audio-sound @ hatena

audio-sound @ hatena

オーディオ機器やゲーミングデバイスのレビュー、そして好きな音楽を徒然なるままに

MENU

【ニュース】デザインがかっこよすぎる完全ワイヤレスイヤホン「Klipsch T5 ll TRUE WIRELESS」「Klipsch T5 ll TRUE WIRELESS SPORT McLaren Edition」発売!!

Klipsch T5 ll TRUE WIRELESS SPORT McLaren Edition

Klipsch T5 ll TRUE WIRELESS SPORT McLaren Edition

 

 

あの「かっこいい!」を体現した完全ワイヤレスイヤホン、ようやくの登場!

 Klipschからマクラーレンとコラボした完全ワイヤレスイヤホンが出ることはすでにお伝えしていましたが、「結局あれ、いつ出るんだろうね?」なんて思ってたら年末になってようやく登場しました!12月下旬発売予定です。

www.ear-phone-review.com

 

 Klipsch T5 ll TRUE WIRELESS SPORT McLaren Editionは一時期$649という完全ワイヤレスイヤホンとしてはかなり高額な価格設定の情報が飛び交い、驚きを呼んでいましたが、実際には常識的な値段で販売されたようです米尼で$249だったかな。よく思い出したら、高額だったのはT10のほうでした。T10はいつ出るのかな。

www.gizmodo.jp

 

 

Klipschの完全ワイヤレスイヤホン第二世代について

 さて、すでにお知らせしている通り、Klipschの完全ワイヤレスイヤホン第二世代は以下の2種類です。

 

Klipsch T5 II True Wireless Sport McLaren

 イヤホンとケースともにIP67の防塵防水性能を実現しています。さらに湿気除去システムによって、充電ケース内のイヤホンを保存に適した乾燥した状態に保ちます。

 

Klipsch T5 ll TRUE WIRELESS SPORT McLaren Edition

 

 6ペアの特許取得済みKlipschイヤーピース、1ペアのComplyメモリーフォームイヤーピース、3サイズのノーバッジイヤウィングにより、個人に合わせた快適で安全なフィットを実現します。

 

Klipsch T5 ll TRUE WIRELESS SPORT McLaren Edition

 

 ケースは、USB-Cを介して有線充電するか、付属のワイヤレス充電パッドを使用してワイヤレスで充電できます。充電ケースを使うことで最大再生32時間のバッテリーが提供されます。

 

Klipsch T5 ll TRUE WIRELESS SPORT McLaren Edition

 

 イヤホン単体の連続再生時間は8時間です。クリアなボイスチャットを備えた4つのビームフォーミングマイクと陽極酸化された金属信号ブースト外部アンテナを備えています。

 

Klipsch T5 ll TRUE WIRELESS SPORT McLaren Edition

 

 マクラーレンの先進的なスポーツカーからインスパイアされたパパイヤオレンジとカーボンファイバーのアクセントデザインを持ち、イヤホン本体にはクリプシュとマクラーレンのロゴが施されたコラボレーションならではの特別なデザインに仕上がっています。限定版のブランドブック、シリアルナンバーが刻印された金属カードが付属します。

 

Klipsch T5 ll TRUE WIRELESS SPORT McLaren Edition

 

 イギリスでの予定発売価格は£259.00(約35000円)です。日本での実売価格が公表されていないようですが、気になります。

 

Klipsch T5 II True Wireless Sport McLarenの技術仕様と販売価格

Klipsch T5 ll TRUE WIRELESS SPORT McLaren Edition

Klipsch T5 ll TRUE WIRELESS SPORT McLaren Edition

 

KlipschT5 II True Wireless

 好評を博したKlipsch T5の第二世代機です。

 

Klipsch T5 ll TRUE WIRELESS

 

 イヤホンサイズは約25%小さくなり、耳の形をより忠実に再現して最大限の快適性を実現しました。Klipschが特許を取得しているイヤーピースは、個人に合うフィット感を実現するために以前の3ペアから6ペアに付属量が倍増しています。

 

Klipsch T5 ll TRUE WIRELESS

 

 イヤホンは防塵防水(IP67定格)で、スリムなプレミアムブラッシュドメタルケースに収まり、合計32時間のバッテリー駆動時間(イヤホン単体は8時間)まで利用できます。

 

Klipsch T5 ll TRUE WIRELESS

 

 イギリスでの参考価格は£185.00(約25000円)になります。

 

Klipsch T5 II True Wirelessの技術仕様と販売価格

Klipsch T5 ll TRUE WIRELESS

Klipsch T5 ll TRUE WIRELESS

 

 

Klipsch T5 ll TRUE WIRELESS SPORTは未発売?

 Klipschが以前発表したラインナップにはKlipsch T5 ll TRUE WIRELESS SPORTがあったはずですが、これは今回は国内リリースされないようです。マクラーレンモデルのあとに出てくるのかな?まあ良く知りません。アメリカでは$229ですでに販売されています

 

 

前世代機種T5は爆安になってます

 ここ数日、Klipsch T5が爆下げしてかなり激安になってるんですが、どうもこの影響のようですね。

www.ear-phone-review.com

 

 

まとめ

 さて、実際のところ一足早く発売されたアメリカでは、Klipsch T5 ll TRUE WIRELESS SPORT McLaren Editionは、その独特のデザインからレビューではわりと「装着感が微妙すぎる!」という指摘が結構出ています。メディアレビューでも、装着感はよいが、イヤーフィンがすぐズレ落ちてケースに収納しづらいと指摘しているものがあります。装着感については合う合わないがありますし、欧米人の大きな耳によるレビューだと思いますが、少し気になるポイントではあります。今のところ音質面で酷評しているレビューはたぶんないと思います。

 個人的には興味津々で、価格次第ではほしいですね。一味違う完全ワイヤレスイヤホンでほかに差をつけたい人にはマストアイテムになりそうです。

 

【関連記事】

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com


【特価】セール情報:Klipsch T5【数量限定】

Klipsch T5

Klipsch T5

Klipsch クリプシュ T5 TRUE WIRELESS 完全ワイヤレスイヤホン: T5 TRUE WIRELESS 【国内正規品】 ブラック

 

 

人気の完全ワイヤレスイヤホン、割引購入できます

 ジッポーライターのようなデザインで人気のKlipschの完全ワイヤレスイヤホンが割安で購入できます。

 

セール情報

 

 

レビュー記事

www.ear-phone-review.com

 

 

他にも現在利用可能なamazonクーポンや激安特価情報があります

  1. amazon限定クーポン
  2. AV機器クーポン
  3. NTT-X Store 特価コーナー
  4. ミックスウェーブアウトレット
  5. HiFiGO Flash Deals

Kindle本 セール&キャンペーン

www.ear-phone-review.com

 

【関連記事】

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com


【ニュース】Klipschがマクラーレンにインスパイアされたスポーツ完全ワイヤレスイヤホンほか第二世代完全ワイヤレスモデルを正式リリース

Klipsch T5 II True Wireless Sport McLaren edition

Klipsch T5 II True Wireless Sport McLaren edition

 

 

Klipschがマクラーレンモデルを発表しました

 Klipschの新作完全ワイヤレスイヤホンがマクラーレンとコラボしたことはCES2020で発表され、以前から知られていましたが、いよいよ市場に投入されるようです。デザインがかっこよく、個人的に大注目しています。

www.gizmodo.jp

 

Klipschの完全ワイヤレスイヤホン第二世代

Klipsch T5 II True Wireless Sport McLaren

 イヤホンとケースともにIP67の防塵防水性能を実現しています。さらに湿気除去システムによって、充電ケース内のイヤホンを保存に適した乾燥した状態に保ちます。6ペアの特許取得済みKlipschイヤーピース、1ペアのComplyメモリーフォームイヤーピース、3サイズのノーバッジイヤウィングにより、個人に合わせた快適で安全なフィットを実現します。ケースは、USB-Cを介して有線充電するか、付属のワイヤレス充電パッドを使用してワイヤレスで充電できます。充電ケースを使うことで最大再生32時間のバッテリーが提供されます。イヤホン単体の連続再生時間は8時間です。クリアなボイスチャットを備えた4つのビームフォーミングマイクと陽極酸化された金属信号ブースト外部アンテナを備えています。マクラーレンの特徴であるパパイヤオレンジとカーボンファイバーのアクセントを持ち、限定版のブランドブック、シリアルナンバーが刻印された金属カードが付属します。イギリスでの予定発売価格は£259.00(約35000円)です。

