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【特集】価格がこなれた人気機種 BOSE 渾身のQuiet Comfort 35 Ⅱ の音質を解体する。課題曲で味わうHD599との実力差


Bose QuietComfort 35 wireless headphones II

Bose QuietComfort 35 wireless headphones II

 

 いよいよ明日に迫ってきた2018年サイバーマンデーセール。消費増税前にオーディオ製品を買い増す数少ないチャンスの1つです。しかし、それこそ星の数ほどあるオーディオ製品。なかなか目移りして商品が絞りきれないという人も多いでしょう。そんな方の一助になるかはわかりませんが、私がおすすめする有力選択肢の1つはBOSE QuietComfort35 Ⅱ(QC35Ⅱ)です。

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 アクティブノイズキャンセリングを搭載したワイヤレスヘッドホンとして人気を博したBOSEのQCシリーズの現行のフラッグシップモデルです。

 目下のところ、BOSEコミュニティではQC45が出るのかが話題になっています。BOSE党にとってはコンスタントに製品を充実させているSONY勢に対し、このクリスマスセールで充分な対抗馬が揃っていないところがもどかしいところらしく、しきりにQC45をせがんでいますが、いまのところBOSEに具体的な動きはありません。とりあえずそんなコアオーディオファンでもなく、BOSEだろうがSONYだろうがあまり愛着のない私には、世界にBOSEとSONYしかないかのように語るノイキャンワイヤレスバカにはついていけないところがあります。こういう人たちはノイキャンとBluetoothがなければ音楽が聴けないと思っており、スピード狂のカーマニアのごときで、ノイキャンの性能とBTのバージョン、対応コーデックだけを話題にしがちです。そんなノイキャンワイヤレスバカの面々は、BOSE党とSONY派がその大部分を分け合う形となっており、二大勢力となっておりますが、BOSEの主力が1年前に発売されたこのQC35Ⅱなのに対し、SONYにはWH-1000XM3という新戦力が登場し、これには忠誠挺身なBOSE党からでさえ乗り換えるやつらが出る始末。それもそのはずで、QC35Ⅱはさらにその1年前に発売されたQC35のマイナーバージョンアップ製品ですから、仕様の面では旧世代の謗りを免れず、もどかしい限りです。乗り越えがたいスペック上の差、これは彼らにとって致命的とも言って良い屈辱です(言っときますが、ノイキャンワイヤレスバカでない普通のオーディオファンはあんまりそんなこと気にしません)。たとえば、これはとあるBOSE党の言葉ですが、「BOSEがより良い音を持っていることは事実だが、SONYはより良いノイキャンを持っている。これは死活問題だ!」といった具合です。BOSEの音がいいなら問題ないじゃん、BOSE聴けよって思いますが、BOSE党にとってBOSEのノイキャンはいわば聖域のようなものであり、一番でなければダメなようです。BOSE党はともかく、BOSEの経営陣の側は冷静なので、QC35の売れ行きが良いのに、SONYのように慌てて新機種を出す必要も無いわけで、むしろ完全ワイヤレスモデルのSoundSport Freeあたりを値下げして、客層を広げてもっと売ってやろうというところなのでしょうが。

 そうとはいえ、BOSEもこれ以上のBOSE党の退潮を看過するわけもないでしょう。目下いろいろとキャンペーンを始めてますが、その一環なのかサイバーマンデーを前にして突然amazonでQC35Ⅱを下位機種QC25とほとんど変わらない値段で販売し始めました。だったら最初からその値段で売れとは思いますが、これを見逃すのもなんだかもったいないですね。ちなみに私が買ったときは10%割引クーポンまでのって30000円ちょうどくらいでした。

 

 前置きが長くなりましたが、そういうわけでQC35Ⅱは現在比較的リーズナブルな価格で提供されており、QC35以来の安定した評判を考慮すれば、有力な選択肢であることは間違いないです。なんてたってBOSEですからね。デザイン的にもドラゴンボール的世界観そのままのような製品デザインのSENNHEISERより、スポーティでスタイリッシュです。

 というわけでこの機会につねづねQC35に興味を持っていた私はこれを入手しました。この記事では個別レビューをする前にファーストインプレッションとしていくつかの曲を手持ちのヘッドホン、とりわけ私が音質的に高く評価するSENNHEISER D599と比較します。本来であればライバルというべきSONY WH-1000XM3と比較すべきでしょうが、率直に言って私はSONY WH-1000XM3の音もBOSE QC35Ⅱの音も特別好きな部類ではなく、しかもどっちもあまり変わり映えがしない音を奏でるので、2台もいりません。なので、ここでは私の好きなHD599を比較対象とします。それでも手持ちの中にはSENNHEISER MOMENTUM M2 OEBTがあり、こちらのほうが同じワイヤレスヘッドホンで価格帯もかぶるのでよりふさわしいということも言えるかも知れませんが、音質としてはM2 OEBTは、溌溂としていて、比較対象としては音質が離れすぎてしまっていて、比較として面白みがなくなる気がします。もちろんワイヤレスとワイヤードなHD599では比較にならんという声は当然でありますが、私としてはHD599が情感系の低音ヘッドホンではレファレンスなので、それに迫るワイヤレスモデルにこそ意味があります。ワイヤレスヘッドホンの低音だけで比べるならば、Skullcandy CRUSHER WIRELESSという頭のおかしな低域ヘッドホンを持ってきて、「なるほど振動感ではCLUSHERはすげーな、この熱湯風呂どんだけ熱いのよ」みたいなことを語ることもできますが、自分にとってあまり好きでもない音を2つ並べて比べるというのは熱意も湧かないどころか、もはや苦痛でしかないので、とてもやりたくはないですね。

 ともかく、サイバーマンデーはもう目前ですので、レビューはサイバーマンデーに間に合いそうにないため、とりあえず有力選択肢である本機種の音質面のポイントを撮って出ししておこうといった趣旨で書いたのがこの記事です。レビューするとなると、その恐るべきノイキャン力について一応いろいろ言っておかないといけなくなり、手っ取り早く音楽の話に行けませんからね。

 

【課題曲その1】ねごと「アシンメトリ」

 オシャレでちょっと近未来なテイストのポップでテクノな曲調が魅力のガールズバンド「ねごと」。ねごとのコアファンに聞かれるといろいろ文句を言われそうですが、私の印象としては、最近のねごとはperfumeをアコースティックな方向に近づけてマイルドにした感じの音楽が心地よく、perfumeほどギラつかずに肩の力を抜いて聴ける曲が多いのが魅力です。こういう括り方をすると、おそらく相当な不満を一部から寄せられるのは確実で、初期は曲調的には結構普通のガールズバンドで、どちらかといえばアタック感のあるビートサウンドに柔らかくふわふわしたボーカルを加えてくるところが愛らしいという声が圧倒的多数と思われます。

 コアなファンじゃないので、非常に大ざっぱで私的な形になりますが、個人的には「シンクロマニカ」がかなりよくて注目し、そのあとアルバム「ETERNALBEAT」というのが宣伝文句通り新境地を開いて、一気にオシャレでスタイリッシュな音になってびっくりしたといったところです。「アシンメトリ」は「ETERNALBEAT」で私が最も好きな曲です。ただこういうのは古参のファンからすると、いくぶん本来の魅力を失わせる路線変更でもあり、冒険でもあるわけです。最新アルバムの「SOAK」も路線的には「ETERNALBEAT」を引き継いでいて、現状のねごとは初期からだいぶ印象が変わっているかも知れません。と、したり顔でそれらしいことを言ってはいますが、コアファンでもなんでもないので、実際のところはあまりよく知りませんから、鵜呑みにしないで下さい。

 私自身の経験で言うと、たとえばアヴリル・ラヴィーンという歌手がいまして、一枚目のアルバム「Let Go」、二枚目のアルバム「Under My Skin」というのは非常に出来が良く、荒削りで剥き出しの心情を激しく歌ったり、憂鬱さでそのまま塞ぎ込むような真情をそのまま込めた曲が多く、悲喜交々こもった迫真の曲が目白押しで素晴らしかったのですが、その後デリック・ウィブリーとかいうギタリストにかぶれて変な方向に感化されちゃったのか、三枚目に出した「The Best Damn Thing」というアルバムではこれまでの路線を捨てて、オシャレでポップなサウンド表現に乗り換え、アヴリル自身は「これまでにない最高のアルバムできました!」と言ったり、評論家なんか「新境地!」とべた褒めするやつもいましたが、私にはちょっとツイていけませんでした。このアルバムを高く評価する声も多く、実際個々の曲を見ればむしろ洗練されていて大衆受けしやすいと言えるかも知れませんが、私はどうしても受け付けなかった。おそらく初期のアルバムに入れ込んでなければ、「The Best Damn Thing」をすんなり受け入れていたかも知れません。と、思わず余計な話に深入りしてしまいましたので、ここまでにして本筋に戻りましょう。

 個人的にこの「アシンメトリ」はとくに私の中では、ねごと史上最高の名曲の1つと言って良く、ねごとのコアファンには大変申し訳ありませんが、私にとって「ねごと」と言えばまずコレというくらい聞き惚れています。むしろ私の場合はあまりに「アシンメトリ」がしっくり来すぎて、ほかの傾向のねごとの曲にあまり入れ込めないので、これはこれで健全ではないかも知れません。

 率直に言って、この曲に関してはBOSE QC35Ⅱにとっては得意分野です。電子的な厚い暗い熱量のある低域表現はBOSEが昔から得意にしているところで、BOSEのどこがいいって聞くと、大抵「分厚くて、でも膨らみすぎないスタイリッシュな重低音」という声がほとんどでしょう。この曲でBOSE QC35Ⅱの聴かせるビート音はワイヤレスでありながら、かなりの重量感を出しつつ、締まりを感じさせます。

