が切れて鳴ってる気がするほど、あるいは躍動して豊かに聞こえるほどレスポンスがすげーっていう感じは受けない。MTWのほうがディテール感は全般的に良いし、低域の濃密さや広がりでもTWZ-1000に勝るというのが普通の評価じゃない?

 

【追記】

 読み返してみて、率直に言って、私も冷静に書けてないと思うんで、このレビューはあまりよくないなぁって思いますが、一方で『家電批評』の評価の仕方についてはこの記事で書いたとおりの問題点について批判したいし、音質レビューに関しては手抜きをしたつもりはないので、読みづらい記事になってしまいましたが、TWZ-1000はやはりいい機種であることは間違いないと思うんで、いい加減な提灯抜きで丁寧に音を伝えたいって気持ちがありました。それに『家電批評』さんのコンセプトに私は共感しており、もっと丁寧な記事作りをして長く読者を楽しませて欲しいと感じる一愛読者として、素人の私から見ても提灯だという印象を受ける記事を載せて欲しくないと思っています。

 今の気持ちだと若干辛辣気味に書いちゃうだろうなとは思ってたんで、それをわかりつつ書くのもどうかと思ってたんですけど、このブランドにいろいろ疑問を感じている今だからこそ書けるものもあるかもしれないと挑戦してみました。あんまり成功してないレビューかも知れませんし、目(耳?)が曇ってるところもあるかもしれませんが、判断は読者の皆様に委ねます。

 読んでくださり、ありがとうございました。

 

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

*2:ここら辺の人の音楽認知能力における科学的な話について興味がある人はオリヴァー・サックス『音楽嗜好症』を参照してください。

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