 

KlipschT5 II True Wireless Sport

 仕様はKlipsch McLarenモデルと外観以外基本的に変わりませんが、限定版特典とワイヤレス充電パッドは付属しません。カラーはブラックとホワイトから選べます。イギリスでの参考価格は£209.00(約28000円)になります。

 

KlipschT5 II True Wireless

 好評を博したKlipsch T5の第二世代機です。イヤホンサイズは約25%小さくなり、耳の形をより忠実に再現して最大限の快適性を実現しました。Klipschが特許を取得しているイヤーピースは、個人に合うフィット感を実現するために以前の3ペアから6ペアに付属量が倍増しています。イヤホンは防塵防水(IP67定格)で、スリムなプレミアムブラッシュドメタルケースに収まり、合計32時間のバッテリー駆動時間(イヤホン単体は8時間)まで利用できます。イギリスでの参考価格は£185.00(約25000円)になります。

 

詳細情報

 より詳しい情報はHiFiPigの記事を参照して下さい。

hifipig.com

 

【関連記事】

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com


【完全ワイヤレスイヤホン Klipsch T5 レビュー】やや温かみのある空気感の中で、艶やかで情熱的な音を丁寧に聴かせる。全音域に配慮したフラット系。おすすめ

Klipsch T5

Klipsch T5

Klipsch T5 TRUE WIRELESS トゥルーワイヤレスイヤホン完全ワイヤレス

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「コンパクトで装着感は良い。通信品質は安定している」

おすすめ度*1

Klipsch T5

ASIN

B07QXLQT34

スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間

8h/32h

Bluetoothバージョン 5.0
対応ワイヤレスコーデック aptX/AAC/SBC
防水性能

IPX4

音質傾向

ギターがきれい、温もり感がある、高域が詳細、キラキラ、ウォーム、ドシドシ、調和的、音場に一体感がある、ボーカルフォーカスも良い、ややデジタル、適度な膨張感

 独特のハウジングデザインで、Klipschっぽいノズルが尖った感じがあり、耳に深く入る感じです。遮音性は悪くありません。

 

 対応コーデックはaptX/AAC/SBC。ONKYO GRANBEATHiby R6 Proで交互に繋ぎながら接続品質をみました。テストしたのは某関東ターミナル駅周辺です。駅構内の改札付近などでは途切れはありませんでしたが、街中を歩いていると少し途切れが見られました。バスロータリー付近でも少し途切れます。

 QCC3020を搭載している機種で、私の環境の場合接続当初などに通信の乱れが見られます。時間が経つと通信品質が安定してきます。

 

テスト環境

 今回のテストはHiby R6 ProとONKYO GRANBEAT、Cayin B6II/A01で行っています。

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

 

【2】外観・インターフェース・付属品「充電ケーブルはType-Cです」

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル(Type-C)、専用充電ケース、説明書です。

 ONZOのサブスク版なので付属品が異なる場合があります。ONZOのサービスについて興味がある方は以下を確認下さい。

www.phileweb.com

www.onzo.co.jp

 

 ノズル形状は特殊で付属イヤーピースも特殊なデザインのため、イヤピの自由度が気になっていましたが、結構自由度は高いです。

 

Klipsch T5Klipsch T5

 

【3】音質「やや暖かみのある充実感の中で、中域上から中高域あたりをややフォーカスして聴かせる感じがあるが、基本的にはフラットに全音域に配慮されている」

 音質はギターの付近にフォーカス感があり、アコースティックギターは結構前面に出てきて聞こえてきます。空間は完全な透明感を目指しておらず、わずかに空気感があるために音場に人肌くらいの温もりが感じられます。ボーカルフォーカスも良く、とくに女声ボーカルはギター音やスネア・タムあたりにほどよく包まれながら、適度に前に出てきてくれます。

 低域から中域までがやや暖かみを感じさせるのに対し、高域はやや爽やかにさっぱりして抜けていく感じがあります。たとえば弦楽は上では少し筋立ちを強調して細くなって抜けていく感じが出ますので、人によっては少しヒステリックに感じるかも知れません。ボーカルの子音も強調感があって、ソフトタッチで透明感もあるわりに、高いところではツ音や息遣いにややディテールの強調が出ます。口の運びを明確に感じる一方、人によっては少し滑らかさに欠けるという印象を持つかもしれません。

 低域と中域の境目は少しゆるやかでライブ感を出しますが、人によっては篭もっている印象を受けるかも知れません。低域自体は印象に比べると案外透明度があり、バスドラキックやベースの音が鮮やかによく聞こえますが、温度感も強いので少しほの暖かい感じで聞こえます。意外と低域の支配力は強いようで、音の重心は少し下がっていくような、安定感のある音響に聞こえやすいです。

 低域の暖かみは中域に滲み出す感じがあり、清潔さを少し減少させ濃厚感を演出しているので、好みを分けるところはありそうです。ドラム表現に暖かみを求める人には、ディテールもほどよく、満足できる低域でしょう。低域弦楽も透明に寄せている感じですが、膨らみがあり、ボンボンと空気を伝わる生々しさも維持されています。JAZZに空気感を求める人にも好まれそうな出音です。低域の量感は多くなく、小音量ではやや厚みが足りなく思える可能性はありますが、音場全体に適度な深みをもたらしており、音には安定感があります。

 

 総合すると、やや中高域以上でデジタルな感じや少しシャープネスを強調するような細い感じがありますが、基本的にはほどよい暖かみの中でライブ感を大事にしつつ、全音域にほどよくディテールをまぶしたモニター的な音になっています。低域が中域に少し滲み出すところがあるせいで、濃度感がわずかに強いところもあり、低域のディテールや中域に鮮明さを出すのに音量を必要とするところはあります。

 

音質因子評価
音質因子 評価
鮮やかさ
(鮮やか/色味が薄い)
鮮やか。中域から中高域にかけては充分に鮮やか。

鋭さ

(鋭い/鈍い)

やや鋭い。全体的に柔らかい音に見えて、高域では意外とシャープネスを強調する感じがある。
明るさ
(明るい/暗い)
やや明るい。中高域で少し明るめで自然光よりは少し明るいくらいの音場に感じる。
派手さ
(派手/地味)
やや派手。中高域以上で少し鮮やかさを強調し若干派手めに聞こえる。
硬さ
(硬い/柔らかい)
普通。音に手応えはあるが、硬い感じはない。
尖り
(尖っている/丸みがある)
普通。前述のように意外と音に鋭いところはあるが、輪郭の鋭さで、エッジの尖りという感じではない。
穏やかさ
(穏やか/騒々しい)
やや穏やか。全体的に温和な空気感があり、適度な暖かみの中で音を聴かせる。
力強さ
(力強い/嫋やか)
普通。低域は厚みのあるライブ感があり、一点で力点を強調するよりは全体的にやや押し出し感のある感じである。ダイナミックさは抑え気味に聞こえ、やや穏やかに聞こえるが、押し出し感を感じると、印象よりはもう少しパワフルかも知れない。
豊かさ
(豊か/貧弱)