 私はBOSEの低音というと、比較的無機的というか冷たくもないけど、それほど暖かくもない、若干クールでうすら寒い程度の音という印象を受けます。この曲を聴かすQC35Ⅱでも、ビート音を奏でる低域の周囲に地熱感があまりなくて、ぽっかり浮き上がって響いているように聞こえて、どことなく孤立感があり、さびしいところがある気がします。こういう鳴らし方は理知的であるので、分解能という言葉を使えばたしかに音をよく表現していると言えます。そのうえで、BOSEのサウンドはクールに冷たくならず、隙間を強調して音を細くすることもなく、一定の充実感をしっかりと聴かせて、「こりゃうまい」といえる鳴らし方をします。個々の楽器音の色味についても同じ事が言え、たとえばシンバルとか非常に中立的でキラ味が少なく、むしろおとなしく、背景のグロウ表現も理知的に感情を抑えており、背景の黒さを丁寧に浮かび上がらせます。この曲をスタイリッシュで現代的な理知的部分と情感表現の強い部分に分けるとしたら、感情な部分を適度に抑制して、理知的な部分を潰さないまま、感情の厚みはそれはそれとして伝える高度なバランス感覚があります。スピード感への追随の面では、必ずしも瞬発力が良い音の鳴り方ではなく、ためてから鳴らしてくるところがありますが、それがたしかな重厚感に伝わっていて、充実感につながっています。こういうところがおバカ一辺倒のSkullcandy CRUSHER WIRELESSと違うところで、「ブンブンやりゃいいだろ」みたいな投げやり感がありません。

 で、SENNHEISER HD599との聞き比べですが、率直に言うと、勝負になりません。低域の地熱感、シンバルの噴き上がる立体感、背景に広がるグロー表現の光沢の豊かさ、臨場感と色彩感、空間の広がりにおいて、聴いただけで情感の篭もり方が全く違いがわかり、世界観の提示力に圧倒的差を感じます。これだからBOSEじゃ満足できないのよ。BOSE党は「なにこれ、ボワボワじゃん。イモ臭くてこんなの全然スタイリッシュじゃない」と言うでしょうが、言わせておけばよろしい。

 

【課題曲その2】「ここから、ここから」

 私にとって目下、これを味わうためにオーディオを選んでいると言っても良い曲の一つがこれ。

 率直に言ってQC35Ⅱの音は、この曲を聴くには大変魅力的で素晴らしいです。各楽器に配慮するバランス感覚が見事というほかなく、はっきりキラキラ、明瞭に聞こえるピアノと柔らかで生命的な反動感を持ちながらボワボワしない締まりの良いドラム、ギターの情感の篭もった、熱く幅広な広がり方、きつすぎずに情感をしなやかに突き上げるエッジ感を巧みに演出して、そりゃあ聞き惚れさせてくれますし、ボーカルも浮つかない明るすぎないバランスで楽器に寄り添っており、ふっくらした甘味のある味で非常に暖かい。BOSEさん、あなたはすごいと思わず嘆息できる瞬間です。

 しかしそんなBOSEさんにHD599は語りかけます。「もうちょっとドラムの地熱感を出した方がこの曲の生命感はより味わえるんじゃなかろうか。それにBOSEさんの楽器音の精彩を大事にする姿勢はもっともで、ボーカルをそれに寄り添わせるいう考え方は大いに結構なんだが、それならより楽器音を空間に溶け込ませて、ボーカルを包み込んで一緒に盛り上げた方がよりうららかで、より美しくないだろうか。どうですか?」BOSEさんにはおそらくあまりピンと来ないでしょうが、私にはHD599さんの言いたいことは大変よくわかります。以上。

 

【課題曲その3】「清廉なるHeretics」

  正直「Fate」シリーズなんてアニメ観たくらいでよく知らんし、この曲の使われているゲームも人気らしいけど、さっぱりやる気もしません。私には「きららファンタジア」で充分。しかし、この曲は私にとって神曲です。このPVはサントラのものですが、サントラなんて買わなくても単曲でシングルカットされているので、気に入った人はそれを探しましょう。そこまでしなくてもyoutubeいけばたくさん上がってるんですけど、ここらへん権利関係ちゃんとしてんのか私にはわからないので埋め込みません。「たくさんyoutubeで上がっているよ」なんて私が言ったことはくれぐれも内緒にして下さい。

 さて、それで実際に音質の話です。QC35Ⅱは、この曲をスタイリッシュにキレを出しながら、火力を加えて押し込んできます。黒みのある背景をしっかり感じさせて、導入の静謐感を出し、ピアノとボーカルは無機的な一直線な音にならずに有機的な幅と揺れを感じさせてくれます。幅広でエネルギーの高いギターとドラムのぶっとい重量音が奏でる地熱からくる熱気も充分で、前半の静謐さに対して盛り上がるサビ部分の沸騰する情感の対比が丁寧に表現されています。率直に言ってレベルが高く、充分に満足できます。

 さて、HD599です。QC35Ⅱの導入が描く、静謐な表現に心打たれたような私ですが、あれは妄言でした。忘れて下さい。HD599の温かなピアノが充満し、その満たされた雰囲気の中で生命感に溢れたふんわりした嫋やかさで一気に引き込んでくるボーカルの表現に比べて、CQ35Ⅱの主張する静謐感などというものが小手先芸に過ぎず、いかに陳腐であったか、早速思い知らされます。冒頭から豊かな充実感の中に捉えて、その心地よい豊穣さのなかで、ドラムはしっかりした圧の篭もった地熱感を加えて生命的な音場を盛り上げ、ギターなんか、ほとんど何言ってるのかわからないくらい熱量に飲まれて一体化しており、クライマックスでようやく浮き上がってエネルギーを爆発させます。充実感と熱量に満ちて、ほとんど我を忘れたかのような圧倒的な力強さを持ち、魂が沸きたつようなその空間に、飲み込んでくる圧倒的吸引力。ボーカルの歌う、愛に向かう狂おしさ、それを、忠実かどうかはともかく、印象深く感じさせるのがどちらであるかはもはや語るまでもありません。

 

【課題曲その4】Sia「Big Girls Cry」

  BOSEで楽しむ曲っていうと、私のイメージでは、たとえばこんな曲ですね。黒みのある暗黒に飲み込まれていくような静謐感の中で重厚なサウンドがズドンズドン響いてくる。聴いて頂ければその圧倒的な世界観はすぐわかって頂けると思うので、ここで曲の内容について、あまり言葉を紡ぐ必要はないでしょう。この曲こそ、私の思い描くBOSEのサウンドイメージそのままです。

 HD599では印象がやはり違います。まずキックの音がBOSEでは締まった、やや無機質な鳴り方だったのに対し、HD599のキックは明らかに脈打って鼓動のようです。それ以上にボーカルの空間への広がりに圧倒的差があり、QC35Ⅱがこの曲を語り合う距離から表現していたとすれば、HD599は体内に入り込んで、その腹の内から音楽を聴いている一体感があります。

 正直、この曲をHD599ほど肉体的に表現するのが美しいのかは私もちょっと迷うところがあって、むしろQC35Ⅱのようにもうちょっと硬さを出して、背景の暗黒面とのコントラストも必要な気がしますし、そのほうが引き立つ気がします。

 

【総評】

 これまでずっと読んでくださった方々は私が相当BOSEを嫌いで、QC35Ⅱをひどくけなしていると思っているかも知れません。実際手放しで褒めちぎるほど好きじゃないことは確かですが、冷静になってください。私はHD599への入れ込みが尋常ではないので、ここで語られていることはかなりBOSEにとって分が悪いです。それにHD599はワイヤレスではないし、ノイキャンなんてついていません。むしろHD599で世の中の8割がたの音楽はカヴァーできて、他はおまけでよくね?程度の感覚の私から見ても、QC35Ⅱに関しては、一目置かざるを得ない魅力を持っています。実際使い勝手は凄く良く、デザインもかっこよくて、街で出歩くときに、ただ自慢するためだけにでも持っていきたいアイテムです。HD599なんて街中で着けて歩いてたら、「なんであの人スカウター着けて歩いてんの?プププ」くらい白眼視されそうなデザインです。熱狂的なBOSE党をはじめ、多くの人々がこのヘッドホンを支持するのもじつに合理的で、結局のところ私もこの魅力から逃れられそうにありません。

 今なぜか唐突に値下がりしているQC35Ⅱ。今年のサイバーマンデーの買い物の有力候補であることは疑いないです。


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【特集】新宿&秋葉原で路上テスト敢行!都心部での完全ワイヤレス&ワイヤレスイヤホン&Bluetoothオーディオレシーバー通信安定性テスト

秋葉原

 去る11月2日、3日、4日の3日間に秋葉原&新宿に連泊して、いろいろ買い物してきました。しかしただ買い物するだけではつまらない、せっかく人口密集地に行くのでワイヤレスオーディオの通信性能を試そうではないかと選り抜きの製品をかき集めて持って行き、路上でテストを敢行してきました。この記事ではその結果をレポートします。

 

【今回持っていった製品】

音源機器(発信元)
1. 完全ワイヤレスイヤホン
  1. JVC HA-XC70BT
  2. BOSE SoundSport Free
  3. Lesoom S1
  4. HAVIT G1
  5. CANAVIS J29
  6. Qitian Touch Two V5.0
2. ワイヤレスイヤホン
  1. The House of Marley SMILE JAMAICA WIRELESS
  2. KSCAT BC05(JVC HA-FX1100 カスタム)
3. Bluetoothオーディオレシーバー
  1. RADSONE EarStudio ES100
  2. audio-technica AT-PHA55BT

 

 ワイヤレスイヤホンに「KSCAT BC05(JVC HA-FX1100 カスタム)」とありますが、これはKSCAT BC05の着脱可能なワイヤレスレシーバーをJVC HA-FX1100のハウジングに接続したもの。つまり実質的にKSCAT BC05の通信性能テスト。

KSCAT BC05(JVC HA-FX1100 カスタム)

 BC05のレシーバーはシュア掛けタイプ。おかげでコードが邪魔にならず、装着感はかなりいいです。通信性能は日常使用なら問題なく、音質的にはドライバーはHA-FX1100なので、悪くありませんが、EarStudio ES100など高品質レシーバー使用時の音質には劣りますね。

 

【完全ワイヤレスイヤホンの通信性能】

 率直に言って、今回テストした機種はどれも、完全に安定した通信品質を確保できませんでした。秋葉原や新宿の街中を徒歩移動時にはどれも多かれ少なかれブツブツ通信は途切れましたし、駅構内などのより密集性の高いところでは使い物になりませんでした。ただ通勤ラッシュ時ではない80%くらいの乗車率の電車内では駅での出入りの時を除いて安定動作しましたし、飲食店内などでの利用も安定していました。一方で人通りが少なくても、移動しながらの利用は不安定なところが見られました。

