Audiosense Earphone T180 [T180]
- AUDIOSENSEのことなら秋葉館
- 基本スペック
- パッケージ
- 装着サンプル
- 音質
- レコーディングシグネチャー
- 録音機材
- GENS D'ARMES(ロック系)
- Sophisticated Fight(ロック系)
- TO MAKE THE END OF BATTLE(ロック系)
- 白き魔女(クラシック系)
- 小さな英雄(クラシック系)
- 淡い恋 ~Too full with love~(クラシック系)
- FEENA(EDM系)
- The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
- Sophisticated Fight(JAZZ系)
- ケノーピ火山(JAZZ系)
- 浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- QUATERA WOODS(OST系)
- 幻の大地 セルペンティナ(OST系)
- 愛を感じていたい「終焉」(ポップス系)
- 魔王ヴェスパー(OST系)
- 花と風のうた(JAZZ系)
- 総評
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「フラッシュレビュー」はデータ中心の簡潔な内容で、ポイントを絞ってオーディオ製品を解説します。
今回取り上げる中華イヤホン製品はAudiosense T180です。
AUDIOSENSEについては日本ではあまり知られていませんが、コスパの良いマルチドライバーIEMを作っていることで一部のオーディオファンに人気が高いブランドです。とくにこのブランドを一躍有名にしたのがAUDIOSENSE T800で、バランスドアーマチュアドライバー採用機らしからぬ深い低域と独特の歯切れの良いクリスピーなサウンドが好評を博し、オーディオコミュニティで好評をもって迎えられました。
最近ではフラッグシップモデルであるAQ7をリリースしています。一般的にはT800で知られているメーカーですが、低価格機からミドルレンジまでカヴァーしており、ラインナップは豊富です。
AUDIOSENSEのことなら秋葉館
なおこのレビューは秋葉館さんからレビュー用レンタルサンプルを提供していただいています。秋葉館さんはAUDIOSENSE製品を実店舗、通販で取り扱っており、そのパッケージはすべて国内正規品になります。店頭にも試聴機が置かれているので、AUDIOSENSE製品に興味がある方は秋葉原に行くことがあったら是非寄ってみて下さい。アクセスはこちらのリンクでご確認頂ければと思います。
また、AUDIOSENSE製品の通販リンクはこちらになります。
audio-sound @ hatenaはこの機種を「audio-sound @ hatena Highly Recommended」として、大多数の人にとって満足度が高いオーディオ製品であると推奨します。
基本スペック
- ドライバー構成:1BA
- 周波数特性:20hz-22khz
- インピーダンス:24Ω
- 感度:125dB
- ケーブルコネクタ:mmcx
パッケージ
今回は見本サンプルなので、製品版のパッケージとは内容が一部異なる可能性があります。
イヤホンのパッケージ全体はこの価格帯では豪華なレベルだと思われます。キャリイングケースや付属イヤーピース、ケーブルの品質、本体のビルドクオリティでおそらく不満を感じることはなく、ケーブルアップデートも必要ないと思います。低価格でありながらしっかりとしたmmcx端子があり、リケーブルできるのも魅力です。
AUDIOSENSE全体の中ではエントリークラスのモデルになりますが、クオリティ的にはミドルレンジ帯に遜色ありません。
ノズルについて
ノズルはWestoneなどと同じ、細いタイプです。一般的なイヤーピースを取り付ける場合は調整ゴムリングなどを付ける必要があります。
装着サンプル
WestoneやShureの製品を意識したイヤーモニタースタイルのハウジングで小型です。遮音性も良好です。
音質
測定機材
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- オーディオインターフェース:ROLAND Rubix 24
- アナライザソフト:TypeDSSF3-L
※イヤーシミュレーターの特性上、20hz以下と16khz以上の信頼性は高くありません。
周波数特性
サウンドシグネチャー解説
全体として見れば、低域から中域がほとんどニュートラルで、バランスが良いサウンドです。高域は分析的になっており、自由音場フラットに基づく分析的なモニターサウンドと言うことが出来ます。
THD+N特性
上は周波数帯域ベースのTHD+N特性、下は1khzでの音量レベルTHD+N特性です。THD+N特性はおおむね1%以下で、満足できる品質です。
音質解説
全体はフラットで非常に見通し感が良いです。とくに低域方向がフラットで深いところまで伸びているので、透明度の高いレイヤリングに優れた音を好む場合、非常に好ましく思えるはずです。
低域は典型的なモニターサウンドです。深いところまで伸びていて、レンジ感が良く、階層性が明確なサウンドですが、地熱を引き出しすぎないので濁る感じはありません。少し高域方向が優位なので、自然な質感よりはトランジェントが強めで輪郭感が強調され、音がパリパリしている印象を受けます。そのためバランスドアーマチュア独特の響きが細い感じもあって、デジタル的な雰囲気で聞こえやすく、アコースティックな曲には向きませんが、EDMやテクノなどは気持ち良く聴けます。
中域は少し前進しています。しかし全体として見れば自由音場フラットにかなり忠実です。音が平面的に聞こえ、しかも高域の強調によって輝度が少し強いので音は全体的に硬い質感で聞こえます。
高域はディテールと抜けの強調がありますが、余韻は抑えられているので個々の音のまとまりが良く、いわゆる粒立ちがはっきりする、音離れの良い音で、しゃっきりくっきり明瞭に聞こえます。