やや豊か。全体的に音に一定の太さがあり、適度に膨らむ実体感がある。音の情報量も多めである。空間も少し濃厚。

太さ
(太い/細い)
普通。高域の高いところで少し細くなる傾向があるが、基本的には音に一定の太さがあり、低音は少し膨らむくらいである。
手触り
(ざらざら/滑らか)
やや滑らか。全体的に音の質感は滑らかに感じる。
粒感
(きめの細かい/粗い)
やや細かい。金管やシンバル、弦楽は少し上で細い感じがあり、アコースティックギターもやや刻みが細かく粒立ちが少し強めに感じられる。
清潔感
(澄んだ/濁った)
やや濁っている。低域の熱気が中域に滲み出す感じがあり、空気感がある。
潤い
(潤いのある/乾いた)
やや乾いている。ややドライである。
重さ
(重い/軽い)
やや重い。わずかに低域に向かって重心を感じ、音が緩やかに下がっていく感じがある。

 

ボーカル因子評価
ボーカル因子 男声 女声
澄んでいるか
(澄んでいる/濁っている)
やや濁っている やや濁っている

明るいか

(明るい/暗い)

やや明るい やや明るい

伸びやかか

(伸びる、突き抜ける/天井感がある)

やや伸びやか やや伸びやか

潤っているか

(しっとりしている/乾いている)

やや乾いている やや乾いている

太いか

(太い/細い)

普通 普通

濃いか

(濃い/薄い)

普通 やや濃い

子音が強調されるか

(目立つ/目立たない)

やや目立つ やや目立つ

 

空間因子評価
空間因子 評価
主に中域の密度
(ぎっしり/スカスカ)
ややぎっしり
主に高域の高さ
(抜けが良い/天井感がある)
やや抜けが良い
主に低域の深さ
(深掘り感がある/浮き上がりがよい)
やや深掘り感がある
主に低域と中域の横幅
(広い/狭い)

やや広い

主に中域の奥行き感
(奥まる/前屈み)
やや前屈み

 

美点
  1. 全体的に適度な温度感がある
  2. 適度に前屈みでボーカルフォーカスは悪くない
  3. ギターサウンドがきれい
  4. 全音域に適度なディテール感がある
  5. ライブ感がある
  6. 全体的に音に適度な太さがあり、鮮やかさもある
欠点
  1. クリア感に欠けると感じられる可能性がある
  2. 篭もっていると感じられる可能性がある
  3. 音が乾燥して感じられやすい
  4. 曲によっては低域は膨らみやすい

 

[高音]:高域の上の方はマイルドに抜けていく感じがあるが、ハイハットは結構高さを感じ、弦楽も少し筋立ちを出しながら上に伸びる感じがある。人によってはわずかにボーイングが強く、ギシギシしているように感じるかも知れない。ボーカルも少し上に伸びる感じがあり、子音は強調されやすい(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中域上から中高域あたりに強調感があり、とくにギターは良くフォーカスされ、曲によってはボーカルよりも目立つかも知れない。中域は奥行き感が適度に持たせられているが、強調感はなく、少し空気感と鮮やかさを出しながら、音をソフトタッチで聞かせる。音には充分な太さがあり、実体感がある。

[低音]:100hz~40hzまでややボーッという感じの厚みのある重い振動。30hzで沈み、20hz以下でほぼ無音。ベース音が鮮やかでキックもやや濃い感じで深さを感じるが、暖かみも少し強いので人によってはぼんやりして感じられるかも知れない。低域弦楽や低域管楽も少し膨らんで聞こえてくる。音量を上げるとベースの輪郭がはっきりしてきて、明瞭感は増してくるだろうが、低音量だとややぼんやり具合が強いかも知れない(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:ディテール的には低域はやや抑えめで、中高域に自然と音楽的な焦点が作られるようになっている。音は少し沈んでいく感じはあり、重心は低めで安定感がある(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:スネアのパリパリ感は結構出て、上辺でバチバチとした粘りを感じるが、少し膨らみながら聞こえる感じがあり、フロアタムがやや豊満に出やすい。少し重いバツンバツン。ハイハットは高さもそこそこ出しつつ、チンチンしたあたりに強調があり、濃い感じである(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルは女声のほうが前に出てくる。男声ボーカルはつややかで自然な甘味はあるが、どちらかというとドライで子音は少し強調されている。女声ボーカルは男声よりはもう少し甘味が強く、上に少し伸びやすい感じではあるが、媚びた感じは強くなく、意外と情緒は安定して聞こえる。

 

【4】官能性「適度に詳細ながら、情熱と品格を感じさせるバランス感覚のあるサウンド」

Arty McGlynn「Jigs: The Humors Of Kilclogher」

Jigs: The Humors Of Kilclogher

Jigs: The Humors Of Kilclogher

【Cayin N6II/A01で鑑賞】ギター曲です。これまでT5はどちらかというとドライ、という話をしてきたと思いますが、この曲のようにギターだけのサウンドに集中してみると、充分な潤い感と立体感、そして温もりが感じられます。充分な煌びやかさと胴鳴りの沈む音も感じられ、深みのあるサウンドを味わわせてくれます。アコースティックギターのツヤのある音は本当にうまいと思いますね。

 


Masters of the Irish Guitar

 

Snail's House「なつまつり」

なつまつり

なつまつり

【Cayin N6II/A01で鑑賞】まず音場全体に適度な暖かみがあり、この曲のノスタルジックな温度感を丁寧に感じさせてくれます。高域の電子音はくっきりとしており、ディテールの集中があり、鮮やかに聞こえる一方、ピアノ音から下の方は徐々に柔らかいディテールになっていき、低域は温度感を増して祭りの熱気を感じさせてくれるように暖かみがあります。ほの暗い夕刻に、祭りの提灯の明かりだけ少し鮮明な中、行き交う人が暗がりでひしめいている、独特の明暗のあるノスタルジックな情景が目に浮かびます。人肌の温度感があるサウンドが、生々しい人々の息遣いの篭もった存在感を感じさせてくれるようです。

 


Love Magic

 

LiSA「一番の宝物 ~Yui final ver.~」

一番の宝物~Yui final ver.~

一番の宝物~Yui final ver.~

【Cayin N6II/A01で鑑賞】この曲ではギターの繊細な表現が鮮やかです。温もり感があるので、ボーカルには生々しい感情がのっており、フロアタムもそのボーカルを支えるような膨らみを出して、上に優しく押し上げます。弦楽はややヒステリックに高さを強調しますが、それがまた感情の高ぶりを感じさせてくれ、音場全体に充分な温もり感がありながらも上では気持ちが抜けていく、高い空が感じられます。音楽の重心は低く、地に足が付いた安定感がありながらも、サビでは楽器音すべてが上に向かい、高い空の星空の輝きに吸い込まれていくような、静かな突き抜け感を感じさせてくれます。

 ただし、私の好みよりはわずかにボーカルが明るすぎて、上で子音を強調するのが少しだけ気になります。

 


一番の宝物~Yui final ver.~(DVD付)【完全生産限定盤】

 

Kimii「ikanaide」

soundcloud.com

【Cayin N6II/A01で鑑賞】高域の粒立ち感はしっかりしており、緻密な明るさを感じさせてくれつつ、中域から低域にかけては少し熱量感のあるダンスフロアが広がっており、深みと適度な重みを感じさせてくれます。中域のピアノ音や弦楽音は艶やかでありながら、しっかりと低域とつながって深く沈む感覚があり、明るく詳細で明瞭感のある高域音と適度な対比を見せつつ、一方で全体像は適度に一体的な空気感に包まれて、わずかに熱狂するダンス空間が展開されています。ディテール感を丁寧に出しつつ、適度にノスタルジックで馴染んでくるような音は、テクノの電子音に沁み入るような深みを与えています。

 

【5】総評「音の完成度は高く、デザインも秀逸です」

 正直に告白します。T5について、私はこれまで必ずしも高い評価を与えていたとは言えません。Klipsch好きではありますが、この機種の音はどことなくデジタルで、優美で自然な、いつものKlipschサウンドとはわずかに異なる匂いを感じていました。しかし、実際静かな環境で聴き込んでみると、高域のちょっと輪郭が高めのデジタルな音を、適度な温もり感の中で印象づけて聴かせるバランスはなかなかに感動的で、またギターサウンドの艶やかさに心打たれました。