 後述するワイヤレスイヤホンやワイヤレスレシーバーに比べても通信安定性は低いので、まだまだ完全ワイヤレスイヤホンは都心部で快適に使えるほど成熟していないというのが実情なのでしょう。

 

JVC HA-XC70BT

 JVC HA-XC70BTは、今回の機種の中では比較的通信が安定していたように思います。それでも街中の移動時にブツブツ切れることはありましたが、電車内や店舗での使用は安定。

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BOSE SoundSport Free

 今回のテスト製品の中ではスポーツ向けを謳っていることもあり、期待は高かったのですが、結果から言うと少し微妙。歩行時は片耳だけ途切れることも多く、数回完全に通信が途切れてプレーヤーと切断されました。切断されると、自動接続で復帰できる場合もありますが、プレーヤー側で再接続してやらないといけなくなる場合もあるので面倒です。音質は最高レベルの満足度で人気が高い機種ですが、通信品質はそれほど実力が高いわけではないようです。

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Lesoom S1

 音質と装着感が好みで日常生活で使用頻度が高く、通信品質の安定性はそこそこ確認していたので期待していましたが、街中はだめですね。電車内などでは稀に途切れる程度で不便は感じませんでしたが、新宿駅構内に入るとブツブツ。街中歩行時も途切れ途切れで全くいいところなしでした。人口密集地で使用できるほどの通信品質はありません。

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HAVIT G1

 こちらはネット上で評判の良い機種です。音質は良いのですが、ハウジングの形状が私の耳には合わないのか、装着性はあまりよくないので、それほど使ってません。通信品質的にはS1とあまり変わらないですね。電車内や飲食店内のようにあまり動かない場面では稀に途切れる程度で安定してますけど、新宿駅構内、秋葉原の街路歩行時などの人の移動が多い場所ではほぼ使い物になりません。

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CANAVIS J29

 音質が気に入っており、装着感も良いので最近よく使っている機種です。こちらも近所のスーパーに買い物に行く程度の日常使用では安定した通信品質なので期待していましたが、やはり都心部では使い物になりません。新宿駅構内、秋葉原の往来などではブツブツ。

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Qitian Touch Two V5.0

 人気機種のバージョンアップ版です。こちらも日常使用ではほぼ通信が途切れることのない優秀な機種ですが、やはり都心部の往来では厳しいですね。繰り返しになりますが、飲食店など建物内に入ったり、電車内のような移動の少ない箇所では問題ありません。しかし、街中を歩くと途端にブツブツ。人通りの量からいえば、決して負けているとは思えない町田や八王子駅前付近を歩いていても、ここまではブツブツしないので、やはり都心部は電波状況が混雑しているのでしょう。

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 【ワイヤレスイヤホンの通信性能】

 正直今回のテストでは完全ワイヤレスイヤホンとレシーバーのテストが主目的でしたので、左右分離型ではないワイヤレスモデルのイヤホンは比較対象として参考にするつもりでした。しかし結果的には今回持参した完全ワイヤレスイヤホンはおしなべて通信品質で満足できるものはなかったので、都心部では最低限ワイヤレスイヤホンを使用することを推奨します。

 

The House of Marley SMILE JAMAICA WIRELESS

 音質が気に入っていて、寝ホンにも使っているネックバンド型のワイヤレスイヤホンです。完全ワイヤレスイヤホンに比べるとかなり通信安定性は高く、完全ワイヤレスで一番健闘していたJVC HA-XC70BT以上に安定しています。往来の移動時にはブツブツ切れますが、完全に切断されることはほぼありません。最低限これくらいの使い勝手でないと快適に音楽は聴けませんね。

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KSCAT BC05(JVC HA-FX1100 カスタム)

 標準付属のイヤホン部分ではなく、JVC HA-FX1100を接続してテストしました。シュア掛けタイプで固定感もよく、通信品質も結構安定しています。やはり街中では途切れることも多いですが、完全ワイヤレスイヤホンよりは断然安定しています。

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【Bluetoothオーディオレシーバーの通信性能】

 まだ個別レビュー記事は書いてないのですが、今回のテストの主目的の1つは、人気の高いオーディオレシーバーのレビュー記事を書くため、その通信品質を確認することにありました。レシーバーとプレーヤーの位置関係をいろいろ変えてテストした結果、レシーバーの位置関係については以下のことがわかりましたので紹介します。

  1. Tシャツの首回りや襟にクリップ止めしたり、胸ポケットにレシーバーを入れるのはあまりよくない。通信があまり安定しない。
  2. ズボンのポケットか上着の腹ポケットが比較的安定する。
  3. プレーヤーもポケットに入れた方が基本的には安定するが、手持ち鞄やバックパックの内側ポケットなどに入れてもよい。プレーヤーがズボンや上着の腹ポケットにあるときは、それでかなり安定した。

 少なくとも今回のテストでは、オーディオレシーバーの通信性能が一番安定していました。顔に近い胸ポケットよりズボンポケットなど低い位置のほうが通信が安定するので、おそらく都心部では地面に近いほうが通信の混雑が少ないのではないかと思います。なのでレシーバーが一番安定するのでしょう。

 レシーバーには上のKSCAT BC05のように、リケーブル対応イヤホンをワイヤレスイヤホン化するタイプがありますが、通信品質の安定性を考えると、個人的には低い位置に持ってこれるポータブルボックスタイプの機種をオススメします。

 

RADSONE EarStudio ES100

RADSONE EarStudio ES100

 EarStudio ES100は、AAC/aptX/aptX HD/LDACという高品質ワイヤレスオーディオコーデック対応を謳い、さらにDACを2つ搭載してバランス出力可能という高い使い勝手と音質を誇る人気機種です。テストした結果からは実際はLDAC対応ではない()ようですが、aptX HDにはしっかり対応しており、充電しながらも使用可能と、ほぼあらゆる点で次に紹介するaudio-technica  AT-PHA55BTに勝っています。音質的にも AT-PHA55BTよりも解像度が明らかに高く、なめらかな音質です。

 通信安定性は高く、今回のテストでは人の密集する都心部の歩行時や駅構内でも、時々ブツ切れするものの、かなり安定していました。

 

※その後11/8にリリースされたファームウェア ver. 2.0.1に更新したところ、正常にLDAC接続された。

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audio-technica AT-PHA55BT

audio-technica AT-PHA55BT

 audio-technica AT-PHA55BTも人気が高い機種です。こちらはAAC/aptX/LDACに対応しています。ES100と違い、LDAC対応はしっかり確認できましたので、こだわる人ならLDAC対応プレーヤーにはAT-PHA55BTを使うと良いかもしれません。個人的には、DACはES100と比べて少し表現が無味乾燥でやや見劣りし、またLDAC対応プレーヤーはSONY製ばかりですが、現行のNW-A55もNW-ZX300もaptX HDに対応しているので、ワイヤレス通信音質的にもLDACが使えないという理由だけでは、ES100でもほとんど遜色はありません。充電時には音楽再生が出来ないところも残念です。

 美点としては、音質をダイナミック向け(MODE A)とバランスドアーマチュア向け(MODE B)の2種類の出力抵抗(インピーダンス)切り替えが出来、調整できます。ただJVC HA-FX1100やKlipsch X11iなど手持ちの主要イヤホンで使ってみた感じ、ダイナミック向け(MODE A)は低音ブーストした感じでややウォームに、バランスドアーマチュア向け(MODE B)は音が少し輪郭良く感じられるので、個人的にはドライバーの種類に関係なく、音が好みなMODE Bを常用してます。

 通信安定性はやはり相対的に高いです。ズボンのポケットに入れれば、都心部の街中でもあまり途切れる場面がなく、比較的安定して使えました。

 

【結論】

 人口密集地では完全ワイヤレスイヤホンはほとんど使い物になりません。ワイヤレスイヤホンでも途切れる場面は多く、オーディオレシーバーを使用するのが一番良いようです。ただしオーディオレシーバーでも胸ポケットや首回りなど上の方に持ってくると、通信安定性は落ちます。使用するならズボンポケットが良いようです。

 

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【ワイヤレススピーカー BOSE SoundTouch 10 レビュー】BOSE特有のパワフルサウンドが味わえるが、ちょっとコスパが悪い

BOSE SoundLink Revolve

Bose SoundTouch 10 wireless music system ワイヤレススピーカーシステム

 

おすすめ度*1

BOSE SoundTouch 10

ASIN

B014CI97RM

 BOSEのワイヤレスモノラルスピーカー。縦長でデザインは落ち着いている。頭頂部にインターフェースがある。

 aptXには対応しない。通信性能はやや不安定。時々音飛びするほか、デバイスとの接続がまれに途切れることがあった。

 

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品は電源コード、リモコン、マニュアル。

BOSE SoundTouch 10BOSE SoundTouch 10

 

【2】音質

 BOSE特有の太さと密度感のある音響は力強く、日常の生活音に埋没しない。そこらへんのワイヤレススピーカーではいまいち迫力を感じない人でも不満を感じることはほとんど無いだろう。ただモノラルスピーカーゆえ、高低の強い2次元的な音の鳴り方をするところはしかたがない。

 

[高音]:のびやかに突き抜けてくる。鮮明度あり(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:やや奥まった篭もった感じがある。

[低音]:低域の重みと空間への弾みもよい。ややもっさり(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:モノラルスピーカーのためか、やや広さに欠けるが、のびやかで高さは立体的(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:弾みと重厚感はそこそこ良い。ややもっさり(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:全体的に太めで、女性ボーカルでは少し太さを意識しやすいかも知れない。

 

【3】官能性

 UVERWorld「CORE PRIDE」は全体的にももっさり。ドラムに粘りと弾みあるので大味に楽しむが良い。

 藤田麻衣子「花火」は高域の突き抜け感と重厚な低域の聞こえもよく、比較的良好に思える。

 Ed Sheeran「Think Out Loud」はボーカルの突き抜け感に満足できる。音楽空間を穏やかに支える低域の雰囲気も良い。

 

