高音質 カナル型 イヤホン Campfire Audio ARA(エラ) 【CAM-5508】 【送料無料(代引き不可)】【1年保証】 リケーブル対応
- 基本スペック
- パッケージ
- 装着サンプル
- 音質
- レコーディングシグネチャー
- 録音機材
- GENS D'ARMES(ロック系)
- Sophisticated Fight(ロック系)
- TO MAKE THE END OF BATTLE(ロック系)
- 白き魔女(クラシック系)
- 小さな英雄(クラシック系)
- 淡い恋 ~Too full with love~(クラシック系)
- FEENA(EDM系)
- The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
- Sophisticated Fight(JAZZ系)
- ケノーピ火山(JAZZ系)
- 浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- QUATERA WOODS(OST系)
- 幻の大地 セルペンティナ(OST系)
- 愛を感じていたい「終焉」(ポップス系)
- 魔王ヴェスパー(OST系)
- 花と風のうた(JAZZ系)
- 総評
- 【関連記事】
「フラッシュレビュー」はデータ中心の簡潔な内容で、ポイントを絞ってオーディオ製品を解説します。
今回取り上げる機種はCampfire Audio ARAです。
Campfire Audioはポータブルアンプや高品質ケーブルで有名なALO Audio社のKen Ball氏が立ち上げたアメリカのイヤホン・ヘッドホンブランドです。非常に人気があるブランドですが、エントリークラスで2万円くらいから、主力はみんな10万円当たり前というような感じなので、基本的に私の購買対象ではありません。
なおこのレビューはONZO様の素晴らしいサービスを利用して作成されました。感謝とともにONZO様のますますのご発展をお祈り申し上げます。
ONZO様のサービスについて興味がある方は以下をご参照下さい。
audio-sound @ hatenaはこの機種を「audio-sound @ hatena Highly Recommended」として、大多数の人にとって満足度が高いオーディオ製品であると推奨します。
基本スペック
- ドライバー構成:7BA(Low×4、Mid×1、High×2)
- 周波数特性:10Hz~26kHz
- インピーダンス:8.5Ω
- 感度:94dB
- ケーブルコネクタ:mmcx
パッケージ
ONZOのレンタルバージョンなので、正規版とはパッケージ内容が違う可能性があります。
Campfire Audio製品を買ったことがないので中身の差はよくわかりませんが、外観は少なくともいつものCampfire Audio製品と大して変わりのない共通デザインです。
付属品は充分揃っていると思います。ただパッケージの開梱体験は豪華さや面白味に欠けるので、人によって物欲面でいまいち消化不良に思える可能性はありそうです。個人的にワクワクする感じはあまりありませんでした。
装着サンプル
本体が少しゴツゴツしているところはあり、耳になんか入ってる感覚があるイヤホンですが、個人的には装着感は良好です。耳が小さい人は少し収まりづらいということもありそうな気はします。
音質
測定機材
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- オーディオインターフェース:ROLAND Rubix 24
- アナライザソフト:TypeDSSF3-L
※イヤーシミュレーターの特性上、20hz以下と16khz以上の信頼性は高くありません。
周波数特性
マガジン専用コンテンツになります。
THD+N特性
マガジン専用コンテンツになります。
音質解説
Campfire Audioらしいディテール感の強調と歪みの少ない雰囲気がありつつ、中域へのフォーカスが良く丁寧に聞こえるのでリファレンスサウンドに近く、かなり好印象でした。率直に言って、一瞬欲しくなったのは事実です。
低域のドライバー数が多いので、相当低域盛ってんのかなって思いましたが、むしろ全体の中では低域は抑えめで中域を引き立て支えるバランスになっています。その低域は熱気の少ない厚みを重視したリラックスしたサウンドになっており、見通し感に優れているというわけではありませんが、ナチュラルな質感で聞こえ、うるさい感じは全くありません。ノイズ感が抑えられたリファレンスモニター的なサウンドになっており、個人的にはかなり好きです。とはいえ本音を言うと、私は低域ジャンキーのところがあるので、「あらまあ今回のARAさんはお上品な低域ですこと。オホホホ」って感じですが。
低域から中域への移行はスムーズで、少しリズム楽器の打ち込み感やボーカルは強調されているので、中域は甘い雰囲気で聞こえ、フォーカスも良く、エレキギターやボーカルはとても活き活きと聞こえます。率直に言ってこの低域と中域のあたりは非常に満足度が高く、「これCampfire Audio史上最高のサウンドじゃねぇ?少なくとも俺にとっては買うならコイツだ!」くらい惚れ込んだんですが、最終的には高域に癖を感じたんで買うのは断念しました。とはいえ、男声ボーカルはやや薄味でちょっと物足りない気がしますが、女声ボーカルは最高クラスに好きなチューニングです。
最初に印象的に思ったのは777☆SISTERSの「ハルカゼ~You were here~」で、少し淡い雰囲気でありながら甘味が感じられ、ハリが感じられる色気のあるボイシングに夢中にさせられました。まあこの曲を聴いたときもボーカルの音がきれいに消えるちょうどその先くらいでシンバルのシャカシャカ音が残る感じで少し耳障りだったんで、これは高域うるさいかなとは思ってたんですが。
早見沙織「ブルーアワーに祈りを」なんて聴くと、とても雰囲気の良いほどよい嫋やかさと甘味を備えた、わりと気持ち良く聴けるボーカルの、のびの美しい消失点を邪魔するように、チャカチャカと少しチャラい感じでアコギとシンバルが響いてきて、「おまえら本当に気分ぶち壊し。邪魔だな」って思わせてくれます。
逆に良いなと思ったのは千菅春香「愛の詩-words of love-」で、たしかに浮ついてチャラく聞こえるんですが、ボーカルの背景でディテール良くしっかり聞こえるシンセ音が気持ち良く聞こえます。相変わらずチャカチャカする音がするんですが、EDMだと逆に少しチャカチャカしてるくらいのほうが緻密に聞こえるので個人的には心地よいです。
