《在庫あり》Audiosense Earphone T100 [T100]【楽天】
- AUDIOSENSEのことなら秋葉館
- 基本スペック
- パッケージ
- 装着サンプル
- 音質
- レコーディングシグネチャー
- 録音機材
- GENS D'ARMES(ロック系)
- Sophisticated Fight(ロック系)
- TO MAKE THE END OF BATTLE(ロック系)
- 白き魔女(クラシック系)
- 小さな英雄(クラシック系)
- 淡い恋 ~Too full with love~(クラシック系)
- FEENA(EDM系)
- The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
- Sophisticated Fight(JAZZ系)
- ケノーピ火山(JAZZ系)
- 浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- QUATERA WOODS(OST系)
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- 花と風のうた(JAZZ系)
- 総評
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「フラッシュレビュー」はデータ中心の簡潔な内容で、ポイントを絞ってオーディオ製品を解説します。
今回取り上げる中華イヤホン製品はAudiosense T100です。
AUDIOSENSEについては日本ではあまり知られていませんが、コスパの良いマルチドライバーIEMを作っていることで一部のオーディオファンに人気が高いブランドです。とくにこのブランドを一躍有名にしたのがAUDIOSENSE T800で、バランスドアーマチュアドライバー採用機らしからぬ深い低域と独特の歯切れの良いクリスピーなサウンドが好評を博し、オーディオコミュニティで好評をもって迎えられました。
最近ではフラッグシップモデルであるAQ7をリリースしています。一般的にはT800で知られているメーカーですが、低価格機からミドルレンジまでカヴァーしており、ラインナップは豊富です。
AUDIOSENSEのことなら秋葉館
なおこのレビューは秋葉館さんからレビュー用レンタルサンプルを提供していただいています。秋葉館さんはAUDIOSENSE製品を実店舗、通販で取り扱っており、そのパッケージはすべて国内正規品になります。店頭にも試聴機が置かれているので、AUDIOSENSE製品に興味がある方は秋葉原に行くことがあったら是非寄ってみて下さい。アクセスはこちらのリンクでご確認頂ければと思います。
また、AUDIOSENSE製品の通販リンクはこちらになります。
audio-sound @ hatenaはこの機種を「audio-sound @ hatena Recommended」として、比較的多数の人にとって買って損がないオーディオ製品であると推奨します。
基本スペック
- ドライバー構成:1DD
- 周波数特性:20hz-22khz
- インピーダンス:16Ω
- 感度:102dB
- ケーブルコネクタ:mmcx
パッケージ
今回は見本サンプルなので、製品版のパッケージとは内容が一部異なる可能性があります。
イヤホンのパッケージ全体はこの価格帯では豪華なレベルだと思われます。キャリイングケースや付属イヤーピース、ケーブルの品質、本体のビルドクオリティでおそらく不満を感じることはなく、ケーブルアップデートも必要ないと思います。低価格でありながらしっかりとしたmmcx端子があり、リケーブルできるのも魅力です。
AUDIOSENSE全体の中ではエントリークラスのモデルになりますが、クオリティ的にはミドルレンジ帯に遜色ありません。
ノズルについて
ノズルはWestoneなどと同じ、細いタイプです。一般的なイヤーピースを取り付ける場合は調整ゴムリングなどを付ける必要があります。
装着サンプル
WestoneやShureの製品を意識したイヤーモニタースタイルのハウジングで小型です。遮音性も良好です。
音質
測定機材
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- オーディオインターフェース:ROLAND Rubix 24
- アナライザソフト:TypeDSSF3-L
※イヤーシミュレーターの特性上、20hz以下と16khz以上の信頼性は高くありません。
周波数特性
上から順に、
- [標準シリコンS装着時]左右別
- [標準シリコンS装着時]左右平均
- [標準シリコンS装着時]左右別(自由音場補正済み)
- [標準シリコンS装着時]左右平均(自由音場補正済み)
※また当ブログの自由音場補正については機材に合わせてサザン音響さんから提供された補正値を使用しております。
サウンドシグネチャー解説
全体として見れば、少し重低域が持ち上がり、中高域にもピークがあり、中域が少し凹んでいるバランスになるので、弱ドンシャリの緩いV字型と言えるかも知れません。しかし、中高域のピークが少し高いので、こういう音を典型的なドンシャリと感じる人も多いように思われます。低価格モデルでありながら、AUDIOSENSE独特の低域のレンジの深さがあることに少し目を見張ります。
THD+N特性