【4】総評

 ホームスピーカーとしてBOSEなりの良さを感じる。Spotifyなどのインターネットポッドキャストとの連携機能もある。だがスマートスピーカー機能もないし、ステレオ化するのに2台必要な点や、通信の不安定性を考えると少し価格が高すぎるように思える。BOSEファンならこれくらいの価格設定でも気にせず払ってくれるのかも知れないが。

BOSE SoundTouch 10

 

【5】このスピーカー向きの曲

  力強いボーカルは温もり感もたっぷりで、突き抜け感もよく、気持ちよく抜ける。低域の弾みと重厚感もある。このスピーカーとは相性良く思える。(Westlife「I Wanna Grow Old With You」)

 

 重低音の利きがよく、ボーカルも力強く元気に伸びる。こういう明るく力強いサウンドは得意。(ボーイズ・タウン・ギャング「君の瞳に恋してる」)

 

 重厚感が良く出るのでこういう曲も安定感がある。アコースティックな楽器音に太さがあって充実感は味わいやすい。ボーカルの厚みも甘味を感じるに十分。(「ハクメイとミコチ」ED「Harvest Moon Night」)

 

 楽器音の突き抜け感は良く、冒頭から引き込んでくる。重低音の深さもしっかり感じられ、奥行き感もある。(许茹芸&孙楠「真情真美」)

 

Bose SoundTouch 10 wireless music system ワイヤレススピーカーシステム

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【特集】注目の「完全ワイヤレスイヤホン」おすすめ6機種を課題曲で聞き比べてみた。[完全ワイヤレス深掘り]

 恒例の完全ワイヤレス特集です。最近、いろいろと情報もそれなりに仕入れ、いくつかの機種を手に入れて携行し、いろいろ聴き歩いた結果、なんとなくトレンドというものがわかってきました。これからも少しずつゆっくりではありますが、いろいろ完全ワイヤレスについて書いていきたいと思います。なぜなら彼らはいろいろ欠点があるのは事実ですが、それに劣らぬ魅力もたくさんありますし、何より今、伸び盛りでますます個性的な機種が出てきているので素直に面白いからです。

 

【参考情報】海外でのトレンドについて

 参考までにいくつか紹介しましたが、海外のレビューサイトを暇なときにだいぶ回りました。評論家の観点を知るのも楽しかったですし、国ごとの着眼点の違いや専門家の論点などを自分なりに整理することが出来ました。

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 内容の詳細は各記事に譲りますが、個人的使用感も含めて、完全ワイヤレスモデルにとってまず重要なのは連続再生時間です。これはどの記事も一様にバッテリーを気にしていることからもわかります。私の実感としてもバッテリーはかなり完全ワイヤレスの使用感を左右します。

 一般にスポーツモデルと言われている機種はイヤホンで再生出来る連続再生時間が長く、4~6時間程度連続再生出来ます。一方で標準的で廉価な完全ワイヤレスイヤホンは大抵3時間ほどしか連続再生出来ません。

 通勤通学用途であれば、イヤホンの連続再生時間は3時間もあれば普通は十分です。完全ワイヤレスイヤホンは収納ドックとなるバッテリーケースを備えていて、バッテリーケースに充電機能があり、大抵は短時間でイヤホンが再充電されます。多くの機種で2~3回バッテリーで再充電可能なので、移動時間に少しずつ音楽を聴くような使い方だと総合で十分実用的な時間が確保されています。私の日常使用における実感でも、一般的な移動時に音楽を楽しむ目的であれば、どの完全ワイヤレスモデルを選んでも不満を感じません。

 一方でスポーツに限らず、長時間音楽を楽しむにはスポーツモデルと言われる連続再生時間の長いものを選んだ方が良いです。スポーツモデルの機種は大抵防水性能や耐久性も高いので、長時間使用でのアクシデントに対応力があるのも利点です。サイクリングやツーリング、長距離ドライブ、レジャーでの使用などにはスポーツモデルが向きます。

 

【「完全ワイヤレス」モデル共通の特徴】

  完全ワイヤレスモデルには固有の特徴があります。まず普通のイヤホンよりも小型な筐体にバッテリーなどを詰め込んでいる分、ドライバーは小さめでケーブルつきのイヤホンに比べて音質面での不利は隠せません。

 同価格の有線イヤホンや無線イヤホンと比べると、音楽の輪郭感の表現にそれほど劣っているようには思われません。目立って音質が粗悪というものはメーカー品では珍しく、シャリシャリとした形になることが多いものの、それなりに明瞭感のある形で音楽を楽しめます。音響機器としての実用性は十分にあるということです。

 ただ低域は一般的なイヤホン以上に出ません。後ほどそれでも低域の表現力に頑張りが見られる機種をいくつか紹介するでしょうが、全般的に薄味に思うか、量感に乏しく思うか、深さを感じないといった物足りなさがあるのは事実でしょう。何よりウーファーが奏でるようなブーム感は味わいづらいですから、それを低域の唯一の魅力と感じている人にはどれもつまらない製品に思えるかも知れません。

 それと立体感は全般的に乏しく、音が近いモデルが多いです。小型ドライバーで音に鮮明さを出そうとすると、どうしても近くなってしまいますね。

 

完全ワイヤレスイヤホンの特徴
  1. コードノイズがない
  2. 軽くて小型。持ち運びに便利
  3. 稼働時間が短め(電池容量に限界があり、高級機種でも2~3時間が標準)
  4. 低域は薄味
  5. 音はどうしてもシャリつく傾向にあり、機械的に感じられるかもしれない
  6. 音の立体感が希薄で、平面的

 

【今回の課題曲】

 さて、漫然と紹介していくのもつまらないので、今回は課題曲を選定して、それを聞き比べる形で紹介したいと思います。

 今回は鹿乃さんの歌う「君がいる世界へ」です。この課題曲を選んだ一番の理由は個人的な好みであり、次に公式動画として正規に公開されているものなので消されることはないでしょうから、この記事にアクセスできる人はみんな聴くことができると思ったからです。

 曲調としては軽妙でほどよく変化に富み、衝撃音もいくつかあって音のエッジ感と味を比較しやすく、パーカッションが比較的音味の乗りがよくてわかりやすいデジタルドラムで、ほどほどの重厚感もある曲であること、そして鹿乃さんのボーカルが比較的声優系に近い声質でボカロに近いような、良い意味で技巧味がそれほど感じられない素直な透明感があり、甘味の色合いを感じやすいと考えたからです。長い一文ですので、整理しますと、以下のような感じです。

  1. ボーカルが素直で色づきが分かりやすい
  2. パーカッションの色味が把握しやすい
  3. 衝撃音が適度に使われていて、音のエッジ感の傾向が分かりやすい
  4. 曲の変化に富み、8bit的な電子音からアコースティックに近い音まで多様

 そして最後には何より、構成と音質的に完全ワイヤレスで楽しみやすい曲だと思ったからこそ選びました。

 

 ちなみに、本来ならここで鹿乃さんの紹介をするべきでしょうが、率直なところ私はよく知りません。「放課後のプレアデス」というガイナックス製作のアニメがあって、それのOP曲「Stella-rium」を聞いたのがきっかけだったような気がします。

 個人的に「放課後のプレアデス」はヴィジュアルで興味を持ったものの、作品自体はあまり肌に合わなかったのか、あまり思い入れがありません。そのため、どういうアニメか忘れました。なんか「きららタイム」系のゆるい百合バナを期待してたら、違ってましたというような感覚を今でもうっすら覚えています。いや、もしかすると、本当に良く覚えてないので適当なこと言ってしまっているかも。ファンの人たち、ごめんなさい。どちらにせよ妄人の戯言です、読み流して下さい。

 で、鹿乃さんですが、そのあと「ヘヴィーオブジェクト」というアニメのEDで「ディアブレイブ」って曲も歌っていました。ちなみに個人的に「ヘヴィーオブジェクト」はよかったです。ストーリーは少し強引な展開だった気がしますけど、重機動兵器に少女って世界観で、ボーイミーツガール物ってだけで「天空の城ラピュタ」の系譜を感じてころりと引き込まれました。原作はラノベだそうです。

 ということで、話は戻りますが、鹿乃さんのCDは買っていますし日常的に好んで聴いているのですが、鹿乃さん自身のことはよく知らない俄か勢で申し訳ありません。ということでペタッ↓

 ↑この課題曲を聴きながら、手持ちの中からいくつかの完全ワイヤレスイヤホンを味わい、その素直な感慨を道標に、徒然なるままに紹介したいと思います。

 

【完全ワイヤレスモデルの紹介】

1. JVC HA-ET900BT

JVC HA-ET900BT

 まず最初に紹介したいのはJVC HA-ET900BTです。JVCとしてはスポーツモデルとして出しており、IPX5の防水性能を持っています。しかしイヤホンの連続再生時間が3時間と標準的でスポーツ向けにしては短く、完全ワイヤレスとしてはでかいハウジングなので、装着感に癖があってスポーツで使うと揺れを感じるので結構耳が痛くなります。というか自分は買い物なんかのちょっとした移動に付けても痛む感じがあるので、お世辞にもコンセプトの面で成功しているとは言えないイヤホンです。

 しかし、音質を考えるとコスパが良く思われ、たぶん一番か二番に愛用しています。音にシャープなエッジ感があり、音楽に瞬発力を感じます。ロックを少しドライなのどごしで聴かせてくれ、意外と弦楽の表現ものびやかさと色づきを感じます。

 課題曲を聴くと、まずデジタルドラムは若干ウェットです。ズシャッという輪郭と衝撃でリズムを表現しようとします。こういう音は粘着力があって好きな人には味わい深いですが、嫌いな人も多いでしょう。ただHA-ET900BTの場合、音に全般的にシャキシャキした感じがあるので、ドラムの粘りは後を引きません。音のエッジ感は尖り気味なので、シャリ感を特に不快に思う人には合わないでしょうが、透明感は出るのでボーカルとの相性は悪くありません。終盤付近のアコースティック味のあるピアノや弦楽から一気にデジタルサウンドに変化していく場面では、妙味を感じます。透明感のあるピアノとのびやかな弦楽の音がなめらかに電子音に変わっていき、やがてシャギーなスプラッシュ感のある音に飲まれていくあたりの表現は、個人的にはなかなかよいです。

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2. Lesoom S1

Lesoom S1

 次に紹介するのはLesoom S1です。比較的装着感が良いモデルです。何より廉価です。しかし、いろいろと使い勝手が悪いです。この点は個別レビューを参考にして下さい。比較的最近使い始めましたが、音が好みなので持ち歩く頻度は高めです。

