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【コラム】日本国内販売開始のFiiO M15について、海外レビューまとめ

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FiiO M15

FiiO M15

FiiO M15 FIO-M15-B DSD対応 ハイレゾ対応 4.4mmバランス出力 2.5mmバランス出力 高音質デジタルオーディオプレーヤー

 

 

いよいよ国内販売が開始されるFiiO M15

 すでに別記事でお伝えしたように、FiiO M15の国内販売がアナウンスされました

www.ear-phone-review.com

 

 海外ではすでに1月に発売されていたので、主要なポータブルオーディオレビューサイトではそのレビューや感想が多く共有されており、その評価は定まっていると言っても過言ではありません。今回は海外のレビューをまとめ記事風に取り上げ、FiiO M15の実像をそうした海外レビューの反応から浮き彫りにし、皆様にお伝えしたいと思います。

www.ear-phone-review.com

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GearBest.com:「音質ではFiiO M11 Proよりはるかに優れている」

 日本ではまだまだ有名な通販サイトとは言えませんが、GearBest.comは世界中に販売網を展開しているガジェットショッピングサイトです。オーディオ専門のHiFiGOに比べてサービスがわかりやすいとは言いづらいところがありますが、これからはこのショッピングサイトで物を買うのも普通になるかも知れません。そんなGearBestにはブログもあり、FiiO M15を取り上げています。

 

FiiO M15 vs FiiO M11 Pro: スペック比較

 

FiiO M15

FiiO M11 Pro

System chip

Exynos 7872

Exynos 7872

DAC chip

AK4499EQx2

AK4497EQx2

Supported rates

768kHz-32bit, DSD512 native

384kHz/32bit

USB

Type-C, USB 2.0

Type-C, USB 2.0

Screen

5.15 inch 1440 x 720 borderless 10-point touch display

5.15 inch

Dimensions

134mmx75mmx18mm (excluding volume knob)

130mm x 70.5mm x 16.5mm

Weight

About 310g

About 232g

Charging time

<3.5h

<2.5h

Battery capacity

7490mAh

4370mAh

Battery life

15 hours

9.5 hours

Output Power 1

490mW (32Ω/single-ended/big driver mode)

200mW (32Ω/PO)

Output Power 2

70mW (300Ω/single-ended/big driver mode)

550mW (32Ω/BAL)

Output Power 3

800mW (32Ω/balanced/big driver mode)

 

Output Power 4

280mW (300Ω/balanced/big driver mode)

 

Frequency response

20Hz - 90Hz (-3dB)

5Hz - 85kHz (-3dB)

Signal to Noise Ratio

≥122dB (A-weighted)

≥118dB (A-weighted)

Noise Floor

PO<2.1uV (A-weighted);

BAL<4uV (A-wighted)

PO<3uV(A-weighted);

BAL<4uV (A-wighted)

Output impeda nce

<1.1Ω (32Ω load)

<1.1Ω (32Ω load)

THD+N

<0.0004% (1kHz/10kΩ)

<0.00084%(A-wighted)

 

www.gearbest.com

 

外見に関しては、FiiO M15はラウンドエッジデザインを採用していますが、FiiO M11 Proはクリーンカットです。 そのため、FiiO M15は手触りの点ではより良いと言えます。

 

 ……音質では、FiiO M15は実際にサウンド出力面でM11 PROを揺さぶることができます。その音質差はチューニングの問題というよりは、全体的な品質の差です。

 FiiO M15は全体の音域バランスでM11 PROとほぼ同じ配分ですが、M15では高域のエネルギーがわずかに増加し、M15の高域方向への拡張は非常に良好で、抜けが高くなっています。

 

 低域では、量感と深さと同じ場合、弾力性とレイヤリングはM11 PROと比較して改善され、中域ボーカルの位置はM11 PROの位置とほぼ同じですが、 M15のボーカルははるかに高く、女性の声は少し若い傾向があり、同時に、声と楽器の定位はより明確になります。

 

 一般に、FiiO M15は、解像度、情報、イメージングの鮮明度、音場の広さ、分離感、ダイナミクスの点でM11 Proよりも大きなアドバンテージがあります。

 

