Ar:tio カナル型イヤホン シルバー/ブラック 【CU1】
- 基本スペック
- パッケージ
- 装着サンプル
- 音質
- レコーディングシグネチャー
- 録音機材
- GENS D'ARMES(ロック系)
- Sophisticated Fight(ロック系)
- TO MAKE THE END OF BATTLE(ロック系)
- 白き魔女(クラシック系)
- 小さな英雄(クラシック系)
- 淡い恋 ~Too full with love~(クラシック系)
- FEENA(EDM系)
- The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
- Sophisticated Fight(JAZZ系)
- ケノーピ火山(JAZZ系)
- 浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- QUATERA WOODS(OST系)
- 幻の大地 セルペンティナ(OST系)
- 愛を感じていたい「終焉」(ポップス系)
- 魔王ヴェスパー(OST系)
- 花と風のうた(JAZZ系)
- 総評
- 【関連記事】
「フラッシュレビュー」はデータ中心の簡潔な内容で、ポイントを絞ってオーディオ製品を解説します。
今回取り上げる機種はAr:tio CU1です。
Ar:tioはTTR株式会社の音響ブランドです。この会社は音茶楽の技術提供を受けて茶楽音人ブランドを展開していることでも有名です。Ar:tioを代表するイヤホンとしてRK01が知られています。
なおこのレビューはONZO様の素晴らしいサービスを利用して作成されました。感謝とともにONZO様のますますのご発展をお祈り申し上げます。
ONZO様のサービスについて興味がある方は以下をご参照下さい。
audio-sound @ hatenaはこの機種を「audio-sound @ hatena Highly Recommended」として、大多数の人にとって満足度が高いオーディオ製品であると推奨します。
基本スペック
- ドライバー構成:1DD
- 周波数特性:20Hz~20kHz
- インピーダンス:18Ω
- 感度:102dB
- ケーブルコネクタ:不可
パッケージ
独特のパッケージで届きます。パッケージの外観はこの価格帯では少しシンプルですが、内容は豪華です。
装着サンプル
直垂らしタイプですが、耳掛けも可能です。私の耳には比較的良く収まったのですが、Sサイズの耳を持つHATSでは装着感が安定しづらかったので、耳が小さい人には少し収まりが悪いかも知れません。遮音性は少し低いかもしれません。
音質
測定機材
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- オーディオインターフェース:ROLAND Rubix 24
- アナライザソフト:TypeDSSF3-L
※イヤーシミュレーターの特性上、20hz以下と16khz以上の信頼性は高くありません。
周波数特性
マガジン専用コンテンツになります。
THD+N特性
マガジン専用コンテンツになります。
音質解説
全体として少しウォームな弱ドンシャリの音質をしており、リスニングライクです。1万円台の価格帯としてはかなり歪みが少ない印象を受けるサウンドなのが特徴です。Ar:tioによればこの機種には特許技術「a.i.m」が搭載されています。「a.i.m」とは「Absobing Ideal Mechanism」の略で、ヘルムホルツ共鳴の仕組みを利用して6khzの音域を抑制しているとされています。実際音を聴いてみると輪郭がしっかりして背景からよく分離された印象で高域が聞こえるので、単純に解像度が高いサウンドに感じられます。同じ価格帯では歪みの少なさにおいてTANCHJIM HANAほどではありませんが、FiiO FH3には匹敵する印象を受けます。
低域は少しブーミーで重い感じがありますが、意外と見通しは悪くありません。熱気が強いことは事実で、少しノイズ感があるライブリスニングなサウンドですが、ベースは幅と厚み、熱気があって活き活きと聞こえます。少し濁って聞こえる傾向があることは事実なので、キックとベースの描き分けはそれほどはっきりとはしていないところはあります。低域弦楽はやや太く重い、ゴリゴリ感の少し強い音に感じます。
中域は比較的前に出てくるので、ボーカルは最前列ではありませんが、わりと近い位置にいます。高域方向に静寂な空間があり、ボーカルはしっかりスポットライトが当たります。静寂感は十分にあるので、低域の重厚感、中域の濃厚感が響きとともに印象的に聞こえます。
ただし、場合によって静寂感は少し強すぎる感じもあり、たとえば千菅春香「愛の詩-words of love-」のような曲を聴くと、中高域の艶やかな部分がほとんど聞こえないので、暗い雰囲気があります。電子音よりバイオリンが主役になりやすいので、本来の曲調より重厚感が増し、ややクラシック的な要素が強く聞こえすぎる気がします。曲の持ち味である電子音の奔流に包まれるような没入感を生み出す要素がごっそり消えている雰囲気に感じられるのは少し残念です。逆に言えば、クラシック音楽は金管や木管の響きが静かに聞こえるので落ち着きと奥行きが感じられ、好ましく思えます。ピアノの音の出し方にも品を感じ、たとえばrionos「ウィアートル」のような曲ではピアノに落ち着きが感じられ、ボーカルを支えるバランスがはっきりしており、しっとりと浸って聞くことができます。そういう意味では地味目のサウンドに聞こえるところがあり、どちらかというとアコースティック系の曲と相性が良いでしょう。
面白いのはMAHO堂「おジャ魔女カーニバル!!」を聴くと、私には完全に昭和歌謡の雰囲気に聞こえます。たしかにもともと、ところどころ妙にレトロな雰囲気のある曲ですが。甘い中域が好きならおすすめできます。
