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【完全ワイヤレスイヤホン SONY Xperia Ear Duo XEA20 レビュー】音質はあまりよくはない。ただ環境音はよく聞こえ、デバイスコントロールとしての魅力はある。

YATWIN i9 plus

ソニー SONY 完全ワイヤレスイヤホン Xperia Ear Duo XEA20JP : オープンイヤー ボイスアシスタント機能 クアッドビームフォーミングマイク搭載 2018年モデル ブラック XEA20JP B

 

おすすめ度*1

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ASIN

B07CB9MZ1B

 耳を挟み込む、独特の付け心地のイヤホン。装着性はよく、しっかり固定される。締め付ける感じもなく、一度着けてしまえばそれほど違和感もない。遮音性は全くない。音が小さめなせいか音漏れは目立ちにくい。

 aptXには対応しない。比較的通信品質は安定しておえい、途絶・遅延はない。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーリングの替え、充電用USBケーブル、専用充電ケース、スタートガイド、日本語マニュアル。

YATWIN i9 plusYATWIN i9 plus

 

【2】音質

 正直言って音質的にはいろいろと厳しい。高域は鈍く、突き抜け感も感じられず空気に溶け込む。中域も全体的に遠く、靄の向こうから聞こえる。低域は振動感が全くなく、さらに深い霧の中に隠れてしまっているようだ。

 

[高音]:突き抜け感は出ない(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:弦楽音は弱い。ピアノも奥まって弱め。

[低音]:ほとんど聞こえない。振動感は淡い。100hzから振動は弱く、ほとんど聞こえない(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:圧迫感はないので、聞き疲れはしにくい。しかし全体的に音が埋没しやすい(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムは柔らかい。思ったよりはパンチ力が出るが、パンパンとした軽い音。シンバルは輪郭は悪くないので、それなりに聞こえる(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:空気に溶け込んで優しく聞こえる。息音が少し強めに出るのでメリハリは感じやすい。表面もつややかで楽器音よりは楽しみやすい。

 

【3】官能性

 Yellowcard「believe」はドラムの爆発力はパスパスと目立つ。ギターのエッジ感はほとんどなく、ゆるゆるしている。定位感は良いように思える。

 南壽あさ子「フランネル」はピアノが柔らかく空気に溶け込む。かなりボンヤリしていて、つややかさだけは少し強く出ているのでピロンピロンとした音。重厚感もない。ボーカルは突き抜け感抑えめ。

 Jess Glynne「Home」はボーカルの聞こえは良い。重低音の重厚感はないが、空間的に圧迫感無く広く優しく感じられる。

 Round Table featuring Nino「夏待ち」は弦楽が少し薄く、情感は弱い。ギターの色づきも弱いが、ドラムの輪郭だけはしっかり。ボーカルは優しい耳当たりで突き抜け感には乏しい。 

 

【4】総評

 このイヤホンはどちらかといえば、スマートスピーカー的なデバイス制御をウリにしているところもあり、音質だけで勝負しているわけではないのだろう。環境音が丸聞こえするところは、車の運転時などにはよいかもしれない。音質的にはあまりコスパが良い感じではないので、付加価値としてのデバイス制御部分に魅力を感じるかどうかが大きな分かれ目になるだろう。

 あくまでイヤホンとして評価すると辛くならざるをえない。またamazonで少し不具合報告が多いのも気になるところ。

SONY Xperia Ear Duo XEA20

 

【5】このイヤホン向きの曲

 比較的良いという意味でこの曲。スッキリして聞きやすい形にまとめているが、煌めき感も感じられる。ボーカルの艶やかさもそれなりによく出ている。デジタルドラムの利きがかなり薄くなっているが、輪郭は比較的感じられる。薄味だが、その割に浮ついた感じはない。

 

 やや煌めき感があり、そこそこ曲のリズム感と骨格がはっきりしていて、なおかつボーカル中心で聞かせる感じだと比較的相性が良い印象。たとえばこの曲だが、空気に溶け込んでも感じられる優しい煌めき感が心地よい。ボーカルはシャープで少し息感強めだが、耳からドライバーが遠いせいか、圧迫感や刺さる感じはない。ドラムは軽くシャンシャンパスパスしているが、比較的軽快な曲なので、曲調に合っているともいえる。

 

 弦楽が弱いので、冒頭の煌めき感や奥行き感はかなり穏やか。遮音性がないこともあって、奥の音は周囲の環境音にかき消されやすく、奥行き感は希薄になりやすい。一方でボーカルはそれなりにのびてくるが、末端は空気に溶け込みやすく、突き抜ける感じは弱い。ドラムの鳴り方も非常に柔らかい。ボーカル中心に味わうにはそれなりで比較的悪くないと言った感じ。

 

ソニー SONY 完全ワイヤレスイヤホン Xperia Ear Duo XEA20JP : オープンイヤー ボイスアシスタント機能 クアッドビームフォーミングマイク搭載 2018年モデル ブラック XEA20JP B

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【完全ワイヤレスイヤホン SONY WF-SP700N レビュー】通信安定性はだいぶ改善された。音質もさすがのSONY。しかし、価格設定は強気でコスパはいささか難しい。

SONY WF-SP700N

ソニー SONY 完全ワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン WF-SP700N BM : Bluetooth対応 左右分離型 防滴仕様 2018年モデル ブラック

 

おすすめ度*1

SONY WF-SP700N

ASIN

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 若干飛び出る感じがあるので、最初は違和感を覚えるかも知れないが、まあまあ耳への収まりの良いハウジング構造のイヤホン。デフォルトでノイズキャンセリングがONになる仕様だが、あまり効果は感じない。ボタン長押しで周辺音取り込みモードになる。ただしタッチパネルのため操作性はあまり良くない。

 AAC対応。aptX対応ではないが、通信性能面では、途絶はなく、安定している。遅延に関しては全体的にわずかな音の遅れを感じるので、動画鑑賞は少し違和感を感じやすいかも知れない。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、専用充電ケース、説明書。

 充電時間約3時間で連続再生時間約3時間という冗談かと思うスペックに一瞬目を奪われるが、これはケース充電時間約3時間、イヤホンは充電約1.5時間でWF-1000Xとほぼ共通のスペックを省略して表記しているだけらしい。ケース込みなら最大再生持続時間8時間になる。

SONY WF-SP700NSONY WF-SP700N

 

【2】音質

 音質的にはWH-1000Xよりはだいぶ空間的に近めでシャープネスが増し、若干シャリっぽくなった傾向を感じる。JVC HA-ET900BTに似たような傾向の音だが、より弦楽やピアノ音に厚みを感じるイメージだ。シャープネスと色気のバランスが良く、比較的万能に聴かせてくれる。低域は素直な減衰感があるが、穏やかで量感は感じづらいだろう。総じてバランス良い音質といった印象はあり、完全ワイヤレスモデルの中では、デジタルなクラブサウンドや、ハードなロックからアコースティックな室内楽まで、粗が少なく楽しめそうである。

 

[高音]:若干尖りやすい(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:弦楽やピアノには厚みがそこそこ感じられ、高域でも細く尖りすぎない。

[低音]:100hz~40hzくらいまで素直な減衰。20hzくらいでもわずかに振動感がある。深さはそれなりに感じられる(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:中域で若干音が混じりやすいが、広さも感じられる。左右張り出したやや近めの球状構造(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムは弾けと粘りが良く、バチバチとした熱いビートを奏でる。衝撃力強め。シンバルは細かい割に意外と濃厚な煌めきを感じさせ、存在感はそこそこ(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:高域で少し尖りやすいものの、温もり感はある。

 

【3】官能性

 SPYAIR「0 GAME」は全体的にシャキシャキした感じ。ドラムの衝撃力がシャープで、メリハリをしっかり利かせる。ボーカルの抜けもよく、勢いがある。シャープネス強めなのでシャリ味は出やすいが、不快感は感じない。

 Choucho「明日の君さえいればいい。」はデジタルドラムの弾みが良く、元気。反発力が軽快でシンバルはシャリシャリ細かく、パーカッション勢は疾走感に優れる。ピアノ音は落ち着いた、煌めきすぎない音味。キラッではなく、ピカッと光るイメージで印象のある音。ボーカルは明るく息音はやや強めに出る。

 光田康典「ブランデンブルク協奏曲第5番第1楽章」アレンジバージョンは、弦楽の色味が艶やかで尖らない。高域まで自然な厚みのある豊満さを維持していて色気がある。ブズーキの音も鮮烈で色彩感がある。全体としてやや濃厚。

 fhána「ムーンリバー」はデジタルドラムの表現が若干ウエット。粘りを感じる音で耳への固着感がある。デジタル音は尖りやすく、少し密度が強すぎる印象を受け、ガチャガチャしやすい。サビではボーカルと楽器音が近く若干混濁した感じを受けるが、これを一体感がよいと捉えるか、混じりがきついと捉えるかで評価は分かれそう。

 

【4】総評

 SONY WF-1000Xの通信品質があまりにひどかったので、こちらもどうかと思ったが、その辺はさすがのSONY、見事に安定性を改善していた。ノイズキャンセリングもWF-1000Xより強化されているといい、たしかに不自然にザラつくノイキャン感はなくなったと言えるが、性能的には効果を感じづらい。WF-1000Xのノイキャンはただ電池消耗を早めるだけだったが、こちらもあまり変わっていない印象だ。変に機能を欲張らない方が良い。