 それでも独特のノズルが使いづらいかも知れないと思っていましたが、実際試してみると、イヤーピースの自由度も低くないことがわかりました。そうすると、思ったよりも完成度が高いということが見えてきて、これはむしろおすすめ度が高くなりました。

 

まとめ
  • ギターサウンドが素晴らしい
  • コンパクトでかっこいいデザイン
  • イヤーピースの自由度も低くない

 

Klipsch T5

Klipsch T5

Klipsch T5 TRUE WIRELESS トゥルーワイヤレスイヤホン完全ワイヤレス

 

【関連記事】

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com


*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【ニュース】Klipschの完全ワイヤレスイヤホン T5予約開始!M-SOUNDS MS-TW3のレビュー。Amazon Music HDサービス開始。左右同時伝送の完全ワイヤレスイヤホン登場!Cayin N6IIアップデート。[Klipsch T5/M-SOUNDS MS-TW3/Amazon Music HD/SoundLiberty 77/Cayin N6II]

Klipsch T5

Klipsch T5

 

 最近のオーディオ関連で個人的な注目ニュースを紹介します。

 

 

Klipsch T5ようやく発売。

 Klipsch初の完全ワイヤレスイヤホンが9/27に発売されることが決定し、本日より予約が開始されました。前々からデザインがかっこよく、音質も悪くないと評判になっていた機種ですが、どうも代理店がなかなか決まらなかったようです。最終的にはオンキヨーから発売となりました。aptX対応です。

 

av.watch.impress.co.jp

e-earphone.blog

 

Klipsch T5

Klipsch T5

Klipsch T5 TRUE WIRELESS トゥルーワイヤレスイヤホン完全ワイヤレス

 

HDSS搭載、M-SOUNDS MS-TW3本日発売!PHILEWEBにレビュー記事が掲載されていました

M-SOUNDS MS-TW3

M-SOUNDS MS-TW3

M-SOUNDS 完全ワイヤレス Bluetoothイヤホン(ブラック)MSC M-SOUNDS MS-TW3BK

 

 自然な立体感のある音響をもたらすというHDSSを搭載した完全ワイヤレスイヤホン、M-SOUNDS MS-TW3が本日発売されました。早速PHILEWEBからレビュー記事が届いております。

 

なかでも最大の特長といえるのが、サウンドクオリティの大幅な向上だろう。TPU(熱可塑性ウレタン)とPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)による2層構造の複合振動板を採用した5.9mm口径のダイナミック型ドライバーを開発して搭載したことに加え、筐体内部に発生する不要な反響音を吸収/整流させるHDSS(High Definition Sound Standard)音響モジュールを採用した点は注目だ。

 

音質向上にはボディデザインも寄与しているという。ノイズダウンカナルや3Dロングノズルを採用したことで、高い遮音性を実現。騒音を気にせず集中して音楽を楽しめることはもちろん、ドライバーの表現力を余すことなく聴けるという点でもメリットだ。さらに、標準のイヤーピースとは別に、高い遮音性と伸びやかな高音を表現するSpinFitの「CP350」も付属している点も嬉しい。

 

さて、肝心の音質についてお伝えしよう。前述のとおり、ノイズダウンカナルや3Dロングノズル等の採用で遮音性を高めたところに、新開発の複合振動板採用ダイナミックドライバーやHDSS音響モジュールを搭載している。これらにより、クリアな中高域とパワフルな低域を組み合わせた、抑揚に優れた勢いのあるキャラクターはそのままに、よりピュアな、より音色の多彩なサウンドへとアップグレードしたイメージだ。ヴォーカルやメイン楽器のディテールが細部までしっかりと伝わってくるようになったし、空間的な広がりもしっかりと感じられる。

特に女性ヴォーカルは、伸びやかでありながら高域が鋭すぎず、ほんの少し普段より艶やかに感じる歌声を楽しませてくれる。サラ・オレインは凜とした雰囲気のなかにちょっとした艶やかさが加わった、なんとも魅力的な歌声を聴かせてくれるし、LiSAの歌声は普段より幾分ヌケの良い、さらにエネルギッシュな歌唱に感じられる。

いろいろな楽器の鳴りを聴き比べたところ、ヴァイオリンとの相性も良かった。いい意味でボーイングが力強いのだが、同時に強弱のニュアンスもしっかりと伝わってくるので、表現が豊かに感じられる。こと音質面では、大きなグレードアップを果たした、と言えるだろう。

いっぽう、低域は充分以上の量感を持ち合わせているものの、フォーカス感がしっかりと確保されているためか、キレの良いベースやドラムの演奏を聴かせてくれた。そのため、J-POPやハードロックなどとの相性が抜群。Official髭男dismなどは、聴いているうちに思わず体が動いてしまうノリの良い演奏を楽しませてくれた。

 

www.phileweb.com

 

  PHILEWEB的には大抵いつもべた褒めなんで、どこまで本気で語っているかはわかりませんが、それでも評者が少なからず感動しているんじゃないかと思える雰囲気がある文章です。まあ「クリアな中高域とパワフルな低域」とかって決まり文句なんで鵜呑みにはできないですけど、面白そうな音を奏でてくれそうです。これは早く試聴したい機種です。

 

Amazon Music HDサービス開始

 これについてはいくつかの記事でこのブログでもお知らせしています。Amazon Music HDは現状国内で唯一のハイレゾ音質音楽サブスクリプションサービスで月額1980円で楽しむことができます。当初はハイレゾダウンロードは不可能との報道もありましたが、蓋を開けてみると、ハイレゾ楽曲のダウンロードはハイレゾ音質で可能となっており、思った以上にamazonの本気を感じるサービスとなりました。

 それでもまだまだサービスとして完成するのはこれからという雰囲気ですが、amazon musicの曲全体の6割ほどがCD音質で聴け、1割弱がハイレゾ音質になったのは大きいです。

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

av.watch.impress.co.jp

www.phileweb.com

 

左右同時伝送で途切れない!TaoTronics SoundLiberty 77

TaoTronics SoundLiberty 77

TaoTronics SoundLiberty 77

ワイヤレス イヤホン TaoTronics Bluetooth 5.0 【MCSync左右独立型 ホールスイッチ IPX7防水 ライトニングペアリング技術】 AAC対応 高精度ハイブリッドドライバー 片耳対応 Siri対応 HIFI高音質 ハンズフリー通話 20時間再生 SoundLiberty 77

 SONY WF-1000XM3の通信チップはAiroha製のカスタム品と言われていましたが、TaoTronicsの新完全ワイヤレスイヤホン、SoundLiberty 77も同じくAiroha製のチップを搭載して登場しました。

 私もテストしたんですけど、たしかに通信品質は大きく向上していて、途切れにくくなっています。音質の印象も悪くなく、デザインもよく装着感が考慮されているので、仕上がりは上々の印象を受けました。

 

av.watch.impress.co.jp

www.ear-phone-review.com

 

Cayin N6IIアップデート

Cayin N6ii

Cayin N6ii

Cayin N6ii DAP / A01オーディオマザーボード【国内正規品】

 

 Cayin N6IIにファームウェア 1.17 アップデートが来ています。今回はLDACでのワイヤレスオーディオ入力に対応したのが大きな変更点で、ほかに細かなバグ修正などがされているようです。下のリンク先から指示に従ってアップデートしてください。

kopek.jp

 

【レビュー】Acoustune HS1650CU:透明感のあるつややかみずみずしいサウンドが魅力。JAZZ好きに捧ぐ。 | audio-sound @ premium

この機種はTwitterでアユートの営業さんのツイートを目にし、興味を持った機種。ちょうど同じ頃にCayin YB04を聴いており、そちらもJAZZが楽しく、しかもこのイヤホンと価格帯がもろかぶりする。そして海外のレビューを渉猟してみると評判も悪くない感じで、聴きたくなったというわけ。 あくまで個人的な好みで言えば、Cayin ...