高域はバイオリンなどが少し奥の静かなところから高くのびてくるバランスになっており、個人的には音に立体感が感じられて好きです。中域から離れて伸びてくる少しシャープなチューニングになっていますが、目立ちすぎないバランスになっており、中域の甘い雰囲気や低域の重厚感を邪魔しません。
そういうわけで価格帯では少し地味な音質に思いますが、個人的には聞き疲れしないバランスで、聴いているだけで気持ちが落ち着く感じがあるのでわりと好きです。繰り返しになりますが、この価格帯では解像度はしっかりしているイヤホンです。個人的にはsomunia with YACA「波よせて Clammbon Ver.」なんてこのイヤホンで永久リピートできますね。
音場はとくに奥行きに優れて感じられ、比較的広めです。
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。ソースはFiiO M15を用いています。イヤーピースはSpinfit CP120 Lサイズを使い、ゲインは高設定です。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
録音機材
- SAMREC HATS Type2500RSシステム:HEAD & TORSO、Type4172マイクX2搭載
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- オーディオインターフェース:ROLAND Rubix 24
- レコーディングソフト:Audacity
GENS D'ARMES(ロック系)
GENS D'ARMES / イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック / Copyright © Nihon Falcom Corporation
Sophisticated Fight(ロック系)
Sophisticated Fight / 空の軌跡ざんまい / Copyright © Nihon Falcom Corporation
TO MAKE THE END OF BATTLE(ロック系)
TO MAKE THE END OF BATTLE / Ys Ⅰ&Ⅱ ベストサウンドコレクション / Copyright © Nihon Falcom Corporation
白き魔女(クラシック系)
第3部「白き魔女」: 白き魔女 / 交響曲「ガガーブトリロジー」 ~白き魔女~朱紅い雫~海の檻歌~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
小さな英雄(クラシック系)
第3部「白き魔女」: 小さな英雄 / 交響曲「ガガーブトリロジー」 ~白き魔女~朱紅い雫~海の檻歌~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
淡い恋 ~Too full with love~(クラシック系)
淡い恋 ~Too full with love~ / イース・ヒーリング / Copyright © Nihon Falcom Corporation
FEENA(EDM系)
FEENA / PROVINCIALISM Ys / Copyright © Nihon Falcom Corporation
The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
The Silver Will -ギンノイシ- / 空の軌跡ざんまい / Copyright © Nihon Falcom Corporation
Sophisticated Fight(JAZZ系)
Sophisticated Fight / 英雄伝説 空の軌跡FC&SC スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
ケノーピ火山(JAZZ系)
ケノーピ火山 / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
浮遊大陸アルジェス -Introduction- / Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008 / Copyright © Nihon Falcom Corporation
QUATERA WOODS(OST系)
QUATERA WOODS / イースVI -ナピシュテムの匣- オリジナル・サウンドトラック / Copyright © Nihon Falcom Corporation
幻の大地 セルペンティナ(OST系)
幻の大地 セルペンティナ / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
愛を感じていたい「終焉」(ポップス系)
愛を感じていたい「終焉」 / オリジナル・サウンドトラック 「海の檻歌」~後編~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
魔王ヴェスパー(OST系)
魔王ヴェスパー / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
花と風のうた(JAZZ系)
花と風のうた / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
総評
Ar:tio CU1は価格帯では歪みの少ない高い解像度を感じられ、静かで落ち着きのある弱ドンシャリサウンドを提供してくれます。比較的万能なチューニングにはなっていますが、どちらかいうとアコースティックな曲や静かな曲に向く印象を受けます。明るく楽しく音楽を聴きたいという用途には少し向かないかもしれませんが、夜中に静かな雰囲気でBGMのように音楽を楽しみたいときの相棒としては価格帯最高クラスの製品です。
Ar:tio カナル型イヤホン シルバー/ブラック 【CU1】
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