 コスパ的にはJVC勢と比べると少し高い。この機種は2018年9月現在で20000円ちょうどくらいが平均実売価格。これから年末にかけて安くなるにしても、そう簡単に15000円くらいまで下がるかわからない。実力的には15000円クラスで、JVC HA-XC70BTといい勝負というところ。というより、この機種とHA-XC70BTを見比べると、どうしても後者がコスパ良さそうに見えてしまうところはある。

SONY WF-SP700N

 

【5】このイヤホン向きの曲

 ピアノの色づきは高域で若干キンキンするが、耳に痛いほどではない。金管の鳴りはおとなしく、重厚感はそこそこ出ている。少し暗く聞こえるかも知れないボーカルはしかし、温もり感はよくほっこりしている。(南壽あさ子「冬の旅人」)

 

 高さを感じさせる突き抜け感は良好。やや左右が近く、包み込んでくる感覚がある。高低の表現がのびやかで勢いもあり、中毒性は高いが、密度は高く出るので、耳にうるさく思う人もいるかもしれない。全体的には鮮烈でシャープ、なおかつクリアな高域感がある。

 

 軽快。パーカッションのカチカチと嵌まる固着感がやや強く、硬質に聞こえる。全体的にソリッドなまとまりのよさと衝撃力のあるシャープネスを感じるため、非常にメリハリ良く、かつフレッシュな印象を受ける。ボーカルも伸びやかに突き抜ける。

 

ソニー SONY 完全ワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン WF-SP700N BM : Bluetooth対応 左右分離型 防滴仕様 2018年モデル ブラック

 

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【コラム】世間でべた褒めされ、絶賛されている SONY WF-1000X を絶対に買わない理由

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 SONYから出ている完全ワイヤレスイヤホン、WF-1000X。巷間ではなぜか非常に評価の高い製品である。日本だろうが外国だろうが、完全ワイヤレスイヤホンランキングやレビューを見ると大抵べた褒め。フランス人評論家なぞ、「音質はロールスロイス級」と大絶賛である。へーすげぇ、こいつはすげぇに違ぇねぇって俺でなくても思うでしょ?

 実際飛ぶように売れているらしく、販売店でも「完全ワイヤレス探してます~」的な顔をすると、店員が真っ先に薦めてきたりするのがこれだ。発売から半年以上、もうすぐ1年という時期で、非常に価格がこなれていて手が出しやすいというのもある。正直SONYブランドだってことも安心感を誘う。もう買いたくなっちゃう。だが、俺はこのWF-1000Xは絶対に買わない

 残念ながら、このSONY WF-1000Xの音質が素晴らしいことは事実だが、使い勝手は異様に悪い。というより、使えない。複数の販売店で実機を試し、店員と話し、amazonのレビューなどもよく精査した結果、俺は体験と風評を総合し、これはもはや確信に近くなったのだが、この製品は通信品質が致命的に悪い。以下俺がメモから再現した店員とのやりとりを記録する。

 

【とあるヨドバシカメラでの風景】

俺氏「SONYのWF-1000X、非常に評判良いですよね」

店員「ええ、売れ筋です」

俺氏「ちょうど価格もこなれてきてますし、興味あって……」

店員「(俺のSONY NW-A27のペアリング画面をのぞき込みながら)あれ?ペアリング出ませんね?」

俺氏「えーと、○○のAirPodsってのは違いますもんね(笑)」

店員「それ、店員のです(笑)」

結局ヨドバシカメラでは、携帯電話のペアリング画面には出たが、SONY NW-A27とはペアリングできず。

 

【とあるビックカメラでの風景】

俺氏「さっきヨドバシさんではうまくペアリングできなかったんですよ」

店員「(NW-A27のペアリング画面見ながら)遅いですね……ちょっとお待ち下さいね……」

俺氏「まあヨドバシさんの売り場はたくさんBluetoothありますから、混線しやすいのかも」

店員「そうですね……。ここも多いですから。……あ、いけました」

俺氏「オー来ましたね。ではちょっと聴いてみます。……あ、右出てない(店員に右渡す)」

店員「(耳に付けて)あーほんとですね」

俺氏「JVCのとかBOSEとか普通に使ってるんですよね、このNW-A27で。同じSONYなのに繋がり悪いんですかね……どうです?結構同じような人いますか?」

店員「SONYさんのについては、……まあ不具合交換はありますね。この前も交換されたケースがありまして、ちょっと」

俺氏「なるほど」

 

【とあるケーズデンキでの風景】

俺氏「(ペアリング後)あーなんか右耳聞こえないですね」

店員「そうですか……。このまえも交換したお客さんがいるんですけど、交換後も直らなかったんですよね」

俺氏「人気のある機種みたいなので、結構出てると思うんですけど、修理とか交換は多いんですか?」

店員「それほど多くはないですけどね、機器の相性もありますし……」

俺氏「そうですよね……」

 

【とあるヤマダデンキでの風景】

俺氏「(ペアリング後)右耳、聞こえますけど、なんか音切れします(店員に渡す)」

店員「(耳に付けて)あーほんとですね。これずっと鳴らしてるんですか?」

俺氏「左は問題ないんですよ。ずっと聞こえてます」

店員「んー」

俺氏「さっきケーズさんのほうでも試したんですよ、そしたらあっちは完全に右耳聞こえなかったんですよね。こっちは聞こえたので期待したんですけど……」

店員「切れますねぇ」

俺氏「これだとちょっと音楽は無理ですよね。あと遅延が0.1秒くらいあるみたいですね」

店員「んーそうですかぁ」

俺氏「これ評判は良いですよね、結構。でも残念だなぁ。……不具合とか聞きます?」

店員「そうですねぇ。一回交換ありましたね」

俺氏「そうですかぁ。どんな感じだったんですか?」

店員「一応交換して、でも最初はうまくいかなかったんですよね。その後、メーカーさんにペアリング手順を確認して、そのとおりやってもらったらうまくいきました」

俺氏「あーペアリング手順大事ですものね。まだメーカーで統一されていないところもありますし」

店員「そうですねー」

 

 amazonのレビューでもよく読むとなんとなくわかるが、とにかくこのSONY WF-1000Xは通信品質があまりというか、だいぶよろしくないらしい。屋外の人通りの多いところではまともに使えそうにない。とても買って試す気にはなれませんので、レビューはいたしません。個人的にはレビュー以前の商品。買う価値ないね、こんなゴミ。というのがこの機種に対する偽らざる評価だ。

 

※音質は悪くないので、世間の評判が気になって欲しくなった人は必ず店頭でテストしましょう。片耳聞こえないパターン本当に多いです。

 

 しかし、SONY WF-SP700Nはこのあたりの通信品質不安定が見事に改善されていた!俺氏感動のレビューは近日公開予定!なんだこの終わり方。

 

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【特集】日本ファルコム名曲とともに紹介するおすすめイヤホン3選

 家庭用ゲーム機やホビーパソコンが一般的となった1980年代初頭。日本のコンピュータゲーム黎明期であるこの時代から続く老舗のコンピュータゲーム会社が日本ファルコムだ。今ではメジャーなゲームメーカーの一つである。

 さてそんなファルコムだが、音楽にやたらと力を入れていることは夙に有名。レベルの高いサウンドがファルコムゲームの魅力と言ってよい。何よりファルコムのゲームミュージックにはなぜか不思議な魅力があって一部のファンを離さない。

ファルコムミュージックの特徴(自己流評価)
  1. 外連味があって妙に厨二病的
  2. デジタルな効果音好き
  3. オーケストラやったりJAZZにしたりとアレンジ好き
  4. 作品毎に傾向を変え、世界観を感じさせる音楽

 最近はファルコム音楽フリー宣言なるものを公示し、youtubeやamazon musicなどで無料でその秀逸な楽曲が楽しめる。そんなファルコムの楽曲の中からオススメの名曲をピックアップし、ついでに相性の良いイヤホンもセットで紹介しようという一石二鳥な記事を考えてみた。第三弾(第四弾があるかはわからない)。

 

浮遊大陸アルジェス -Introduction-(Zwei!!)

 Zwei!!のタイトル曲。ヒーリングミュージックのような癒やしの空間を提供してくれる素晴らしい名曲。自然風景を思わせる効果音の紡ぎ出す濃密な空間表現と、耳に優しい透明感のある電子音が心地よい。

 この曲の濃密な空間表現を味わうなら、このSONY XBA-N3がおすすめだ。尖りのない調和的な音場表現と、音色の確かな発色、溶け込みの良い音は空間に濃密に広がる。

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Departure(英雄伝説Ⅳ 朱紅い雫)

 朱紅い雫は最も好きな作品の一つ。シリーズの中でもフィールド曲の変化に富み、主人公の気持ちや状況によって、快活であったり悲しみを含んでいたり、郷愁を感じさせたりと雰囲気作りが丁寧であった。初期のフィールドで流れるこの曲は、友情の喜びと冒険への憧れを素直に表現する。

 比較的なめらかな電子音のこの曲は、素直に音を出す機種では意外とすっきりしてしまって面白みに欠けるかも知れない。YAMAHA EPH-100Sはこの曲のリズム感を若干強調し、中高域を少し鮮明にした形で聴かせてくれ、この曲のワクワク感をよく演出してくれる。

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Sophisticated Fight -Jazz Arrange Version-(英雄伝説Ⅵ 空の軌跡)

 大ヒット作「空の軌跡」の戦闘曲。この曲はハードロックアレンジバージョンも以前紹介したが、こちらは元々の楽曲にあるJazz要素をより強調したアレンジバージョンになる。金管の色気を思う存分味わえる。

 final HeavenⅤは材質感の表現に優れるBAモデル。この曲のシンバルと金管の色気を鮮明に再現してくれる。澄み切る音質表現は高域で透明感を、低域ではタイトで明確な活きの良い振動感を紡ぎ出す。表現の方向性はこの曲にふさわしい。