 このモデルの特徴は価格の安い完全ワイヤレスモデルにしては比較的低音が出ることです。3000円台の製品なのですが、この価格の完全ワイヤレスはシャリシャリした中高域で音を出している機種がほとんどです。元々小型ドライバーゆえに低音の能力の低い小型ワイヤレスですが、低価格ではさらに中高域の尖った音に埋もれてほとんど存在感を発揮できません。しかし、この完全ワイヤレスイヤホンは比較的フラットな音質を実現しており、低域から高域までよく表現します。これは完全ワイヤレスの低価格モデルでは稀です。音源を用いた音質のテストでも50hzまでの振動は確かなものでした。そこからの減衰は極端で40hz以下は振動はおとなしく、20hzはほぼ無音なので、本当の重低音の表現が出来るほどではありませんが、多くの同価格帯の完全ワイヤレスイヤホンの低音が薄っぺらいのに対し、このイヤホンには確かな低域の厚みを感じます。

 音も全体的に同価格帯の中では丸いほうで耳当たりが良く、とくに弦楽の伸びやかさは根元太めに力強く出ます。課題曲でもデジタルドラムには粘りと厚みがなかなかにあり、振動感も感じさせます。ボーカルは少しふっくらして甘味が少し強く、個人的にはこのバランスも好みなほうです。やや暖色で少しもっさり感はあるので、シャリのあるシャープエッジを好む傾向の人は、キレの悪さに辟易する場合があるかも知れません。

 

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3. Tamoo T900

Tomco T900

 次はTamoo T900です。この機種は廉価版の完全ワイヤレスイヤホンの中では使い勝手は悪くありません。まずこの価格帯では音質が妙にシャリシャリしていたり、操作性がピーキーだったり、通信が不安定だったりするものが多いですが、この製品は比較的品質が安定している印象を受けます。少なくとも私の持っている個体は今のところ調子良いです。

 音質的な特徴は価格なりのところも多く、音が近かったり、高域が少しキンキンしやすかったりと弱点らしきところもあります。しかし、若干透明感と煌めき感が誇張され、衝撃音もキレよく出るので、案外印象のよい音を出します。そしてボーカルがけっこうつるんとしたつややかさが出て、耳当たり良く思えます。

 このイヤホンのボーカルの表現は課題曲向きと言えます。透明感も出やすく、キラキラした光沢感も中高域で感じられるので、全体的に明るく聞こえます。一方で音の衝撃力もなかなか強く、パンチ力を感じさせ、曲にメリハリも出ます。若干クラブサウンド色が強く、スカッとして感じられます。

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4. BOSE SoundSport Free

BOSE SoundSport Free

  次はBOSE SoundSport Freeです。この機種は最初に紹介したJVC HA-ET900BTの2倍以上の価格の高級機種です。値段なりの実力はあり、音質は多くの評論家を唸らせ、完全ワイヤレスモデルのランキングでは上位常連です。JVC HA-ET900BTがいまいちスポーツモデルとして完成されていなかったのに対し、こちらはイヤホンの連続再生時間も長く、バッテリー計測に熱心だったフランスのランキングの情報によると、実測5時間20分。個体差があるにしても5時間は大丈夫そうです。実際、私はこの機種を電源切れするまで使ったことがないくらいです。

 ただ私が電源切れするまでこの機種を使っていない理由は、電池容量の長さのおかげだけではありません。個別レビューでも書きましたが、この機種、妙に重いのです。イヤーウィングもよく選んだのですが、いまいち収まりが悪く、重心が外側にあって耳から外れそうで安定感に欠けます。付け心地が少し不安なのです。そのため値段が高いこともあって、家の外では長時間耳に付ける気になれません。最初はしっかり嵌めても、時間とともに重みで耳から浮くので環境音もだんだん聞こえてきます。音漏れもなんだか目立つ気がします。ただここらへんの問題は耳の形によるものでしょうから、個人差はありそうです。

 音質的には低域の存在感が今のところ完全ワイヤレス随一です。低音にまともな重厚感と量感を感じさせる完全ワイヤレスイヤホンは今のところ、これを含めて数機種しかないように思われますが、その中でもダントツだと私は思っています。課題曲でもしっかりと重厚感が感じられ、全体的に太めの力強い音でぎっしりした音の密度を感じさせてくれます。課題曲は比較的軽妙な曲で、大抵の完全ワイヤレスイヤホンで聞いても、すっきりした爽快味の強い曲ですが、こいつだけは肉付きのある形で重みを持って聴かせてきます。

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5. Jabra Elite 65t

Jabra Elite 65t

 課題曲本来の軽妙さを追究していくと、たどり着くのはJabra Elite 65tかもしれません。清澄な透明感のある中高域の表現は、この課題曲にはいかにもふさわしいです。ただ、この機種のコスパは高くありません。決して使い勝手が悪いわけではなく、連続再生時間はスペック以上の6時間超えを記録してフランス人評論家を唸らせました。しかし同じ評論家が過剰な音質表現と釘を刺したように、私も高級機種の割に妙に落ち着きのない尖った音の鳴らし方をする部分は気になります。もちろん多くのランキングでTOP10入りする製品ですから、パフォーマンスが高いことは確かです。ただ純粋な音響機器としての魅力には何か物足りなさを私に感じさせる音質です。

 それは何なのか、使いながら考えていましたが、たぶんほかの完全ワイヤレスモデルと音の傾向に共通点が多すぎて、目新しさが少ないのが原因のように最近思えてきました。音質のレベルは低価格機種以上の表現力を持っていることは事実です。でも音から受ける印象が低価格機種とあまり変わりません。同じように低域が薄く、腰高で、少しシャリ味があって音が鋭く、透明感も強い。傾向として明るく快活。よく考えると、大抵の完全ワイヤレスイヤホンはその特性上こんな音です。これ1台を愛好している人は満足感を持って使うでしょうけれども、すでに完全ワイヤレスモデルを持っている人にはあまり目新しさが感じられないと思われます。

 とはいえ、私はこの音質は嫌いではありません。課題曲の清涼感をよく表現してくれるのはこの機種です。衝撃力を伴って弾けるフレッシュな躍動感と透明に澄み切る突き抜け感を共存させ、シャープで明るく快活な色合いをとことん味わわせてくれます。

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6. JVC HA-XC70BT

HA-XC70BT

 課題曲を聴きながら、心の赴くままに綴ってきたこの記事ですが、しかし私にとって、このちょっとした散歩の終着点に立つべきは、目下のお気に入り機種であるJVC HA-XC70BTです。私はこの機種の使い勝手の良さと音質を愛しています。

 イヤホン本体の連続再生時間は3時間ですが、バッテリーケースと合わせると半日は十分に使えます。錯覚を利用したものなのかもしれませんが、バスブーストモードの低音の出は私にはよく思えますし、鳴り方もほどよいタイト感があってブヨブヨしない、好みの音です。比較的粘りなく、張りと衝撃力をスカッと感じさせるドラム表現も好きで、私が日常的に聴く快活なクラブサウンド風の曲にはよく合います。

 この課題曲においても、私はこのイヤホンの音質に妙味を感じます。ボーカルには甘味が感じられ、全体的にエッジ感の良い音はメリハリに富んでいます。完全ワイヤレスにしては珍しく、低域の存在感もあり、しかもBOSE SoundSport Freeほど重くぶっとくぎっしり聞こえてこない、ほどよい締まりのある音で、音と音の間に隙間をしっかりと感じさせて見通しよく思えます。

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【特集】フランス人評論家が選んだ完全ワイヤレスオススメモデル BEST 10 2018

 2017年は完全ワイヤレスイヤホンにとって躍進の年になりました。2016年に始まった完全ワイヤレスイヤホンの市場は、爆発的に拡大したのです。私たちはこうした流行を目の当たりにして、TOP10ランキングを作ることにしました。ランキングは連続再生時間や周波数帯域幅などをテストしたデータに基づいて作成されています。

 連続再生時間については注意が必要です。完全ワイヤレスイヤホンは本体だけでなく、充電ケースにもバッテリーが搭載されており、イヤホンはケースに収納することで再充電が可能です。したがってイヤホン本体の連続再生時間だけでなく、ケースのバッテリー容量にも着目する必要があります。

 最後に、完全ワイヤレスイヤホンはほぼすべてのモデルがインイヤータイプであることに注意して下さい。一般にこのタイプのイヤホンは外耳道を完全に塞ぎます。したがって、環境騒音に対するパッシブな遮断効果が期待できます。しかし、この装着タイプは必ずしも全ての人に評価されているわけではなく、一部の人々には不快感を与えることがあります。購入前に可能な限り店頭サンプルなどで装着感をテストしてみることをおすすめします。

 

10. Cellularline Hide

Cellularline Hide

※日本では入手困難

 非常にコンパクトで、スマートフォンも充電可能な2200mAhのバッテリーケースが付いています。音質と遮音性は他のモデルよりも著しく低品質です。しかし非常に安価で、気軽に完全ワイヤレスを利用したいカスタマーには魅力的です。

この機種のポイント
  1. モバイルバッテリー機能付き
  2. 安い
  3. 音質はよくない

 

9. Urbanista Tokyo

Urbanista Tokyo

 比較的こなれた価格が魅力の機種です。カタログ上の連続再生時間に実測(3時間41分)が近く、正確でした。この製品と同じ価格帯でより長い連続再生時間を謳っているモデルは大抵不正確で質が悪いものばかりでした。Tokyoは快適性に使え、価格も控え目で良心的です。

この機種のポイント
  1. コストに見合った音質
  2. 正確な連続再生時間
  3. 使い勝手が良い

 

8. Jaybird Run

Jaybird Run

 一般の人々にはほとんど知られていないJaybirdブランドですが、長年にわたってその製品は評価を得ています。くさび形に耳に引っかかる固定のよい構造でスポーツ用途に適しています。Jaybirdのアプリはかなり完成度高く、音質面の満足度は高いでしょう。運動するのが大好きで、Samsung Gear IconXはちょっと高いと思っている人にはおすすめです。

この機種のポイント
  1. 高い装着性
  2. スポーツ向き
  3. 高い防水性能

 