 

【関連記事】

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com


【高級イヤホン試聴レビュー Klipsch X20i】百合のような優美なフォルムに、豊かで優雅な音を備える。どんな音楽も麗しく聴かせるクリプシュサウンドの極致[KANN CUBEで聴く高級オーディオ]

Klipsch X20i

Klipsch X20i

Klipsch ハイレゾ対応イヤホン New-Xシリーズ X20i KLKX20I111

 

 

【0】免責事項

 このレビューは販売店舗さんのご厚意で試聴させていただいた範囲内で作成しております。ケーブルは標準付属品のはずですが、セッティングは販売店舗さんにより異なる場合があります。イヤーピースは手持ちのものを使える場合は、それを用いてテストしております。レファレンスはJVC スパイラルドット++ Lサイズですが、機種によって使えない場合もあるかもしれません。使えない場合どうするかはその都度。

 

 テスト機は基本的にAstell & Kern KANN CUBEを用いていますが、音質の特徴を捉えるために副次的にONKYO GRANBEATなど別のDAPも使っております。

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

 

 一応解像度とかの比較用にイヤホンのレファレンスを定めていて、EarSonics ES5です。

www.ear-phone-review.com

  

※この機種はノズルが細いのでJVC スパイラルドット++は使えませんでした。このレビューではSpinfit CP360を使用しております。

 

【1】装着感/遮音性/通信品質/ビルドクオリティ

装着感

 耳に差し込むタイプ。この付け心地に好き嫌いはあるが、女性の耳には意外とよくフィットする。

遮音性

 遮音性はそこそこ。差し込み型だがイヤーピースによっては隙間ができやすいので遮音性にはムラがある。

ビルドクオリティ

 ビルドクオリティは文句なく高い。独特の質感のあるなめらかなデザインはクリプシュ好きにはたまらない。

 

【2】イヤーピース考察

 この機種のノズルの太さは細め。

  1. SpinFit CP360は音像が明瞭で装着性も高い。相性高め。
  2. Acoutune AET08では低域の量感が増す。中域に太さが出て、豊かな感じになる。
  3. final E Violetは全体的に中高域がはっきりし、パーカッションに手がかりが多くなり、艶やかさが増す。
  4. final E Clearは中高域から高域にかけてのあたりに清潔感が出て、緻密感が増す。また低域の音にも張りが出てくる。
  5. FAudio FA INSTRUMENTは低域に広がりが出て、主張が強めになる。
  6. Deep Mountは重低音のドンが増し、低域にブーム感が出る。低域がタイトになるのでワイドレンジ感も増す。

 

【3】音質

総合:27/30

高域:9/10

優美で温厚。しかししっかりと拡張されている高域

  • 質感:ややウォーム、みずみずしい、艶やか
  • 明るさ:明るめ
  • 拡張性:良好
  • 派手さ:やや派手
  • 緻密さ:やや緻密

 弦楽や管楽がみずみずしく、ピアノも艶やかで潤いのある音色を奏でる。これらの音は尖りを感じさせず、優美に伸び、華やかな色合いを持っているが、過剰な存在感がなく、鼻につくことがない。

 音は細くなりすぎず、適度で自然な太さが維持されている。シンバルは空気感を強調する、手応えは柔らかめの嫋やかな音色で聞こえる。

 

中域:9/10

充実感があり、情緒豊か。

  • 質感:ややウォーム、ふっくら
  • 明るさ:明るめ
  • 横幅:広い
  • 奥行き:広い
  • ボーカル:自然、ふっくら、ウェット感も出る

 中低域に厚みを感じるので、中域は少しふっくらと豊満な印象を受ける。輪郭は柔らかに描かれており、音像は少し膨張しながら聞こえるが、不鮮明ではなく、むしろ中域の充実につながっている。ボーカルは中域で豊かで、息感に温もりや湿りも感じられ、情緒が豊かに味わえる。Klipschらしい豊穣さのある中域。

 

低域:9/10

温かく雄大な大地のような低域

  • 質感:ウォーム
  • 明るさ:明るめ
  • 重心:普通
  • 重み:普通
  • 重低音:地熱感があり、暖か

 100hz~30hzまで厚みのある振動。20hzでほぼ無音。

 重低音の深いところはしっかりと地熱となっており、ベースにじんじんと温かい情緒的な色合いがある。中低域には膨張感が持たせられており、バスドラムに優しい手応えを出し、心地よい温かみを提供しているが、重低音をマスキングする感じはなく、ベース音とドラムの輪郭はそれなりに分離されている。しかし、全体像から低域を聴いてみると、どちらかといえば一体感の方に重きが置かれていて、少し渾然としながら低域全体で豊かな地平を感じさせてくれる雄大な音である。

 

【4】官能性

ハルカトミユキ「17才」

 比較的金属光沢の多い曲で、高域の色味を見るのに聴いている曲。

 シンバルの音色が柔らかいが、色ははっきりと濃く、上ではシャーンという空気感も丁寧に表現されるので、自然で明るさを強調しないが、暗い感じは全然ない。アコースティックギターにも温もり感があり、刻みも穏やかだが色づきが良く、草の匂いが香るような風味がある。音場は非常に情緒的だが、何よりボーカルが湿っぽさと温もり感を出していて、息遣いや吐息にライブ感があって生々しい。ディテールを強調しないようでいて、そのほどよく濃厚な温度感に安心して浸っていると、ある時はっと気づいたら音楽の世界観に包み込まれているような、淡く繊細なディテール感を感じる。

 


17才

 

山崎あおい「君のいない夏なんて嫌いだ」

 この曲を湿っぽく情緒豊かに聴くなら、同じ価格帯でKlipsch X20iに勝る機種はそうそういない。全体的に手がかりを適度に与えていながら、そのディテールを強調することなく、全体の統一感を維持して聴かせてくれる。豊かな中低域の音が音場全体の温度感につながり、放射熱を受けたピアノやギターが、その熱気によって芽吹くように、みずみずしいつややかな音で煌めく。ボーカルも楽器に適度に包まれながら、つややかに聞こえてくる。

 


12センチ (初回限定盤)

 

大塚利恵「夏気球」

 音場に適度な温度感があり、ベースのじんわりした音が、濃すぎず、強すぎず、目立たないのに、音を下ごしらえするかのように、しっかりと風味を出している。ボーカルはまるっとしたつややかさと温もり感を持っていて、耳から胸に染み渡る。この充実した感じがいかにもクリプシュっぽくて、温度感があって聞き心地が良いのに、解像度が高くよく聴くとディテールがしかり味わえる。

 


夏気球

 

上坂すみれ「POP TEAM EPIC」

 かなりきつめの緻密感がある感じのトランス感がある曲なので、臭みが出やすい感じの曲だが、X20iで聴くとライブ感がありつつ、尖るきついところはうまく丸め込み、聴かせるべき電子音のキラキラ感はちゃんと聴かせるという、なかなかうまい調整をする。明らかにマイルドにしている感じだが、それでも高域に不足感がなく、音の高さはしっかりしていて、解像感も失われていない。

 低域にもスピード感がしっかりあり、やや激しいこの曲でも、もっさりして音が滞る感じなく走り抜けていく。

 


POP TEAM EPIC

 

SPYAIR「サムライハート」

 ベースやドラムに熱気があるので、ロックでも充分な熱気がある。床面はあまりビシバシしないが、既述のようにスピード感はしっかりしているが、タイト感を求める人には少し物足りないところはあるかも知れない。

 ギターはしっかり黒く、エッジ良く聞こえ、ハイハットの空気感、ライドシンバルのチンチン音も温かい空間で少し優しく、しかしはっきりと存在感を持って聞こえる。ボーカルはSPYAIR独特のHOTな息感が湿っぽさも感じさせながら聞こえてきて、非常にセクシー。

 


サムライハート(Some Like It Hot!!)