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【ワイヤレスポータブルスピーカー SONY SRS-XB31 レビュー】どこでもミュージック体験!持ち運ぶのが楽しいポップスタイルな外観と音楽

SONY SRS-XB31

ソニー SONY ワイヤレスポータブルスピーカー SRS-XB31 B : 防水/防塵/防錆/Bluetooth/専用スマホアプリ対応 ライティング機能 2018年 ブラック

 

おすすめ度*1

SONY SRS-XB31

ASIN

B07C7ZJ88Y

 小型で落ち着きのあるデザインが特徴のワイヤレススピーカー。

 aptXには対応しない。AACとLDACに対応。通信性能は比較的安定しているが、やや音飛びが目立つ。少なくとも同じSONYのSRS-HG10よりは若干不安定。個体差はあるかも知れないが、手に入れた個体はプレイヤーから5mくらい離すとかなり通信不安定になった。日常使用に支障を来すほどではない。

 

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はUSBケーブル、マニュアル。

SONY SRS-XB31SONY SRS-XB31

 

【2】音質

 音質的にはパワフルで躍動的な低域サウンドと、同じく力強く突き抜ける高域が作る立体感に溢れたサウンドが特徴。小型ポータブルスピーカーとは思えない圧力があり、表現としても音が太く密度があって満腹感を味わえる。ただパワーで圧倒するだけでなく、弦楽に艶味があるなど技巧性にも意外に長けていて、表現の幅も意外に広い。音質面ではかなり良好なバランスに仕上げてきている印象を持った。

 

[高音]:突き抜け感があって力強く、立体感に貢献(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:弦楽には材質を感じさせる艶味がほどほどにある。根元から中盤に欠けて厚みがあり、上へは細く突き抜ける。全体的に密度と立体感をうまく演出している。

[低音]:重厚かつ躍動感のあるしっかりした低音。曲に深みが加わり、引き立つ(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:全体的に音が太く、前面の音ほど存在感が強いので、中域の後景は見通しが悪く思える。重低音も強く、奥行きを表現する音をかき消しやすい(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムは下に爆発力を溜める内燃機関のようなボスンボスンという音。シンバルは粒が細かい(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:少しばかり低域に埋もれやすい。高域では分離感があってよくのびる。男女問わず比較的万能。

 

【3】官能性

 UVERWorld「CORE PRIDE」では熱気の篭もった躍動的なドラムが支配的。キーボードは圧力に負けてかなり存在感が薄い。ドラム中心に密度重視の曲に聞こえる。

 ClariS「CLICK」は低域が強いので重厚味が勝つ。ボーカルの声もやや太く、若干男性的に聞こえる。

 山崎あおい「君の名前なんて嫌いだ」では、まず弦楽に骨太なやや重厚味のある煌めき感を感じる。ピアノと弦楽の色合いはややいぶしたグレーに渋い音色で大人びた感じがある。ボーカルは高域で頭一つのび、情感は乗りやすい。

  辛島美登里「雨の日」はボーカルの透明感とのびやかさに妙味。弦楽の奥行き感はやや薄いが、上方向への突き抜け感は良く、情感は出ている。

 

【4】総評

 LDAC対応でワイヤレスでもハイレゾ相当の音質が楽しめるというコンセプトはSRS-HG10と共通。ただこちらはハイレゾ対応ではない。SRS-HG10に比べるとスピーカー出力が向上しているが、それが素直に量感と立体感に表れている。SRS-HG10にはやや骨格の細いところがあったが、こちらは量的な不足感はない。防水性能も高く、アウトドアスピーカーとしての汎用性は高まった。やや派手な外観を楽しいと見るか、チャラいと見るかで好みは分かれるだろうが、音質的な魅力の高さは万人に認められるレベルだろう。コスパは高い。

SONY SRS-XB31

 

【5】このスピーカー向きの曲

 重低音の響きが重く、重厚感と迫力がしっかり味わえる。ボーカルの伸びも良い。

 

 ピアノの鮮明度が高く、色づきが良い。ボーカルの息遣いにも自然な温もり感がある。サビでの突き抜けも良い。

 

 アコースティックな弦楽の重厚感と材質感のある音響は良い。温もりも出て全体的に暖色のほっこり感がある。サビでのボーカルの上への抜けも良い。(羊毛とおはな「空が白くてさ」)

 

 骨太かつ艶のある弦楽と重厚なベースの骨格がよくまとまっている。そこにボーカルが素直に密度を加える王道的な表現。充実感があり、満足できる。(ROUND TABLE featuring Nino「夏待ち」)

 

ソニー SONY ワイヤレスポータブルスピーカー SRS-XB31 B : 防水/防塵/防錆/Bluetooth/専用スマホアプリ対応 ライティング機能 2018年 ブラック

 

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【特集】ドイツ人評論家が選んだ完全ワイヤレスオススメモデル BEST 10 2018

完全ワイヤレス:100%ケーブルレスの時代がやってきた!

 いまや世界中いたる所でイヤホンを付けている人を見ることが出来ます。彼らは音楽を楽しむだけでなく、イヤホンで通話もしています。頻繁にイヤホンを使うようになった人々は、しばらく前からイヤホンのケーブルから解放されたいと願ってきました。そしてBluetoothで通信するワイヤレスイヤホンが登場しました。しかしそうしたワイヤレスイヤホンもケーブルレスを実現することは出来ませんでした。それで完全にワイヤレスと言えるでしょうか?

 完全ワイヤレスの製品は違います!Apple、SONY、モトローラ、Samsungといった錚々たるメーカーが自社で開発した完全ワイヤレスモデルを販売し始めました。これからは100%ケーブルレスで音楽を聴いたり、電話を掛けたりすることができ、接続エラーや断線、ケーブルの絡まりなどから自由になることが出来るのです。

 私たちは実機テストとカタログスペックを比較し、厳正なる審査の結果、おすすめできるTOP10の完全ワイヤレスモデルを提示します。

 

1. SAVFY Mini Bluetooth Kopfhörer

SAVFY Mini Bluetooth Kopfhörer

 口紅程度の大きさの専用バッテリーケースは非常にコンパクトです!しかも販売価格は70EURと信じられないコスパです。Bruetooth4.1規格でスマホやタブレットと安定した接続を保証します。連続再生時間は2.5時間。小さく愛らしいデザインです。

この機種のポイント
  1. コスパ最高
  2. コンパクトで持ち運びやすい
  3. 通信性能安定

 

2. Sony WF-1000X True Wireless

Sony WF-1000X True Wireless

 XS/S/M/Lのシリコンイヤーピースが付属しています。耳のフィット感に応じて選ぶことが出来ます。これは快適な装着感とサウンド体験には不可欠です。ノイズキャンセリング機能と6mmのドライバーはよく連携して素敵なサウンドを奏でてくれます。充電ケースバッテリーを含めれば9時間も音楽を聴き続けることができます

この機種のポイント
  1. 充実した付属品
  2. 良好な音質
  3. バッテリーを含め長い稼働時間

 

3. Apple AirPods

Apple AirPods

 アメリカのメーカーAppleは高付加価値の製品を提供したいという気持ちに溢れています。バッテリー消費を管理するW1チップのおかげで約5時間の連続再生時間を実現しています。イヤホンの電池が切れても、バッテリーケースに収めて15分待てば、さらに3時間音楽を再生出来るようになります。最終的にはケースとイヤホンのバッテリーで合計24時間もの間音楽を楽しめるのです。またAppleのボーカルマイクは背景雑音を除去し、あなたの通話音声を綺麗にピックアップしてくれます。耳に付けるだけで音楽が再生され、外すと音楽が止まります。Siriとの連携にも優れています。

 もちろんAppleユーザーでなくても、Bluetooth接続をしてこのイヤホンを楽しむことは出来ます。

この機種のポイント
  1. 便利な使い勝手
  2. Siriとの連携
  3. 高い通話マイク品質

 

4. Motorola Stream Sport: IP54 True Wireless Headset

Motorola Stream Sport: IP54 True Wireless Headset

※日本では入手困難

 80EURという低価格ながら高品質のスポーツ向け完全ワイヤレスイヤホンです。クリップオンマウント式で装着性が高く、耳にしっかり固定されます。防滴性能も十分で汗ばむスポーツの場面でも問題なく使えます。アクティブオーディオ機能とノイズリダクションを備え、音質面でも不満はありません。また2台のBluetooth機器と同時接続できるのは便利です。ポータブルプレーヤーの曲を楽しみながら、スマホの着信に素早く応答でき、ビジネスチャンスを逃すことがありません。Alexa、Siriに加え、Google Nowとも互換性があります

この機種のポイント
  1. 廉価
  2. 2台のBT機器と接続可能
  3. Alexa、Siri、Google Nowとの連携機能

 

5. Samsung SM-R140 Gear IconX

Samsung SM-R140 Gear IconX

 Samsung Gear IconXはお世辞にも安いとは言えませんが、機能は満載です。このイヤホンはスポーツ愛好家に最高のフィットネストラッカーを提供します。この機能によって移動距離、時間、およその消費カロリーが自動的に記録されます。Samsung Healthアプリなしにはこのイヤホンの価値は半分もありません。

 またこの機種には3.4Gバイトの内蔵メモリがあります。USBケーブルを利用して約1000曲の楽曲をイヤホンに直接取り込むことが出来ます。バッテリーの稼働時間は約7時間です。

この機種のポイント
  1. 長い連続再生時間
  2. 高い通話品質
  3. デザイン性と良い装着感

 

