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【完全ワイヤレスイヤホン ZERO AUDIO TWZ-1000 フラッシュレビュー】重みと深みのある低域とモニター的でバランスの良い中域、高さのある開放的な高域を持つ、ワイドレンジ感のある音が魅力

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ZERO AUDIO TWZ-1000

ZERO AUDIO TWZ-1000

ZERO AUDIO TWZ-1000 完全ワイヤレス イヤホン

 

 

 「フラッシュレビュー」はデータ中心の簡潔な内容で、ポイントを絞ってオーディオ製品を解説します。

 今回はZERO AUDIO TWZ-1000を取り上げます。ZERO AUDIO協和ハーモネットのオーディオブランドです。協和ハーモネットは電線事業やネットワークケーブルを専門とする企業で、その金属素材に対する深い知識を生かしてオーディオブランド「ZERO AUDIO」を立ち上げました。ZERO AUDIO製品はその高いコスパで知られており、エントリークラスからハイレゾに対応した質の高いイヤホンをリリースしていることで有名です。

www.ear-phone-review.com

 

 なお下のレビュー記事はZERO AUDIOへの私個人の印象が悪く、耳が腐ってた時に書いた記事なので、話半分で読んでください。今回レビューし直したのも以前のレビューはあまりに偏っているかも知れないと常々反省していたからです。

www.ear-phone-review.com

 

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 audio-sound @ hatenaはこの機種を「audio-sound @ hatena Recommended」として、比較的多数の人にとって買って損がないオーディオ製品であると推奨します。

 

基本スペック

  • 連続/最大再生時間:7h/28h
  • 防水性能:IPX5
  • 対応コーデック:aptX/AAC/SBC
  • 技適番号:204-820605

 

ZERO AUDIO TWZ-1000

 

パッケージ

 以前手に入れた個体は実は後述する相性問題があったので返品済みで、今回は視聴レンタルサービスを使いました。試聴機は標準パッケージとは異なるため、パッケージについては割愛しますが、基本的に価格帯では標準クラスの品質です。

 レンタルサービスを利用して是非このイヤホンを楽しんでみてください。

www.zeroaudio.jp

 

ZERO AUDIO TWZ-1000

 

装着サンプル

 装着感は基本的には悪くないと思いますが、独特の豆型をしているために、人によっては収まりが悪い場合があるかも知れません。付属のイヤーループなどを使えば基本的には問題ないと思います。

 

ZERO AUDIO TWZ-1000

ZERO AUDIO TWZ-1000

ZERO AUDIO TWZ-1000

 

接続品質

 価格帯では標準か少し上くらいです。人混みに行ってないのでわかりませんが、家庭内では良好です。距離耐性も優秀らしく、5m離れてもほぼシームレスで少しくらいしか乱れはありません。ただし遮蔽物があるとやや乱れます。

 またホワイトノイズはほんのわずかにありますが、かなり敏感な人でないと気にならないのではないかと思います。

 またこの機種は通信相性があり、手持ちのBTトランスミッターなどにつなぐと一定時間で勝手に電源が切れます。完全Androidでないデジタルオーディオプレーヤー(DAP)でも切断するかも知れません。

 

相性問題についての追記

 この記事の掲載後、2020/06/30にファームウェアアップデートが行われました。上記の通信相性問題が解消された可能性があります。

平素はZERO AUDIO製品をご愛顧いただき誠にありがとうございます。
本日、TWZ-1000用ファームウェア最新版「Ver. 2.0.2」を公開しました。
アップデートの内容は以下の通りです。※Android/iOS共通です。


[アップデート内容]

(1) 一部のトランスミッターとの接続不具合を改善
※トランスミッターと接続する際、先にトランスミッターの電源をオンにしてからTWZ-1000を起動してください。

(2) その他の機能改善

 

www.zeroaudio.jp

 

 

 

ZERO AUDIO TWZ-1000

 

音質

測定機材

  • SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
  • AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ
  • マイクプリアンプ:Type4053
  • Type5050 マイクアンプ電源
  • オーディオインターフェース:ROLAND Rubix 24
  • アナライザソフト:TypeDSSF3-L

※イヤーシミュレーターの特性上、20hz以下と16khz以上の信頼性は高くありません。 

www.phileweb.com

 

周波数特性

 上から順に、

  1. [AET07 M装着時]左右別
  2. [AET07 M装着時]左右平均
  3. [AET07 M装着時]左右別(自由音場補正済み)
  4. [AET07 M装着時]左右平均(自由音場補正済み)
  5. [標準イヤーピース S装着時]左右別
  6. [標準イヤーピース S装着時]左右平均
  7. [標準イヤーピース S装着時]左右別(自由音場補正済み)
  8. [標準イヤーピース S装着時]左右平均(自由音場補正済み)
  9. 標準イヤーピース比較(自由音場補正済み)
  10. 標準イヤーピース比較(自由音場補正済み/2khz-24khz拡大)