 ……予算に見合い、しかもオーディオファンであるならば、最新のFiiO M15を購入することをお勧めします。これは、FiiO M11 Proよりもはるかに優れた音質を提供するためです。

www.gearbest.com

 FiiO M11 Proは一般にフラットな音質傾向と言われており、ボーカルフォーカスや楽器の音色の精彩で必ずしも音楽的であるとは言われていません。しかし、私の感覚でもそうですが、FiiO M15はより音楽的で生々しい音を提供してくれる可能性があります。

 

Porta.Fi:「最上位のDACを積んでいるからと言って、最上位の音がするわけではない」

 

 実は私もFiiO M11 Proを手に入れて気づいたのですが、M11 Proに比べて、インターフェースは若干の変更が加えられています。Porta.Fiはその点を丁寧に説明しています。

 違いのほとんどは設定領域にあり、十分な追加機能があります。まず、操作モードを選択できます(トレイから変更することもできます)。 Androidモード(本格的なランチャーを用い、マルチタスクが使えるモード)および「Pure Music」(音楽アプリのみが実行され表示されるモード)*1に加えて、USB DACモードとBluetoothレシーバーモードから選択できます。FiiOの目的は明らかだと思います。後者の2つの設定は以前から存在していましたが、メニューの異なる部分にありました。これらの2つのモードは、ハードウェアレベルでOSの影響を受けずに動作するように設計されています。これは、XMOS / Bluetoothからの信号が直接DACに送られることを意味します。したがって、他のすべての機能とプレーヤーの操作がそれらの機能の起動時にオフになっていることは驚くことではありません。モードがオンになっていることを示す通知と、基本設定を変更してこのモードを終了できるボタンが画面に表示されます。

 

 また、設定には専用のオーディオ設定箇所があり、フィルター、ゲインレベルの変更、DSDへのアップサンプリングの有効化、ドライブしにくいヘッドフォンのためのモードの有効化などが可能です。ここには、理由は定かではありませんが、メインメニューに表示されないAirPlayのオプションもあります。

porta.fi

 

設定領域の違い(左:M11 Pro/右:M15)

設定領域の違い(左:M11 Pro/右:M15)

 一部のレビュアーとユーザーの期待にもかかわらず、FiiOは別の最上位製品を開発していませんが、私はこれがFiiOのゴールではないと思います。M15は、M11シリーズのチューニングから横にずれた一歩踏み出し、自然な表現をもたらすニュートラルなプレゼンテーションに色を追加しました。全体的なプレゼンテーションは、すべての周波数帯域でより重みを増していますが、その追加幅は大きくなく、そのためプレーヤーの音が暖かいとは言えません。

 

 低音はうまくコントロールされていますが、アンプの出力を考えれば驚くことではありません。……すでに書いたように、プレーヤーはある程度の重量を追加しますが、ディテール感を犠牲にしません。低音は万能な表現力を持っていますが、アコースティックな楽器の方が印象的に聞こえます。

 

 (中域では)M15は音の感情、楽器、ボーカルを非常によく伝えます。音場は、幅と奥行きが平均より上にあり、幅は奥行きよりも大きくなっていますが、あまり強調されていません。

 

 高域の拡張性は良好で、ほぼ最大値です。レイヤーも非常に優れており(M15は最上位のプレイヤーに正確には届きませんが、出力は印象的です)、倍音も同様です。大規模な中域に比べると、高域はあまりテクスチャーが乗っていないように思えますが、……非常に自然なアタックとクラッシュの音には十分な解像度があります。プレーヤーは、周波数範囲のこの部分を強調しようとはしません。これは、前に出てくる高域を好まない人に適しています。ちなみに、All to DSDオプションは高音域をわずかに強化し、より多くのエネルギーとレイヤーのアクセントをもたらしますが、このオプションは非常に電力を消費するので、意味がないと思います。

porta.fi

 実際のところ、私の印象でも、FiiO M15の音はM11 Proに比べて深みと厚みが感じられ、「より高級な音がする」気がします。FiiO M11 Proのフラットで見通せる感じに比べて、より立体的ではありますが、静謐感のようなものが感じられるのは、Porta.Fiが指摘しているように高域がより奥にいるように感じるからかも知れません。