6. LEZII True Wireless Sport Ohrhörer

LEZII True Wireless Sport Ohrhörer

※日本では入手困難

 非常に廉価な36EURの完全ワイヤレスイヤホンです。Bluetooth 4.2に対応したほぼ完璧なiPhoneとSamsung向けの完全ワイヤレス環境が、この非常にリーズナブルな価格で構築できます。しかもスタンバイ状態で150時間、音楽の連続再生時間も2.5時間あります

 人間工学に基づいたフィット感も秀逸で、とても低価格機種とは思えません。しかもパッケージにはさらに予備のイヤホンが1対2個付属しています。

この機種のポイント
  1. 圧倒的コスパ
  2. 良好な装着感
  3. 付属品の充実

 

7. Doppler Labs Here One Wireless In Ear Kopfhörer

Doppler Labs Here One Wireless In Ear Kopfhörer

 約69EURで手に入る完全ワイヤレスイヤホンです。バッテリーの稼働時間は2時間、ポータブルケースを含めれば8時間連続再生可能です。メーカーのソフトウェアアップデートにより充電時間は大幅に短縮され、わずか15分で50%の充電が可能です。Doppler Labsでは完全ワイヤレスイヤホンを3-in-1と呼称しています。その意味は素晴らしいサウンド選択的ノイズキャンセリング機能、そして音声増幅機能が搭載されているからです。周辺音低減機能の効果により電話の通話品質を高めてくれます。

この機種のポイント
  1. 良好な音質
  2. ノイズキャンセリング
  3. 高い通話品質

 

8. auvisio True Wireless Bluetooth Kopfhörer

auvisio True Wireless Bluetooth Kopfhörer

※日本では入手困難

 約40EURの非常に安い完全ワイヤレスイヤホンです。バッテリーの稼働時間は2.5時間、ほかの完全ワイヤレスモデルと同じようにポータブルケースを通じて充電します。各イヤホンの重さは約6g、充電ケースは約30gと軽量です。イヤーピースは3種類用意されており、完全なフィット感を実現可能です。SiriあるいはGoogle Assistantとの連携はインターフェースをダブルクリックすることで可能です。

この機種のポイント
  1. コスパが良い
  2. 十分な付属品
  3. SiriやGoogle Assistantとの連携

 

9. Beoplay E8 True Wireless Kopfhörer von Bang & Olufsen

Beoplay E8 True Wireless Kopfhörer

 Beoplay E8は完全ワイヤレスイヤホンの中でも特に高価な機種です。しかしデザインもそれにふさわしく、本物の革製ローディングケースは高品質なハンドメイド製品です。4つのサイズのイヤーピースも含まれていて、最高のフィット感を得ることが出来るでしょう。強力なノイズキャンセリングで周辺音を遮断することも、逆に意図的に周辺音を取り込むことも可能です。バッテリーは約4時間持続します。充電ケースに収納すればさらに4時間音楽を楽しめます。再生1時間あたりの充電時間は約20分です。

この機種のポイント
  1. 高級感
  2. 強力なノイズキャンセリング
  3. 周辺音取り込み機能

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10. The Dash Pro True Wireless Kopfhörer von Bragi

f:id:kanbun:20180913184442j:plain

 Bragiは最も早くから完全ワイヤレスイヤホンをリリースしてきたメーカーの1つです。この機種はその最初の製品であるDashの後継モデルで、約350EURのハイエンド製品です。Bluetoothイヤホンと付属のケースのデザインはシンプルかつエレガントで、デザイン賞を受賞しています。水深1mまで対応する防水性能は水泳やサイクリング、ランニングに最適です。この機種にユニークというわけではありませんが、強力なセールスポイントは4GBの容量を持つ内蔵されたメディアプレーヤーです。さらにAmazon musicのストリーミング再生機能も付いているため、もはやこの機種はプレーヤーやスマホを必要としません。SiriやGoogle Nowとも連携します。Dash Proにはアクティビティトラッキングも搭載されています。これにより心拍数、活動時間、歩数、距離、スピードなどが記録されます。

 イヤホンは1回の充電当たり5時間稼働し、充電ケースを含めれば最大30時間にもなります。

この機種のポイント
  1. ほぼ完璧な防水性
  2. メディアプレーヤー内蔵
  3. 長い連続再生時間

 

結論:完全ワイヤレスイヤホンはまさに未来のインイヤーイヤホンです 

 普通のイヤホンに対する完全ワイヤレスイヤホンの優位は明らかです。かつてケーブルの絡まりをほどきながらイヤホンを使っていた人々は、いまは完全ワイヤレスイヤホンによって、ケーブルに煩わされないという贅沢な開放感を失うことはありません。

 オーディオ製品にとってはいつものことですが、最も高価な物が常に最高であるわけではありません。完全ワイヤレスにいつも300EURを払う必要はありません。そうはいっても、私たちのテストで明らかになったのは、特定のモデルがより多くの利点を持つことは確かだということです。生活スタイルやスポーツに合わせて、ハイエンドの完全ワイヤレスモデルが活躍する場面もあります。

 完全ワイヤレスモデルを選ぶときは、なるべく多くのイヤーピースが付属している物を選ぶのが無難です。これは完全ワイヤレスモデルの比較において、最も重要なポイントがクリーンなサウンド体験であり、それにはイヤーピースの完全なフィッティングが不可欠だからです。装着感に関して知りたければ、専門家によるレビュー記事やamazonのカスタマーレビューを読むのが最善です。

 

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【特集】フランス人評論家が選んだ完全ワイヤレスオススメモデル BEST 10 2018

 2017年は完全ワイヤレスイヤホンにとって躍進の年になりました。2016年に始まった完全ワイヤレスイヤホンの市場は、爆発的に拡大したのです。私たちはこうした流行を目の当たりにして、TOP10ランキングを作ることにしました。ランキングは連続再生時間や周波数帯域幅などをテストしたデータに基づいて作成されています。

 連続再生時間については注意が必要です。完全ワイヤレスイヤホンは本体だけでなく、充電ケースにもバッテリーが搭載されており、イヤホンはケースに収納することで再充電が可能です。したがってイヤホン本体の連続再生時間だけでなく、ケースのバッテリー容量にも着目する必要があります。

 最後に、完全ワイヤレスイヤホンはほぼすべてのモデルがインイヤータイプであることに注意して下さい。一般にこのタイプのイヤホンは外耳道を完全に塞ぎます。したがって、環境騒音に対するパッシブな遮断効果が期待できます。しかし、この装着タイプは必ずしも全ての人に評価されているわけではなく、一部の人々には不快感を与えることがあります。購入前に可能な限り店頭サンプルなどで装着感をテストしてみることをおすすめします。

 

10. Cellularline Hide

Cellularline Hide

※日本では入手困難

 非常にコンパクトで、スマートフォンも充電可能な2200mAhのバッテリーケースが付いています。音質と遮音性は他のモデルよりも著しく低品質です。しかし非常に安価で、気軽に完全ワイヤレスを利用したいカスタマーには魅力的です。

この機種のポイント
  1. モバイルバッテリー機能付き
  2. 安い
  3. 音質はよくない

 

9. Urbanista Tokyo

Urbanista Tokyo

 比較的こなれた価格が魅力の機種です。カタログ上の連続再生時間に実測(3時間41分)が近く、正確でした。この製品と同じ価格帯でより長い連続再生時間を謳っているモデルは大抵不正確で質が悪いものばかりでした。Tokyoは快適性に使え、価格も控え目で良心的です。

この機種のポイント
  1. コストに見合った音質
  2. 正確な連続再生時間
  3. 使い勝手が良い

 

8. Jaybird Run

Jaybird Run

 一般の人々にはほとんど知られていないJaybirdブランドですが、長年にわたってその製品は評価を得ています。くさび形に耳に引っかかる固定のよい構造でスポーツ用途に適しています。Jaybirdのアプリはかなり完成度高く、音質面の満足度は高いでしょう。運動するのが大好きで、Samsung Gear IconXはちょっと高いと思っている人にはおすすめです。

この機種のポイント
  1. 高い装着性
  2. スポーツ向き
  3. 高い防水性能

 

7. Bang&Olufsen Beoplay E8

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 B&Oの名声は、その製品の音質に関連しています。このBeoplay E8も例外ではありません。比較的ニュートラルなSony WF-1000Xに比べると、低域をやや前倒しにして聞かせます。アプリで「暖かい」味付けか「鮮明な」味付けを選択することが出来ます。私はこの機種のスタイリッシュなレザーケースが大好きですが、300EURもするのになぜか充電用USBケーブルが入っていなかったことには失望を禁じ得ません。

※日本の正規輸入品にはUSBケーブルが付属しています。

この機種のポイント
  1. 温かみのある音質
  2. スタイリッシュなレザーケース
  3. 付属品が少ない

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6. Jabra Elite 65t

Jabra Elite 65t

 正直に告白しますと、Jabra Elite Sportには大変失望させられましたが、新たなElite 65tは7位のBeoPlay E8とともにデンマークブランドの面目躍如を感じさせます。デザイン性と快適性、そして連続再生時間はランキングトップクラスです。ただ音質には過剰な演出を感じます。通話品質は非常に良好です。

この機種のポイント
  1. 長い連続再生時間
  2. 高い通話品質
  3. デザイン性と良い装着感

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5. Samsung Gear IconX (2018)

Samsung Gear IconX (2018)

 Appleと並び、Samusungは完全ワイヤレスイヤホンの開拓者です。このGear IconX第2世代バージョンは連続再生時間を実測4時間17分にまで向上させています。音質面でも優秀ですが、このイヤホンを特徴付けているのは内蔵された加速度計です。Samsung Health アプリ(Androidのみ対応)を用いてスマホやスマートウオッチと組み合わせて運動量をかなり正確に測定できます。