7. Bang&Olufsen Beoplay E8

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 B&Oの名声は、その製品の音質に関連しています。このBeoplay E8も例外ではありません。比較的ニュートラルなSony WF-1000Xに比べると、低域をやや前倒しにして聞かせます。アプリで「暖かい」味付けか「鮮明な」味付けを選択することが出来ます。私はこの機種のスタイリッシュなレザーケースが大好きですが、300EURもするのになぜか充電用USBケーブルが入っていなかったことには失望を禁じ得ません。

※日本の正規輸入品にはUSBケーブルが付属しています。

この機種のポイント
  1. 温かみのある音質
  2. スタイリッシュなレザーケース
  3. 付属品が少ない

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6. Jabra Elite 65t

Jabra Elite 65t

 正直に告白しますと、Jabra Elite Sportには大変失望させられましたが、新たなElite 65tは7位のBeoPlay E8とともにデンマークブランドの面目躍如を感じさせます。デザイン性と快適性、そして連続再生時間はランキングトップクラスです。ただ音質には過剰な演出を感じます。通話品質は非常に良好です。

この機種のポイント
  1. 長い連続再生時間
  2. 高い通話品質
  3. デザイン性と良い装着感

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5. Samsung Gear IconX (2018)

Samsung Gear IconX (2018)

 Appleと並び、Samusungは完全ワイヤレスイヤホンの開拓者です。このGear IconX第2世代バージョンは連続再生時間を実測4時間17分にまで向上させています。音質面でも優秀ですが、このイヤホンを特徴付けているのは内蔵された加速度計です。Samsung Health アプリ(Androidのみ対応)を用いてスマホやスマートウオッチと組み合わせて運動量をかなり正確に測定できます。

この機種のポイント
  1. 長い連続再生時間
  2. 良好な音質
  3. 運動サポートアプリ

 

4. Sony WF-1000X

Sony WF-1000X

 この機種の音質は私たちのランキングではロールスロイス級です。複雑なオーケストラシーンでも、すべての楽器を完全に区別することが出来ます。大音量でも歪みをほとんど感じません。完璧と言って良いでしょう。ただし、アクティブノイズキャンセルはほとんど仕事をしません。これにはとてもがっかりでした。アクティブノイズキャンセルを無効にしても実測2時間43分ほどしか連続再生出来ませんでした。

この機種のポイント
  1. 完璧に近い音質
  2. ほぼ無意味なノイズキャンセリング
  3. 短い連続再生時間

 

3. BOSE SoundSport Free

BOSE SoundSport Free

 BOSE SoundSport Freeは完全ワイヤレスモデルの中でも完成度の高い製品です。スポーツシーンでの利用に特化したSound Sport Freeは、IPX4の十分な耐汗性能を備えています。非常に付け心地が良く、実測5時間20分の連続再生時間は優秀です。アメリカが誇るブランドのパワフルなサウンドを魅力たっぷりに提供してくれます。

この機種のポイント
  1. パワフルな音質
  2. 長い連続再生時間
  3. 十分な耐汗性能

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2. Apple AirPods

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 完全ワイヤレスのパイオニアの中でも、Appleは非常に良く設計されたイヤホンを開発しています。Appleのデバイス(iPhone/iPad/Watch/Mac)を所持しているのであれば、簡単に連携してくれます。実測4時間58分の非常に優れた連続再生時間と、優秀なデザイン、良好な音質を享受できます。外耳道を塞がないので、装着性は非常に良好で何時間付けていても苦になりません。しかし、騒音環境は遮断されません。

この機種のポイント
  1. Apple製品との高い連携性
  2. 長い連続再生時間
  3. 良好な付け心地

 

1. Divacore Antipods

Divacore Antipods

※日本では入手困難

 6時間19分の連続再生時間はJabra Elite 65tに次いで優秀な数値です。音質面も良好です。この性能でたった119EURで手に入るのですから、この優秀なコスパに敵うイヤホンがあるわけがありません。

この機種のポイント
  1. 優秀すぎるコスパ
  2. 長い連続再生時間
  3. 良好な音質

 

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【完全ワイヤレスイヤホン BOSE SoundSport Free レビュー】厚みのある量感とはっきりした近い密度の音響は完全ワイヤレスとは思えないほどパワフル

BOSE SoundSport Free

Bose SoundSport Free wireless headphones 完全ワイヤレスイヤホン トリプルブラック

 

おすすめ度*1

BOSE SoundSport Free

ASIN

B074TBPV5Z

 完全ワイヤレスでは、やや大きめのハウジングのイヤホン。外側に向かって少し重さもあるので、イヤーウィングとイヤーピースを選ばないと、外れやすいところがある。

 遮音性は良好。音漏れは少し目立つ。

 aptXには対応しない。AACには対応。通信性能は安定しており、途絶はないが接続する機器によっては若干の遅延を感じる。

 

※この機種の音質や使い勝手については以下の補足レビューもありますので、併せてお楽しみください。

 

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【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、専用充電ケース、マニュアル。

 

BOSE SoundSport FreeBOSE SoundSport Free

 

【2】音質

 一聴した印象は完全ワイヤレスとは思えない量感と密度、これに尽きる。とくに低域の印象は強烈だ。太く重量感があり、存在感のある振動が響く。完全ワイヤレスでここまでぶっとい振動を鳴らす機種はほぼ皆無だ。楽器音やボーカルものきなみ太めで、ぎっしりとした密度感がある。高域はやや突き抜け感に乏しく、それほど精彩を感じなかったが、中低域のパワフルな表現力は完全ワイヤレスという枠を越えて勝負できるほどだ。

 

[高音]:突き抜け感はそれほど感じない(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:密度高め。弦楽やピアノは豊満な色気があり、力強さも出す。

[低音]:極めてブーミーな重量感のある低域。40hzまでは太く厚い振動、30hz以下でも淡い振動を感じる(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:全体的に低域が前面に出て、楽器とボーカルの距離感も近く、個々の音も太いので密度感はかなり高い。奥行き感は犠牲にされやすい(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムの重厚感と表面の張りがしっかり出る。衝撃力はそれほど強くなく、粘りのある音。ハイハットは弱めでドラム優位(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:やや太め。楽器との距離感が近く一体感がある。

 

【3】官能性

 Rie fu「One-Bite」は重厚感が暖色の空間を引き立たせている。弦楽ののびやかさにも柔らかな弾力を感じる。ボーカルの芯はしっかりしており、肉付きもよく豊満さを感じる。総じて好印象。

 やなぎなぎ「ユキトキ」は重量感のあるドラムが曲に力強さとメリハリを与えている。ベースの利きも良い。弦楽のアタック感も良好。やや豊満なボーカルには甘味もしっかり感じられる。

 (K)Now_NAME「Harvest」では出だしで弦楽の力強い唸りが味わえ、曲に一気に引き込んでくる。ピアノは重厚感あり。シンバルにも材質感の感じられるやや厚めの煌めきがある。ボーカルと楽器の一体感も良好で全体的に密度高め。力強い。

 petit milady「azurite」は重厚でパワフル。ドラムには重みと爆発力があり、推進力満点。ギターのアタック感も良好で、さらなるエンジンとなる。ボーカルと楽器の距離感は近く、熱量をボーカル付近に集中させてくる一体性の高い表現。一方で風切り感を思わせる効果音はそうした密度のある空間の背景に回ってしまっており、埋もれて聞こえづらく、この曲の持ち味の一つである飛翔感には乏しい。

 

【4】総評

 完全ワイヤレスとは思えない重厚なパワフルサウンドは現状唯一無二に近い。低音はジャンキーでも満足できるほどの量感。音が気に入ったならコスパは無限大に良い。ただ傾向として聞き疲れしやすい音ではある。

 使い勝手に関しては、パワフルサウンドを支える本体はやや重く、耳への収まりは必ずしも良くない。付属のイヤーウィングとイヤーピースはよく耳に合ったものを選ばないと、イヤホンが耳から外れやすいので注意。スポーツ向けという割に装着性にはやや不安を覚える。

 また付記として、各種レビューを渉猟したところ、左耳が比較的通信不安定になりやすく、熱に弱いところがあるとのこと。猛暑日に使用して音が鳴らなくなったというような指摘があった。かなりパワフルなドライバーをこの小さい筐体に積んでいることが予想されるので、さもありなんというところ。

BOSE SoundSport Free

 

【5】このイヤホン向きの曲

 弦楽の色味に重厚な色合いがあり、世界観にぐっと引き込まれる。サビ付近ではアタック感のある楽器が一気に色彩感を加えて盛り上げる。ボーカルと楽器が熱気を共有する一体感がある。とくにYUIのボーカルには熱に浮かされたような色気があるが、それがかなりうまく表現されていて、秀逸。

 

 ドラムに重みと弾みがあり、曲をしっかり引き締める。弦楽の色づきも小麦色に近い黄金の輝きで、生命的な温もりを感じる。相変わらずボーカルと楽器の距離関係に一体感がある。(nano.RIPE「月花」)

 

 低域に重厚感があり、太めにしっかり聞こえるピアノの精彩も艶めかしい。弦楽には力強い生命的なのびやかさがある。ボーカルの突き抜け感はそこそこで、若干楽器に飲み込まれやすく、人によって埋もれがちに聞こえるかも知れない。全体としては迫力のある曲調。

 

Bose SoundSport Free wireless headphones 完全ワイヤレスイヤホン トリプルブラック

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【特集】日本ファルコム名曲とともに紹介するおすすめイヤホン3選

 家庭用ゲーム機やホビーパソコンが一般的となった1980年代初頭。日本のコンピュータゲーム黎明期であるこの時代から続く老舗のコンピュータゲーム会社が日本ファルコムだ。今ではメジャーなゲームメーカーの一つである。

 さてそんなファルコムだが、音楽にやたらと力を入れていることは夙に有名。レベルの高いサウンドがファルコムゲームの魅力と言ってよい。何よりファルコムのゲームミュージックにはなぜか不思議な魅力があって一部のファンを離さない。

ファルコムミュージックの特徴(自己流評価)
  1. 外連味があって妙に厨二病的
  2. デジタルな効果音好き
  3. オーケストラやったりJAZZにしたりとアレンジ好き
  4. 作品毎に傾向を変え、世界観を感じさせる音楽

 最近はファルコム音楽フリー宣言なるものを公示し、youtubeやamazon musicなどで無料でその秀逸な楽曲が楽しめる。そんなファルコムの楽曲の中からオススメの名曲をピックアップし、ついでに相性の良いイヤホンもセットで紹介しようという一石二鳥な記事を考えてみた。第二弾(第三弾があるかはわからない)。

 

 To Make the End of Battle(YsⅡ Complete)

 名作イース2より。オープニング曲。この音源はWINDOWS用のリメイク版のもの。勢いは完全にロックだが、音はエレクトリックな味わいがあって滑らか。材質感がないので一見単調そうに思えるところもあるが、耳を離れない独特の中毒性がある。

 この曲には透明感とシャープネスに優れたこのイヤホンを推す。電子音の煌めきが増し、ギター系の音はアタック感が強くなる。奥行き感も良いので後半も楽しめる。

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幻の大地セルペンティナ(Zwei!!)