 またM15の音が解像度などで真のハイエンドには届いていないという評価を下していますが、これは私も同感です。

www.ear-phone-review.com

 

比較

FiiO M11 Pro:M15は、「アナログ」でありながら自然で、マイクロディテールが少なく、感情と重量、低音の質感がより自然に聞こえます。

iBasso DX220:iBassoプレーヤーの音は標準アンプ設定(Amp1)では、よりドライでモニター的で、低音と中音の重みが少なくなります。 AMP8は重量を追加しますが、M15の中音と高音はもう少し自然に聞こえます。

Cayin N6ii:Cayinは、より多くの感情表現と大らかなディテールで音楽を再生し、その音質はより自然なサウンドを犠牲にしています。

Astell&Kern SA700:これら2つを比較できるのは価格だけです。 A&Kの新しいDAPはプレゼンテーションがまったく異なり、中域に大きなアクセントを加え、ブランド独特の色付けを行っています。一方、M15は、よりフラットでニュートラルに聞こえ、より重みのあるプレゼンテーションになります。

Astell&Kern SE100 A&futura:相違点はDX220に似ています。 Futuraはよりディテールに優れていますが、同時により浮揚感があって、中高域と高域にわずかなアクセントがあります。

Astell&Kern SP2000:M15と比較するのはあまり意味がないかもしれませんが、オーディオ愛好家の魔法の儀式では通常、同じDACは似たような音を持っていると信じられています。M15はSP2000とは少しも似ておらず、この韓国のフラッグシップ機がより自然でダイナミックであることは容易に分かると思います。最上位は最上位のままです。SP1000/SP1000Mについても同様です。

porta.fi

 率直に言ってM15の音は価格以上であるかもしれませんが、しかし価格帯を超えて最上位ではないという評価です。私もすでに述べたようにこの点は全く同意しています。

 

son-video.com:「M15クッソ楽しい」

聴いてすぐに、FiiO M15にはFiiO M11 Proからの大幅なステップアップがあると感じました。全体的に、音はより強く、ディテール感があり、正確でした。空間も、呼吸する余地が多く、はるかに優れていました。低音は完璧にコントロールされながらもよりパワフルであり、中域はM11 Proに比べて質感とリアリズムが増しており、高域はより滑らかで正確に見えました。音のダイナミズムの動きはうまく処理され、トランジェントは非常に高速でした。FiiO M15のアンプがその能力をどれだけ発揮しているかを聞くことができました。M15で音楽を聴くのがとても楽しかったので、常に音量を上げていました。

blog.son-video.com

 

M11 Proとの比較:

中国のメーカーは以前、THX AAA-78を搭載したDAPで私たちを魅了しましたが、M15は明らかにまったく別次元にあります。このプレーヤーは、通常より高価なモデルでのみ見られる自然な音楽を提供します。確かに、価格はM11 Proの2倍ですが、同時に音楽の楽しみも2倍になりました。 FiiO M15は、ダイナミズムに優れており、低域でより深く、より激しく、より濃厚なトランジェントを持っており、より正確でディテール感があります。さらに、ボーカルと楽器を音場に配置するのに優れています。最後に、曲がばらばらになることを心配することなく音量を上げることができます。あらゆる音が所定の定位に配置されます。

 

Cayin N8との比較:

Cayin N8を聴くと、別の領域に入るのと同じ感覚がありました。これらの2つの中国製DAPは、音楽を生き生きとさせるという点で比類のないものです。 M15は、大きさ、空間化、ディテール感の点ではN8と同等です。同じことがそのアンプにも当てはまります。これにより、最も要求の厳しいヘッドフォンでも、そのダイナミックな音質を最大限に活用して、最大限の可能性に到達できます。当然、FiiOで真空管の暖かさを経験することはありませんでした。今のところ、Cayin N8はこの点でユニークです。それにもかかわらず、M15のようにDAPを楽しめることはめったにありません。

blog.son-video.com

 