この機種のポイント
  1. 長い連続再生時間
  2. 良好な音質
  3. 運動サポートアプリ

 

4. Sony WF-1000X

Sony WF-1000X

 この機種の音質は私たちのランキングではロールスロイス級です。複雑なオーケストラシーンでも、すべての楽器を完全に区別することが出来ます。大音量でも歪みをほとんど感じません。完璧と言って良いでしょう。ただし、アクティブノイズキャンセルはほとんど仕事をしません。これにはとてもがっかりでした。アクティブノイズキャンセルを無効にしても実測2時間43分ほどしか連続再生出来ませんでした。

この機種のポイント
  1. 完璧に近い音質
  2. ほぼ無意味なノイズキャンセリング
  3. 短い連続再生時間

 

3. BOSE SoundSport Free

BOSE SoundSport Free

 BOSE SoundSport Freeは完全ワイヤレスモデルの中でも完成度の高い製品です。スポーツシーンでの利用に特化したSound Sport Freeは、IPX4の十分な耐汗性能を備えています。非常に付け心地が良く、実測5時間20分の連続再生時間は優秀です。アメリカが誇るブランドのパワフルなサウンドを魅力たっぷりに提供してくれます。

この機種のポイント
  1. パワフルな音質
  2. 長い連続再生時間
  3. 十分な耐汗性能

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2. Apple AirPods

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 完全ワイヤレスのパイオニアの中でも、Appleは非常に良く設計されたイヤホンを開発しています。Appleのデバイス(iPhone/iPad/Watch/Mac)を所持しているのであれば、簡単に連携してくれます。実測4時間58分の非常に優れた連続再生時間と、優秀なデザイン、良好な音質を享受できます。外耳道を塞がないので、装着性は非常に良好で何時間付けていても苦になりません。しかし、騒音環境は遮断されません。

この機種のポイント
  1. Apple製品との高い連携性
  2. 長い連続再生時間
  3. 良好な付け心地

 

1. Divacore Antipods

Divacore Antipods

※日本では入手困難

 6時間19分の連続再生時間はJabra Elite 65tに次いで優秀な数値です。音質面も良好です。この性能でたった119EURで手に入るのですから、この優秀なコスパに敵うイヤホンがあるわけがありません。

この機種のポイント
  1. 優秀すぎるコスパ
  2. 長い連続再生時間
  3. 良好な音質

 

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【ハイレゾ対応ワイヤレススピーカー SONY h.ear go 2 SRS-HG10 レビュー】地平線をしっかり意識させる重厚な低域の上に、音楽を構築する。SONYらしく付加価値で勝負している機種

SONY h.ear go 2 SRS-HG10

ソニー SONY ワイヤレスポータブルスピーカー SRS-HG10 : Bluetooth/Wi-Fi/LDAC/ハイレゾ/専用スマホアプリ対応 2018年モデル グレイッシュブラック SRS-HG10 B

 

おすすめ度*1

SONY h.ear go 2 SRS-HG10

ASIN

B07C7XDP1H

 小型で落ち着きのあるデザインが特徴のワイヤレススピーカー。

 aptXには対応しない。LDAC対応。通信性能は比較的安定しているが、まれに音飛びあり。

 

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はUSBケーブル、電源アダプタ、マニュアル。

SONY h.ear go 2 SRS-HG10SONY h.ear go 2 SRS-HG10

 

【2】音質

 Extra Bassボタンを押すと低域が強化される。レビューはExtra BassをONにして行った。一聴して気づくのは、Extra Bassによる、確かなブーム感を伴った重厚な低域。こういう太い低域にありがちな下に鈍い音ではなく、反発力もあって活きが良い。立体感に関してはこのクラスではかなりよい方。さすがに価格帯最高クラスの立体感を誇るDENON Envaya DSB250BTに比べると少し劣る印象だが、それでも価格帯上位の実力を感じる。とくにExtra Bassの強い厚みが地平線を意識させ、奥行き感を出す。

 

[高音]:高域の突き抜け感はそこそこ(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:弦楽はやや細身。ピアノは煌めき度良好。

[低音]:低域は厚みと弾みのバランスが良くブーム感もあって躍動的(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:地平線に広がるような奥行き感(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムは弾みよく重量感もある。Extra Bassを入れるとシンバルはおとなしめに(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:甘味のある声色でつややかに出る。比較的女性ボーカル向きか。

 

【3】官能性

 UVERWorld「一滴の影響」ライブ版を聞いてみると、若干左右の広がりに欠けて狭く感じた。本来であれば踊り躍動するドラムが箱に閉じ込められて行き場に困る鳴り方をし、篭もっているように感じられた。ボーカルの表現は特に悪くない。

 岡崎律子「空の向こうに」は低域の重厚感に十分な引き締まりを感じる。ボーカルのなめらかな味わいも甘味を孕んでいてよい。ただ開放感に乏しく、もっさりしている印象も受けた。

 飯島真理「天使の絵の具」は甘味のあるボーカルの広がる感じがうまく、楽器音にも小型スピーカーとは思えないパワフルな躍動があって、全体として快活に聴けた。

  平井堅「ノンフィクション」は弦楽の厚みはそこそこ。ボーカルの精彩もよく、独特の裏声はきれいに自然な形で出て官能的。

 

【4】総評

 LDAC対応でハイレゾ相当の音質が楽しめるのがウリ。テスト機に用いたのはSONY製のLDAC対応プレーヤー NW-A27HN。SONY製品同士相性は悪くないはずだが、aptX対応のライヴァル機DENON Envaya DSB250BTに色味でやや負けている印象を受ける。同価格帯で競合関係にあり、しのぎを削る両者だが、あえて踏み込んで言えば、音質面とアウトドアでの汎用性ではDSB250BT優位。そのかわりこちらはspotifyなどの音楽配信サービスとの連携機能とExtra Bassによる音質変化があり、付加価値面で追随しているという印象だ。

 防水性能はおそらくないので使用シーンも限られる。ポータブルスピーカーとしてはほぼ屋内向き限定。

SONY h.ear go 2 SRS-HG10

 

【5】このスピーカー向きの曲

 地平線付近に集中する重厚感を味わうならこの曲。厚みのある金管の色気も良い。

 

 この曲同様に重厚感が良く出る。ボーカルに甘味と伸びやかさあり。(メアリー・マクレガー「SAYONARA」)

 

 これも上2曲と選んだコンセプトは変わりない。重厚な地平線のうえに煌めき感と甘味を伴うボーカルが綺麗に展開される。楽器の水平線とボーカルの垂直線の味わいを楽しめる。(许茹芸&孙楠「真情真美」)

 

  この曲も構造がほとんど一緒で、低域リズムの重厚な地平線とそこから伸び上がっていくボーカルの突き抜け感の妙味を味わえる。

 

ソニー SONY ワイヤレスポータブルスピーカー SRS-HG10 : Bluetooth/Wi-Fi/LDAC/ハイレゾ/専用スマホアプリ対応 2018年モデル グレイッシュブラック SRS-HG10 B

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【特集】日本ファルコム名曲とともに紹介するおすすめイヤホン3選

 家庭用ゲーム機やホビーパソコンが一般的となった1980年代初頭。日本のコンピュータゲーム黎明期であるこの時代から続く老舗のコンピュータゲーム会社が日本ファルコムだ。今ではメジャーなゲームメーカーの一つである。

 さてそんなファルコムだが、音楽にやたらと力を入れていることは夙に有名。レベルの高いサウンドがファルコムゲームの魅力と言ってよい。何よりファルコムのゲームミュージックにはなぜか不思議な魅力があって一部のファンを離さない。

ファルコムミュージックの特徴(自己流評価)
  1. 外連味があって妙に厨二病的
  2. デジタルな効果音好き
  3. オーケストラやったりJAZZにしたりとアレンジ好き
  4. 作品毎に傾向を変え、世界観を感じさせる音楽

 最近はファルコム音楽フリー宣言なるものを公示し、youtubeやamazon musicなどで無料でその秀逸な楽曲が楽しめる。そんなファルコムの楽曲の中からオススメの名曲をピックアップし、ついでに相性の良いイヤホンもセットで紹介しようという一石二鳥な記事を考えてみた。第一弾(第二弾があるかはわからない)。

 

 Sophisticated Fight(英雄伝説Ⅵ 空の軌跡)

 まず一曲目は厨二病サウンド全開のこの曲から。出だしからガリガリパワープレイでえぐってくる。スタイリッシュなメイン旋律の背景からゾワゾワ響いてくる背景音が妙に心を揺さぶってくる。これはファルコム版「ルパン三世のテーマ」と呼べるような代物だ。

  この曲には個人的にDENON AH-C820を推したい。スパイシーな表現と量感がこの曲の世界観をより尖った感じで表現し、厨二病性を引き立ててくれる。

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Quatera Woods(YsⅥ ナピシュテムの匣)

 煌めき感と疾走感のある曲。中盤から奥行き感が増していき、音の拡がりとともに視界は遠く、森にあふれる木漏れ日と動物たちの息吹に吸い込まれていく。そして感じられるのは森の静寂。疾走感のある盛り上がりとその先にある静寂の繰り返しが実に小気味よい。作業BGM向きな名曲。

 この曲の緻密な中高域表現と空間表現の拡がりを味わうにはSONY XBA-300を推したい。なかなかの清涼感を味わえる。

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White Witch Gueld(英雄伝説Ⅲ 白き魔女)

