「フラッシュレビュー」はデータ中心の簡潔な内容で、ポイントを絞ってオーディオ製品を解説します。
今回はAr:tio RK01を取り上げます。Ar:tioはTTR株式会社の音響ブランドです。この会社は音茶楽の技術提供を受けて茶楽音人ブランドを展開していることでも有名です。RK01はAr:tioを代表するイヤホンの1つで、ブランドの名を市場に印象づけた名イヤホンでもあります。
なおこのレビューはONZO様の素晴らしいサービスを利用して作成されました。感謝とともにONZO様のますますのご発展をお祈り申し上げます。
ONZO様のサービスについて興味がある方は以下をご参照下さい。
audio-sound @ hatenaはこの機種を「audio-sound @ hatena Highly Recommended」として、大多数の人にとって満足度が高いオーディオ製品であると推奨します。
基本スペック
- 周波数特性:20hz-20kHz
- インピーダンス:18Ω
- 感度:109dB
- ケーブルコネクタ:mmcx
パッケージ
パッケージの外観はこの価格帯では少しシンプルですが、内容は豪華です。4.4mm/2.5mmのバランスケーブルが1本ずつと、3.5mmシングルエンドケーブルが入っています。
装着サンプル
独特の形をしていますが、装着感はそれなりに良好だと思います。
音質
測定機材
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- オーディオインターフェース:ROLAND Rubix 24
- アナライザソフト:TypeDSSF3-L
※イヤーシミュレーターの特性上、20hz以下と16khz以上の信頼性は高くありません。
周波数特性
上から順に、
- [AET07 S装着時]左右別
- [AET07 S装着時]左右平均
- [AET07 S装着時]左右別(自由音場補正済み)
- [AET07 S装着時]左右平均(自由音場補正済み)
- [標準イヤーピース S装着時]左右別
- [標準イヤーピース S装着時]左右平均
- [標準イヤーピース S装着時]左右別(自由音場補正済み)
- [標準イヤーピース S装着時]左右平均(自由音場補正済み)
- 標準イヤーピース比較(自由音場補正済み)
- 標準イヤーピース比較(自由音場補正済み/2khz-24khz拡大)
※「AET07 Sサイズ」は当ブログの測定用レファレンスイヤーピースです。それ以外のイヤーピースは特記がない限り、このイヤホンパッケージの標準添付のものです。
※また当ブログの自由音場補正については機材に合わせてサザン音響さんから提供された補正値を使用しております。
サウンドシグネチャー的には全体として見ると、少し低域よりのU字型と言える形をしています。中域周辺が島型になっており、すっきり見通しよく聞こえるようになっています。
低域は重みと深みがありますが、厚みはすっきりしていてタイトな音に聞こえます。ドラムキックは私の好みからすると、ちょっと重厚感が足りない気がするのですが、アタックは良く、スピード感が良好でスポーツカーのような疾走感を感じます。ベースはあまりブリブリして聞こえないですが、締まりが良く、低域のレイヤリングは良好なので、見通し感を重視する人はかなり満足できるでしょう。引き締まった低域です。低域弦楽は重みはともかく、厚みに欠ける印象を受けるかも知れません。
中域はわりと清潔系で濃厚さはそれほどありません。少し乾いたすっきりした空間の中で、よくボーカルフォーカスされて聞こえると思います。空間の見通しは良く、低域の熱気はよく遮断されており、かといって澄み切りすぎないわりとニュートラルなナチュラル感のある空間が広がっています。輪郭は少し強調されて、音はクリスプにパリッと聞こえやすいところがあり、スネアはハリのあるパシッとした音がします。
中高域のピークは適度に抑えられおり、高域に向かって少し派手になっています。ハイハットやアコースティックギターでは細かい粒立ちが適度なギラつき感で、歪み少なく、くっきり聞こえます。弦楽はのびやかで高いところまで伸びていますが、ヒステリックにはならず少し細身に聞こえますが優雅です。
全体として少しすっきりした空間と若干パリッとしながらもナチュラルな聞こえ方を重視したモデルで、充実感という点ではやや物足りないかも知れませんが、音楽の全体像は捉えやすく、ピーク感がなく良質なチューニングになっています。音質的には、音の厚みを重視するリスナーにはちょっとカサカサした充実感の足りない音に聞こえるかも知れませんが、空間がすっきりしているタイト系の音が好きで、ナチュラルな味わいを好むリスナーにとっては3万円以内で理想的なイヤホンの一つと言えるでしょう。
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。自由音場補正済みです。ソースはFiiO M15を用いています。イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズ、ゲインは高設定です。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
JAZZ
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Sophisticated Fight / 英雄伝説 空の軌跡FC&SC スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
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町「ペンタウァ」 / ファルコムベストサウンドコレクション -All in All- / Copyright © Nihon Falcom Corporation
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Desire / The Songs of Zemeth ~Ys VI Vocal Version / Copyright © Nihon Falcom Corporation
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花と風のうた / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
OST
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Sophisticated Fight / 英雄伝説 空の軌跡FC Evolution オリジナルサウンドトラック / Copyright © Nihon Falcom Corporation
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浮遊大陸アルジェス -Introduction- / Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008 / Copyright © Nihon Falcom Corporation
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QUATERA WOODS / イースVI -ナピシュテムの匣- オリジナル・サウンドトラック / Copyright © Nihon Falcom Corporation
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永劫の夢、大空の記憶 -Online Version- (Bonus Track) / Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008 / Copyright © Nihon Falcom Corporation
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ユルギナイツヨサ / 日本ファルコム 英雄伝説 零の軌跡 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
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アプリエス神殿 / Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008 / Copyright © Nihon Falcom Corporation
クラシック
- Sophisticated Fight / We Love 空の軌跡 / Copyright © Nihon Falcom Corporation
- FEENA / イース ピアノコレクション / Copyright © Nihon Falcom Corporation
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第3部「白き魔女」: 白き魔女 / 交響曲「ガガーブトリロジー」 ~白き魔女~朱紅い雫~海の檻歌~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
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組曲 LILIA (ファルコム ネオクラシック フロム スタディオズ イン ロンドンシティ) / ベリー・ベスト・オブ・イース / Copyright © Nihon Falcom Corporation
ロック
- Sophisticated Fight / 空の軌跡ざんまい / Copyright © Nihon Falcom Corporation
- TO MAKE THE END OF BATTLE / Ys Ⅰ&Ⅱ ベストサウンドコレクション / Copyright © Nihon Falcom Corporation
- The Decisive Collision / 英雄伝説 閃の軌跡 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
- GENS D'ARMES / イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック / Copyright © Nihon Falcom Corporation
- Mighty Obstacle (2003) / Music From The History Of Ys / Copyright © Nihon Falcom Corporation
総評
すっきりした中域を持ち、しかもナチュラルで聞き心地の安定したイヤホンを探しているなら、かなりおすすめできる機種です。バランスケーブルも一通り付属するので機種を選ばず楽しめるのが良く、本体のビルドクオリティも高く、コスパはかなり優秀です。
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