というわけで問題は高域です。率直に言ってうまくチューニングされていることは事実なんで、最初はそれほど気にならないんですけど、聴き込んでいくと、シンバルが妙に目立つんで、個人的にはとにかく気になって仕方ない。シンバルの音を目立たせるならもっと超高域の抜けを良くして開放感を出し、余韻を広げたほうがいいと個人的には思うんですよね。私の好みに比べると抜けが悪いので、音が滞留してシャカシャカ、チャカチャカ、カシャンカシャンのあたりの音がとにかく耳に残ってうざったい。
そしてその高域が気になってくると、やはり全体的に静寂感が足りないのも気になってきて、どうも空間的に今ひとつ余裕のないギチギチした感じに聞こえてきます。
個人的にはかなり心惹かれるところあったんですが、心惹かれた分だけ逆に細かな不満点が気になるところがあり、さらに値段を考えると妥協して買えるレベルではありません。とはいえ、中域の、とくに女声ボーカルはきれいに聞こえますし、全体のバランスは悪くないので、これはかなり良い機種の気がします。高域の雰囲気に癖がありますが、これはこれで刺さる人には刺さる気がします。私は刺さらない系の人間だったというだけで。
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。ソースはFiiO M15を用いています。イヤーピースはfinal E Sサイズを使い、ゲインは低設定です。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
録音機材
- SAMREC HATS Type2500RSシステム:HEAD & TORSO、Type4172マイクX2搭載
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- オーディオインターフェース:ROLAND Rubix 24
- レコーディングソフト:Audacity
GENS D'ARMES(ロック系)
GENS D'ARMES / イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック / Copyright © Nihon Falcom Corporation
Sophisticated Fight(ロック系)
Sophisticated Fight / 空の軌跡ざんまい / Copyright © Nihon Falcom Corporation
TO MAKE THE END OF BATTLE(ロック系)
TO MAKE THE END OF BATTLE / Ys Ⅰ&Ⅱ ベストサウンドコレクション / Copyright © Nihon Falcom Corporation
白き魔女(クラシック系)
第3部「白き魔女」: 白き魔女 / 交響曲「ガガーブトリロジー」 ~白き魔女~朱紅い雫~海の檻歌~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
小さな英雄(クラシック系)
第3部「白き魔女」: 小さな英雄 / 交響曲「ガガーブトリロジー」 ~白き魔女~朱紅い雫~海の檻歌~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
淡い恋 ~Too full with love~(クラシック系)
淡い恋 ~Too full with love~ / イース・ヒーリング / Copyright © Nihon Falcom Corporation
FEENA(EDM系)
FEENA / PROVINCIALISM Ys / Copyright © Nihon Falcom Corporation
The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
The Silver Will -ギンノイシ- / 空の軌跡ざんまい / Copyright © Nihon Falcom Corporation
Sophisticated Fight(JAZZ系)
Sophisticated Fight / 英雄伝説 空の軌跡FC&SC スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
ケノーピ火山(JAZZ系)
ケノーピ火山 / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
浮遊大陸アルジェス -Introduction- / Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008 / Copyright © Nihon Falcom Corporation
QUATERA WOODS(OST系)
QUATERA WOODS / イースVI -ナピシュテムの匣- オリジナル・サウンドトラック / Copyright © Nihon Falcom Corporation
幻の大地 セルペンティナ(OST系)
幻の大地 セルペンティナ / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
愛を感じていたい「終焉」(ポップス系)
愛を感じていたい「終焉」 / オリジナル・サウンドトラック 「海の檻歌」~後編~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
魔王ヴェスパー(OST系)
魔王ヴェスパー / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
花と風のうた(JAZZ系)
花と風のうた / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
総評
Campfire Audio ARAは中域に丁寧にフォーカスされるボーカルが美しいイヤホンです。それはパワフルなサウンドのイヤホンではありませんが、リファレンスサウンドと言うにふさわしいバランス感覚とディテールを持っています。印象的な歪みの少なさもハイエンドイヤホンとして十分な魅力に思えます。一方でピーキーな高域は少し気になるところで、繊細なサウンドが好きならおそらく好ましく思えるでしょうが、滑らかで自然な質感を重視する場合は少しうるさい印象を受けるかも知れません。静寂感や重厚さを重視するリスナーにはあまり向きません。
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