 白き魔女ゲルドの孤独な旅を思わせる独特の寂寥感と叙情的な盛り上がり、重厚感のある曲調が正統派ファンタジーを感じさせる。この曲はドラクエでいえばドラゴンクエストマーチに当たるような主題曲であるが、よりハイファンタジーな色合いを感じさせる。白き魔女の本編内容はドラクエ以上に遊び心があるコミカルファンタジーではあるが、重厚な世界観が展開されてこそなのである。

 デジタルとアナログの複合的な妙味のあるこの曲では、JVC HA-FW01が個人的におすすめ。デジタル音の馴染みがよくなり、全体的にファンタジーの薫りと重厚味が増した味わいになる。

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【ワイヤレスイヤホン SONY WI-C300 レビュー】音質・使い勝手は外出時使用の状況をよく追究してまとめあげられている良機種。ただ価格的な立ち位置的にコスパは中途半端なところあり

SONY WI-C300

ソニー SONY ワイヤレスイヤホン WI-C300 : Bluetooth対応 最大8時間連続再生 マイク付き 2018年モデル ブラック WI-C300 B

 

おすすめ度*1

SONY WI-C300

ASIN

B079TZG4MB

 ハウジングが小型で耳への収まりも良く、装着感は良好なワイヤレスイヤホン。遮音性は標準よりやや高めといった感じで、音漏れについてはややシャリっとした音が漏れやすいかも知れない。

 aptXには対応しない。通信性能的には遅延なく、動画鑑賞にも十分堪える。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、日本語含む多言語マニュアル。ケーブルのタッチノイズはかすかにあるが、まず目立たない。

 

SONY WI-C300SONY WI-C300

 

【2】音質

 音質的にはやや左右の張り出しが強く意識される、頭を囲み込む音楽空間で、目線やや下に低域の足場、パーカッションも比較的張り出してきてしっかり聞こえるため、曲のメリハリ感や重量感は味わいやすい傾向。一方で高域は上方向への伸びやかさよりは左右に広がって、こちらに向かってのびてくる聞こえ方がする。そのため奥行き感の感覚もあるものの、全体的に音楽の骨格は近めに形成される印象で、周囲の雑音が多い外出時にも音楽の輪郭構造を楽しみやすいイヤホンという印象。

 

[高音]:上方向への開放感よりは左右に広がる伸びやかさ(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:奥行き感はそこそこにある。全体としては音が近めに響いてくるところもあるので、密度感も感じられやすい。

[低音]:目線やや下にほどよい厚みのある、若干ウェットな音味の足場を作る(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:左右の張り出し感があり、頭が囲まれる球状空間を感じる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:パーカッションも全体的に張り出して近めに感じられる。シンバルはややシャリつく傾向がある。ドラムに重さはそこそこあるが、深みはそれほど感じられない(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:比較的自然で厚みもほどよくあり、バランス感覚よく感じられる。

 

【3】官能性

 May'n & 中島愛「What 'bout my star ? @formo」はパーカッションの粒が細かくシャープでキラキラ明るい雰囲気は満点。ボーカルの透明度もあり、楽器音もまとまりよく、全体として透徹した雰囲気がある。ただしシンバルはややシャリ味が強く、人によってうるさげに思う場合もあるかも知れない。

 水瀬いのり&久保ユリカ「動く、動く」は全体的にシャープで緻密かつ軽快。リズムは重み余地は爆発力と粒の細かさでキレの良い輪郭感を出す。ボーカルは透明度高めでスッキリと綺麗に背景音を透かしながら、気持ちよくまっすぐ響いてきて、胸に沁みる。

 雨宮天「奏」は煌めき感はほどよく、深さと重みのあるベースの情感もよい。ボーカルも透明で息遣いも綺麗に出て、情緒がある。

 彩恵津子「海よりも深く」は全体的に軽快でエッジ感がしっかりしており、スッキリした感じが出ている。ギターのキレも良く、金管も色気があってなかなかにうまい。

 

【4】総評

 全体的に外出時に音楽を楽しむというコンセプトをよく追求している印象がある。価格的には音質水準や仕様の面からやや割高に思うものの、SONYブランドの名に恥じないバランスの良い使い勝手で満足感は高く思う。

 とはいえこれといって飛び抜けてすごいと思うところもなく、これより下位価格帯にも個性的で音質的にも面白いワイヤレスイヤホンがたくさんあることを考えると、押しが弱いのも事実で、わざわざこれに手を出す必要はあまりなくも思える。これより上のクラスにはさらに実力も評判も兼ね備えた実力機があり、それらと比べるとエントリーモデル並みのレベルを抜け出ていないようにも思う。もう一声下の価格帯であれば、印象もだいぶ違って見えるところがあるのだが。

※2018年9月現在、価格は落ち着いて平均4000円台になりました。相対的な魅力は高まっています。レビュー掲載時の平均価格は6000円台でした。

SONY WI-C300

 

【5】このイヤホン向きの曲

 若干ウェットで粘りがありながら、キレの良さのあるドラムの重みが心地よい。パーカッションや効果音が張り出してきて、濃厚な音楽空間が包み込んでくる。ボーカルは中央から左右に広くのびていき、空間を色づけする。手を伸ばせば清涼感のある情景に手が届くような充実感がある。(辛島美登里「モノローグを染めて」)

 

 ほどよく重く瞬発力のあるドラムがしっかり曲を引き締める。深掘り感はそれほど強くないものの、ベースの存在感もしっかり。中高域は透明感や煌めき観もあって眩しくきれいに表現されている。(黒崎真音「STEP」)

 

  ほどよく重みのあるドラムの足場の上にキラキラ透明感のある空間が展開される。冬の朝のような透き通った音楽空間が左右の定位感も良く包み込んできて、世界観にぐっと引き込んでくる。(折笠富美子「リセエンヌ」)

 

  圧倒的な勢いと緻密さがぐっと心を飲み込んでくる。ややエッジが強くキンキンしたところもあるが、音の立ち上がりはよく、全体的に細かく作り込まれ展開も早い世界観が丁寧に表現される。

 

 シャープでキレよく軽快なリズム表現は曲調の明るさ、楽しさをよく表現する。アニメ声のボーカルはやや鮮明度高めで場合によってキンキンに感じられるかもしれないほど透明度高め。(ブレンド・A「ぼなぺてぃーと♡S」)

 

ソニー SONY ワイヤレスイヤホン WI-C300 : Bluetooth対応 最大8時間連続再生 マイク付き 2018年モデル ブラック WI-C300 B

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【カナル型イヤホン SONY MDR-XB70 レビュー】量感のある低域が一番の魅力だが、中高域も精彩が感じられるバランスの良さがある

SONY MDR-XB70

ソニー SONY イヤホン MDR-XB70 : カナル型 ブラック MDR-XB70 B

 

おすすめ度*1

SONY MDR-XB70

ASIN

B00HZD3SP4

 独特の形状のハウジングの装着感は悪くない。若干抜けやすい気もするのだけが気になる程度。低域が利くせいか遮音性は良好で、音漏れも意外と少なめ。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、携行ケース。ケーブルのタッチノイズは若干ある。

SONY MDR-XB70SONY MDR-XB70

 

【2】音質

 中高域からほどよい距離感を保つ、量感のしっかりした低域が特徴的。ブーミーで厚みと重みもしっかりしているが、中高域を阻害しない。中高域もそこそこに精彩があり、全体的に若干のドライさは出るものの、それなりに味わえる。

 

[高音]:透明感もそこそこ感じられ、突き抜け感も比較的感じられる(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:緻密さもそれなりにあり、キラキラ感もなかなかに出る。

[低音]:ブーミーで厚みと重みのある音だが、深掘り感もあって中高域を阻害しない距離感がある(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:厚く深い足場の上に、やや広めの中高域が展開される(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ハイハットにはシャープな粒感がある。ドラムには厚みがあって、熱気も感じられる(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルはほどよい伸びやかさと突き抜け感が感じられるが、声質は若干ドライに聞こえる。

 

【3】官能性

 池田綾子「海の唄が聞こえる」はボーカルに伸びやかさと突き抜け感は感じられる。声質は若干ドライ。ピアノは重厚だが色づきも悪くない。

 petit milady「茜色のダイアリー」は重厚さがありながらもドラムにはタイトさも感じられ、中高域には色彩感もそれなりにある。ボーカルの突き抜け感も比較的きれいに出ている。

 多田葵「灼け落ちない翼」はキラキラ感のある中高域と重厚感のある低域がかなり密度高い音場を作っている。

 supercell「君の知らない物語」は熱気のあるドラムと粒感のあるシャープなハイハット、そして透明感のあるボーカルの組み合わせがきれいだ。立ち上がりも悪くない印象。

 

【4】総評

 低域は重厚だが、深掘りされて中高域を阻害しない。中高域にもそれなりの精彩があり、バランスは悪くない印象。低域をしっかり味わいたいが、中高域も犠牲にしたくないというわがままをかなり高いレベルで実現している。低域はブーミーな振動感あるが、ドラムの表面にはタイトな張りも感じられるため、ぼやけた感じにはならない。コスパは悪くない印象だ。

 

 SONY MDR-XB70

 

【5】このイヤホン向きの曲

 ボーカルは滑らかでみずみずしい。低域弦楽は深掘り感がある。低域に重みがあり、中高域とかぶらないが、音場をしっかりとまとめあげている。ほどよく広い。全体的にはややドライ。(Steve Conte「Living Inside the Shell」)

 

  優しくふわっとした浮揚感のあるボーカルは比較的きれいに出ている印象だ。厚みのある低域の足場の上にほどよく開放感のある中高域を感じることが出来る。(大藤史「風の魔法」)

 