Headfonia:「最高のプレーヤーではない」

FiiO M15は競合他社を圧倒する万能プレーヤーと言えますか?はい、そしていいえ。説明が必要ですね。

 

音質に関してM15が優れていることは間違いありません。深い低域、滑らかな中域、並外れたレイヤリング。目を閉じると、すべての楽器の定位をすぐに見つけることが出来ますが、いつものFiiOの音とは違います。M11 ProがほとんどM11のアップグレードバージョンであったのと異なり、M15は私の見るところ、全く異なる生き物と言うべきです。

 

総合すると、FiiO M15は、私の意見では、以前のM11(Pro)で見られたのと同じ万能性を提供していません。その音は優れているときもあれば、「非常に良いが、でも…」と思わせるときもあります。そして私にとって、究極のDAPというのはあらゆる状況で優れているものである必要があります。

www.headfonia.com

 

比較

Astell&Kern Kann Cube:同じ価格でこのプレーヤーを見つけることができます。最大出力を実現するミニXLR出力を備えた巨大なケースを必要としている理由は神のみぞ知るといったところです。私の意見では、特に複雑なトラックの場合、M15の方がより賢く、トランジションがより制御され、トランジェントが速くなるというふうに音が聞こえます。一方、出力の点では、より多くのpaaaaawerが必要な場合があれば、Kann Cubeが耳をつんざくような音を出してくれます。

 

Cowon Plenue L:Plenue 2 MKiiとFiiO M15を同等であると考えることができれば、Plenue Lの方が優れていると思います。 FiiOは中域をより滑らかにし、減衰を速くしましたが、Plenueはより汎用性があります。……また、Plenue Lは、すぐに256Gbのメモリを提供し、さらに驚くべきBBEエフェクトを提供します。

 

Shanling M6:はるかに手頃な価格であることを考えれば、M6は現時点で最上の選択肢の1つにとどまっています。ビルドクオリティはFiiOに匹敵し、……コストパフォーマンスはShanlingにあります。 最上位プレーヤーではなくハイエンドプレーヤーが必要な場合は、これをチェックしてください。

www.headfonia.com

 

FiiO M15は抜群ではないとしても優れています。しかし、以前レビューしたM11 Proと比較すると、その差は予想したほど大きくはありません。

 

誤解しないでほしいのですが、音場は素晴らしく、パワーは耳をつんざくほどであり、ハイエンドのヘッドフォンやイヤホンとペアリングすると、その鮮明で息をのむような精度の音が得られます。しかし、もっと欲張りたかったというのが本音です。 SP2000のキラーではないかもしれませんが、少なくとも私のM11 Proには代わるものです。

 

IEMやそれほど要求スペックの大きくないヘッドホンについては、M11 ProやShanling M6をチェックしてみてはどうでしょう。これらは廉価な選択肢であり、正直なところ、私はM15と同じくらい、それらのプレーヤーで音楽を聞くのがとても楽しかったです。確かに、これはFiiOがこれまでに作った中で最も洗練されたプレーヤーですが、私にとっては、K3やM6などの低価格製品で味わうことの出来た微妙な魔法が欠けています。

www.headfonia.com

 個人的な感想から言うと、M15は非常に優れたプレーヤーですが、M11 Proを完全に置き換えるものでもなく、ポータブルで究極の音質を実現しているわけでもなく、KANN CUBEほどのインパクトもありませんし、Cayin N8のような独自性もありません。M11 Proとの価格差が大きい割にそのインパクトが少なく、Headfoniaが言うように、普通のイヤホンやヘッドホンを使う限り、実際のところM11 ProやShanling M6のほうが優れてさえいる気がします。私の感覚ではとくに、Shanling M6はM15を小型で持ち運びやすくしたようなデザインで、多くの人にとってはそちらのほうがリーズナブルと言えるところもあります。

 

 

FiiO M15

FiiO M15

FiiO M15 FIO-M15-B DSD対応 ハイレゾ対応 4.4mmバランス出力 2.5mmバランス出力 高音質デジタルオーディオプレーヤー

 

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*1:FiiO M11 Proではモード切替は基本的にこの2つのモード間の切り替えのみでした。

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