※また当ブログの自由音場補正については機材に合わせてサザン音響さんから提供された補正値を使用しております。

www.s-acoust.jp

 

ZERO AUDIO TWZ-1000

ZERO AUDIO TWZ-1000

ZERO AUDIO TWZ-1000

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ZERO AUDIO TWZ-1000

ZERO AUDIO TWZ-1000

ZERO AUDIO TWZ-1000

ZERO AUDIO TWZ-1000

ZERO AUDIO TWZ-1000

 

 まずイヤホンが独特の形状をしているせいか、わりと装着感が難しいところがありました。実際のところ、標準イヤーピースはSサイズのほうがHATSへの収まりが良好でしたので、Sサイズで測定しました。測定レファレンスのAET07のMですが、低域が出てないのは相性が良くなかった可能性があります。イヤーピースは変に大きめを選ぶより、わりと小さい方が耳にうまくはまって低域が出るかも知れません。いずれにせよ、低域に不足を感じたらイヤーピースをわりと慎重に選んで調整してみると良いと思います。

 

 全体的なサウンドシグネチャーはU字型あるいはV字型と言えるドンシャリタイプの形をしています。かなり中域の見通し感を意識したチューニングであることが伺え、低域は中域の濁りの原因にならないように中域に向かって慎重に均されている感じがあります。ボーカル帯域の上に谷があり、ボーカルフォーカスが図られています。高域は派手になりすぎないように自然な伸びやかさを目指して調整されており、クラッシュ感はわずかに強調されます。www.ear-phone-review.com

 

 全体的に見ると、ZERO AUDIOらしい全音域に配慮のある楽しいドンシャリといった音で、ディテール感に優れています。

 低域は充分にウォームで、深みと重みがあります。キックはかなりはっきり聞こえます。厚みは人によって不足を感じるかも知れませんが、一般的には不足を感じないと思いますし、低域の存在感の割に中域は清潔です。しかも中域と低域の分離は強調されず、わりと親和的で調和的な床面ですが、中域に被さりにくく、よくチューニングされている雰囲気があります。見通し感が良く、膨らまないわりとタイトさのある低域で、引き締まった感じがあります。

 中域は私には中庸よりは少しドライに聞こえますが、適度な太さの音が見通しよく存在しており、奥行き感と幅も適度で聴き心地は安定しています。ボーカルと楽器音の距離感は付かず離れずといった感じで、人によっては若干埋没的に聞こえるかも知れませんが、ボーカルが聞こえづらいという場面はあまりないでしょう。子音の尖りはなく、息の伸びも自然で少しのびやかに聞こえます。やや抑揚が足りない気はします。

 中高域は充分に鮮やかで、ギラつきが適度にあり、エレキギターのエッジの色づきも艶やかです。ボーカルよりは少し抑制的で、ボーカルを充分に引き立てているわりとバランス感覚の良い調整に感じます。高域ではクラッシュ感が強調されますが、煌めきが強すぎない、わりと透明な感じで派手さを適度に抑えており、背景の静寂感に配慮が見られます。超高域にも山があり、音場は上方向にもわりと高く抜けており、閉塞感はありません。ただその風通しの良さがやや中域を乾燥させている雰囲気はあります。

 おそらく適切なイヤーピースを選べば、低域も高域もワイドレンジに楽しめ、中域もしっかり聴けるドンシャリで、わりと輪郭感もくっきりしており、解像感があるのでZERO AUDIOらしいコスパの良さを感じます。ただし、私の好みはわりとウェットな音なのですが、この機種は私には結構音がドライに聞こえるので、少し好みからは外れます。もう一つは中域がわりと平坦すぎるせいか、ダイナミズムが感じられないところがあります。人によってはわりとモニター的に聞こえるかも知れません。

 しかし丁寧にバランス良くチューニングされていて、個人的にEDMなんかはかなり楽しめる気がします。

 

ZERO AUDIO TWZ-1000

 

 

レコーディングシグネチャー

 レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。

www.ear-phone-review.com

 

 参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。自由音場補正済みです。ソースはFiiO M15を用いています。イヤーピースは標準イヤーピースのSサイズ、コーデックはaptXです。

www.ear-phone-review.com

 

 レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。

www.falcom.co.jp

 

JAZZ

anchor.fm

 

OST

anchor.fm

 

クラシック

anchor.fm

 

ロック

anchor.fm

 

総評

 通信品質はわずかに物足りない気もしますし、相性問題もあるのですが、この価格帯では完成度が高い完全ワイヤレスイヤホンです。音質的には中域がわりとモニター的で全音域のバランスも良く、高さもわりと感じられる開放的な音場表現は秀逸です。ダイナミズムに少し欠ける印象があり、音の傾向はドライですが、EDMをはじめわりと万能に楽しめそうでおすすめできるイヤホンです。

 

ZERO AUDIO TWZ-1000

ZERO AUDIO TWZ-1000

ZERO AUDIO TWZ-1000 完全ワイヤレス イヤホン

 

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