 

奥華子「窓辺」

 動画は弾き語り版になっているので雰囲気は少し異なるが、どんな曲かの参考にあげる。

 この曲ではアコースティックギターの色彩がしっかり感じられるので、暗めの曲でありながら、中高域に一定の明るさを感じられる手がかりがある。そのせいか、この曲にややポジティブな華やかさがあり、どちらかといえば湿っぽく暗い曲にも拘わらず、穏やかな情緒が感じられ、ひたすら落ち込む感じではなく、光明が感じられる。穏やかで温かく弾むドラムも音場を上向かせている。ボーカルやギターのしっとり感をしっかり味わわせつつも、優美で力強ささえ感じられる生命感があり、癒やされる。

 


やさしい花の咲く場所

 

【総評】ディテールを決して強調しない、でも確かなディテールがある音。クリプシュらしい優美で上質なサウンド。

 クリプシュの音がどうして好きなのかっていうと、やっぱり音が柔らかい感じなのにボンヤリしてないってところに尽きると思います。個々の音のディテールや手がかりをあまり強調せずに全体としてゆるやかな感じで温かみを加えて聴かせてくれるので、音にしっかり浸れて包まれることができるんですよね。でもその音は決してマイルドなだけじゃなくて、細やかなディテールは存在していて、音のみずみずしさとか質感が感じられるんですけど、はっきりした感じじゃないというバランス感覚が秀逸すぎて惚れます。

 奥ゆかしいというか、余裕を感じる表現で、音の余韻とか響き方をよく考えて、「こう聴かせたい」っていう設計思想がちゃんと備わっているのがクリプシュ製品です。とくにこのX20iは、いかにもクリプシュらしい派手さを強調しないのに高くまで伸びている透明でしかも自然な太さのある高域と、雄大で地熱豊かな低域のコラボレーションが見事に整えられています。ゆったりしているのにスピード感も充分にあって、比較的万能に、それでいてどの曲もクリプシュらしく聴かせてくれる独特の風味が、すごく好きです。

 

【関連記事】

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com


【特集】日本ファルコム名曲とともに紹介するおすすめイヤホン3選

 家庭用ゲーム機やホビーパソコンが一般的となった1980年代初頭。日本のコンピュータゲーム黎明期であるこの時代から続く老舗のコンピュータゲーム会社が日本ファルコムだ。今ではメジャーなゲームメーカーの一つである。

 さてそんなファルコムだが、音楽にやたらと力を入れていることは夙に有名。レベルの高いサウンドがファルコムゲームの魅力と言ってよい。何よりファルコムのゲームミュージックにはなぜか不思議な魅力があって一部のファンを離さない。

ファルコムミュージックの特徴(自己流評価)
  1. 外連味があって妙に厨二病的
  2. デジタルな効果音好き
  3. オーケストラやったりJAZZにしたりとアレンジ好き
  4. 作品毎に傾向を変え、世界観を感じさせる音楽

 最近はファルコム音楽フリー宣言なるものを公示し、youtubeやamazon musicなどで無料でその秀逸な楽曲が楽しめる。そんなファルコムの楽曲の中からオススメの名曲をピックアップし、ついでに相性の良いイヤホンもセットで紹介しようという一石二鳥な記事を考えてみた。第二弾(第三弾があるかはわからない)。

 

 To Make the End of Battle(YsⅡ Complete)

 名作イース2より。オープニング曲。この音源はWINDOWS用のリメイク版のもの。勢いは完全にロックだが、音はエレクトリックな味わいがあって滑らか。材質感がないので一見単調そうに思えるところもあるが、耳を離れない独特の中毒性がある。

 この曲には透明感とシャープネスに優れたこのイヤホンを推す。電子音の煌めきが増し、ギター系の音はアタック感が強くなる。奥行き感も良いので後半も楽しめる。

www.ear-phone-review.com

  

幻の大地セルペンティナ(Zwei!!)

 骨格には民族音楽的な風味を感じさせながら、エレクトリックな楽器音が近未来的な洗練性も演出する。独特の中毒性のあるZwei!!の音楽の中でも、この曲はとくにお気に入りのものの一つ。最終ダンジョンのBGMだが、疾走感と煌めき感があって、前向きな快活ささえある。雲の上の天空の明るい陽光、地上を遥かに離れた透明な空気感も曲の中で見事に再現されている。

 わがままながら、大好きなこの曲は大好きなこのイヤホンで聞きたい。中高域の清冽な透明感が持ち味のKlipsch Image X11i。繊細な音の襞をなぞるバランスドアーマチュアの色彩溢れる緻密な音色が、この曲を思う存分楽しませてくれる。

www.ear-phone-review.com

 

愛を感じていたい「終焉」(英雄伝説Ⅴ 海の檻歌)

 英雄伝説Ⅲ~Ⅴは同じ世界観を共有しているだけでなく、どれも笑って泣けるコミカルファンタジーとして名作であった。とくに英雄伝説ⅤのED曲であるこの曲には感無量。今でもこの曲を聴くと、冒険の日々を思い出す。いろいろあったが、最後は乙女の素直な恋心があらゆる旅の思い出を色鮮やかで美しいものにしてくれる。

 この曲には中高域の色づきの良いこのイヤホンを。比較的明るめで軽快味のあるタイトな低域も曲のメリハリを良くするとともに、主旋律に暖かみと生命感を与えてくれる。

www.ear-phone-review.com

 

【関連記事】

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com


【特集】本格派アウトドアスピーカー Top 10 2018

 今回は最新のアウトドア用スピーカーからおすすめ機種を紹介。庭を音楽で飾ったり、イベントで活躍する強力な仲間たちだ。

 10. Innovative Technology ITSBO-513PS5

Innovative Technology ITSBO-513PS5

 驚くべきことに、このスピーカーは電源に繋ぐ必要がない!音源からの入力もワイヤレス。したがって設置するのにケーブルの取り回しを気にする必要は全くない。電源は上部に設置されたソーラーパネルから行われ、ビルドインされたバッテリーに自動的に電力が供給される。

この機種のポイント
  1. フル充電1回当たり50時間動作
  2. ペアリングの反応は少し悪い
  3. ワイヤレス通信できる距離は約10mと短い

 

9. Boston Acoustics SoundWare

Boston Acoustics SoundWare

 比較的珍しい多面体構造を持つこのスピーカーは、目立ちづらく、デッキの床下などにも収納しやすい。しっかりと密閉され、防塵対策がなされているので、オールシーズン使用することが可能だ。

この機種のポイント
  1. 外観をカスタマイズしやすい
  2. 取り付けがめんどくさい
  3. 野外用にしては音が小さい

 

8. Definitive Technology AW6500

Definitive Technology AW6500

 亜鉛メッキで塗装されたスチールブラケットが付属しており、スピーカーを好きな方向に向けて設置することが出来る。エンクロージャーはスピーカーシステムを風雨からしっかりと保護する。

この機種のポイント
  1. 連成振動する低音ラジエーター
  2. 5年の長期保証
  3. やや高額

 

7. BOSE 251

BOSE 251

 

 防水防塵性能が高いこのスピーカーは、猛暑や厳冬の下でも音質を犠牲にすることがない。マルチチャンバー構造のエンクロージャーは低音を増幅し、さらなるブーム感を出す。

この機種のポイント
  1. 設置しやすい明確なデザイン
  2. 広い音場
  3. かなり高額

 

 6. Kicker KB 6000

Kicker KB 6000

 高価な機種に劣らない性能を比較的低価格で実現している。口径12.7インチのツイーターは、明快な音を鳴らし、突き抜け感に優れている。

この機種のポイント
  1. じめじめした気候でも使える
  2. 組み立てが容易
  3. 低音に精彩がない

 

 5. Yamaha NS-AW350

Yamaha NS-AW350

 洗練された音響デザインが特徴のスピーカー。磁気シールドによって信号干渉を抑えて雑音をカットしており、追随性の良い低音表現に乗った明瞭なサウンド体験が魅力。

この機種のポイント
  1. 屋内の使用にも向く
  2. 色が黒と白から選べる
  3. 軽量で簡単に移動できる

 