音を分析的に細かいマイクロディテールをまとまりよく一つ一つしっかりと聴かせつつ、全体としては見通しの良い自由音場フラットの正統派モニターサウンドに仕上がっています。そのため、分析的な音楽鑑賞に向くだけでなく、もっと真面目な用途、たとえば楽器の練習であるとか、DTM、語学学習、テープ起こし、リモート会議などでも非常に役立ってくれます。
KBEAR F1/SHURE SE215との音質比較
マガジン専用コンテンツになります。
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。ソースはFiiO M15を用いています。イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使い、ゲインは高設定です。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
録音機材
- SAMREC HATS Type2500RSシステム:HEAD & TORSO、Type4172マイクX2搭載
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- オーディオインターフェース:ROLAND Rubix 24
- レコーディングソフト:Audacity
GENS D'ARMES(ロック系)
GENS D'ARMES / イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック / Copyright © Nihon Falcom Corporation
Sophisticated Fight(ロック系)
Sophisticated Fight / 空の軌跡ざんまい / Copyright © Nihon Falcom Corporation
TO MAKE THE END OF BATTLE(ロック系)
TO MAKE THE END OF BATTLE / Ys Ⅰ&Ⅱ ベストサウンドコレクション / Copyright © Nihon Falcom Corporation
白き魔女(クラシック系)
第3部「白き魔女」: 白き魔女 / 交響曲「ガガーブトリロジー」 ~白き魔女~朱紅い雫~海の檻歌~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
小さな英雄(クラシック系)
第3部「白き魔女」: 小さな英雄 / 交響曲「ガガーブトリロジー」 ~白き魔女~朱紅い雫~海の檻歌~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
淡い恋 ~Too full with love~(クラシック系)
淡い恋 ~Too full with love~ / イース・ヒーリング / Copyright © Nihon Falcom Corporation
FEENA(EDM系)
FEENA / PROVINCIALISM Ys / Copyright © Nihon Falcom Corporation
The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
The Silver Will -ギンノイシ- / 空の軌跡ざんまい / Copyright © Nihon Falcom Corporation
Sophisticated Fight(JAZZ系)
Sophisticated Fight / 英雄伝説 空の軌跡FC&SC スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
ケノーピ火山(JAZZ系)
ケノーピ火山 / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
浮遊大陸アルジェス -Introduction- / Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008 / Copyright © Nihon Falcom Corporation
QUATERA WOODS(OST系)
QUATERA WOODS / イースVI -ナピシュテムの匣- オリジナル・サウンドトラック / Copyright © Nihon Falcom Corporation
幻の大地 セルペンティナ(OST系)
幻の大地 セルペンティナ / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
愛を感じていたい「終焉」(ポップス系)
愛を感じていたい「終焉」 / オリジナル・サウンドトラック 「海の檻歌」~後編~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
魔王ヴェスパー(OST系)
魔王ヴェスパー / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
花と風のうた(JAZZ系)
花と風のうた / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
総評
AUDIOSENSE T180は手ごろな価格で本格的で正統派のモニターサウンドを楽しみたいユーザーにとって最適の選択肢の一つになり得ます。分析的な音楽鑑賞だけでなく、楽器練習や語学学習やナレーションの聞き取りなど、より実用的な側面でも優れた性能を持つ機種です。シングルバランスドアーマチュアドライバーモデルですが、AUDIOSENSEらしい良チューニングでレンジは良いです。音は少し硬く、おそらくモニターサウンドとバランスドアーマチュアドライバーの特性の両方から来る、独特の無機質な感じがありますが、くっきりとデジタルな雰囲気に音楽を楽しみたい人にとっては、かなりコスパの良いモデルに思えるでしょう。
Audiosense Earphone T180 [T180]
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