ソニー SONY イヤホン MDR-XB70 : カナル型 ブラック MDR-XB70 B

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【ハイレゾ対応ヘッドホン SONY MDR-1A レビュー】のびやかで突き抜け感のある高域、充実した中域、すべてを優しく深淵から支える低域の三位一体

SONY MDR-1A

ソニー SONY ヘッドホン MDR-1A : ハイレゾ対応 密閉型 折りたたみ式 ケーブル着脱式/バランス接続対応 リモコン・マイク付き ブラック MDR-1A B

 

おすすめ度*1

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ASIN

B00NW353KE

 ヘッドバンドの当たりは良く、軽めの装着感だ。イヤーマフは柔らかく密着度も高くて心地良いが、蒸れやすいところがある。ケーブルは着脱式。

 遮音性はそこそこ高く、音漏れは少なめ。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はキャリングポーチ、マイクリモコン付きの替えケーブル。ケーブルにタッチノイズはない。

SONY MDR-1A

 

【2】音質

 全体的に発色が良く、色気のある音質。高域はかなり突き抜け感もあり、清涼でのびやか、中域は広めの空間に楽器の色気をこれでもかと詰め込み、低域は熱気のある音場を作る。いかにもソニーらしい、個々の音に配慮しつつ、全体的にうまくまとめあげている印象だ。女性ボーカルの艶のある表現は巧みというほかない。

 

[高音]:突き抜け感もあり、クリアで伸びやか(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:色気のある音に魅力たっぷり。音場は広く感じられ、空間性にも秀でている

[低音]:熱気を閉じ込めながらしっかりと足場を作る音。振動にはかなりの厚みがあり、ヴォーッと言う幅のある音を鳴らす。減衰は素直(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:篭もった感じがなく、広く開放的な音場で、奥行きも左右もしっかりとある球状空間(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラム優位気味だが、ハイハットにも粒感があり、ドラムの弾みも良いので、疾走感もかなり出ている(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:息遣いと空気感、突き抜け、のびやかさはどれも秀逸。コケティッシュな艶やかさもあって女性ボーカルに妙味あり。

 

【3】官能性

 UVERWorld「CORE PRIDE」は地熱のあるドラムがバスンバスンと厚く重く響く。そうしてできたはっきりとした音場は広く、爆発力に満ちていて、クリアなボーカルがのびやかに飛び回る。弦楽にも精彩があるが、ピアノの色気も鮮やか。肉厚なボーカルはそうした熱気と色彩を推進力に変えて力強く、しなやかにまっすぐ穿ってくる。

 水瀬いのり「Lucky Clover」は立ち上がりと抜けの良い音楽表現。提起は量感と存在感があるが、中高域を邪魔せず、奥の方の音まで精彩を奪われずはっきりと聞こえる。ピアノの色彩感がしっかり出ているため、弦楽とともに細かな味付けを曲に加えて飽きさせず、ややもすると単調になりやすいこの曲を陳腐なものにさせない。

 nano.RIPE「影踏み」はボーカルが伸びやかでクリアに突き抜けていく、その貫通力に中毒性がある。低域も勢いがあり、ハイハットは粒感があって疾走感を演出する。全体的に楽器の立ち上がりが良く、アタック感も出ていて、エッジ感がありキレのある楽器とのびやかなボーカルが一体となってメリハリのある音楽を作っている。

 May'n & 中島愛「ライオン」は発色と立ち上がりのよい表現が、この曲の特徴である、入れ替わり立ち替わり現れて曲に煌めきと推進力を与える多様な楽器音を、密度と勢いのあるものにしている。丁寧に広さも維持されていて、楽器達が演出する十分な音場の中を、のびやかで力強いデュエットが絡み合いながらしっかりと展開していく。ボーカルはみずみずしさと煌めき感を失わず、精彩の強い楽器を身に纏うようにリードしていくが、それはまるで星々が輝く宇宙を流星群が身を焦がしながら穿っていくような熱気と力強さがある。

 (K)NoW_NAME「Knew day」は勢いと熱気のあるドラムに味わいがある。そのドラムのリズム感の上に、立ち上がりと抜けが明瞭でメリハリのある楽器音がまとまりよく展開される。ややもすると表現過剰になりやすく、ガチャガチャしがちな曲であるが、広い空間と適度なキレのよさがそうした豪華な楽器の演出を一貫性のある形にし、それを可能にするだけの十分な空間を丁寧に作り上げている。ボーカルも抜けが良く、のびやかで突き抜け感がある。

 

【4】総評

 付け心地はなかなかに快適で、音楽に集中しやすい。広い音場とそれを満たす精彩のある音楽表現が何よりも魅力で、低域も深さと密度がありながら反動は優しく、中高域を邪魔しない。中高域の音にはメリハリ感があって、高域ののびやかさと突き抜け感もレベルが高く、確かな表現力を感じる。その丁寧な表現力の作り出す音楽はどれも楽しく、ジャンルを選ばない万能さがある。

SONY MDR-1A

 

【5】このヘッドホン向きの曲

 立ち上がりが良く、発色のしっかりした表現力を味わうならこの曲。みずみずしくのびやかで突き抜けていくボーカルが色彩感の強い背景に埋もれず、明瞭にまっすぐ聞こえてくる。

 

 全体的に音の立ち上がりがよく、かつなめらか。金管に色気があって、遊び心を感じるとても楽しい空間。単調になりやすい曲だが、このヘッドホンで聴くと奥行き感が丁寧に出るので、味わいが断然違う。

 

 弦楽とピアノの色彩、低域の厚み。すべてが濃厚な音場を味わうならこの曲。(菅野よう子「NHKスペシャル China Main Theme」)

 

 全体的に音に色気があり、ボーカルもコケティッシュ。躍動感のあるしっかりとした低域が脈動をしっかりと表現している。

 

 密度が高く、ややボケやすいこの曲も、立ち上がりよくメリハリのある表現でまとめあげる。ボーカルの重なり、立ち替わりも楽しく、色気もたっぷり。背景の音も潰れず細かにしかも一定の広さと定位感を持って表現される。

 

ソニー SONY ヘッドホン MDR-1A : ハイレゾ対応 密閉型 折りたたみ式 ケーブル着脱式/バランス接続対応 リモコン・マイク付き/ハンズフリー通話可能 ブラック MDR-1A B

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【aptX対応ワイヤレスイヤホン SONY MDR-XB80BS レビュー】ドライでビターなテイストが魅力の低域重視型モデル

ソニー SONY ワイヤレスイヤホン MDR-XB80BS : 防水/スポーツ向け Bluetooth対応 リモコン・マイク付き ブラック MDR-XB80BS B

 

おすすめ度*1

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B01M0PKNUJ

 かなり大きめのイヤーフック形状をしたワイヤレスイヤホン。耳当たりは意外に柔らかく、装着感は良い。遮音性はそこそこあるが、音漏れは少し目立つ。

 aptX、LDACに対応する。通信は安定しており、音飛びや遅延はなかった。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、キャリングポーチ。ケーブルにタッチノイズはほとんどない。

 

 

【2】音質

 音質的にはかなり厚みがあるが、躍動感もある低域が魅力。中域はほどよい広さ、高域はそこそこののびやかさがあるが、全体的にドライ。味付けとしてはやや暗めに感じられ、肉厚さも結構あるのでほろ苦い深煎りな曲調になる。

 

[高音]:ドライ気味(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:そこそこ広さとほどほどに情感も感じさせるが、やはりドライな傾向。

[低音]:ブーミーで厚みがあるが、弾け具合も良好で躍動感もあり、ほどよい深掘り感もあるので地熱も感じられる良質と思える低域。振動は太くしっかりしている。100hz~20hzまで素直に減衰する(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:奥行き感もあり、下も深めで広めの空間(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラム優位だが、ハイハットも粒感と精緻さがあって細やかに出るので若干の疾走感は出る。しかし全体的には安定感が高め(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:女性ボーカルはやや暗い。息遣いはよく出る。

 

【3】官能性

 戸松遥「ユメセカイ」はボーカルに生々しさがある。やや暗めだが、息遣いは感じられて温度感はそこそこ。楽器音はそこそこ広く、低域は空間にほどよいリズムと重みを与えていて、やや重厚で大人びた曲調。

 GARNiDELiA「BLAZING」は低域の密度と量感が強め。重厚な味わいで、ボーカルはドライ。やはり全体的に大人びた印象。

 いきものがかり「泣くもんか」は息遣いが良好。低音の利きが深く、全体として胸に深く落とし込んでくる説得力がある。音場は広め。色合いは落ち着いているが、弦楽に情感があり、ドライに寄っている表現ではあるが、決してグレースケールな味わいではない。

 井口裕香「Hey World」は密度高め。ボーカルの息遣いが感じられ、ハキハキしており、厚みもそこそこ。とはいえ高域ではやや乾き、やはりドライ。熱い低域が音場を深く沈んでから反発するような躍動的なものにしていて、トランポリンのようにボーカルに弾みをつけている。

 

【4】総評

 低域中心にビターなサウンドを味わえる。ドライな傾向があるが、決してみずみずしさが失われてすぎてはおらず、アニメ声でもそこそこつややかに聞こえる。高域ではやや乾燥が目立ちやすいが、中低域ではつややかさも増しており、躍動感もあってしっかりとしたのどごしが感じられる。

 

 

 

【5】このイヤホン向きの曲

 ボーカルは息遣いがリアルでドライな表現も大人びた雰囲気に合う。空間の密度も良好で、やや重たげではあるものの、色彩感のあるピアノが空気に満ちている。全体的に重厚で濃密であり、満腹感がある。

 