上は周波数帯域ベースのTHD+N特性、下は1khzでの音量レベルTHD+N特性です。THD+N特性はおおむね1%以下で、満足できる品質です。
音質解説(BGVP DN2との比較)
全体は中域へのフォーカスもあるモニター的なW型をしており、各音域のバランスは比較的良好です。
まあ聴いた途端に「この音の雰囲気最近聞いた気がする」って思ったんですが、レビューしたばかりのBGVP DN2と雰囲気は似ています。価格帯も近いので競合する可能性は高く、今回は比較しながらレビューしたいと思います。
以下はAUDIOSENSE T100とBGVP DN2の周波数特性比較グラフ(自由音場補正済み)と周波数帯域ごとのTHD+N特性測定値、1khzでの音量レベルTHD+N特性値です。
低域はやはり深さが感じられるので、わりとすっきりと見通せる感じがあります。深いところの地熱が感じられ、少しノイジーに思うかも知れませんが、少し細い印象を受ける低域でタイトなので見通し感は悪くありません。全体は概ね同じようなバランスとはいえ低域の雰囲気で差があるDN2と聞き比べると、やはりDN2のほうが低域では縦軸の立体感で劣る感じがあり、DN2のほうが幅の感じられるパワフルなサウンドに聞こえますが、人によってはブーミーなバランスで、ベースとキックの描き分けの点でもT100のほうがしっかりしている印象を受けます。
だからT100のほうが優れているとも言えないところがあって、私にはちょっと無味乾燥に感じられるT100の低域よりDN2のパワフルで温かみのある迫力の感じられる低域の方が量感的にも満足できるのですが、モニター的でクリアな低域を求めているならT100を選ぶべきでしょう。
中域は低域と少し分離されています。ボーカルを聴くとボディは少し不足しているように思え、ハスキー傾向で子音や息遣いが少し強調されて聞こえるところがあります。モニター的に聞こえると言えば聞こえは良いですが、音量を上げるとドライでカサカサした感じに聞こえやすく、また中高域音が少しボーカルにかかってきやすいので、場合によってボーカルが中高域に突っ込んで聞こえます。奥行き感に不足を感じ、音は平面的に聞こえやすいです。
全体を見て特徴的なのはやはり中高域の露骨なピークです。アコースティックギター、金管、バイオリンの音などが艶とハリが強く、ギラつきも強めに色っぽく聞こえますが、ボーカルをはじめ楽器音も時々ギャンギャン吠えて聞こえる雰囲気もあるので、曲によってはうるさい感じがあります。たとえばパスピエ「スーパーカー」を聴いてみると、静寂感が足りなく、ボーカルはサビに向かってどんどんシャウティになって少しがさつに感じられますし、シンセ音が明るすぎる印象を受け、全体的に直情的で、この曲に本来あるべきしっとりした情緒が足りないように聞こえます。DN2もこのあたりで同じような特性をしており、決して静かなサウンドというわけではないのですが、もうちょっと静寂感があるので、「スーパーカー」に関する限り、はるかに聴きやすく、情緒感の点でも優れています。音量を下げれば落ち着く傾向はあるので、音量次第なところはありますが、T100は少しボーカルが不自然で媚びて聞こえます。まあ私がうるさい感じが好きではないところもあるので、T100に少し不利な評価をしている可能性はあり、ここらへんは好み次第かな。ただ私にとって、T100とDN2で音量変化による音質変化がよりピーキーに感じられるのはT100のほうです。
全体的に聞き心地が安定しているうえにディテール感が良く感じられるのはBGVP DN2のほうで、AUDIOSENSE T100はそれに比べてピアノの質感がキンキンピキピキと少し硬すぎる印象を受けたり、前述のようにボーカルがシャウティに聞こえたり、少しピーキーなサウンドに思えます。
ただ、ハリがある凛とした雰囲気はT100はくっきりと強調してくれるので、そういうサウンドが好きな場合、T100を好ましく思うかも知れません。音量が小さくても音の艶やかなあたりをきれいに聴かせてくれます。実際私もDN2と聞き比べて、はっきりと「あーなるほど、これ少しピーキーなサウンドだなぁ」なんて実感しましたけど、最初聴いた印象は艶やかなあたりがくっきりしてるんできれいな音だと思いましたし、少し音量上げると若干がさつに聞こえるんですが、私の適正音量(おそらく多くの人よりかなり小さめです)では少しシャウティには思うものの、これくらいならそれほど気になりません。
録音比較
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
浮遊大陸アルジェス -Introduction- / Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008 / Copyright © Nihon Falcom Corporation
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。ソースはFiiO M15を用いています。イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使い、ゲインは低設定です。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
録音機材
- SAMREC HATS Type2500RSシステム:HEAD & TORSO、Type4172マイクX2搭載