 骨格には民族音楽的な風味を感じさせながら、エレクトリックな楽器音が近未来的な洗練性も演出する。独特の中毒性のあるZwei!!の音楽の中でも、この曲はとくにお気に入りのものの一つ。最終ダンジョンのBGMだが、疾走感と煌めき感があって、前向きな快活ささえある。雲の上の天空の明るい陽光、地上を遥かに離れた透明な空気感も曲の中で見事に再現されている。

 わがままながら、大好きなこの曲は大好きなこのイヤホンで聞きたい。中高域の清冽な透明感が持ち味のKlipsch Image X11i。繊細な音の襞をなぞるバランスドアーマチュアの色彩溢れる緻密な音色が、この曲を思う存分楽しませてくれる。

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愛を感じていたい「終焉」(英雄伝説Ⅴ 海の檻歌)

 英雄伝説Ⅲ~Ⅴは同じ世界観を共有しているだけでなく、どれも笑って泣けるコミカルファンタジーとして名作であった。とくに英雄伝説ⅤのED曲であるこの曲には感無量。今でもこの曲を聴くと、冒険の日々を思い出す。いろいろあったが、最後は乙女の素直な恋心があらゆる旅の思い出を色鮮やかで美しいものにしてくれる。

 この曲には中高域の色づきの良いこのイヤホンを。比較的明るめで軽快味のあるタイトな低域も曲のメリハリを良くするとともに、主旋律に暖かみと生命感を与えてくれる。

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【ワイヤレススピーカー BOSE SoundLink Revolve レビュー】若干パワープレイな直情的な鳴らし方ではあるが、迫力のある音が楽しめる。電源関連の不具合報告が多いのには注意

BOSE SoundLink Revolve

Bose SoundLink Revolve Bluetooth speaker ポータブルワイヤレススピーカー トリプルブラック

 

おすすめ度*1

BOSE SoundLink Revolve

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B06Y3PCMPR

 円筒形でコンパクト、360°方向に音を鳴らすので設置に場所を取らず持ち運びにも便利なワイヤレススピーカー。2台揃えるとステレオ再生も可能。スマホアプリでの操作やスマートスピーカーEcho Dotと連携してAlexaを介した制御が可能と先進的な機能を取り込んでいる。防水性能はIPX4。それほど高いわけではないので、どちらかといえば屋内使用がよいだろう。

 aptXには対応しない。通信性能は安定しており、遅延・途絶は見られない。

 

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はUSBケーブル、電源アダプタ、電源変換プラグ、マニュアル。

 気になる点はamazonのレビューで電源関連の不具合報告が多いこと。報告の内容を読むと購入当初は良好でも購入後半年くらいまでにこの不具合が発生している人がよく見られる。結構な人気機種なので不具合の報告数の割合が多いかは判断しづらいが、比較的よく見かけるため不良品率は高いのかも知れない。問題なく使えている書き込みも多く、使い勝手に関してはネット上やメディア媒体で評価の高い機種なので人気もあり、実際はよくわからないが念のため注意。

BOSE SoundLink RevolveBOSE SoundLink Revolve

 

【2】音質

 立体感はそれなり。2台接続するとステレオ感が出るので立体感は増すが、1台での音質をレビューをする。小型だがパワフルで音に迫力はある。中国製の小型丸形スピーカーでもガタガタ振動するほど迫力のあるモデルもあり、そういった機種を持っている人からすると驚くほどではないかも知れないが、しかし振動はかなり強めでテーブルなどに設置するとガタガタと細かく揺らすほどのパワーはある。そのパワーを発揮して鳴らされる低域の振動感や音色の突き抜け感は良好で、小型な外見に似合わず量感とそれなりの立体感を感じる。ただし鳴り方には噴き出すような力任せに聞こえるところがあり、音色にゆらぎとか艶やかさといったものを感じづらい、直情径行気味な感触。拡声器のような音の膨張を感じる。

 ただ様々な環境音が発生しやすい日常生活で使うには、むしろこうした太くまっすぐな音の鳴り方は埋没せずによく聞こえる。使用するシーンを考えた結果の音質とも考えられる。それが好きかどうかはその人次第だが。

 

[高音]:高域の突き抜け感は強く出る(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:ピアノの音が硬く人工的で電子ピアノチック。弦楽もボワボワしやすい。音に膨張した感じがあり、厚みはしっかり出る。

[低音]:振動感は強く広く唸る。重厚感はよく出る。テストでは50hzから下は無音であったので、重低音の深みというよりはそれより上の低音の量感と振動で賄っている印象(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:比較的立体感は良好で1台でもそれなりの広さを感じさせる音を鳴らす。個々の音には固着感があるというかかたまりとして聞こえる感じが強い(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムはややブーミーだがかたまって聞こえてまとまりはよい(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:高域での突き抜け感は良好で開放的に伸びてくる。声色は女性ボーカルは若干ボソッと感じられるが、パワフルなのびやかさで相殺される印象。

 

【3】官能性

 菅野よう子「moon flower」を聞いてみたが、木管に生々しい色気が感じられず、シンセサイザーで作った感じに思える。アコースティックな味は出にくいかも知れない。

 秦基博「Rain」はドラムがやや頭重くもっさり。地鳴り感が強いが、弾みがよくなく、気怠げに聞こえるかも知れない。ボーカルの量感は良く、サビでも元気よく突き抜けるので、重苦しいパーカッションとの対比が味わえる。そういう意味では曲の主題に合っていると言えなくもないため、これはこれでよいところはある。この曲は重苦しい雨と世間のしがらみからの開放感へと向かっていく曲だからだ。

 Uru「フリージア」はボーカルの息遣いがかなり鮮明に出る。弦楽の奥行き感がやや潰れて弱く感じられ、展開はボーカル中心になりやすく、ボーカルだけが浮き上がって聞こえる感じがする。

  petit milady「azurite」はドラムの弾みは良く、ボーカルの伸びの良さと相まって曲全体に推進力が感じられる。一方でこの曲のもう一つの持ち味である、天空を飛翔するような立体的な音響はやや感じづらい。

 

【4】総評

 360°音が出るのが特徴。立体感もそれなりにあり、スピーカーに対する立ち位置で音質が変わりづらいので、居間やテーブルサイドに置くインテリアスピーカーとしても最適。音質的には価格相応の魅力は感じづらい。筐体の割にパワーが出るのは事実だが、技巧味に欠け、1台では立体感もそこそこレベル。単身生活者がワンルームで使うとか、寝室・居間・個室などの部屋置きのスピーカーとしてはよいが、PCスピーカークラス以上の妙味を感じる場面は少ない。インテリアスピーカーとしてのデザイン性やアプリ連携などの付加価値込みの値段で、価格設定では少し強気といえよう。

BOSE SoundLink Revolve

 

【5】このスピーカー向きの曲

  振動感と勢いを楽しめるこの曲は、迫力が増して聞こえてよい。ドラムの鳴り方も衝撃力と反発力があって、このスピーカーで聴いてももっさりした感じがなく、軽快味が出る。

 

Bose SoundLink Revolve Bluetooth speaker ポータブルワイヤレススピーカー トリプルブラック

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【特集】ワイヤレスイヤホン Top 10 2018

 今回は最新のワイヤレスイヤホンの中からおすすめ機種を紹介。音質と使い勝手、コスパを考慮したランキングを発表。

10. Otium Sport Bluetooth

Otium Sport Bluetooth

 Otiumはアメリカでは比較的人気のあるメーカー。このモデルはAndroidとiOSで同時に2台まで対応できる。ボタン操作も明確で、プレーヤーの制御から通話まで可能。日本では正規代理店がなく、個人輸入価格になるため割高となるのは残念。

この機種のポイント
  1. 通信に相性が見られる
  2. 装着感に癖あり
  3. 日本では割り増し価格でコスパ悪い

 

9. Jabra Elite Sport

Jabra Elite Sport

 コードに悩まされることのない完全ワイヤレス環境を提供してくれるのが、このイヤホン。スポーツサポートアプリをスマホにダウンロードすれば、心拍数を計測することができ、最適な運動ペースを導き出すのを手助けしてくれる。

この機種のポイント
  1. 3年保証
  2. フィットネスデータは正確というわけではない
  3. トータルの品質から考えると割高

 

8. SoundPeats Magnetic Sport Q30

SoundPeats Magnetic Sport Q30

 SoundPEATSのイヤホンの中でも特に人気が高いモデル。マグネットでハウジングを連結することができ、使わない時はネックレス状に首掛け可能。スポーツ中に紛失することを防いでくれる。

この機種のポイント
  1. 日本語サポートが充実
  2. 価格に見合った音質
  3. 耐久性は平凡

 

7. Apple Airpods

Apple Airpods

 

 継ぎ目のない洗練されたデザインはオシャレなだけでなく、耐久性に寄与している。耳に掛けるだけで音が流れ出し、外せばすぐに止まる、わかりやすい使い勝手。通話やSiriとも連携して豊かな音楽ライフを演出する。

この機種のポイント
  1. 15分の高速充電
  2. オプションが高価
  3. 操作インターフェースがなく、操作にSiriを使う必要があり面倒

 

 6. Samsung Level U Pro

Samsung Level U Pro

 Samsung Level Appを使って自分好みの音質にカスタマイズでき、Androidユーザーには恩恵が大きい。ネックバンド部分のインターフェースで通話応答や音楽プレーヤー制御ができる。

