- 基本スペック
- パッケージ
- 装着サンプル
- 接続品質
- 音質
- レコーディングシグネチャー
- 録音機材
- GENS D'ARMES(ロック系)
- Sophisticated Fight(ロック系)
- TO MAKE THE END OF BATTLE(ロック系)
- 白き魔女(クラシック系)
- 小さな英雄(クラシック系)
- 淡い恋 ~Too full with love~(クラシック系)
- FEENA(EDM系)
- The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
- Sophisticated Fight(JAZZ系)
- ケノーピ火山(JAZZ系)
- 浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- QUATERA WOODS(OST系)
- 幻の大地 セルペンティナ(OST系)
- 愛を感じていたい「終焉」(ポップス系)
- 魔王ヴェスパー(OST系)
- 花と風のうた(JAZZ系)
- 総評
- 【関連記事】
「フラッシュレビュー」はデータ中心の簡潔な内容で、ポイントを絞ってオーディオ製品を解説します。
今回取り上げる機種はUiiSii TWS808です。
UiiSiiというメーカーはおそらく多くの人が聞いたこともないと思いますが、実はamazonの中華イヤホンブランドとしてはわりと息が長いメーカーで、KZ並みかそれ以上に老舗と思われます。本拠地は東莞らしいです。実際のところ、私も良く知りません。
audio-sound @ hatenaはこの機種を「audio-sound @ hatena Highly Recommended」として、大多数の人にとって満足度が高いオーディオ製品であると推奨します。
基本スペック
- 連続/最大再生時間:4h/60h
- 防水性能:IPX5
- 対応コーデック:AAC/SBC
- 技適番号:204-B00108
パッケージ
パッケージは価格帯では標準的か少し豪華です。付属品はイヤーピースの替え、充電用ケース、充電用ケーブル(Type-C)、説明書です。
本体のビルドクオリティもわりと良好で、充電ケースには安っぽさがなく、曇りガラスのようなケースカバーはおしゃれです。イヤホン本体もラメブラックとメタリックブラックを組み合わせたデザインで高級感があります。
装着サンプル
装着感はかなり良好で素直に耳に収まります。遮音性も悪くありません。
接続品質
通信チップはAB1536Uを搭載しています。
AACでCayin N6II/E02と接続してテストしました。価格帯では優秀な接続品質です。人混みに行ってないのでわかりませんが、家庭内では安定しています。距離耐性は優秀で、5m離れてもシームレスにつながっています。ただし、遮蔽物があると音が途切れがちになり、接続が途切れました。
ホワイトノイズはわずかにあるかもしれませんが、おそらくほとんどの人が気になりません。
音質
測定機材
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- オーディオインターフェース:ROLAND Rubix 24
- アナライザソフト:TypeDSSF3-L
※イヤーシミュレーターの特性上、20hz以下と16khz以上の信頼性は高くありません。
周波数特性
上から順に、
- [標準イヤーピース S装着時]左右別
- [標準イヤーピース S装着時]左右平均
- [標準イヤーピース S装着時]左右別(自由音場補正済み)
- [標準イヤーピース S装着時]左右平均(自由音場補正済み)
※当ブログの自由音場補正については機材に合わせてサザン音響さんから提供された補正値を使用しております。
拡散音場ターゲットを意識したチューニングらしく、サウンドシグネチャーの全体はわりとフラットに近いです。穏やかなU字型といったところでしょう。
低域は深みと重みの感じられる音で、厚みは少し抑え目なため、ややタイト傾向に聞こえます。私の聴感上はエレキベースとドラムキックの描き分けは少しあいまいに聞こえます。エレキベースはやや熱気が強く、ブーム感が強くてブンブンしていて、ドラムもドシドシしてこのあたりに突っ込むので、ボンボンドンドン若干混濁して感じられるところがあり、人によってはこの周辺で籠った印象を受けるかもしれません。いわゆる熱湯風呂な感じです。
ただし、厚みは抑えられているので、この熱気が中域にかかってくることはほとんどありませんし、人によってはライブ感のあるサウンドに聞こえるはずです。またEDMでは強めの重みのあるブーム感が感じられるので、迫力が感じられます。手っ取り早くブーム感の力強さを確認したい場合はレコーディングシグネチャーの「The Silver Will -ギンノイシ-」を聴いてみてください。
低域弦楽はややドンドンした重みを感じますが、ゴリゴリ感は思ったよりは強くなく、わりと透明感のあるサウンドになっています。それでも少し鈍重な傾向があり、黒みが強めで躍動感が足りないと思う可能性はあるかもしれません。
中域はわりとフラットになっており、低域と自然につながり、支えられています。ボーカルフォーカスはわりと良好ですが、厚みはやや抑えられているので、ふくよかさはそれほどでもなく、甘みはいまいちと思う可能性はありますが、自然で落ち着いたボーカルでニュアンスも適度にあってバランスは良いです。またポップスではドラムの膨張感/弾力感/浮き上がり感はもう少し欲しいと思う人がいるかもしれません。
中高域はしっかり聞こえるようになっており、ピアノの稜線はわりとはっきりと光沢を感じさせ、アコースティックギターの手掛かりもはっきりしているように聞こえます。高域はピークを作っていてハイハットのクラッシュ感を目立たせ、マイクロディテールが少しシャープに聞こえ、また超高域のピークが適度な風通しを提供するので、少し尖る音がわりとすっきり抜けてくれます。