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- オーディオインターフェース:ROLAND Rubix 24
- レコーディングソフト:Audacity
GENS D'ARMES(ロック系)
GENS D'ARMES / イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック / Copyright © Nihon Falcom Corporation
Sophisticated Fight(ロック系)
Sophisticated Fight / 空の軌跡ざんまい / Copyright © Nihon Falcom Corporation
TO MAKE THE END OF BATTLE(ロック系)
TO MAKE THE END OF BATTLE / Ys Ⅰ&Ⅱ ベストサウンドコレクション / Copyright © Nihon Falcom Corporation
白き魔女(クラシック系)
第3部「白き魔女」: 白き魔女 / 交響曲「ガガーブトリロジー」 ~白き魔女~朱紅い雫~海の檻歌~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
小さな英雄(クラシック系)
第3部「白き魔女」: 小さな英雄 / 交響曲「ガガーブトリロジー」 ~白き魔女~朱紅い雫~海の檻歌~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
淡い恋 ~Too full with love~(クラシック系)
淡い恋 ~Too full with love~ / イース・ヒーリング / Copyright © Nihon Falcom Corporation
FEENA(EDM系)
FEENA / PROVINCIALISM Ys / Copyright © Nihon Falcom Corporation
The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
The Silver Will -ギンノイシ- / 空の軌跡ざんまい / Copyright © Nihon Falcom Corporation
Sophisticated Fight(JAZZ系)
Sophisticated Fight / 英雄伝説 空の軌跡FC&SC スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
ケノーピ火山(JAZZ系)
ケノーピ火山 / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
浮遊大陸アルジェス -Introduction- / Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008 / Copyright © Nihon Falcom Corporation
QUATERA WOODS(OST系)
QUATERA WOODS / イースVI -ナピシュテムの匣- オリジナル・サウンドトラック / Copyright © Nihon Falcom Corporation
幻の大地 セルペンティナ(OST系)
幻の大地 セルペンティナ / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
愛を感じていたい「終焉」(ポップス系)
愛を感じていたい「終焉」 / オリジナル・サウンドトラック 「海の檻歌」~後編~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
魔王ヴェスパー(OST系)
魔王ヴェスパー / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
花と風のうた(JAZZ系)
花と風のうた / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
総評
AUDIOSENSE T100はAUDIOSENSEの入門機らしい音質を持っています。深い低域と中域へのフォーカス、ディテール感の強い高域といった、AUDIOSENSEらしい特徴を兼ね備えていますが、中高域は露骨に強調されるため、やや派手に傾くところがあり、人によってはうるさげな、聞き疲れしやすいサウンドに思えるかも知れません。静寂感が足りないことは確かです。またボーカルは少しハスキーでシャウティに聞こえやすいかも知れません。一方でツヤのあるハリの強いくっきりしたサウンドはアコースティックギターのサウンドやピアノの音、管楽器を際立たせるところがあるところがあり、一般に鮮明度に優れています。またレンジの深いオーディオファン向きの低域はレイヤリングに優れており、とてもこの価格で買えるとは思えないほど良質です。より実用的なモニターサウンドを求めている場合はT180を検討してみるのが良いでしょう。
《在庫あり》Audiosense Earphone T100 [T100]【楽天】
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