この機種のポイント
  1. デュアルマイク内蔵
  2. iPhoneなどのApple製品とは相性が悪い
  3. マグネットは長期使用で劣化する

 

 5. Phiaton BT 100

Phiaton BT 100

 それなりに深みのある低域と清涼感のある明るい中高域を慣らすモデル。防水性能が高く、通信性能も安定している。通話着信時などにはバイブレーション機能で知らせてくれ、使い勝手が良い。

この機種のポイント
  1. 充電中も使用できる
  2. ネックバンドは大きく、運動の邪魔になりがち
  3. ノイズキャンセリング機能は強くない

 

 4. Senso Bluetooth

Senso Bluetooth

 バーゲン価格のイヤホンセットを探しているなら、目を付けるべきイヤホン。装着感や使い勝手、音質は価格なりといえるだろう。アウトドアでもIPX7の防水性能が活躍してくれる。だが、この機種の真の魅力はカーチャージャーまで付属して手頃な、そのコスパにある。

この機種のポイント
  1. 高い防水性能
  2. 2台の機器に同時接続可能
  3. 付属品の多さ

 

 3. Jaybird X3

Jaybird X3

 デザインと音質の面で一般的な水準を凌駕しているイヤホン。スリムなボディーラインを持ち、3種類のイヤーウィングから選べるため耳へのフィット感も良好で、快適性に勝る。通信性能も高く、6m程度の距離があってもしっかりと音楽を再生する。

この機種のポイント
  1. イヤーピースはシリコンタイプだけなく、コンプライタイプも付属
  2. マニュアルが充実している
  3. AndroidとiOS双方に高い互換性

 

2. BOSE QuiteControl 30

Bose QuiteControl 30

 強力なノイズキャンセリング機能が特徴のイヤホン。その性能はより大きくて重いオーバーヘッドタイプのヘッドホンに勝るとも劣らない。さらにこのイヤホンでは、ノイズキャンセリングの性能を使用環境に合わせて調整することができる。

この機種のポイント
  1. 優秀で柔軟なノイズキャンセリング機能
  2. 直感的な操作インターフェース
  3. キャリーケース付属

 

1. BeatsX Wireless

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 ヒップホップミュージシャンのDr. Dre謹製のデザインは、快適な装着感を意識して作られている。最も驚くべきはその充電性能で、たった5分の充電で2時間使用できる。

この機種のポイント
  1. 全体的にバランスの良い音質
  2. マイク内蔵
  3. カラーバリエーションが豊富

 

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【特集】本格派アウトドアスピーカー Top 10 2018

 今回は最新のアウトドア用スピーカーからおすすめ機種を紹介。庭を音楽で飾ったり、イベントで活躍する強力な仲間たちだ。

 10. Innovative Technology ITSBO-513PS5

Innovative Technology ITSBO-513PS5

 驚くべきことに、このスピーカーは電源に繋ぐ必要がない!音源からの入力もワイヤレス。したがって設置するのにケーブルの取り回しを気にする必要は全くない。電源は上部に設置されたソーラーパネルから行われ、ビルドインされたバッテリーに自動的に電力が供給される。

この機種のポイント
  1. フル充電1回当たり50時間動作
  2. ペアリングの反応は少し悪い
  3. ワイヤレス通信できる距離は約10mと短い

 

9. Boston Acoustics SoundWare

Boston Acoustics SoundWare

 比較的珍しい多面体構造を持つこのスピーカーは、目立ちづらく、デッキの床下などにも収納しやすい。しっかりと密閉され、防塵対策がなされているので、オールシーズン使用することが可能だ。

この機種のポイント
  1. 外観をカスタマイズしやすい
  2. 取り付けがめんどくさい
  3. 野外用にしては音が小さい

 

8. Definitive Technology AW6500

Definitive Technology AW6500

 亜鉛メッキで塗装されたスチールブラケットが付属しており、スピーカーを好きな方向に向けて設置することが出来る。エンクロージャーはスピーカーシステムを風雨からしっかりと保護する。

この機種のポイント
  1. 連成振動する低音ラジエーター
  2. 5年の長期保証
  3. やや高額

 

7. BOSE 251

BOSE 251

 

 防水防塵性能が高いこのスピーカーは、猛暑や厳冬の下でも音質を犠牲にすることがない。マルチチャンバー構造のエンクロージャーは低音を増幅し、さらなるブーム感を出す。

この機種のポイント
  1. 設置しやすい明確なデザイン
  2. 広い音場
  3. かなり高額

 

 6. Kicker KB 6000

Kicker KB 6000

 高価な機種に劣らない性能を比較的低価格で実現している。口径12.7インチのツイーターは、明快な音を鳴らし、突き抜け感に優れている。

この機種のポイント
  1. じめじめした気候でも使える
  2. 組み立てが容易
  3. 低音に精彩がない

 

 5. Yamaha NS-AW350

Yamaha NS-AW350

 洗練された音響デザインが特徴のスピーカー。磁気シールドによって信号干渉を抑えて雑音をカットしており、追随性の良い低音表現に乗った明瞭なサウンド体験が魅力。

この機種のポイント
  1. 屋内の使用にも向く
  2. 色が黒と白から選べる
  3. 軽量で簡単に移動できる

 

 4. Klipsch AWR-650-SM

Klipsch AWR-650-SM

 6.5インチ2wayのデュアル・ボイス・コイル・ポリマー・ウーファーと2組のドーム・ツイータによって左右の定位感のある音響を力強く鳴らす。その頑強なハウジングは岩石に擬装されていて庭先においてもよく馴染む。外観は花崗岩と砂岩から選べる。

この機種のポイント
  1. 自然に溶け込むデザイン
  2. 耐久性があり紫外線にも強い
  3. モノラル出力可能

 

 3. Polk Audio Atrium 6

Polk Audio Atrium 6

 アルミニウム・ツイーター・ドームとゴムによる頑丈な補強で、内部の音響機器をほぼ完全に外環境の影響からシャットアウトしている。印象的な明瞭さを持つ音が魅力。色は黒か白から選べる。

この機種のポイント
  1. スピード・ロック・マウントシステムで取り付けが容易
  2. ミリタリー仕様の耐候性能
  3. 腐食や塩分によるダメージを保護

 

2. TIC Corporation GS-3

TIC Corporation GS-3

 150W出力のドライバー、8インチウーファーと2インチツイーターを備え、量感溢れる音を360°全方向に響かせる埋め込み型スピーカー。耐衝撃性ABSシェルの筐体は非常に頑丈。

この機種のポイント
  1. コスパが良い
  2. 場所に溶け込む
  3. 低域の量感

 

1. Dayton Audio IO655W

Dayton Audio IO655W

 アウトドアスピーカーとしては比較的廉価ながら、音響に関しては最上位機種と肩を並べる本格派。しっかりと密封されたデザインで防水性は高く、また独特の曲線美には優雅な佇まいもある。

この機種のポイント
  1. 取り付けが容易
  2. 金属でツイーターがしっかりと覆われている
  3. 高域は明るいトレブルサウンドを奏でる

 

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【インナーイヤー型ヘッドホン BOSE SoundSport in-ear レビュー】ぎらつくシャープな音質のエグ味が鮮明かつ精妙

Bose SoundSport in-ear headphones - Apple devices イヤホン グリーン

 

おすすめ度*1

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 ウィングタイプのインナーイヤー型イヤホン。没入感はそこそこだが、音漏れは大きめ。このタイプはねじり込むように耳に入れると装着性が高まる。そうして装着するとウィングが耳のへこみに嵌まるのでぴったりフィットし、しかもウィングがほどよいテンションを加えて耳に入りすぎない。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替えとキャリイングケース。ケーブルのタッチノイズはなく、没入感を高めている。

 

【2】音質

 煌めき感と透明感の強い鮮明でクリアなサウンド。音は全体的にシャープでエグ味が強めに思うが、精彩で緻密さが感じられ、音像が細やかに感じられる。ギザギザしたところはあるものの、明るく元気に輝くような音は楽しい。

 

[高音]:透明感強め(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:ギターのエグ味が強めでシャープに穿ってくるギザギザ感が強いサウンド。
[低音]:100hz~50hzまでしっかりとした振動が感じられる。40hzからやや沈み、弱まる(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:音像のそれぞれが緻密に配置された面白みがある。奥行き感もなかなか(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:シンバルはシャリ気味。やや軽いがアタック感良好(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:のびやかで透明感に満ちている


【3】官能性

 いきものがかり「今走り出せば」は、まずギターがしゃくり上げえぐってくるエグ味の強さとボーカルの透明でクリアでのびやかな繊細さえ感じられる表現に中毒的な対比が感じられて面白い。個々の楽器音が鮮明で存在感強く、ややガチャガチャしやすいところがあるが、素直に楽しい。

 やなぎなぎ「Sweet Track」は立ち上がり良好で活きの良い楽器音の中にボーカルが伸びやかで透明な彩りを添える。ギターは緻密でキラキラしているが、シャープでエグ味があり、パーカッションもシャリ気味で軽妙。突き上げてくるギターと軽快なリズムに疾走感も出て曲は色づく。

 奥華子「変わらないもの」はピアノが精彩で鮮やか。ボーカルはのびやかでクリア、すっきりしていて透明、さらに上方向への突き抜けも良好で高さを感じる。全体として精妙というべき落ち着いた煌びやかさに彩られている。

 Claris「nexus」は緻密ながら厚みがあり、撥ねて飛んでぐるぐる回る、変化に満ち、機転の利いたサウンドが楽しい。ボーカルはクリアで明瞭。しかも芯の通ったまとまりのあるきれいな声色で締まった透明感がある。明るく元気で楽しい味付け。

 

【4】総評

 圧迫しすぎない装着感とエグ味はあるが、逆にそれが楽しい表現となっているのが魅力。中高域の精彩感が強く、ときに緻密に出過ぎてガチャガチャしやすいところはあるものの、概ね解像度の高さに満足感を得やすい。精妙で鮮明、綺麗という言葉が合う表現力だ。

 

Bose SoundSport インナーイヤーヘッドホン スポーツ用・防滴仕様 iPhone・iPod・iPad対応リモコン・マイク付き グリーン SoundSport IE IP GR

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

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