わりと高さが感じられ、音場には余韻が広がる、そこそこの開放感があります。
全体として拡散音場フラットを意識したような弱ドンシャリのチューニングになっており、自然な残響感があるバランスとレンジの良い音楽を聞かせてくれます。個人的にはわりと良質なチューニングに思えます。
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。ソースはFiiO M15を用いています。イヤーピースはJVCスパイラルドット Sサイズを使い、コーデックはSBCです。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
録音機材
- SAMREC HATS Type2500RSシステム:HEAD & TORSO、Type4172マイクX2搭載
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- オーディオインターフェース:ROLAND Rubix 24
- レコーディングソフト:Audacity
GENS D'ARMES(ロック系)
GENS D'ARMES / イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック / Copyright © Nihon Falcom Corporation
Sophisticated Fight(ロック系)
Sophisticated Fight / 空の軌跡ざんまい / Copyright © Nihon Falcom Corporation
TO MAKE THE END OF BATTLE(ロック系)
TO MAKE THE END OF BATTLE / Ys Ⅰ&Ⅱ ベストサウンドコレクション / Copyright © Nihon Falcom Corporation
白き魔女(クラシック系)
第3部「白き魔女」: 白き魔女 / 交響曲「ガガーブトリロジー」 ~白き魔女~朱紅い雫~海の檻歌~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
小さな英雄(クラシック系)
第3部「白き魔女」: 小さな英雄 / 交響曲「ガガーブトリロジー」 ~白き魔女~朱紅い雫~海の檻歌~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
淡い恋 ~Too full with love~(クラシック系)
淡い恋 ~Too full with love~ / イース・ヒーリング / Copyright © Nihon Falcom Corporation
FEENA(EDM系)
FEENA / PROVINCIALISM Ys / Copyright © Nihon Falcom Corporation
The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
The Silver Will -ギンノイシ- / 空の軌跡ざんまい / Copyright © Nihon Falcom Corporation
Sophisticated Fight(JAZZ系)
Sophisticated Fight / 英雄伝説 空の軌跡FC&SC スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
ケノーピ火山(JAZZ系)
ケノーピ火山 / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
浮遊大陸アルジェス -Introduction- / Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008 / Copyright © Nihon Falcom Corporation
QUATERA WOODS(OST系)
QUATERA WOODS / イースVI -ナピシュテムの匣- オリジナル・サウンドトラック / Copyright © Nihon Falcom Corporation
幻の大地 セルペンティナ(OST系)
幻の大地 セルペンティナ / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
愛を感じていたい「終焉」(ポップス系)
愛を感じていたい「終焉」 / オリジナル・サウンドトラック 「海の檻歌」~後編~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
魔王ヴェスパー(OST系)
魔王ヴェスパー / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
花と風のうた(JAZZ系)
花と風のうた / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
総評
個人的に同じ価格くらいのデュアルドライバー完全ワイヤレスイヤホンではSoundPEATS Truengine 3SEがお気に入りで、よもやその地位を脅かす機種など1万円以下では登場しないだろうと思っていましたが、5000円以下で手に入るUiiSii TWS808はTruengine 3SEのライバルとして全く不足がありません。楽しさとバランス感覚をうまく組み合わせたチューニングや良好なスペックとビルドクオリティは、このイヤホンをかなり魅力的なものにしています。個人的にこれはもっと注目されてよい機種のように思われます。
【関連記事】