 ボーカルはややドライではあるが、息遣いがきれいに出て、のびやかさもそれほど失われていない。若干頭が重たげな場面もあるものの、高域での突き抜け感も結構出ているので乾燥した感じは薄い。低域付近の厚みがボーカルを躍動的に支えている。

ソニー SONY ワイヤレスイヤホン MDR-XB80BS : 防水/スポーツ向け Bluetooth/LDAC/NFC対応 リモコン・マイク付き/ハンズフリー通話可能 ブラック MDR-XB80BS B

 

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【ハイレゾ対応イヤホン SONY XBA-N3 レビュー】濃密な空間表現が味わい深い。音が空間的に響いてくるその姿を丁寧に再現しようとしている

ソニー SONY イヤホン ハイレゾ対応 カナル型 ケーブル着脱式 XBA-N3

 

おすすめ度*1

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B01LWT2XXX

 特徴的なハウジングが独特の雰囲気を持っているSONYのカナル型イヤホン。装着感はそこそこよく、遮音性良好で音漏れ少なめ。ケーブル着脱可能だ。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、携行ケース。標準の付属ケーブルのタッチノイズはやや目立った。

 

【2】音質

 バランスドアーマチュアとダイナミックのドライバーを合わせたいわゆるハイブリッド型だが、音質的には思ったより高域はおとなしい。SONYのハイブリッドイヤホンは高域の鮮明なものが多かった印象だったので、これはやや意外だ。低域も自己主張が強い感じではなく、空間に響く音で重くさせず、空間的な色合いを大事にしているような音質だ。そのためXBA300のような鮮明な中高域を期待すると、ややとまどうことになる。空間性重視のモデルのようだ。

 

[高音]:高域は少しおとなしい。鮮明さやキラキラ感はそれほどなく、自然な感じで場合によって少し暗めに感じる(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:空間的な広さをよく感じさせ、ゆったりとしている。とくに空間に伝わる破裂音系の効果音に勢いがあり、そうした空間演出はうまい。

[低音]:ドラムは空気への伝わりがよい、直接的な重みはやわらげられている印象。空間にエネルギーを伝えるポンポンという感じの音。振動はブーッという若干厚めで少しぼんやりする感じ。減衰は素直で荒れはない(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:全体的に広さ重視だが、密度もそこそこある(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムは空間に響く。中高域をそれほど邪魔しないが、やや支配的でリードする展開が多い(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:自然な味わい。場合によって若干暗め。息遣いはかなりきれいに出ている印象。

 

【3】官能性

 petit milady「azurite」はドラムが良質。軽快さもありながら、空間に直接的に出過ぎない感じにしっかりと重みを響かせていき、空間全体をタイトに引き締めている。ボーカルは軽めだがキラキラ感はそれほどなく、自然で若干おとなしめ。

 ZAQ「Sparkling Daydream」はピアノの表現が上品かつ鮮明。効果音は出すぎないが、空間への利きがよい。ボーカルは若干肉厚で全体的に少し重厚な色合いになっている印象を受ける。

 東山奈央「Hello Alone -Yui Ballade-」はボーカルの囁くようなしっとり味が情緒的。空間への溶込み具合が全体的に秀逸で、楽器音も濃密に空間に混ざり込む。はちみつのようなとろみの感じられるスイートテイストに仕上がっている印象だ。

 

【4】総評

 空間表現の広さと濃密さに特徴がある。思った以上に高域重視ではない印象で、ボーカルは場合によっておとなしく感じるほど自然な味わい。あらゆる音が空間に溶け込んでいく感じがあり、個々の音の鮮烈さには若干欠けるところがある気がするが、その表現力は本物。原音忠実主義を目指しているというのも、音のある空間丸ごとの表現を目指していると考えれば頷ける。低音の空間に響く鳴り方などはまさに現実生活での低音の聞き方に近いからだ。

 

 

【5】このイヤホン向きの曲

 濃密な空間表現を味わうならこの曲。こんこんとわき出すような音の鳴り方、空間に満ちていくその雰囲気がうまく出ており、そこにボーカルがゆったりとあふれ出して調和していく。(やなぎなぎ「音のない夢」)

 

  空間に濃密さがあり、弦楽の彩りが空間全体に広がっていく。ボーカルは大人びてしっとり。全体的にセピア色に色づいている印象を受ける。(ROUND TABLE featuring Nino「夏待ち」)

 

 リズム感がしっかりしていて、ドラムの利きが良く、タイトなリズム感が空間全体を引き締める。ボーカルはしっとりさと息遣いの聞こえが良く、みずみずしさと成熟した酸っぱさも感じさせ、そうした香りがドラムのリズムに乗ってくる清涼感がある。

 

 充実した空間表現を楽しむならこの曲。空間に次々定位感を持って加わる音がどんどん濃密で味わい深い情景を描いていく。

 

ソニー SONY イヤホン XBA-N3 : ハイレゾ対応 カナル型 ケーブル着脱式 XBA-N3

 

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【カナル型イヤホン SONY MDR-EX250 レビュー】空間表現の広さに妙あり。スカスカしたところはあるものの、繊細さのある音は低価格とは思えないほど上質

ソニー SONY イヤホン MDR-EX250 : カナル型 ブラック MDR-EX250 B

 

おすすめ度*1

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B00ZE3V2BO

 小型のハウジングで耳になじむ。遮音性はそこそこ高く、音漏れもほとんどない。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、携行ケース。細身のケーブルのタッチノイズはほとんどない。

 

 

【2】音質

 広がりへのこだわりを感じる音質。全体的になめらかで、しかし緻密さを失っていない。そしてイヤホンという耳に近い機器でありながら、音の圧迫感を感じさせない、痛いとことも刺さるところもない鳴り方。全体的に優雅さを感じさせ、耳に優しい。そのせいかややおとなしく、量感は感じづらいが、耳が慣れてくると味わいが増してくる印象だ。どちらかというと低域寄りでドンシャリイヤホンという分け方になるかもしれないが、ドンドンした感じのない低域とシャリ感はあまりなく力なく消え入る感じが強い高域の特徴を考えると、ドンシャリという表現はややこのイヤホンの印象とは異なるだろう。

 

[高音]:高域はやや天井感がある。明白な頭打ちは感じないが、それでものびやかさには若干欠ける印象(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:ピアノは柔らかく、ポロンポロンという優しい鳴り方。全体的に中域は広く、奥まった感じでスカスカしているところはある。

[低音]:全体的にやわらかい弾みを感じ、地鳴りに近い空間下方向に広がる鳴り方100hz~20hzまで素直な減衰で40hz以下はほぼ聞こえない。荒れた振動域はなく、下へはかなり深掘りされて聞こえる(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:とにかく広い音場。全体的にのびやかで奥行きを感じさせ、圧迫感はない。最初の印象では音が遠く小さく感じられるが、耳を澄ませると音像ははっきりしており、澄み渡るといった感がある(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:精度は高く、意外と鮮明に聞こえるが、全体的に強調されないので、曲調はどれも比較的穏やかに感じられる(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:やや暗く感じられるが、中低域は活き活きしている。高域は若干弱い。

 

【3】官能性

 分島花音「killy killy JOKER」は弦楽がやや控えめでパーカッションが目立ち、疾走感強めに感じる。低域も重みを直接伝えてくるというよりは重みから発せられる衝撃波と地鳴りが伝わってくるような実感があり、空間性が感じられる。

 多田葵「灼け落ちない翼」は広くスカスカしてしまうところがあり、ボーカルが孤立している印象に聞こえる。全体として空虚で寂しく感じられる。ボーカルのサビでののびやかさも力強さや明るさがうまく出ていないような感があり、やや元気なく感じられる。

 ZAQ「Inside Identity」はイヤホンによっては圧迫感が強い曲だが、このイヤホンでは全く圧迫感を感じず、やや広めの部屋でスピーカーを並べて聞いている印象。すっきり気味で全体的にやや暗く感じられる。量感の強いイヤホンになれていると、味気ないようにも思えるが、聞き疲れするところはなく、よく聞くとアタック感などは結構しっかりしており、ミニチュア的ではあるものの、満足度は高い。

 Rasumus Faber「Eternal Wind JAZZ Ver.」の低域はかなり上品で、空間演出に注力しており、リズム感は控えめ。ピアノが鮮やかかつ優雅で品格がある。やや迫力と量感が不足して感じられるが、やや離れたところから聞いているような空間の広さは秀逸。

 

【4】総評

 低価格イヤホンでは随一といっていいくらいの広い表現が魅力。一般的なイヤホンと比べるとおとなしめに感じるので、最初は味気なく感じるが、聞き慣れてくると、聞き疲れせず、ほどよい繊細さもあり、気に入れば他のイヤホンとは明らかに違う魅力に気づく。好みは分けそうであるが、低価格とは思えない空間表現力を持っているのは事実で、それだけ考えればコスパは悪くない。が、広さに偏りすぎているところもあり、万人向けという感じではない。

 

 

 

【5】このイヤホン向きの曲

 全体的に圧迫感がなく、この曲の切迫感はあまり感じないかも知れないが、音の定位感は秀逸でじわじわとくるものがある。

 

 サビ後の空間的な中毒性はなかなかにうまく出る。低音の表現も空間性重視のこのイヤホンに合う。(NIRGILIS「kiseki」)

 

 低域が広さを表現し、各楽器の鳴り方も低価格とは思えない繊細さがあり、オーケストラサウンド向きといえる。(すぎやまこういち「遥かなる旅路~広野を行く~果てしなき世界」)

 

ソニー SONY イヤホン MDR-EX250 : カナル型 ブラック MDR-EX250 B

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

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