 4. Klipsch AWR-650-SM

Klipsch AWR-650-SM

 6.5インチ2wayのデュアル・ボイス・コイル・ポリマー・ウーファーと2組のドーム・ツイータによって左右の定位感のある音響を力強く鳴らす。その頑強なハウジングは岩石に擬装されていて庭先においてもよく馴染む。外観は花崗岩と砂岩から選べる。

この機種のポイント
  1. 自然に溶け込むデザイン
  2. 耐久性があり紫外線にも強い
  3. モノラル出力可能

 

 3. Polk Audio Atrium 6

Polk Audio Atrium 6

 アルミニウム・ツイーター・ドームとゴムによる頑丈な補強で、内部の音響機器をほぼ完全に外環境の影響からシャットアウトしている。印象的な明瞭さを持つ音が魅力。色は黒か白から選べる。

この機種のポイント
  1. スピード・ロック・マウントシステムで取り付けが容易
  2. ミリタリー仕様の耐候性能
  3. 腐食や塩分によるダメージを保護

 

2. TIC Corporation GS-3

TIC Corporation GS-3

 150W出力のドライバー、8インチウーファーと2インチツイーターを備え、量感溢れる音を360°全方向に響かせる埋め込み型スピーカー。耐衝撃性ABSシェルの筐体は非常に頑丈。

この機種のポイント
  1. コスパが良い
  2. 場所に溶け込む
  3. 低域の量感

 

1. Dayton Audio IO655W

Dayton Audio IO655W

 アウトドアスピーカーとしては比較的廉価ながら、音響に関しては最上位機種と肩を並べる本格派。しっかりと密封されたデザインで防水性は高く、また独特の曲線美には優雅な佇まいもある。

この機種のポイント
  1. 取り付けが容易
  2. 金属でツイーターがしっかりと覆われている
  3. 高域は明るいトレブルサウンドを奏でる

 

【関連記事】

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com


【カナル型イヤホン Klipsch Image X6i レビュー】鮮明さがやや抑えられた、全体として力強いクリア感のあるモデル。同シリーズではドライ傾向

Klipsch Image X6i

Klipsch New-Xシリーズ X6i ブラック KLKX60I111

 

おすすめ度*1

Klipsch Image X6i

ASIN

B016ZIEGJ6

  Klipschの主力モデルXシリーズの一つ。同シリーズの中ではやや大きめのハウジングだが、付け心地は相変わらず軽めで良好。遮音性はそこそこ。音漏れは結構ある。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースと携行ケース。細身のケーブルはタッチノイズが若干目立つ。

 

Klipsch Image X6i

 

【2】音質

 クリプシュ独特の鮮明で透明感のある中高域を求めると若干違和感を覚えるはず。クリアな傾向は変わらないが、みずみずしさはあまり感じず、全体としてドライな方向にまとめられている印象だ。同時に低域がかなり前面に出て存在感を出しており、中高域寄りだったImageシリーズのラインナップでは低域に振られており、全体として見るとバランスは良くなっている。低域の存在感もしっかりしているので、ジャズなどもしっかり楽しめるはずだ。

 

[高音]:きれいに伸びる傾向がある。若干ドライ気味(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:中域はやや奥まる印象。精緻だが色彩感は抑えられており、ドライな印象。

[低音]:若干ブーミーで厚みのある振動が前屈みに聞こえてくる。中高域にかかりやすいところがある。減衰は素直で荒いところはない(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:低域がかなり前面に出ており、舞台のような厚い床面を作る。高域よりは中域が奥まって感じられる。

[パーカッション・リズム]:ドラムに躍動感と熱気がある。太くて力強い(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:分離感がしっかりしており、一貫性あり。表現力という面ではほぼ同価格のX7iには劣る印象。

 

【3】官能性

 nano.RIPE「サクゴエ」は低域のベースとドラムに優位があり、前面に出てくる。しかしボーカルには分離感があって鮮明で、低域に潰されておらず、むしろうまく共存している。低域が鳴り止んだ瞬間の消失感が気持ちよく、メリハリが利いていてとても楽しい。

 supercell「告白」は低域に熱気がある。やはりボーカルが良く分離されていて、個々の楽器音もクリアで精密。やや色彩感が足らず、ドライな傾向ではあるが全体として緻密で中毒的な曲の傾向は失われていない。

 山崎あおい「花火のあと」は色彩がドライ。ギターの利きが暗く、そこにかぶさるボーカルの息遣いが鮮明な分辛口に出やすく、さらに伸びる弦楽も方向性としては重ため。ドラムは重厚さと弾力のバランスが良く、甘酸っぱさよりはほろ苦さの強い青春ソングになっている印象。

 Lia「Bravely You」も味付けはドライ。ドラムはタイトに引き締めながら、しかも厚みがあってブーミーさも感じられるバランス感覚がなかなかに良質。音は全体的にやや硬質に響き、色合いは暗めだが、サビでのボーカルは伸びやかで力強さに満ちており、大人びた芯の強さがある。

 

【4】総評

 音質的にはバランスも良いが、クリプシュらしさという点ではちょっと方向性が違う気がする。コスパの面でも厳しいところがあり、出回る数が少ないのかお値段は高めでX10、X7i、X12iとほとんど変わらない。クリプシュのブランドイメージとしてはImageシリーズのエントリークラスと位置づけているようだが、それならばもう少し手を出しやすい価格設定が必要だろう。やや低域寄りの音域バランスの良機種を求めるなら、あえてこのイヤホンを選ぶ必要も無いし、クリプシュらしい中高域の情感溢れた幻想的ともいえる表現力は期待できない。クリプシュの音があまりに上方向にキラキラしすぎて華やかに着飾っているところがチャラいので気に入らないという人にはいいかもしれないが、そういう人はクリプシュを選ばないだろう。

Klipsch Image X6i

 

【5】このイヤホン向きの曲

 やや重厚気味にはなるものの、タイトな低域が空間に利いて引き締まっている。ボーカルは良く分離されていて息遣いも綺麗で伸びやか。全体的なバランスの良さを味わうならこの曲が良い。

 

 ドライな味付けとタイトさと重厚さの同居した低域が支える、スカッとした味わいを楽しむならこの曲。

 

 充実した低域とよく分離されたボーカルが楽しめるこの曲もこのイヤホンによく合う。

 

Klipsch New-Xシリーズ X6i ブラック KLKX60I111

 

【関連記事】

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com


*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【カナル型イヤホン Klipsch Image X7i レビュー】鮮明で精緻。丁寧で透明感もある中高域が何よりの魅力。

Klipsch Image X7i

Klipsch Xシリーズ Image X7i Rev.1.2 ブラック KLIMX7I115

 

おすすめ度*1

Klipsch Image X7i

ASIN

B014KIW0FK

  人気のKlipsch Xシリーズの一つ。同シリーズの中ではやや大きめのハウジングだが、付け心地は相変わらず軽めで良好。遮音性はそこそこ。音漏れは少しある。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースと携行ケース、航空機用アダプタ。細身のケーブルはタッチノイズが若干目立つ。

 

Klipsch Image X7iKlipsch Image X7i

 

【2】音質

 クリプシュらしい鮮明でのびやか、そして抜けの良い音質で、全体的にきらびやかさと明るさがあり、色彩感に満ちている。音の鳴り方が精緻かつなめらかで、透明感もあり、スッキリ爽快でありながら、同時に情感にも満ちているその独特の味わいは極上級。ハイレゾには対応しないものの、表現力は同価格帯のハイレゾイヤホンに遜色なく、むしろ音色の美しさにおいては多くの機種を凌駕する。

 

[高音]:抜けよし。のびやかで突き抜け感もあり、高さも感じられる。キラキラした色彩感もある(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:精密。やや機械的というか金属的というか硬質な色合いはあるものの、やはり色彩感は強く、鮮明。

[低音]:低域は自己主張が強くないが、クリアで深掘り感もある。ブーミーな感じではなく、どちらかといえばタイト。減衰は素直で重低域もかなり明瞭であり、30hzまでは振動をしっかり感じられる(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:音が鮮明。広い。高さもしっかりしている。密度という面では申し分ないが、個々の音がすっきりしているところがあるので、肉厚さという面ではやや劣るかも知れない。

[パーカッション・リズム]:ドラムの重みのある存在感とハイハット系のキラキラ感のバランスがよく、どちらもはっきり出るので明るく元気で力強い。(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:息遣い良好。なめらかでシームレス、のびやかで突き抜け感もあり、高域の煌めきもきれい。

 

【3】官能性

 いきものがかり「キミがいる」はボーカルに伸びやかさと突き抜け感があって元気でありながら繊細さもあってエモーショナルな面も失われていない。音が全体的に精緻で立ち上がりと抜けもよく、スカッとしていて、音場は広がりも良く、開放的で明るく元気。

 ClariS「CLICK」のような情報量多めの曲も軽快な味付けでうまくまとめている。個々の音はクリア、ボーカルはのびやかかつ艶やかで突き抜け感もある。ガチャガチャするところはなく、効果音の爆発力もほどよく利いていて、爽快感と疾走感も出ている。

 KOKIA「You are not alone」は繊細。パーカッションに粒感があり、軽快で爽やかな空気感を表現しており、その中をのびやかに歌っていくボーカルも丁寧できれいであり、情緒感もよく表現される。

 

【4】総評

 個人的には好みの音色で、おすすめしたいイヤホンではあるが、コスパの面ではやや難がある。2万円を超える価格設定はやや強気であるように思われるし、X6iやX12iなどImageシリーズでも競合機種が同価格帯にひしめいており、音質の違いはあるとはいえ、クリプシュファンでさえ悩ませるほど。X7iはそのなかではバランスがとれているほうであるものの、抜きんでているわけではない。魅力的な機種とはいえ、できればもう一回り安く手に入れたいところでもあり、ハイレゾ対応でもないので、あえてこれを選ぶ理由はそれほど多くはないように思われる。クリプシュ好きにとって王道のX12iが間近にあり、これを選ぶよりはX12iのほうに先に食指が向かってしまう人が多いのではなかろうか。

 

Klipsch Image X7i

 

【5】このイヤホン向きの曲

 透明感とのびやかさが強調され、ボーカルが味わい深い。ドラムが空間を震わす良質な鳴り方で、弾みと厚みがあり、そこに被さるハイハットも精緻。空間はほどよく広く、温かみもあって叙情感もある。

 

 ドラムの弾力、躍動感、爆発感が秀逸。キレと重みが同居している。高域までシームレスにドラムの推進力とそれに乗っていく楽器とボーカルの密度のある音場が丁寧に表現される。(UVERWorld「CORE PRIDE」)

 

 弦楽に伸びやかさがありながら、情感はほどよく抑えられており、ボーカルに集中できる。ピアノやパーカッションにキラキラ感があり、明るく眩しい。ボーカルは息遣いも明瞭で透明感もあり、クリアに味わえる。(奥華子「魔法の人」)

 

Klipsch Xシリーズ Image X7i Rev.1.2 ブラック KLIMX7I115

 

【関連記事】

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com


*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【カナル型イヤホン Klipsch Image X11i Rev.1.2 レビュー】鮮やかでのびやか、きれいな高域が美しい

Klipsch Xシリーズ Image X11i Rev.1.2 KLIMXJI112

 

おすすめ度*1

f:id:kanbun:20160515063410j:plain

 バランスドアーマチュア式ドライバーを採用し、非常にコンパクトで軽量なイヤホン。耳にしっかり挿入されるので遮音性はそこそこ高く、音漏れはほとんどない。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品は携行ポーチとイヤーピースの替え、飛行機用の二股プラグ変換アダプタ、標準プラグ変換アダプタ。ケーブルのタッチノイズは小さめだが、全体として華奢な作りなのでやや耐久性に不安を覚えるところがある。断線などには注意。

 

【2】音質

 バランスドアーマチュアらしい高域ののびやかさと透明感、鮮やかさが特徴。全体的に尖りがちではあるが立ち上がりの良い音が鮮明度の強い音楽を奏でる。

 

[高音]:のびやかで鮮やかな音。突き抜け感もよく、高域に行くほどきれいに伸びていき、どんどん上昇していく。ただシャリシャリしやすく、刺さりやすいところもある(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:広がりと奥行き感を感じる。ギターがかなり味付け強めな鮮やかさ。つま弾き音がかなり金属的に出るのは好みを分けそうだが、色彩感は強い。それに比べるとピアノはおとなしめだが彩り感はそこそこあって鮮やか。弦楽は伸びやかで官能的。

[低音]:100hz~70hzまで素直にきれいに減衰している。60hzでやや荒れ、50hzも荒れの残留感があるが、40hz以降またきれいに沈み、20hz以下でも存在感がある音。全体として中高域に比べるとおとなしめに感じるが、存在感は失われていない(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:それなりに奥行きと広がりを感じるがやや平面的(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:立ち上がり良好。シンバルなどはかなりシャリシャリ出て疾走感を演出するが軽く感じるかも知れない。ドラムはよく撥ね、元気で明るい(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:高域の表現に妙味あり。全体として女性ボーカルの落ち着いたのびやかな曲に強い。

 

【3】官能性

 やなぎなぎ「音のない夢」のような落ち着いた曲調にボーカルが伸びやかに高まっていく曲は得意に思う。サビ前に穏やかに聞かせ、サビでは鮮やかさを増しながら高域にいくほど伸びて突き抜けながら消失する。全体として鮮明度が高く、濃密さのある雰囲気。

 中孝介「君ノカケラ」のサビで見せる技巧的なボーカル表現の処理も秀逸。鮮やかさも強く、全体としてキラキラとした雰囲気になっており、弦楽の伸びがとくにきれいで印象的。パーカッションがシャリシャリしてしまっているのは好みを分けそうだが、全体としてレベルの高さを感じる。

 南壽あさ子「どんぐりと花の空」はボーカルの優しさと鮮やかさが同居した尖りすぎない伸びやかであたたかな声色の表現が素晴らしい。並のイヤホンではかすれたり消えたりしてしまう細かなつなぎも丁寧に表現され、面目躍如といった感じの繊細で綺麗な表現だ。ピアノと弦楽の聞こえも鮮明さが強く、全体として優雅。

 分島花音「RIGHT LIGHT RISE」はシンバルがそれほど目立たないせいか、シャリ感があまり出ず、このイヤホンの性能の良いところがうまく出て、曲と非常にマッチしている。躍動的なドラム、のびやかで元気なボーカル、金管の抜ける高らかな音、全体として明るく生命的で充実度がある。

 鈴木このみ「DAYS of DASH」はボーカルの力強さとのびやかさのある音、とくにサビでは高く突き抜けるところがきれいに表現されてスカッと気持ちよい。ギター音やキーボード音も楽しく明るい空間を演出する。キラキラした鮮やかな曲調はこの曲の本来的な味付けをうまく引き出しており、じつにうまい。

 

【4】総評

 高域表現にとくに見るべきものがあるが、一方でシャリ感が強いこともあり、やや尖った刺さりやすい軽い曲調に感じやすいところもある。この点明確に好き嫌いが分かれそうなところで、クラブミュージックは曲によってシャリ感が強い味付けに感じる。比較的落ち着いたバラード調の曲に合いそうに思う。あるいは管弦楽の曲も味わいがある。

 音量によって聞こえる味わいが少し変わりやすいところもあり、適正音量くらいだと迫力と密度があり満足度は高いが、音量を小さくしていくと密度が落ち、音量を上げるとシャリシャリ感が強くなって臭みが増す傾向にある。この点少しピーキーな性能を感じさせる。

 表現力の高いところはあるが、臭みも強いところがあり、万人向けとは言いがたい。

 

Klipsch Xシリーズ Image X11i Rev.1.2 KLIMXJI112

 

【関連記事】

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com


*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

中華イヤホン
完全ワイヤレスイヤホン
イヤホン
ヘッドホン
デジタルオーディオプレーヤー
ニュース
特集記事
HiFiGOブログ
セール情報

 

新着記事